中学校にはいろいろな生徒がいる。

幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。

高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律に魅せられた外村は、念願の調律師として働き始める。

学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。

生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。

才能豊かなパティシエの気まぐれに奔走させられたり、犬のボランティアのために水商売のバイトをしたり、難民を保護し支援する国連機関で夫婦の愛のあり方に苦しんだり…。

あの日、あんなことをしなければ…。心ならずも親友を裏切ってしまった中学生さくら。

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。

3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。

9年前、家族を事故で失った環は、大学を中退し孤独な日々を送っていた。

真夜中の屋根のぼりは、陽子・リン姉弟のとっておきの秘密の遊びだった。不登校の陽子と誰にでも優しいリン。

中学2年生の柊也は、クラスメイトの翼に誘われて渋々行った中華街で無銭飲食の罪を着せられてしまう。

「私は、“永遠”という響きにめっぽう弱い子供だった。」誕生日会をめぐる小さな事件。

中1の奈緒がピアノを教わっている絹子先生の元に、フランスからサティのおじさんがやってきた。

玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。

コンクール入賞者ツアーのはざま、亜夜とマサルとなぜか塵が二人の恩師・綿貫先生の墓参りをする「祝祭と掃苔」。

人気作家チヨダ・コーキの小説で人が死んだーー あの事件から10年。

7年前、25歳で死んでしまった一樹。

さゆきは中学1年生。近所に住むいとこの真ちゃんが、小さい頃から大好きだった。

埼玉県天木山山中で発見された白骨死体。

強大な帝国・東乎瑠にのまれていく故郷を守るため、絶望的な戦いを繰り広げた戦士団“独角”。

天才ギタリストの蒔野(38)と通信社記者の洋子(40)。

一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者」。

ニューヨーク、国連本部。イラク攻撃を宣言する米国務長官の背後から、「ゲルニカ」のタペストリーが消えた。

36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。

頭脳明晰で剣の達人。将来を嘱望された男がなぜ不遇の死を遂げたのか。

ある日、高校生の僕は病院で一冊の文庫本を拾う。タイトルは「共病文庫」。

藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。

大学病院で激務に耐えている平良祐介は、医局の最高権力者・赤石教授に、三人の研修医の指導を指示される。

今、言わなきゃ、きっと二度と言えない――言葉をめぐる9つの物語。 子どもからおとなまで、すべての人に贈る珠玉の短編集。

1945年7月、ナチス・ドイツの敗戦で米ソ英仏の4カ国統治下におかれたベルリン。

出版大手「薫風社」で、カルチャー誌の編集長を務める速水輝也。笑顔とユーモア、ウィットに富んだ会話で周囲を魅了する男だ。

「小国ナスミ、享年43。」宿り、去って、やがてまたやって来る―感動と祝福の物語。

国の規制が増し監視ドローン飛び交う息苦しい社会で、負けじとタフに生きる母・姉・弟の入谷ファミリー。

塚原マチは本好きで気弱な中学一年生。ある日、図書館で本をめくっていると一枚の便せんが落ちた。

三月以外の転入生は破滅をもたらすといわれる全寮制の学園。二月最後の日に来た理瀬の心は揺らめく。

愛したはずの夫は、まったくの別人であった。 「マチネの終わりに」から2年。

柏原野々は天然石を売る店で働く25歳の独身女性。厳格な父の教育に嫌気がさし、成人を機に家を飛び出していた。

記憶が80分しか持続しない天才数学者は、通いの家政婦の「私」と阪神タイガースファンの10歳の息子に、世界が驚きと喜びに満ちていることをたった1つの数式で示した…。

恋のライバルは草でした(マジ)。洋食屋の見習い・藤丸陽太は、植物学研究者をめざす本村紗英に恋をした。

「永原智です。はじめまして」。

京都でテーラーを営む曽根俊也。自宅で見つけた古いカセットテープを再生すると、幼いころの自分の声が。

雪降るある日、いつも通りに登校したはずの学校に閉じ込められた8人の高校生。

伝えられなかった言葉。忘れられない後悔。

1944年6月6日、ノルマンディーが僕らの初陣だった。

休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。

息子が小学六年の一年間「親父会」なる父親だけの集まりに参加することになった私。

前へ七歩進んで、後ろに五歩さがる。くるりとターンして、カニ歩きで右に三歩。

舞台は、伝統ある男子校の寮「松籟館」。冬休みを迎え多くが帰省していく中、事情を抱えた4人の少年が居残りを決めた。

「この世界にアイは存在しません。」入学式の翌日、数学教師は言った。

神紅大学ミステリ愛好会に所属する葉村譲と会長の明智恭介は、曰くつきの映画研究会の夏合宿に興味を抱き、同じ大学に在席する美貌の探偵、剣崎比留子と共に紫静荘を訪ねた。

津村沙世子―とある地方の高校にやってきた、美しく謎めいた転校生。

出産を巡る女性の実状を描く社会派ミステリー 「子どもを、返してほしいんです」親子三人で穏やかに暮らす栗原家に、ある朝かかってきた一本の電話。

わたしは「みんな」を信じない、だからあんたと一緒にいる―。

僕たちは「その日」に向かって生きてきた―。昨日までの、そして、明日からも続くはずの毎日を不意に断ち切る家族の死。

舞台は近未来の島国・R帝国。ある日、矢崎はR帝国が隣国と戦争を始めたことを知る。