わたしは「みんな」を信じない、だからあんたと一緒にいる―。

中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。

あの日、あんなことをしなければ…。心ならずも親友を裏切ってしまった中学生さくら。

中学校にはいろいろな生徒がいる。

才能豊かなパティシエの気まぐれに奔走させられたり、犬のボランティアのために水商売のバイトをしたり、難民を保護し支援する国連機関で夫婦の愛のあり方に苦しんだり…。

巨額の遺産を相続した若い独身女性の家に侵入してみると、なぜかどの部屋のなかも鏡だらけ。

少年は、ひとりぼっちだった。名前はきよし。

さゆきは中学1年生。近所に住むいとこの真ちゃんが、小さい頃から大好きだった。

ちぎれそうな身体だって、おれの走りをするんだ。

両親の離婚で別れて暮らす元家族が年に一度、集う夏休み。

9年前、家族を事故で失った環は、大学を中退し孤独な日々を送っていた。

少年リンツの住む国で富豪の家から金貨や宝石が盗まれる事件が多発。

真夜中の屋根のぼりは、陽子・リン姉弟のとっておきの秘密の遊びだった。不登校の陽子と誰にでも優しいリン。

中1の奈緒がピアノを教わっている絹子先生の元に、フランスからサティのおじさんがやってきた。

僕は運命を変える。

東京でピアニストとして活躍していた柏木ユリが音楽教師として長崎にある中五島中学校へ赴任してきた。

「私は、“永遠”という響きにめっぽう弱い子供だった。」誕生日会をめぐる小さな事件。

中学2年生の柊也は、クラスメイトの翼に誘われて渋々行った中華街で無銭飲食の罪を着せられてしまう。

学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。

村内先生は中学の臨時講師。言葉がつっかえて、うまくしゃべれない。

記憶が80分しか持続しない天才数学者は、通いの家政婦の「私」と阪神タイガースファンの10歳の息子に、世界が驚きと喜びに満ちていることをたった1つの数式で示した…。

雅男は、サッカーが好きなごくふつうの中学生。

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。

東京湾に浮かぶ月島。ぼくらは今日も自転車で、風よりも早くこの街を駆け抜ける。

ある日、高校生の僕は病院で一冊の文庫本を拾う。タイトルは「共病文庫」。

幼児なみの知能のため、みんなからバカにされてきたチャーリイ・ゴードン。

中学3年になったさゆきは、高校受験をひかえ揺れていた。

1年2組の男子生徒が全員、姿を消した。

僕たちは「その日」に向かって生きてきた―。昨日までの、そして、明日からも続くはずの毎日を不意に断ち切る家族の死。

今、言わなきゃ、きっと二度と言えない――言葉をめぐる9つの物語。 子どもからおとなまで、すべての人に贈る珠玉の短編集。

幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。

婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。 その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。

前へ七歩進んで、後ろに五歩さがる。くるりとターンして、カニ歩きで右に三歩。

郵便配達員として働く三十歳の僕。ちょっと映画オタク。

悪事を働いた3人が逃げ込んだ古い家。そこはかつて悩み相談を請け負っていた雑貨店だった。

５２ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一頭だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。

昭和三十七年、ヤスさんは生涯最高の喜びに包まれていた。

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。

昔、英国人一家の別荘だった、今では荒れ放題の洋館。高い塀で囲まれた洋館の庭は、近所の子供たちにとって絶好の遊び場だ。

柏原野々は天然石を売る店で働く25歳の独身女性。厳格な父の教育に嫌気がさし、成人を機に家を飛び出していた。

昭和36年。小学校用務員の大島吾郎は、勉強を教えていた児童の母親、赤坂千明に誘われ、ともに学習塾を立ち上げる。

僕は捨て子だ。その証拠に母さんは僕にへその緒を見せてくれない。

佐和子の家族はちょっとヘン。父を辞めると宣言した父、家出中なのに料理を届けに来る母、元天才児の兄。

玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。

正義の味方、図書館を駆ける!―公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる法律として『メディア良化法』が成立・施行された現代。

恩人の命令は、思いがけないものだった。 不当な理由で職場を解雇され、腹いせに罪を犯して逮捕された玲斗。

思い描いていた未来をあきらめて赴任した高校で、驚いたことに“私”は文芸部の顧問になった。

念願の新居に引っ越した僕たち家族は、いきなり隣家の犬・ミリーの鳴き声に悩まされることになった。

高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律に魅せられた外村は、念願の調律師として働き始める。

高校野球界のスーパースターがガソリンを全身にかけられ焼死するというショッキングな事件が起こった。

5階建ての新築分譲マンション、アドヴァンス・ヒル。

国の規制が増し監視ドローン飛び交う息苦しい社会で、負けじとタフに生きる母・姉・弟の入谷ファミリー。

衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。

息子が小学六年の一年間「親父会」なる父親だけの集まりに参加することになった私。

高校卒業と同時に三重県の山村に放り込まれた平野勇気19歳。林業の現場に生きる人々の1年間のドラマと勇気の成長を描く。

中学入学直前の春休み、父の転勤で岡山県の山間の町に引っ越してきた原田巧。