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最後の審判



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最後の審判の評価: 9.00/10点 レビュー 2件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点9.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(9pt)

「子供の眼」も良かったけど、これも傑作!

内容・パターン等、切り口は全く違うけど
パタースン氏独特の語り方は同じとみていいでしょう。
「子供の眼」を一作目として読んだあと、こんなに緻密に計算されたミステリーがあるなんて!と、驚きものでしたが
この「最後の審判」もなかなかの秀作でした。
どちらも好みですね。

次の小説が楽しみな作家さんが一人増えました!

ももか
3UKDKR1P
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

最後の審判の感想

『罪の段階』ではサンフランシスコ郡の地裁判事として、『子供の眼』では敏腕弁護士として脇役にもかかわらずとても公正ですばらしい弁論を繰り広げていたキャロラインですが、今回は彼女が主役で前2作とはかなり趣が違っていますが、この物語が構成においても人物描写や内容においても一番良かった気がします。

過去の確執から20年間会うことがなかった父と異母姉夫婦。その娘であるブレットが恋人の殺人容疑で逮捕されます。連邦裁判所の判事に任命されようとしていた時、小さな町で長年判事を勤め名士として存在してきた父から姪の弁護を頼まれ、わだかまりを胸に抱いたままニューハンプシャーの故郷に帰郷します。姪はお酒とマリファナで酩酊状態で警察に保護されるのですが、目撃者もなく新たな証人も現れ窮地に陥っていきます。

予審でのやりとりは、司法制度の違うアメリカとの違いをまざまざと感じます。前作でも思いましたが真相を明らかにするものではなくいかに相手の論証の弱点を責めていくかが焦点で、被告が実際に罪を犯しているのかどうかよりも、いかに決定的な証拠を排除するかと言うことに重点があって、検察とのやりとりは非常に面白いです。日本人からすれば相手の揚げ足取りに終始しているようにも思えますが、自白ばかりに頼り録音もさせず、何日も拘留を可能にする日本の司法制度は問題だらけとしか思えません。

キャロラインも最初は姪の有罪を心の中では確信していたにも関わらず、家族との確執や過去のいきさつなどからなかなか客観的になれず、自ら法を犯すことまでしてしまいますが、母の死や家族との訣別を描いた過去の話の挿入が物語を引き締め、タイトルに相応しく最後は圧巻でした。事件を通して描かれる親子の確執は非常に読みごたえがあり、キャロラインの潔さがとても引き立っていました。


たこやき
VQDQXTP1

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