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彼女が家に帰るまで



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【この小説が収録されている参考書籍】
彼女が家に帰るまで (集英社文庫)

彼女が家に帰るまでの評価: 7.00/10点 レビュー 2件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(7pt)

ミステリーというよりも、人間ドラマみたいな

昔のアメリカって、こんな感じだったのでしょうか。
ご近所との距離感や「男は外で働いて女は家を守る」これって、本当だったのでしょうか、たぶん本当のことだったのでしょうが
にわかに?信じがたいことで、それが意外でした。
物語としては十分ミステリーなのですが、私はこの時代のアメリカに(生々しくて)魅力を感じました。
食べ物が沢山紹介されている点も私好みで、あと飲み物の紹介がもっとあったら、時代を写す?鏡になったのかも。、

「地中の記憶」はそれほど面白い小説とは思わなかったのですが、この「彼女が家に帰るまで」はアメリカの生活に
興味がある方には是非お勧めです。
レシピを検索して、作ってみたいな~と、思ったほどでした。

ももか
3UKDKR1P
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

じわじわ来る、イヤな感じ

デビュー作でエドガー賞処女長編賞を受賞し、2作目の本書が2014年度エドガー賞長編賞にノミネートされたという、新進作家の注目作。坦々とした展開の中、じわじわと不安感が積み重なってゆく静かなサスペンス作品である。
長期的な不況への入口に立っている1958年のデトロイト郊外の小さな白人コミュニティに暮らす主婦たち。繁栄した50年代のアメリカ中産階級の典型のような彼女たちも、自動車産業の衰退、近隣に進出してきた黒人たちなどの不安を抱えるようになっていた。そんなある日、夫たちが働く工場の近くで黒人娼婦が殺害される事件が発生、さらに数日後、コミュニティの一員で知的障害がある若い白人女性が行方不明になった。黒人娼婦の事件には無関心だったコミュニティも、白人女性の捜索には地域の全力を挙げて取り組むことになる。
ストーリー展開の中心は行方不明者の捜索なのだが、作品のテーマは、時代の影響を受けて変化して行く主婦たちの心理である。満ち足りた、平凡な生活を送っているように見える主婦たちだが、それぞれに不安や心の闇を抱えており、それが互いに影響し合って、複雑な心理ドラマが展開される。そして最後、もうあの時代は戻って来ないことが明らかになる。
静かなストーリー展開にも関わらず、じわじわとサスペンスが高まって行く上手さは新人離れしたテクニックである。殺人、行方不明ともに、解決方法にあいまいさが残るのは、本作品のメインはそこには無いということだろう。
謎解き、本格ミステリーファンには不満が残るだろうが、社会派作品、心理ドラマ好きの方にはオススメだ。

iisan
927253Y1

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