(短編集)

思い出は満たされないまま



※タグの編集はログイン後行えます

【この小説が収録されている参考書籍】
オスダメ平均点

8.00pt (10max) / 1件

8.00pt (10max) / 1件

Amazon平均点

4.00pt ( 5max) / 3件

楽天平均点

3.60pt ( 5max) / 11件

みんなの オススメpt
  自由に投票してください!!
1pt
サイト内ランク []B
ミステリ成分 []
  この作品はミステリ?
  自由に投票してください!!

63.00pt

0.00pt

2.00pt

0.00pt

←非ミステリ

ミステリ→

↑現実的

↓幻想的

初公開日(参考)2015年04月
分類

短編集

閲覧回数1,907回
お気に入りにされた回数1
読書済みに登録された回数1

■このページのURL

■報告関係
※気になる点がありましたらお知らせください。

思い出は満たされないまま

2015年04月03日 思い出は満たされないまま

神社で神隠しに遭う少年、ホームレスの奇妙な生活を垣間見る青年、意外な過去を持つ金髪の老人……。この団地には全てが詰まっている、喜びも哀しみも。新鋭が叙情豊かに紡ぐ、少し不思議な7つの物語。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

思い出は満たされないままの総合評価:8.00/10点レビュー 4件。Bランク


■スポンサードリンク


サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(8pt)

「思い出は満たされないまま」の感想。心温まる短編集。

心温まる短編集 良作です。

東京郊外にあるマンモス団地を舞台にした7編が収められた短編集です。
団地というのは大勢の人が住んでおり、さまざまな店舗や病院、郵便局などがあります。
また学校や保育園などもあったりして、そこから出なくても極端な話生活が成り立ってしまう
ある意味一つの閉じられた町という感じがします。
それゆえそこには無数の物語が存在するのです。

7編はそれぞれが独立した物語ではありますが、全体が上手くつながっていて
しかも同じ団地内ですから、登場人物も当然共通していたりします。
その人間関係のアヤもこの作品の大切な要素の一つですが、さらに大きな魅力は
SF的な仕掛けです。具体的には書けませんが、この仕掛けが上手く功を奏しているのでは
ないでしょうか。派手さはありませんが、心温まる佳作としてお薦めします。

作者の一番言いたいことは、みんながちょっとした勇気を持てば、人生は変えられるというものでは
ないかと思います。あのときああしていれば、こうしていれば、という小さな後悔の連続、積み重ねが
思い出なのではないかとあくまでも個人的解釈ですが、そう感じますね。

「しらず森」
団地のそばの神社の裏手にある小高い丘、通称ひょうたん島で、団地に住む尚之少年が
神隠し?にあう話。ひょうたん島は全編通して、重要な場所になっています。

「団地の孤児」
団地内の敷地に住むホームレス、キリストおじさんを扱った作品。意外な結末がもの悲しい。

「溜池のトゥイ・マリラ」
溜池で釣りをする老人と、亀の話です。

「ノートリアス・オールドマン」
変わり者の小池老人の意外な正体とは?

「一人ぼっちの王国」
引越しの不用品のワープロのフロッピーに収められていた小説と
その書き手の謎。

「裏倉庫のヨセフ」
尚之に妹が出来た話と、謎の螺旋階段の話です。

「少年時代の終わり」
最初の「しらず森」ともつながる話であり、ある意味SF的な仕掛けも施された
作品。読後、胸がきゅんとなるようなそんな感動がここにあります。


いわし雲
78XRDN1A
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.3:
(3pt)

朱川作品のテーストだが

とある団地が舞台の連作短編集。しかも、昭和の匂いがします。こういうテイスト、大好きなんです。

どのエピソードもそれなりに面白いのですが、個人的には元プロレスラーの話と、最後の「少年時代の終わり」が好みです。捻りがいい。

でも、この種のお話は朱川湊人さんの作品群に、より見るべきものがあるように思います。少なくとも、私はそっちが好きだし、皆さんにもお薦めします。
思い出は満たされないまま (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:思い出は満たされないまま (集英社文庫)より
4087456129
No.2:
(5pt)

明日に向かうノスタルジーを丁寧に描き出した良作

著者の作品は二作目だが、丁寧で完成度の高い文章をまず高く評価したい。難しさはないが、粗さや無茶もない、中学生くらいでも、あるいは小説が苦手な方でも読みやすい作品だろう。

タイトルや表紙からはイメージしづらい作品だが、老朽化した団地を舞台にした連作で、複数の登場人物が何度か登場して、次第に交差していく構成は著者の得意とするところで、最終話で見事に結実する作品世界とテーマは、派手さや奇想天外あるいは伏線とは違うが、作品を読み終えた充足感が心地よい。

個人的には、ノスタルジックな「古き良き」友情を扱いながら、ビックリするタイトルである「ノートリアス・オールドマン」が一押しだが、SFチックな要素もあり、読んでいて飽きない。
思い出という過去の記憶は、決して満たされることはないが、しかし、私達の明日は、明日を未来をよくしたいという気持ちがあれば、いつか満たされるものかもしれない。人によっては、そんな聞いたようなテーマは好きではないかもしれないが、満たされない何かにイラッとしたような顔やネットの言葉ばかりが目に付く昨今を思うと、本作が与えてくれるものは誰に対しても伝わるのではないだろうか。
思い出は満たされないまま (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:思い出は満たされないまま (集英社文庫)より
4087456129
No.1:
(4pt)

シンプルな上手さ。

ベタな連作短編集だが構成が非常にうまい。

ストーリーがちゃんと前後でつながっており、
あの話のあのキャラはこの話のあのキャラで……という定番のリンクにも読んでいれば気付く楽しさがある。

ネグレクトを想起させる冒頭も引き込み方が上手。
思い出は満たされないまま (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:思い出は満たされないまま (集英社文庫)より
4087456129



その他、Amazon書評・レビューが 3件あります。
Amazon書評・レビューを見る     


スポンサードリンク