飛行中のボーイング機から人妻美那子が消失した。

魚住と山下の両刑事は小学校教師の中原みどり殺害事件の聞込み捜査で、被害者の元同僚だった井川英一を訪ねた帰り、バッタやキリギリスの羽や首をバラバラにして、穴に葬っている児童に出会った。

日本一の造船成金といわれる大富豪雨宮万造が、喜寿の祝いに造らせた黄金の模型船。

この〈「新青年」傑作選集Ⅰ～Ⅴ〉は、大正から昭和にかけて時代の最先端にあった風俗小説雑誌「新青年」に掲載した作品から、傑作五十篇を選び、全五巻に編集しました。

五歳になる一人息子が工事現場の土砂で生き埋めにされていた！　いったい誰がこんな…。

“平均的幸福家庭”の主婦高原燿子は、夫浩一に漠然とした疑惑を感じはじめた。そんな折、浩一が失踪してしまう。

大原金吾は高校時代から常に鼻の差で渋江竹男にトップの座を奪われ、そのくやしさを骨身に刻んで生きてきた。

熊谷市内を流れる荒川の河川敷に男の溺死体が漂着し、男は八高線の鉄橋の上から車中何者かに突き落とされた可能性が高いとされた。

秘書順子は、主任技師遠山に汚職の臭いを感じながらも男らしさに強くひかれ、女の歓びを知る。

妻は、あの幻の女ではないのか。立山の宿で一夜熱く貪り合った謎の女…おぼろな残像を見合い相手に重ねた魚住は結婚した。

取材でハンガリーを訪れたルポ・ライター、マトソンが消息を絶った。

ダンボール箱の破れ目から出た手…その指にダイヤが。梅小路駅は騒然となった！　荷物の受取人は死体本人。

ホテル最上階のスカイルーム行きエレベーターの扉が開いた。華やかなディナーただ中に鋭い悲鳴。

商社の経営課員が多額の金を使い込みアパートで死体となって発見される。

軽井沢の丘にバベルの塔なる遊戯場が建つ。放射状に伸びる七つの外階段を持つそこで演じられた仮想殺人劇。

弁護士のジェフは、気づいたときにはすべてを失っていた。くじを当てて大金持ちになった妻が、何もかも奪ってしまったのだ。

興信所の所長・片山は、旧知の米国人実業家・ハサウェイから、五人の男を捜して欲しいと依頼された。

なぜ彼はあんな妙な所に住まうのか。

天正18年、時は秀吉が北条を呑み込もうとしていた時代、混乱の世などどこ吹く風の戦場荒らしの風来坊、7人の香具師がいた。

可憐な少女姫草ユリ子は、すべての人間に好意を抱かせる天才的な看護婦だった。その秘密は、虚言癖にあった。

夜の町で出会った若い女の異常な

宇宙基地に連れてこられたミノルとハルコは、奇妙な“電波幽霊”の正体をつきとめるため、基地隊員のキダ、特殊ロボットのプーボと広大な宇宙空間へ旅立った。

東都相互銀行の若手常務、野心家の夫塩川弘治との結婚生活に心満たされぬ信子は、独身助教授浅野を知る。

失業し失意のどん底にあった北沢勝平は、赤松と名乗る見知らぬ男に誘われるまま、強盗殺人に手を貸してしまう。

「私を消して下さい。しかも、むごく静かに…」“事故処理屋”を自称する殺しのエキスパート・星名五郎の許を訪れた奇妙な客。

夜の町で出会った若い女の異常な様子に不審を抱き、小説家の松原は後をつけた。

滝の途中に突き出た獄門岩にちょこんと載せられた生首。

妻や愛人の抗議の自殺、やくざの恐喝にも動ぜず天才詐欺師鶴岡七郎は、ついに警察の追及の手から逃げおおせた！　法の盲点と死角を見すえて、現代法支配の限界に挑んだ最高傑作長編推理。

昭和十年一月、書下し自費出版。狂人の書いた推理小説という異常な状況設定の中に著者の思想、知識を集大成する。