関口の“弟子"から映画館に繁栄をもたらす妖怪・桟敷童の噂を聞いた榎木津は、下僕を従え妖怪探しに乗り出した。

入学早々鬱々と過ごす関口に、声を掛ける者がいた。教師も一目置く中禅寺。

吾輩は猫である。名は、石榴。

武蔵野連続バラバラ殺人の顛末を描いた『魍魎の匣』が発表された。

「中禅寺…秋彦さん、ですよね?」女学生は、思い詰めたように中禅寺に一通の手紙を差し出した。これは恐らく―恋文。

『この世には不思議なことなど何もないのだよ、関口くん』昭和二十七年。

「死にたいん―です」「なら死ねよ」。娘を亡くし、妻だった人に去られ、十五年勤めた会社を解雇された。

売れない新人ライトノベル作家の高校生・関口辰哉は、古本屋の孫・中禅寺秋穂や、探偵の孫・榎木津玲菓といった少女たちとともに、とある孤島の館に招待される。

悪魔祓いの補佐としてドイツに赴いたロベルトだったが、駅で連日同時刻に死者が出る連続不審死をはじめ、異常事件が頻発。

明治二十年代の半ば。雑木林と荒れ地ばかりの東京の外れで日々無為に過ごしていた高遠は、異様な書舗と巡りあう。

元銀幕の大スター・片桐大三郎(現芸能プロ社長)の趣味は、犯罪捜査に首を突っ込むこと。

悪魔のごとき頭脳を危険視され、わずか13歳にして特殊房に収監されている少年、ローレン・ディルーカ。

下総国に暮らす狐狩りの名人・稲荷藤兵衛には、裏の渡世がある。

ウォーカロン。「単独歩行者」と呼ばれる人工細胞で作られた生命体。

体育会系な文芸編集者の娘&定年間際の高校国語教師の父が挑むのは、出版界に秘められた《日常の謎》! □「応募してませんよ、わたしは」 新人賞最終選考に残った候補者からの思いがけない一言は?(夢の風車) □「実は、扱いに困っている手紙がありましてね」 あ

「迷宮庭園」に暮らす宮籠彩人は、花の言葉を伝える華術師の貌を持つ。

藍の卒業を祝し、オカ研の面々は温泉に出かけることに。

高校二年生になった正太郎。

大銀行の地下金庫から、トンネルを掘って金貨を盗み出そうとした「赤毛組合」事件。

「神隠し――と云うより天狗攫いね。高尾山だし」 聞き終えた敦子は先ずそう云った。

不可能犯罪 意外な犯人 密室 足跡のない殺人 ジョン・ディクスン・カーへの愛がいっぱいにつまった珠玉の短編集!! 上級生から度重なるいじめをうけていたエドワード・スミスは近くのロダリックの森にいるといわれる霧の悪魔に復讐を願うことにした。

昭和29年、夏。複雑に蛇行する夷隅川水系に、次々と奇妙な水死体が浮かんだ。

チベット、ナクチュ。外界から隔離された特別居住区。

熊本・天草において、真夏日に大雪が観測され、天空に忽然と巨大な十字架が浮かび上がった。

「先祖代代、片倉の女は殺される定めだとか。

正太郎のもとに届いた衝撃的な写真。それは、心を通わせた愛犬の無残な写真だった。

第一次世界大戦直後のロンドン。クールな青年医師デリックは、戦地で傷を負って以来、検死官として働くように。

死相が視える探偵・俊一郎のもとに、遺産相続殺人と思われる事件の捜査依頼が舞い込む。

突然気を失った小暮井ユキがめを覚ますと、そこは雨坂続の傑作『トロンプルイユの指先』の舞台だった。

明治三十年代初頭。古今東西の書物が集う書舗に導かれる、一人の若き女性。

あの夏、真賀田研究所でプログラマとして働いていた島田文子は、いくつかの職を経て、香港を拠点とする会社で職に就いていた。

人に見えないものが視える。闇の中に、他人の恐怖が悔恨が苦痛が悲哀が―視えてしまう。

交番連続放火事件、発生。が、犯人の目処は立たず。

多忙を極める平賀とロベルトは、ハイチでの公務後に1週間の休暇を取るようサウロから厳命される。

稀代の魔術師が髑髏を模して改築した古城〝髑髏城〟。城主であった魔術師が走行中の列車から飛び出し、不審な死を遂げて十数年。

『殺竜事件』『紫骸城事件』などで、伝説的シリーズとなっていた、戦地調停士シリーズが帰ってきた! 誰も傷つけられなかった、「無傷姫」。

彼女は病院にいる。館を離れ、あの家政婦から逃れ。

英都大学に入学したばかりの一九八八年四月、ある人とぶつかって落ちた一冊――中井英夫『虚無への供物』――が、僕、有栖川有栖の英都大学推理小説研究会(EMC)への入部のきっかけだった。

イマン。「人間を殺した最初の人工知能」と呼ばれる軍事用AI。

少女たちを襲った悍ましい事件から三箇月。来生律子の許を訪れた作倉雛子は、小壜に入った“毒”を托し姿を消した。

幽晦との境界が、破れている。内部の薄明が昏黒に洩れている。

押入で死んだように生きる木幡小平次は、天下随一の幽霊役者。

広島市内の大学に通う観音崎栞は、実家のある宮島に戻っていた。

月を祀る神社で続く殺人事件。京都・月読神社で発見された女性の絞殺死体。

結婚をしたはずの男がいない。婚姻届は出されておらず預金も消えていたが、とにかく、もう一度会いたい―。

警察の警察――監察。

理由あって上方から江戸へ流れてきた双六売りの又市は、根岸の損料屋「ゑんま屋」の手伝いをすることに。

巨大な鉄骨を手に街を徘徊するアイドルの都市伝説、鋼人七瀬。

京都、下鴨―。高校生の鹿乃は、旧華族である野々宮家の娘だ。

怖いものとは何だろう。本当に怖いものを知るため、とある屋敷を訪れた男は、通された座敷で思案する。

夫を四度殺した女、朱美。極度の強迫観念に脅える元精神科医、降旗。

直木賞受賞作がついに文庫で登場 京極夏彦の直木賞受賞作。ラストに訪れる仕掛けが読者の胸を打つ感動作。

近未来。牧野葉月は閉じた世界に生きていた。

丸い肉塊に黒い縦筋が十数本。

「知りたいですか」。郷土史家を名乗る男は囁く。

「おお!そこに人殺しが居る!」探偵・榎木津礼一郎は、その場に歩み入るなりそう叫んだ―。