9・11以降の、“テロとの戦い”は転機を迎えていた。

「弟を殺そう」―身長195cm、体重105kgという異形な巨体を持つ小学生の雷太。

人間たちは、テングとブタに二分されている。鼻を持つテングはブタに迫害され、殺され続けている。

大学生が一番ときめく季節、夏。

草食男子大学生、森司に訪れた試練。それは簿記の試験と、美少女こよみへの片想いを妨害する昔なじみ(男)。

埼玉県の長閑な田園地帯で、肉片と骨の屑のようなバラバラ死体が発見された。

覚醒剤中毒死を疑われ監察医務院に運び込まれた遺体から未知の黒色胞子が発見された。

二〇××年、中国でサッカー・ワールドカップが開催された。

難病を発症し心臓移植を受けることになった堤雅之。手術は無事成功するが、すぐに雅之は奇怪な現象に悩まされ始める。

幽霊が視えてしまう体質の大学生、八神森司。その能力を生かし(?)、オカルト研究会で、美少女こよみに密かに片想い中。

製薬会社テルンジャパンの埼玉県研究所・三号棟で、ウィルス漏洩事件が発生した。

北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。

幽霊が「視えてしまう」草食系大学生の八神森司。

玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも…死んだ猫だって。

美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。

霊能少女・芙癸の脳機能データを鑑識に導入して捜査を行う、警察庁科警研心理三室。

妻が傾倒し出した百舌鳥魔先生の芸術。それは生き物を生かしたまま切り刻んで繋げるという異様なものだった。

1999年の夏が何事もなく過ぎた途端に岡山県久米原市ではおかしなことがはじまった。九月三日未明。

櫛森秀一は、湘南の高校に通う十七歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との三人暮らし。

十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の七人が訪れた。

火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された…。

一本のビデオテープを観た四人の少年少女が、同日同時刻に死亡した。

15歳の「私」の主人は、数百年に1度といわれる呪詛の才を持つ、驕慢な美少女。「お前が私の玩具になれ。

夏の終わり、郊外の瀟洒な洋館に将来を約束された青年たちと美貌の娘たちが集まった。

幼い息子を海で亡くした監察医の安藤は、謎の死を遂げた友人・高山の解剖を担当し、冠動脈から正体不明の肉腫を発見した。

藍の卒業を祝し、オカ研の面々は温泉に出かけることに。

連続する幼女誘拐事件の捜査は行きづまり、捜査一課長は世論と警察内部の批判をうけて懊悩する。

何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。

「何でもやってやろう屋」を自称する元私立探偵・成瀬将虎は、同じフィットネスクラブに通う愛子から悪質な霊感商法の調査を依頼された。

年の瀬も押し迫ったある日、オカルト研究会に奇妙な依頼が。絵画愛好会主催の、卒業生のための展示会。

科学者の父親と穏和な母親に育てられた医学生の馨にとって家族は何ものにも替えがたいものだった。

商社現地社員の美貴は、ギリシャで口にした蜂蜜にビジネスチャンスを見出し、通訳の綾子や偶然知り合った壁画修復士の吉園とともに産地の村を目指す。

賀茂由香里は、人の強い感情を読みとることができるエンパスだった。

日本ホラー小説大賞、山本周五郎賞受賞作、待望の文庫化！ 岡山の遊郭で醜い女郎が客に自分の身の上を語り始める。

平凡な郊外の町に、災いは舞い降りた。熱に浮かされ、痙攣を起こしながら倒れる住民が続出、日本脳炎と診断された。

西暦一九九七年、東洋の全体主義国家、大東亜共和国。

人類最後の秘境=脳。その研究のために、各分野の気鋭の学者が巨大施設「ブレインテック」に集められた。

東京都の果ての美しい島。少女、椰々子は、死者を通し預言を聞く力を持ち、不吉だと疎まれている。

「助けて、『奴等』が来る―!」和歌山県でひそかに開発されていた自衛隊の特殊兵器。

古神家の令嬢八千代に舞い込んだ【我、近く汝のもとに赴きて結婚せん】という奇妙な手紙と佝僂の写真は陰惨な殺人事件の発端であった。

事故で亡くなった愛妻の肝細胞を密かに培養する生化学者・利明。

吹雪のアルプス山中で遭難機が発見された。傍には引き裂かれたジュラルミン製トランクの破片。

新築・格安、都心に位置するという抜群の条件の瀟洒なマンションに移り住んだ哲平一家。問題は何一つないはずだった。

ゴミ屋敷にはなんでもあるんだよ。ゴミ屋敷なめんな―特殊清掃員の俺は、ある一軒家の清掃をすることに、期間は2日。

十一月七日水曜日。女子大生の藍は秋のその一日を何度も繰り返している。

東京と出雲市で発生したダーズ(致死的急性狂犬病症候群)が感染爆発、死者1800万人と推定され、政府の主要機関が札幌に移された。

リングの事件発生からさかのぼること三十年あまり。小劇団・飛翔の新人女優として不思議な美しさを放つひとりの女がいた。

若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。

校正者の秋川美苗は、パーティで出会ったエリート学者・葉山との恋に墜ち、結婚前提の付き合いを始める。

東京郊外で両親と暮らす朋子は、三十歳過ぎの兄が何年も二階の自室にひきこもっていることに悩んでいた。

日本SFの金字塔、小松左京『虚無回廊』に瀬名秀明が挑む!「新生」「Wonderful World」「ミシェル」収録の連作集。

1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。

エレベーターに暗証番号、廊下に監視カメラ、隣室に役員。厳戒なセキュリティ網を破り、社長は撲殺された。

怪しい健康食品会社に勤める真城は霊が視えてしまう特殊体質。気味の悪い霊の出現と毎日の仕事にウンザリしていた。

現世から冥界へ下っていく道を、古事記では“黄泉比良坂”と呼ぶ―。なだらかな坂を行く私に、登山姿の青年が声をかけてきた。

凄絶な死の瞬間、破裂する電球、捻曲がる銀食器…。“顕現”と名付けたそれを蒐集するため、男は女たちを惨殺し続ける。