自らナポレオンの生まれ変りと信じ切っている男、はたまたナポレオンの遺品を完璧にそろえたいコレクター。

良家の若妻・真樹子は、そろそろ1歳の娘と朝の時間を優雅に過ごしていた。

ぼくの名はエイジ。東京郊外・桜ヶ丘ニュータウンにある中学の二年生。

“新潟市一家溶解事件”そして謎めいた“手記”―。

「悪いんだけど、死んでくれない?」ある日突然、クラスメイト全員が敵になる。

僕たちは「その日」に向かって生きてきた―。昨日までの、そして、明日からも続くはずの毎日を不意に断ち切る家族の死。

キャバレーのホステスになった修道女の身も心もボロボロの手紙、上京して主人の毒牙にかかった家出少女が弟に送る手紙など、手紙だけが物語る笑いと哀しみがいっぱいの人生ドラマ。

「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」突然の依頼に、作家の〈私〉は驚愕する。

古い屋敷で留守番をする「僕」がある夜見た、いや見なかったものは何だったのか?椎の木の根元から突然現われた緑色の獣のかわいそうな運命。

謎のカルト教団と革命の予感。自分の元から去った女性は、公安から身を隠すオカルト教団の中へ消えた。

1972年夏、キクとハシはコインロッカーで生まれた。

あの名作が、あの名文句が、驚きの物語を生み出す。名人ワザ冴え渡る名短篇集。

一九九八年、和歌山市内の夏祭りでカレーを食べた住民六十名以上が中毒症状を呈し、四名が死亡した。

ソフィーの目の前に転がる男児の無残な死体。ああ、私はついに人を殺してしまった。

堪えがたいほどの空腹を覚えたある晩、彼女は断言した。「もう一度パン屋を襲うのよ」。

「こんにちは、章子。私は20年後のあなた、30歳の章子です。

静岡のゴミ屋敷の焼け跡から、3年前に東京で失踪した若い女性の遺体が見つかった。

横浜で、ミッション系のお嬢様学校に通う、野々原茜(のの)と牧田はな。

「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが…。

人間と他の生物とのいちばんの違いは何か。それは、笑いと想像力である──。

青春の追憶と内なる魂の旅を描く表題作ほか6篇。著者初の短篇集。

開発から30年、年老いたニュータウンで迎えた定年。途方に暮れる山崎さんに散歩仲間ができた。

毎年冬のひと夜外泊をする妻に疑念を抱く夫「女系家族」など、人間の裏の顔を描く11編。

まるで拾った宝くじが当たったように不運な一日は、一本の電話ではじまった。

村上和久は孫に腎臓を移植しようとするが、検査の結果、適さないことが分かる。

俺、28歳。金もなけりゃ、女もいない。

―この物音は、何か可怪(おか)しい。 何かが畳を擦る音、いるはずのない赤ん坊の泣き声。

郁子が頼まれたアルバイトの内容は、別人になりすまして横浜元町へ行きワンピースを一着買い求め、さらに店で小物入れを忘れて帰ることだった…(「奇妙なアルバイト」より)。

「犯人は〇〇だよ」。鈴木の情報は絶対に正しい。

若い夫婦が自宅で惨殺され、現場には「怒」という血文字が残されていた。

おまえが死ぬのを見たい―男はそう言ってアレックスを監禁した。

世紀の奇書『熱帯』に惹かれ、秘密を解き明かさんと集まった“学団”によるソウダイなる追跡劇。

事業に失敗して精神病院に逃げこんだ男が退院してみると、妻はいきいきと働いていた。巨額の借金も返済したという。

女優の弓香の元に、かつての同級生・理穂から届いた故郷での同窓会の誘い。

離婚した杉村三郎は私立探偵事務所を設立。

「イソップ物語」って、本当はこんな話だったの?「アリとキリギリス」「狼と狐」をはじめ超有名な寓話から無名の寓話まで、安土桃山時代と江戸時代に日本語に翻訳されたイソップ物語をもとに、130余のストーリーを紹介。

もともとの反社会的な要素に加えて、狂気の笑いでもあるのがブラック・ユーモア。

お気に入り(抜粋掲載) Yさんの娘は、近頃ようやく単語をいくつか喋れるようになったところだ。

謎の骨格標本が発掘されたことを報じる地元紙の小さな記事を見つけた家具職人・豊は、数十年前の小学生時代、仲間数人で山中に骨格標本を埋めたことを思い出す。

加賀友禅についての資料を集めに金沢を訪れた男が、かつてこの地を一緒に旅し、翻弄された女性に思いを馳せる(「鳥瞰図」)。

アメリカの諜報組織に属する十万人以上の諜報員を日夜監視する極秘機関。

楽して簡単にお金を手に入れる方法はないものか。子どもを誘拐して身代金。

“ビストロ・パマル”のシェフ・三舟の推理が、思わぬ温かな真相を導く「割り切れないチョコレート」、息子から恋人がストーカー被害に遭っていると相談された探偵が、事件に立ち向かう「鏡の家のアリス」。

国内篇2001年、新聞社を辞めたばかりの太刀洗万智は、編集者から海外旅行特集の協力を頼まれ、事前調査のためネパールに向かう。

『その女アレックス』の刑事たちのデビュー作 連続殺人の捜査に駆り出されたヴェルーヴェン警部。

世界は終末に向けて暴走してゆく。 人類に、希望はあるのか――。

最高に格好いい87歳、伝説の元刑事。

『悲しみのイレーヌ』『その女アレックス』のヴェルーヴェン警部シリーズ三部作の最終作。

結婚して数年。自分たちには子どもができないようだと気づいた歯科受付の敦美。

一九九一年四月。雨宿りをするひとりの少女との偶然の出会いが、謎に満ちた日々への扉を開けた。

恐怖は人間の最も古くからの感情だと言われている。真っ暗闇の中で野獣に襲われる恐ろしさを想像してみれば、容易に納得がいく。

ソマリアの国境付近で活動する陸上自衛隊第一空挺団の精鋭達。

高校生の心中事件。二人が死んだ場所の名をとって、それは恋累心中と呼ばれた。

男に赤道を見に行こうと誘われた人妻「赤道奇談」など。

帝都・東亰、その誕生から二十九年。夜が人のものであった時代は終わった。

膨大な犠牲者を出して、大戦は終わった。 真面目な青年アルベールは、戦争で職も恋人も失ってしまう。