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パニック・パーティ



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【この小説が収録されている参考書籍】
パニック・パーティ (ヴィンテージ・ミステリ)

パニック・パーティの評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

シュリンガム最後の事件?

状況が状況だけにそりゃあ皆パニックになるよ。おまけに問題発言した当の本人が死亡すればなおさらだ。
無人島に取り残された男女十五人。 さあミステリ劇場の開幕です。( ´艸`)
ところがバークリーです真っ正直なミステリというわけにはいきません。 群像劇かな?
人々の心理面の変化や自身の尊厳を保とうとする人達の言動を細かく綴りますが、この辺の人間観察といったところは見事です。
十五人の根底にあるのはガイ・ピジョンの死は事故か他殺かという問題です。しかも当の本人はこの中に殺人者がいると物騒なことを言っていました。
それぞれの個性が表面に浮き上がってきます。怒るもの、利己的になるもの、弱りふさぎ込むもの、様々な人間らしさを見せますが疑心暗鬼は変わりません。
犯人捜しは是か非か紛糾します。時間が過ぎるごとに集団ヒステリーは広がっていくのですがシュリンガムは皆をまとめるのに必死です。

この物語のオチはどうなっているんだろうと気にしつつも読み進みます。
バークリーの作品としては評価が真っ二つに分かれたとの解説がありますが、アンチ・ミステリと見れば
これはこれで面白いと自分などは思います。 肩透かしじゃないかとケチを付けられる人もいるでしょうが、ラストのエピソードがこの物語を端的に表していることを考えれば
少なくとも失敗作とみることはありません。 バークリーの考察には読んでなければいけない一冊ではないでしょうか。

ニコラス刑事
25MT9OHA

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