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アメリカ銃の謎の評価:
5.50/10点 レビュー 2件。 B ランク
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平均点5.50pt
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ホリウッドに十ガロン帽子(笑)
国名シリーズ第6作目(作中の“読者への挑戦状”では7イニングと謳っているがこれは作者の数え間違いだろう)。他の国名シリーズと違い、いささか巷間の口に上がらない本書。特に名作と名高い『エジプト十字架の謎』の次作であり、それに比して・・・ということもその原因の1つだろう。開巻してまず驚いたのが、登場人物表に記載された人数の少なさである。挑戦状が織り込まれているこのシリーズでこの少なさというのはちょっと冒険に過ぎるのではないかと思った。更に事件が起きるとその範囲はかなり狭められ、物語に終始関係する人物でもこの表に記載されていない人物―トニー・マースや《巻き毛》のグラント、ゴシップ新聞記者のテッド・ライオンズ、かつて軍人で今は映像技師であるカービー少佐、etc―もいるので更に戸惑いを隠せなかった。今回は何か掴みようのないままに物語が進行していく。2万人の観衆と41人のカウボーイ・カウガール達というシリーズの中でも最大の容疑者数であることが捜査の方向付けを曇らせているのかもしれない。なんだか作者クイーン自身が暗中模索しながら書いている、そんな印象を受けた。事実、最後の真相解明を読んでも、ところどころ歯切れが悪い。今回のテーマは映像、弾道学による犯罪の検証になるだろうか。二度発生する衆人環視の中での射殺、しかも殺された場所、撃たれた箇所など全て同じ状況下でカメラが何を捕らえていたのか?これが物語の解決における要だといえる。これらについては当時作者クイーンが取材か何かで警察捜査の当時の最新情報を知った事からそれを活かして自作を著そうとしたのかもしれない。とはいえ、映像の検証を自家薬籠中の物のように事件の最大の手掛かりとなるであろうショーの模様を映した映像の実見をなかなかしないところが実に不思議だった。物語も半ばになってようやく着手する。それまで延々と関係者と観衆の持ち物検査、コロシアム内に隠されていると思われる凶器となった25口径の銃の捜索について語られるのだ。これは全く以って捜査手順としてはおかしいだろう。率直に云えば、本作の出来はあまり良くない。やはり色々と無理が生じている。まず物語の主眼となる消えた銃の謎。これについてはかなり意外であった。しかし肝心の真犯人、これが全く納得できない(以下ネタバレにて)。また輪を掛けて納得行かないのが犯行の実現性。この殺人方法はほとんどマンガの世界での出来事のようだ。そして第2の殺人。これが果たして必要だったのかどうか、悩ましいところだ。とまあ、本作は実にバランスが悪い。そして片や映像検証、弾道学という科学捜査に言及しながらも従来から成立している指紋の検証、歯形の検証といった捜査技術に関しては何の関心も向けず、捜査が進められる、およそ世界中には存在しないだろう愚かな警察がここには歴然としてまかり通っているのが非常に痛い。しかし1961年初版とはいえ、その後重版が繰り返され、私が手にしたのは1999年の第47版である。いい加減、訳を見直した方がいいのではないか。ホリウッドは今ではハリウッドだし、特に十ガロン帽子には参った。これはそのままテンガロンハットでいいだろう。こういう細かい仕事を出版社には期待したいのだが。 ▼以下、ネタバレ感想
国名シリーズ第6作目(作中の“読者への挑戦状”では7イニングと謳っているがこれは作者の数え間違いだろう)。
他の国名シリーズと違い、いささか巷間の口に上がらない本書。特に名作と名高い『エジプト十字架の謎』の次作であり、それに比して・・・ということもその原因の1つだろう。
開巻してまず驚いたのが、登場人物表に記載された人数の少なさである。挑戦状が織り込まれているこのシリーズでこの少なさというのはちょっと冒険に過ぎるのではないかと思った。
更に事件が起きるとその範囲はかなり狭められ、物語に終始関係する人物でもこの表に記載されていない人物―トニー・マースや《巻き毛》のグラント、ゴシップ新聞記者のテッド・ライオンズ、かつて軍人で今は映像技師であるカービー少佐、etc―もいるので更に戸惑いを隠せなかった。
今回は何か掴みようのないままに物語が進行していく。2万人の観衆と41人のカウボーイ・カウガール達というシリーズの中でも最大の容疑者数であることが捜査の方向付けを曇らせているのかもしれない。
なんだか作者クイーン自身が暗中模索しながら書いている、そんな印象を受けた。事実、最後の真相解明を読んでも、ところどころ歯切れが悪い。
今回のテーマは映像、弾道学による犯罪の検証になるだろうか。二度発生する衆人環視の中での射殺、しかも殺された場所、撃たれた箇所など全て同じ状況下でカメラが何を捕らえていたのか?これが物語の解決における要だといえる。これらについては当時作者クイーンが取材か何かで警察捜査の当時の最新情報を知った事からそれを活かして自作を著そうとしたのかもしれない。
とはいえ、映像の検証を自家薬籠中の物のように事件の最大の手掛かりとなるであろうショーの模様を映した映像の実見をなかなかしないところが実に不思議だった。物語も半ばになってようやく着手する。
それまで延々と関係者と観衆の持ち物検査、コロシアム内に隠されていると思われる凶器となった25口径の銃の捜索について語られるのだ。これは全く以って捜査手順としてはおかしいだろう。
率直に云えば、本作の出来はあまり良くない。やはり色々と無理が生じている。
まず物語の主眼となる消えた銃の謎。これについてはかなり意外であった。
しかし肝心の真犯人、これが全く納得できない(以下ネタバレにて)。
また輪を掛けて納得行かないのが犯行の実現性。この殺人方法はほとんどマンガの世界での出来事のようだ。
そして第2の殺人。これが果たして必要だったのかどうか、悩ましいところだ。
とまあ、本作は実にバランスが悪い。
そして片や映像検証、弾道学という科学捜査に言及しながらも従来から成立している指紋の検証、歯形の検証といった捜査技術に関しては何の関心も向けず、捜査が進められる、およそ世界中には存在しないだろう愚かな警察がここには歴然としてまかり通っているのが非常に痛い。
しかし1961年初版とはいえ、その後重版が繰り返され、私が手にしたのは1999年の第47版である。いい加減、訳を見直した方がいいのではないか。
ホリウッドは今ではハリウッドだし、特に十ガロン帽子には参った。これはそのままテンガロンハットでいいだろう。こういう細かい仕事を出版社には期待したいのだが。
▼以下、ネタバレ感想