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あなたが消えた夜に



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【この小説が収録されている参考書籍】
あなたが消えた夜に
あなたが消えた夜に (毎日文庫)

あなたが消えた夜にの評価: 6.67/10点 レビュー 3件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.67pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(8pt)

あなたが消えた夜にの感想

 ロジックを駆使した正統派のミステリ小説ではありません。しかし、この世に生きるものすべてが感じる「大いなる闇の論理」とでもいうべきものが、作品全体を通して痛切に伝わってきます。また、作中の人物によるさまざまな言葉に、作者の思いが色濃く込められているのがよくわかりました。ミステリとしても十分楽しむことができますし、文学史上においても貴重な作品として語られるに十分な小説だと思います。

▼以下、ネタバレ感想

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tacu
GWKVNW0Y
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

神の不在を問う犯罪者たち

中村文則の初の警察小説。期待した以上に完成度が高い、純文学でもあり、エンターテイメントでもある傑作だ。
連続通り魔事件の捜査本部に属する二人の刑事、中島と小橋のコンビは、共に捜査本部では主流になれない訳あり同士である。目撃証言から犯人と目されている「コートの男」の実態がつかめないまま、模倣犯ばかりが増え、捜査は行き詰まってていた。そんな中、二人は事件関係者の接点を掘り下げる独自の捜査によって徐々に真相に近づいて行った。するとそこには、被害者と加害者が入り乱れる、深くて巨大な闇が広がっていた・・・。
前半は警察小説のスタイルをとっていて、捜査のプロセス、刑事たちのキャラクター設定も巧い正統派ミステリーだが、最後の1/3は犯人の独白による犯行実態の解明という意表をつく展開になる。この構成に違和感を感じる読者もいるだろうが、この部分がある種、ドストエフスキー的とでも言えばいいのだろうか「神の不在」を問う、作品の肝(キモ)になっている。
純粋な警察小説としては違和感があるものの、ミステリーファンにも純文学ファンにもオススメしたい。

iisan
927253Y1

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