「おお!そこに人殺しが居る!」探偵・榎木津礼一郎は、その場に歩み入るなりそう叫んだ―。

当然、僕の動きも読み込まれているのだろうな―二つの事件は京極堂をしてかく言わしめた。

江戸川、大磯で発見された毒殺死体。二つの事件に繋がりはないのか。

忽然と出現した修行僧の屍、山中駆ける振袖の童女、埋没した「経蔵」…。

「知りたいですか」。郷土史家を名乗る男は囁く。

「あなた―妖怪お好きですか」。その男は真顔で尋ねる。

夫を四度殺した女、朱美。極度の強迫観念に脅える元精神科医、降旗。

調査も捜査も推理もしない、天下無敵の薔薇十字探偵、榎木津礼二郎。

「妖怪」はいずこより来るのか…。

匣の中には綺麗な娘がぴったり入ってゐた。箱を祀る奇妙な霊能者。

この世には不思議なことなど何もないのだよ―古本屋にして陰陽師が憑物を落とし事件を解きほぐす人気シリーズ第一弾。

人に見えないものが視える。闇の中に、他人の恐怖が悔恨が苦痛が悲哀が―視えてしまう。

昭和29年春から夏にかけて続く怪事件。 「先祖代代、片倉の女は殺される定めだとか。

「先祖代代、片倉の女は殺される定めだとか。

「神隠し――と云うより天狗攫いね。高尾山だし」 聞き終えた敦子は先ずそう云った。

昭和29年、夏。複雑に蛇行する夷隅川水系に、次々と奇妙な水死体が浮かんだ。

無類の不思議話好きの山岡百介は、殺しても殺しても生き返るという極悪人の噂を聞く。

怪異譚を蒐集するため諸国を巡る戯作者志望の青年・山岡百介は、雨宿りに寄った越後の山小屋で不思議な者たちと出会う。

明治三十年代初頭。古今東西の書物が集う書舗に導かれる、一人の若き女性。

直木賞受賞作がついに文庫で登場 京極夏彦の直木賞受賞作。ラストに訪れる仕掛けが読者の胸を打つ感動作。

明治二十年代の半ば。雑木林と荒れ地ばかりの東京の外れで日々無為に過ごしていた高遠は、異様な書舗と巡りあう。

理由あって上方から江戸へ流れてきた双六売りの又市は、根岸の損料屋「ゑんま屋」の手伝いをすることに。

殺人の記憶を持つ娘に惑わされる作家。消えた三つの他殺体を追う刑事。

いまや誰もが知っている“妖怪”。

幽晦との境界が、破れている。内部の薄明が昏黒に洩れている。

死んだ女のことを教えてくれないか。三箇月前、自宅マンションで何者かによって殺された鹿島亜佐美。

近未来。牧野葉月は閉じた世界に生きていた。

押入で死んだように生きる木幡小平次は、天下随一の幽霊役者。

「死にたいん―です」「なら死ねよ」。娘を亡くし、妻だった人に去られ、十五年勤めた会社を解雇された。

この現実は、すべて虚構だ。価値観を揺るがす連作奇譚集! 元デザイナーで小説家の「僕」は、知人友人からよく相談を受ける。

SNS炎上、対人トラブル――あらゆる争いは言葉の行き違いから起きています。

舞台は明治30年代後半。

益子徳一、七十二歳、独身。定年後の人生を慎ましく過ごす独居老人の大真面目で可笑しくて少しだけせつない日常。

庭に咲く艶々とした椿の花とは対照に、暗い座敷に座る小山内君は痩せ細り、土気色の顔をしている。

怖いものとは何だろう。本当に怖いものを知るため、とある屋敷を訪れた男は、通された座敷で思案する。

自分の目となり耳となって遠野保の民草の動向を見極め、逐一報告せよ――盛岡藩筆頭家老の密命を受け、御譚調掛として巷間の噂話を蒐集する宇夫方祥五郎。

少女たちを襲った悍ましい事件から三箇月。来生律子の許を訪れた作倉雛子は、小壜に入った“毒”を托し姿を消した。

地響きがする―と思って戴きたい…相撲取りの討ち入りを描く「四十七人の力士」、肥満ミトコンドリアが暴れる「パラサイト・デブ」などなど数々の名作を下敷きに、パロディの極北を目指したお笑い連作巨編がついに文庫化。

中禅寺洲齋、幽霊騒動に挑む。歌舞伎舞台のために書き下ろされた長編小説! 時は江戸。

下総国に暮らす狐狩りの名人・稲荷藤兵衛には、裏の渡世がある。

「中禅寺…秋彦さん、ですよね?」女学生は、思い詰めたように中禅寺に一通の手紙を差し出した。これは恐らく―恋文。

江戸は神田の袋物屋・三島屋は風変わりな百物語で知られている。語り手一人に聞き手も一人。

死霊、生霊、鬼などが人々の身近で跋扈した平安時代、妖しのものを相手に陰陽師安倍清明が親友の源博雅と挑むこの世ならぬ難事件

「呪いと祝いは、紙一重だよ」異能を持つ凸凹コンビの民俗学ミステリ第3弾 尚哉の友人・難波の元に不幸の手紙が届いた。

人の心は分かりませんが、 それは虫ですね――。

失踪した博士の実験室には奇妙な小説と、ある名前ーー。

ミステリー専門書店の店主マルコムのもとに、FBI捜査官が訪れる。

帝都・東亰、その誕生から二十九年。夜が人のものであった時代は終わった。

ラストまで一気読みの本格ホラー&ミステリー。原点にして最高傑作 その路地にさしかかったとたん、ひどく嫌な気分がした。

1930年、ロンドン。名探偵レイチェル・サヴァナクには、黒い噂がつきまとっていた。

永遠の愛をつかみたいと男は願った―。東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。

9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か? 大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。

共謀罪、始動。標的とされた若者達は公安と大企業を相手に闘うことを選ぶ。

本格ミステリ大賞受賞の鬼才が仕掛ける、空前絶後の推理迷宮。 精神科医の象山は家族を愛している。

上方には上方の仕掛けあり。「これで終いの金比羅さんやで」巷説シリーズ、新機軸の第五弾。

都内で働く広太は、合コンで知り合った桃美とスノボ旅行へ。