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(短編集)

中野のお父さん



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中野のお父さん

中野のお父さんの評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
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No.1:
(7pt)

「中野のお父さん」の感想

子どもが持ち込んできた事件のあらましを聞いて、その謎を親が解決するという話は、都筑道夫の「退職刑事」や、ジェイムズ・ヤッフェの「ママは何でも知っている」と言ったミステリが有名ですが、本書も同じような傾向(安楽椅子探偵もの)の話になっています。
ただ、それらの二作と違うところは、殺人事件の犯人探しでは無く、日常の謎を扱っていると言うところです。

出版社につとめる娘が持ち込んできた話を、あっという間に解決してしまう(作者が創った謎を作者が解くのだから当たり前)のは良いとしても、その話が発端となって、思いもかけない広がりを見せてくれるというのは、読んでいて大変楽しくなります。

特に、「闇の吉原」には、感心してしまいました。
「闇の夜は吉原ばかり月夜哉」と言う俳句の、切る場所で意味が違ったり、接続詞が変われば大きく意味が変わったりするという話は、興味を引くものでした。
この話は、泡坂妻夫さんの短編集「煙の殺意」に収録されている「椛山訪雪図」(未読です)でも扱われていると言うことなので、この際に読んでみたくなりました。

ただ、一話ずつの話が短いので、何か物足りなさを感じてしまいますが、読後感は悪くありません。むしろ、シンプルな謎なので、話しもわかりやすく、いろんな人に受け入れられるのではないでしょうか?
ただ、この表紙の絵はいただけません。
シャレじゃ無いですが、この表紙を見て、拍子抜けをしてしまい、一度は購入するのを躊躇したほどです。

感想では無いですが・・・、
本を読むときにはほとんどの場合、主人公の視点で読んでいくことが多いのですが、読み進めていく内に、いつの間にか主人公の父親に感情移入して、読んでしまっていました。
好きな本について語り合える娘が居たら、楽しいでしょうね・・・。

トラ
WFY887SY

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