黄金の鍵
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この作品の発表当時、日本の推理小説界の主流は松本清張氏らを中心とした社会派推理小説。意外性やパズラー的な要素よりも、社会悪の追求や、より現実的な犯罪事件を描いたものが大半を占めていました。 高木彬光氏も名探偵神津恭介の活躍を10年程前に中止して社会派に身を投じていましたが、この墨野隴人シリーズはそういった経験を踏まえた上で、神津シリーズに通じる探偵小説を復活させたことに意義があると私は思ってます。 | ||||
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いきなり尻軽女の話を読ませられるとは思わなかった。 しかも出てくる人物がみんな軽い。 本当に神津を書いた作家と同一人物なのか疑ったくらい。 まあ好みではなかったというだけの話なのだが。 | ||||
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高木彬光の読者であれば一読ただちに膝をうつくらい見え見えですが、墨野本人は謎の人物を気取りたいようなので、あえてその点は伏せておきます。高木彬光の作品は真犯人もトリックも明白なのに面白いのが特徴ですが、このシリーズは特にその傾向が強い。 ただ、他のシリーズとは異なり、昭和44年を舞台にしていることと、主人公が村田和子女史に変わったことで残念な面もあります。他作品のレビューでも度々指摘されているのですが、高木彬光の女性キャラクターは総じてステレオタイプの紋切り型で人間的魅力に乏しい。特にヒロインほどそうで、このシリーズの語り手である村田女史も失礼ながら「一度会って話してみたい」というようなタイプではありません。あえていえば、敬愛すべき松下研三君と同じくかなりの酒呑みである点は特長といえるかもしれませんが……。 そして、鼻につくくらい「女だてらに」「女のくせに」をくり返します。小説、それも昭和の作品に野暮をいうつもりはありませんが、「酒飲みで好奇心が強く、勇敢で冒険を怖がらない」という村田女史のキャラクターに言い訳をし過ぎで、せっかくの良さを殺しているように思います。かの松下君がどれほど欠陥に満ちあふれていて、同じだけ魅力に満ちていたかを考えると、村田女史には「かよわいヒロインテンプレートから外れていてすみません」などといちいち泣き言をいわず、開き直ってほしかったところです。 亡夫については冷淡といっていいくらいシニカルなのに。 要するに、昭和44年の自由奔放な女性を主人公にすえながら、昭和初期のヒロインテンプレートからも脱しきれていない、というのがモヤモヤするポイントではないかと思います。 こうした欠点はありますが、さすがに本筋はしっかりしています。 特に本作品はパズラーとしてもなかなかのもので、深く考えずに読んでいるとあっと驚けるかもしれません。 | ||||
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黄金伝説というのはミステリーの1ジャンルなのかもしれないが、現在となっては時代遅れの感はいなめない分野でもある。それは昭和44年に書かれた本作といえども、状況は同じだろう。 本作は幕末の風雲児のひとり、小栗上野介の埋蔵金伝説をテーマに歴史ミステリの手法でまとめた、『成吉思汗の秘密』で歴史ミステリを確立した高木彬光らしい作品といえる。埋蔵金のありかを机上のパズルではなく、現実問題として検証した中盤のくだりなどは、実に鮮やかである。 さらに本作では歴史ミステリにありがちな歴史上の謎と、現代の殺人の結びつきの乖離に対する問題も、埋蔵金という金をめぐる争いということで、違和感なく殺人が織り込まれているのですんなり読めるのがポイントである。そのぶん、フーダニット、ハウダニットのカタルシスは少なめだが、全てにおいて破綻なくまとめられているバランスは、さすがといえる。 | ||||
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