風を彩る怪物
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荘厳な響きが聴覚を包みこむような感覚。 まさかこれを本で味わえるとは! 主人公は音大志望のフルート奏者と権威あるパイプオルガン職人の娘。 困難を前にして目標を見失いかけていた2人が、 必死でオルガン作りに向き合おうとするなかで、刺激し合い、 確固とした進むべき道を見出していきます。 はじめは分かり合えないように見えた彼女たちの関係が変わっていく展開。 いいですね。 気分屋なオルガン奏者の活躍も面白かった! この作品に出会えたおかげで、 本物のパイプオルガンの音色にも酔いしれてみたくなりましたよ。 (対象年齢は13歳半以上かな?) | ||||
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オルガンビルダーという特殊な仕事、それに関わる周囲の人々の物語。 テーマは一貫して「音」に集中している。自然界に存在する音の世界と、パイプオルガンという人工物の奏でる音の織りなすドラマは一部ミステリー仕立てになっており、ラスト向け一挙に伏線が回収される様は、とても爽快。音楽の世界を文章化するのは難しいが、その課題も上手くクリアしている。 | ||||
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「本が好き」のレビューで読む気になった。音楽がテーマの小説である。 主人公は陽菜(はるな)。音大受験を控えている浪人生で、7歳からフルートを吹いている。姉の亜季に誘われて奥瀬見という田舎にやって来た。亜季は高校からホルンを始め、今も続けている。陽菜は奥瀬見で演奏会に出ることになった。 しかし、陽菜は問題を抱えていた。1年ぐらい前から、フルートを吹くと、唇や手が震えるようになったのだ。原因は分からず、医者に診てもらっても治らなかった。そのせいで、音大の試験に落ちたのだ。それから4か月間フルートに触っておらず、元の状態に戻るためのきっかけを得ようとして奥瀬見に来た。 ここで彼女は楽器職人の芦原幹(あしはらみき)とその娘の朋子(ともこ)と出会う。そして、オルガンの音を聴いて「面白い」と感じる。久しく持たなかった感情である。 陽菜がフルートを吹けなくなったのは、高校3年生で出たコンクールの後だった。自分では納得のいく演奏ができたのだが、そこに出ていた3人の高校生がずば抜けた才能の持ち主で、1位から3位まではその3人が独占した。4位以降は順位を付けないという方針だったため、陽菜は自分の順位が分からなかった。 芦原のオルガン作りを手伝い、オルガンという楽器に魅了されていく陽菜。そして、彼女が選んだ道は……。 そして話は芦原朋子の方に移る。 朋子の母はオルガン奏者だった。オルガンの演奏中にオルガンの下敷きになって死んだのだ。 そして、父の幹も亡くなった。それでも朋子は、父と一緒に作っていたオルガンを完成させる決心をする。 しかし、芦原幹がどういうオルガンを作りたかったのかが分からない。それを知ろうとして、朋子は幹が作ったオルガンの演奏を聴いたりする。 その後、幹が目指した音を作り上げるには、陽菜の優れた耳が必要だと気づいた朋子は、強引に陽菜にオルガン作りを手伝わせる。 オルガンが完成するかどうかは読んでいただくしかないが、オルガンは思ったよりずっと複雑な楽器だということが分かった。色々なパーツがあり、職人の腕だけでなく、音楽の才能や人と交渉する能力も必要になる。 オルガン作りも含め、音楽の深みと広い世界を存分に表現した小説と言えるだろう。 | ||||
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