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たこやき さんのレビュー一覧
たこやきさんのページへレビュー数93件
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主人公のティムは強盗の罪で服役中。その刑務所の中で暴走族?のボスのような存在に脅され、正当防衛?で殺してしまうのですが、このままでは刑務所内でのリンチは避けられない上に泥棒で何度か服役している彼に終身刑もしくは死刑の判決・・・と脅されて今度は麻薬取締官に協力せざるをえない状況になってしまい、伝説の男『ボビーZ』になりすますはめになります。
これが不運の始まりなのですが、出てくる人出てくる人みんなろくでなしの悪人で、麻薬王、ティムに仲間を殺された暴走族、途中で亡くなってしまった麻薬取締官の身内のギャング、残っている取締官と全ての人間に命を狙われる羽目になってしまいます。 内容的にはB級バイオレンス映画さながらなのですが、この作者のセンスの良さなのか、同じくろくでなしでありながら憎めないお人よしであるティムの人柄なのか、色々とユーモアがちりばめられているようで何故かあまり暗い雰囲気がなく読みすすめられます。 暴力的な話はどちらかと言うとあまり好きな方ではないのですが、楽しく読ませる作者の筆力を感じました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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読んでいて、これはないだろう!とか、こんなのあり??と思うところは多々あるものの、先が気になり読む手が止まりませんでした。
ケルンでの事件がもとでベルリン行きを余儀なくされたラート警部。しかも殺人課ではなく風紀課の配属で本人は全然納得がいかずくすぶっていたところに殺人事件が発生します。偶然から被害者を知っていたラート警部は、被害者の身元を突き止められない殺人課の刑事達を横目になんとか花形部署へ行きたいゆえに勝手に単独捜査をはじめます。 ナチス台頭直前の1929年と言うあまりなじみのない時代ですが、あの頃の混沌としたヨーロッパの雰囲気が非常によくわかります。 同じ警察官の中でも考え方はそれぞれ違い、警察のありようも時代を考えると非常にリアルな感じがしました。 ミステリーの結末としてはしっくりこないところもあるのですが、きっとあの時代ならばこんな風にしか解決できなかっただろうと思います。 警部でありながら結構若い?ラートですが、かなり自意識が強い上に勝手な行動で墓穴を掘るようなタイプですが、彼なりの正義感は好感がもてます。 ナチスが完全に政権をとるまでこのシリーズが続くそうですが、何故民族至上主義に走っていったのか、そう言った歴史的な側面も含めて続きが非常に楽しみです。 |
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事件は解決したものの、まともな国交もない国に取り残されたニールがどうなったのか気になり、続けて3作目を読みました。さすがにどんな環境にもなじんでしまう彼ですが、3年か・・・そしてやはり解決の道はお金しかないのかと思いましが、いったいどれくらいだのか私も聞いてみたいです。
唐突に迎えにきたグレアムとともに帰国し、自由を満喫する間もなく仕事にかりだされます。 監護権がからむ子どもを取り戻すだけのはずだったのが、その裏には狂信的な人種差別主義者たちの結社があって、非常に困難な状況になっていきます。 今回の舞台はまさに西部劇。グレアム、エドに加えてミルズ一家という心強く温かい家族や一人の女性との出会いがあり、それぞれの人間が個々の思いをかかえながら、結社と対決することになります。 これまでと違いアクション満載で、まさに西部劇での決闘のように物語が進んでいくのですが、またひとつ大人の階段を上っていくニールの成長物語でもあるのではないかと思います。 それにしても、差別主義者というのはどの国にもいるとは思うのですが、銃器の氾濫するアメリカでは本当にこんなことが起こってもおかしくないだろうとさえ思えてしまいます。 |
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探偵ニールのシリーズの2作目。
中国人の美しい女性に心を奪われ、会社の契約を放棄して戻ってこない化学者を連れ戻す依頼を受けて、イギリスでの隠遁生活から呼び戻されたニールですが、簡単にすむはずだった仕事なのにその女性に心を奪われてしまい、よせばいいのに香港まで追いかけてしってしまうのですが、その裏には2つの大国がからむ複雑な事情があって、どんどん深みにはまっていってしまいます。 それにしても文革直後の中国へ・・・と言うのがちょっと現実離れしているのですが、繊細でナイーブ、だけど思い込んだら納得できるまで突き進まなければ止まることができないニールの青臭さが上手く話と噛み合っていて面白いです。 あの当時の香港や中国は、そこにいた人間にしかわからない悲劇だと思いますが、そこはすごくよく調べられているので、フィクションでありながら結構リアリティを感じました。 いわゆるタフで渋い定番のような探偵とは全く違い、技術はあるものの暴力にはとんと縁がなく、銃もまともに扱えないようなニールですが、ストリートキッズ出身ゆえか、極端な環境の変化にもたくましくなじんでいってしまうところが若者らしくていいですね。 やっかいな仕事を押し付け、いつも憎まれ口をたたきながらも、グレアムもエドもニールをすごく大切に思っているのだなと改めて感じました。 |
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アメリカの探偵小説でありながらハードボイルドではなく、またドンパチもあまり出てこない物語で落ち着いて読めました。
主人公のニールは、保守的な銀行家が私的に持っている調査機関の調査員であり、顧客の依頼に応じて上からの指示で動くのですが、本人は元ストリートキッズでありかなり過酷な生い立ちのもとで成長するのですが、その過程で義手の探偵に拾われることで今の立場となります。 薬漬けになり荒れた生活の果てに家出してしまった、上院議員の娘を探し出して連れ戻すと言う依頼がきて、目撃情報をもとにイギリスへ飛ぶのですが、娘の家出の真相には複雑な問題がからむ上、薬から離れることができないということもあって難航します。 それにしても、政治家の汚さと言う点においてはなかなかリアリティがあると思いました。 探偵小説というよりも若いニールの成長物語と言ってもいいのではないかと思います。 謎解きのようなミステリーではありませんが、読み応えがあり青春小説として読んでも面白いのではないかと思います。 |
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前作と合わせて一つの物語となっていますが、事件そのものは別々になっていると言う巧みな構成になっています。
前作でいきなり狙撃され、同僚が重傷を負い、保安官に戻ってしまった事を心のどこかでは後悔しているようなコーク。それに引き続いて殺人事件が起こるのですが、被害者の身内はかつて妻であるジョーが付き合っていた男性であり、なおかつシカゴでは裏の権力にも通じる一家。 真相は前作でほぼ解明するのですが、理不尽な思い込みにより追われる立場になったコークが、重傷を負い逃げていった先で起こる、全く別の事件。 今回は動けないコークに代わって他の人たちが事件解決に動き回るのですが、オーロラの人達や家族があまり出てこないので、そう言った意味ではこのシリーズの良さが少しトーンダウンした感じがします。 最後になってオーロラでの事件も完結するのですが、あっけないと言うか、スケールの大きな話になったわりには、えらくすんなり終ってしまったのがちょっと物足りない感じがしました。 |
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今回は目に見えない電気が相手・・・物理的なことはさっぱりわからないのですが、ドアのノブに触れるだけで感電させるなんてことができるんだろうか?と思いながらも、グイグイ物語にのめりこみました。
さすがに物語の進め方が上手いし、魅力的な脇役もいて最後にはすっきり解決するところも非常に爽快なのですが、非常に映画的というかフィクション度合が強すぎると言うか、怪人二十面相を捕まえる明智小五郎のような感じで最初の頃よりもずっとリアリティがなくなってきたなと感じます。 カマロがなくなってどうするんだろうと思っていたら、コブラが出てきて納得。 最後は色んな意味で希望の持てる終わり方で、まだ続編が出るのであれば楽しみです。 |
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今回はニューヨークではなく、山奥のイギリス風ロッジでの出来事。日本でもよくあるような雪に閉ざされた一軒家で、誰もそこから出ることができなくなる中で連続殺人が起こる・・・と言う非常によくありがちな設定なのですが、やっぱり面白いです。泥棒であるバーニイの目的は有名なあのレイモンド・チャンドラーの献辞付きの初版本。もともとは恋人と行く予定だったのですが振られてしまい、親友のキャロリンと出かける事になるのですが、このレズのキャロリンとの会話がいつも本当に楽しくて、異性の親友って本当にいいもんだなと感じます。
探偵物はいまいち苦手なところもあるのですが、酔っ払ってしまって予定外の行動になったりとか、かなりすっとぼけたヒーローなのですが、トイレを我慢できなくなるあたりは最高に面白かったです。 訳者の方が非常に上手い表現をされているのだと思いますが、推理とかよりもパロディとか会話とかを存分に楽しめる作品なので、1作目から読まれることをお薦めします。 |
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元保安官コークのシリーズの4作目です。
前作の話の流れから、保安官に復活しているのかと思っていたのですが、そうではありませんでした。 極寒の大晦日に1人の少女が失踪し、その数ヵ月後に遺体となって発見されることから始まる殺人事件。 今回は宗教色が強く、日本人には少しなじみにくい雰囲気となりましたが、アニシナーベ族が大いなる自然の中で感じる精霊などといわゆるカソリックの教えや信仰との対比は理解しやすく、それゆえに犯人が最初の方でわかってしまったので、ちょっとマイナスが多くなってしまいました。 |
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『鍵』の続編になる本書は、前作から半年後くらいでしょうか。
高校3年になり、耳が聞こえないと言う障害ゆえに進路や将来のことで塞ぎこんでいく主人公の麻里子。 自分の思うことの半分も伝えられないと感じるジレンマから、親友とも憧れの兄の友人とも少しギクシャクしてしまいます。 物語は最初から読者には犯人がわかっていて、その犯人の心理描写も絶妙と言うか、最近の悲惨な事件に共通するものがあるのではと思わずにはいられません。 また犯人を目撃し、容疑者と疑われてしまう同じ聴覚障害を持つ少年と出会うことで、少しずつ前向きに考え方が変っていくあたりは、同じような障害を持つ人にとっても素晴らしいエールになっているのではないでしょうか。最後の方で一皮向けたお兄ちゃんが少年に語る言葉がいいですね。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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バーニイシリーズの3作目です。
何故か古本屋を言う正業を始めているところがいいですね・・・泥棒はやめてないけど。 物語は、特別なアクションやハードボイルドはなく、予定調和のようにうまく解決するところがいいですね。いつもピンチになると必ず助けてくれるキュートな女性が出てきてくれるし(これもバーニイの人柄ゆえか?)チョイ悪だけど、なんだかんだ言いながら助けてくれるレイとか。登場人物の人間らしい暖かさを感じます。 決してほめられた仕事ではないのに、本当に憎めないバーニイ。 行きががかり上で、たまたま泥棒に入られたブリン夫妻がまたなんともいえずいいですね。 ホっとしたい時にはお勧めです。 |
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ものすごい長編ですが、サクサクと読めました。
設定が現在からだと約2000年後くらい?でしょうか。とても斬新な物語でSFともファンタジーとも微妙に違う気もしましたが。 サイコキネシス(私の年だと超能力者と言う方が自然ですが・・・)を持つことになった人間の未来。 ありえない話ではあるのですが、もしそんな力を持つ事があるとすればきっと人間の業と言うのはとどまるところを知らないだろうと言うのもわかる気がします。 子どもを完全に管理すると言うことの恐ろしさも、妙にリアリティーがありました。 洗脳ではないにしろ、今の学校や社会も少なからず同じような事をしている気がしてなりません。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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雄大な自然に対する謙虚な気持ちが伝わってくる作品です。
失踪したシンガーを探す依頼を受けたコークですが、そこに過去の事件が絡んできてFBIまで出てきて複雑な物語になっていきます。 一方で前作で崩壊寸前だった夫婦の関係が少しずつ変化してきたり、大きくみれば親子の物語であったりと、人物描写もすばらしいです。 ミネソタの雄大な自然は日本とは違うスケールを感じます。 ネイティブアメリカンの自然に対する謙虚さはアイヌにも通じるものだと感じます。 これからさらに夫婦の関係がどうなっていくのか、家族の物語でもあり先が楽しみです。 |
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解説にもあった通り、軽く読み流せますが、ユーモアがってなかなか面白い作品です。
ニューヨークが舞台でありながら、あまり殺伐としたところがないのがいいですね。 バーニーは暴力は嫌いなのでもちろん銃を持つこともなく、裕福な家の鍵を開けていくらか拝借していくと言う泥棒なのですが、依頼されて侵入した家に警官が踏み込んできて、そこでいるはずのなかった家人が殺されていたことがわかって慌てて逃げるはめになり、途方にくれていると、謎の女性が色々助けてくれて真相を解明していくお話です。 脇役のレイという警察官がいいですね。 主人公は泥棒ですから、決していいことをしているわけではありませんが、なんとなく憎めないと言う雰囲気が良く出ていて楽しめます。 |
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3作目の『死のオブジェ』の最後が、続く・・・みたいな終り方だったので続けて読んでしまいましたが、ついにマロリーの出自がわかります。
3・4作目ともに事件の真相がわかっていく過程はとても面白いのですが、いかんせんマロリーが完璧すぎると言うかなんと言うか。事件もすごく派手で、映画向きの話だなと感じます。なんか主役のイメージが私の中ではアンジェリーナジョリーに変換されてしまって・・・・。 過酷な体験をしてきたのはわかりますが、子どもの頃のマロリーもやはりできすぎ感があってイメージしにくいし、警察と言う組織の中の話もマロリーにあまりにも都合よく展開しすぎている気がするのです。 ただ脇役がとても良くて、マロリーに振り回されているにもかかわらず、盲目的に彼女を助けてしまうのですが、それによって少しずつ変化していく主人公の描き方は上手いなあと思います。 マロリーの話よりも、マーコヴィッツを主人公とした物語でマロリーが子どもの頃の話なんかの方がしっくりくる気がします |
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マロリーシリーズの2作目です。1作目の『氷の天使』よりはぐっと良くなった気がします。
登場人物が皆かなり個性的で、お話の中のチャールズの妄想であるアマンダの影はちょっとどうなの?とは思いますが、マロリーの極端な個性などはよく生かされていましたし、事件も含めて警察小説らしくなったのではないかと。少しずつマロリーの過去がわかるにつれ、彼女が心を閉ざしたままなのかと言うことも少しずつ明らかにされていくようです。 また彼女が人間的変に変化していく過程を感じられるのはシリーズものの良さなのかもしれません。 しかし、こつこつと証拠をつみあげて謎を解き明かすのではなく、あまりにも簡単にハッキングでなんでも解決できてしまうところは、小説としては些か面白みに欠ける気がします。 マロリーが倫理観からははずれたところにいると言うのはわかるのですが、それは警察官としての立場からであって、一読者から見る限りはそれほど欠如しているように思えないのはヘレンの愛情の賜物なんでしょうか? 2作目を読んでようやく続きが楽しみになりました。 |
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『掛けこみ交番』に出てくる高木巡査が警察官になりたての実務研修の頃のお話です。
警察官になったのも付き合っていた彼女に振られたのがそもそもの動機というかなり不純な理由なんですが、熱血でもなく短気で怒られてばかりの、今時の若者を実に上手く表現されています。 ミステリーではなく青春群像劇のようなお話で、なおかつ地域のお巡りさんと言うのも色々大変なんだなあと考えさせられます。 まあ現実の警察は今ちょっと不祥事が多いみたいですが・・・・ 警察手帳にプリクラ貼ったり、ピアスの穴を残していたりとユニークな彼ですが、向いていないと落ち込んだりやめようと思ったりしながら成長していく爽やかな物語です。 乃南さんの作品で、こういうコメディタッチの話はそうないのではないかと思いますが、高木巡査がその後どんな風に成長していくのか、ちゃんと刑事になれるのか是非とも続きを読みたい作品です。 |
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シリーズ物として順番に3作目まで読んできましたが、非常に好みが分かれるのではと思いました。
エリカがそれなりに活躍するのは1作目だけで後は夫であり警察官であるパトリックだけの話となるのですが、なんと言うか機能不全の家族の話ばかりが出てきて少し辟易します。 その最たるものがメインのストーリーとは全く関係のない妹のアンナの話だのですが、ちょっと読んでいて苛々してきます。 出産直後の大変さは妙にリアルで、そのあたりは女性ならではの感覚でしょうか。 特に日本の男性にはなじみにくい物語かもしれません。 ミステリーとしては緻密で謎が解けていく過程は面白いのですが、最後に『続く』みたいな終わり方はちょっといただけません。 |
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あまりなじみのないノルウェーの作品です。
前置きがなく、いきなりTV局がハイジャックされるところから始まるのがなかなか斬新です。 名前にあまりなじみがないので覚えるのが一苦労ですが、物語は分単位で進んでいきスピード感があって面白いです。もちろんフィクションですが、チェチェン紛争についての勉強にもなります。 |
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