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絶叫



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【この小説が収録されている参考書籍】
絶叫
絶叫 (光文社文庫)

絶叫の評価: 8.07/10点 レビュー 15件。 Sランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.07pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全6件 1~6 1/1ページ
No.6:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

絶叫の感想

貧困から抜け出すために徐々に堕ちていく陽子の姿を生々しく描いている。前作『ロストケア』よりもミステリー色は強め。伏線が多く散りばめられているがその回収も見事。かなりボリュームがあるが無駄な描写がなく綺麗にまとまっている。是非読んでもらいたい一冊。

BOY
IM7XWAPW
No.5:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

絶叫の感想

この方の「ロスト・ケア」よりもいいですね。
「ロスト・ケア」と同様、社会派小説です。
でも、ミステリー感も満載。
鈴木陽子・奥貫綾乃・事件関係者の供述、この3点の視点でストーリーが展開する。
この3点が最後に1点に終結するであろうことは、平易に読み取れるが、その終結感もお見事でした。
文章は読み易いです。ページ数は多いですが、これくらいあった方が読みごたえがありますね。
じっくり読みたい方には、お勧めです。

▼以下、ネタバレ感想

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マッチマッチ
L6YVSIUN
No.4:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

絶叫の感想

鈴木陽子の半生を追いかけながら、視点が切り替わりつつ物語が進みます。
全体の流れや展開、登場人物たちの心象を様々な視点を通すことで掴めるようになっていく構成は見事でした。
女性の転落を題材とする作品は少なくないですが、単にそれだけではない引き込まれてしまう展開が、本当に面白かったです。

LN
XL1SRHRZ
No.3:7人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

平凡に生きることさえ困難な世の中なのか

デビュー作「ロスト・ケア」で鮮烈な印象を与えた葉真中顕の長編第二作は、デビュー作以上に衝撃的で面白い社会派ミステリーである。
国分寺市の単身者向けマンションで、死後数ヶ月を経過した女性と十数匹の猫の死体が発見された。同じ室内に閉じ込められた十数匹の猫に喰われて骨になっていたのは、この部屋の住人・鈴木陽子40歳で、いわゆる孤独死だと思われた。身元確認と遺族への連絡のために国分寺署の刑事・奥貫綾乃が調査を始めてみると、その戸籍は極めて複雑怪奇だった・・・。
調査を進めるとともに次々に表われてくる、連続保険金殺人の疑い。それと並行して語られる、鈴木陽子の生い立ちと変貌の物語。そしてもう一つ、悪徳NPO法人代表の殺害事件の関係者の証言。この三つが織り成すストーリー構成は緻密でスリリング、ページを追うごとにぐいぐい引き込まれていく。
孤独死、貧困ビジネス、保険金殺人、サラ金、売春など、現在の社会不安を見事なミステリーに仕立て上げた傑作である。平凡な家庭に、平凡な才能と容姿を持った子供として生まれた女性が、平凡に生きようとして叶わなかったとき、どのような選択肢が残されているのか?
社会性のあるミステリーが好きな方には、絶対のおススメ作である。

iisan
927253Y1
No.2:6人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

絶叫の感想

超絶オススメの作品。

主人公である一人の女の転落人生を描いた作品、なんて感じながら読んでいましたが、それだけならこんな高評価な訳がないですね。
3つの視点と時系列で物語は進行します。
気になって仕方ないのが、主人公の転落人生、すなわち彼女の過去が描かれるパートなのですが、ここだけ二人称で描かれています。
普通、どこか叙述系のトリックを警戒してしまいがちですが、そういう技巧に走ったモノではありませんでした。
二人称である事の意味がラストに明らかになりますが、最近多い技巧に走る作品が稚拙に思えてしまうほどでした。
その必然性を感じる事が出来て、ストンと綺麗に腹落ちしましたね。これが個人的にツボでした。

たかが「自分のための居場所」を求めるがために、身体を売る、殺しに加担する、自らが殺人者となる・・・という不幸な女の3段活用は、よくありがちかなと。
ですが、この作品の場合、プロットもなかなか面白いんだなぁ。
非の打ち所なし。

梁山泊
MTNH2G0O
No.1:5人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

絶叫の感想

陽子、あなたが生まれたのは1973年10月21日と、自身のことを第三者の視点で語るスタイルで物語が始まる。そして、それとは別に現在の時間軸で女刑事が110番通報によりマンションの一室で発見された死体を確認に赴くところから
女刑事の捜査の過程を追っていくスタイルで物語が展開していく。ふたつの時間軸が最後には交差するのだがラストは自分としては予想外だった。陽子が成長するその年代の社会背景などがキッチリ描かれていて、とても読み応えが
あり、陽子が堕ちていくその生き様とかを納得させると共に共感さえ生む物語だ。マンションの一室で検めた死体は不審な点は見つからず今流行の孤独死かと思われた。この死体の検分のため所轄から出動した女刑事もバツイチで、人間的にも
欠陥のある人物として描かれ、ある意味では陽子と似通った部分を持っているような人物だ。つまり女刑事も主人公の陽子もその他登場する人物みんなが欠陥のあるような人間ばかりで、パーフェクトな人間は一人も登場しない内容だ。
重いと云えば重い。暗いと云えば暗い話だけれど、それ以前にリアルな時代背景を使った陽子の人生の軌跡がジーンと胸に響く。居場所を探す陽子と同じく女刑事も自分の居場所を探しているところがとても良い。
交互にストーリーは進むが、滅茶苦茶面白くいろんなエピソードが盛り込まれているが最後まで二人の行いというか行動に眼が離せない。内容と構成と物語の面白さにニクイと感じる作家で、初めて読んだ作家だがすっかりやられちまった。
読後に興奮して眠れなかったのは久しぶりだ。

▼以下、ネタバレ感想

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ニコラス刑事
25MT9OHA

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