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egut さんのレビュー一覧
egutさんのページへレビュー数745件
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多重人格を扱ったサスペンスストーリーとして、
とても面白く読めました。 文庫版の帯には「騙された」と言った、 どんでん返しを期待させるキャッチコピーがあった模様ですが、 それに期待して本書を読むと読みたかった内容との違いに戸惑ってしまうと思います。 話は各登場人物たちが知り合った1人の女性が行方不明になる所から始まります。 それぞれの人たちと接している時の1人の女性の像が異なり、 女性と接した人たちの話を聞いていく中で、 同一人物なのか?もしかして多重人格者だったのか? なぜ多重人格になってしまったんだろう? と言った感じに謎が展開されます。 このストーリーの展開はとてもテンポが良くて判りやすく、 そして1つの殺人事件の謎とも絡まってきて中々面白かったです。 ちょっと残念だったのが、 文庫化するにあたって最終章のモノローグ4を封印します。と言った作者のコメント。 この一言は余計だと思いました。 正直あってもなくても伏線が効いてくる内容でなく、 余談みたいなものなので、 読者にあるなしを選ばせるのではなく、 作者が1つの作品としてどっちかに決めてしまったらよいと思いました。 帯のコピー然り、余計な文章が読者に意図しない印象を与えてしまい、 勿体無いと感じました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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ミステリではなく、SFになると思いますが、
SFとも違う。単純なジャンル分けに収まらない作品だと感じます。 世の評判とあらすじを見てもさっぱり内容が判らず、 どんなものかと手に取り読みましたが、なるほど。。。これは凄くて表現できない。 近未来を舞台とした殺戮の物語。 虐殺を駆り立てる切っ掛けとなる虐殺の文法。言語とは何か?と言う この小説では見えやすい目的を軸に宗教観や生物、言語や思考を リアルなSFの世界感で包んで物語にした上で頭に入れられた感じです。 世界観に圧倒。凄いものを読んだ読了感です。面白かった。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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作者自ら描いた絵を挿入しミステリに絡ませた独自の作品作りに感銘を受けました。
美術の先生という事もあり図像学による絵画を読み解く話はとても面白いです。 絵の見方・楽しさに触れた気がします。 他の作品を先に読んでからこのデビュー作を読みましたが、 作中に流れる独特の雰囲気や若い女性の印象は作者の持ち味だと感じました。 今作で扱われる題材は複合的で、かつマニアック。 人におすすめし辛い難しさがありますが、 いくつもの仕掛けを独特な美術の世界で包んだ本書はとても贅沢な作品だと思いました。 仕掛けの感想はネタバレで。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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謎解きの好みは低いので点数抑えました。
この作品の味わいどころは謎解きより、香菜里屋のバーでした。 ゆったりとした作品の雰囲気は香菜里屋の店の雰囲気を良く引き立てています。 落ち着いていて、文体にふんわりとして、謎は酔わない程度に触れる感じ。 料理もとても美味しそうです。 店に訪れるお客さん同様に、 解決の糸口になるマスターの一言をどこかで期待している自分が常にいました。 |
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袋とじミステリの元祖とも言える作品。
奇術師が仕掛ける大マジック。復讐を成し遂げ、殺人を犯し、自分も殺される。 と言ったキャッチコピーの結末が袋とじされている本です。 前半から唐突に始まる裁判模様から興味を惹きました。 無実を訴える被告人に対して、 現場に残された被害者と思われる血液や 焼却された骨の一部を突き付けられます。 古典的な雰囲気の中、何が起きたのか?事件の全貌を読み進める本です。 結末の真相における仕掛けは、とても物足りなく感じてしまいました。 当時は大トリックでも今では1つの構成として見慣れている為です。 ただ、ストーリーやサスペンスとしての面白さはしっかりしていて なかなかの傑作でした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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読んで良かった。と思えた1冊です。
戦争を知らない若い世代=主人公と設定し、 『戦争を知らせる』のではなく、あくまで『祖父の生涯を知る』事にして 主題をずらし、読者を入りやすくしたストーリー構成は巧いと思いました。 自分自身、主人公と同じで祖父はどんな人だったのか。 ミステリ小説としてどんな仕掛けがあるのだろう? なんて思いながら本書を手に取り読み始めましたが、 ものの数十ページを読んで意識や考え方がガラリと変わりました。 良い意味で別物です。 ページが進むにつれて言葉でうまく言い表せない たくさんの気持ちが芽生えました。 読了後に自身の考え方や意識の持ち方まで 響いてくる作品です。 これは本当に良い作品でした。 |
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クローズド・サークルでの推理ゲーム。
舞台としてはとても面白いです。 夏の館、冬の館にそれぞれ7名づつ閉じ込められ、 互いの館で連続殺人が発生する。 館同士はTV電話でコンタクトが可能。 問題は夏の館、冬の館の犯人は誰か? 1度のみの解答に対して、正解側の館の人々は賞金を獲得して生還。 解答を外したり相手が先に答えた場合は死が待っている。 相手の館とのコンタクトでの情報提供の心理戦や 少ない手がかりでの犯人探しは好みもあり面白かったです。 ただ、"極限"と名のつくほど緊迫した雰囲気は無く、 登場する人々の思考が感じられない為、 とても軽いゲーム遊びをしている印象を受けました。 ミステリ読みなれている人にはとても物足りなく感じると思いますが、 この系統が好きな人は楽しめる作品だと思います。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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表題の「独白する…」はタイトルが一品。
また、語り部が地図と言うとんでもない設定。 このミス1位かつ推理作家賞を受賞をしておりますが、 ミステリとは違う作品だと思いました。 では何であるか?と言うと答え辛い。 乱歩を読んだ時の感覚を思い出した気もしますが、 もう、こう言うジャンル。と言った独特な雰囲気を楽しみました。 短編集に収録されているその他の作品は、 暴力的でグロく、気持ち悪さと痛さを錯覚してしまう文体が健在。 これは著者の持ち味で強烈な印象です。 その土台の上で摩訶不思議な世界を覗き楽しみました。 どれも強烈な印象ですが、とくに 「Ωの聖餐」「怪物のような顔の女と時計のような頭の男」 この2作は設定から結末まで巧く構成されていて、 個人的にインパクト高で唸りました。 |
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前半は舞台の新宿やそこに住む者達との絡みなど、
鮫島の硬質なハードボイルドっぽさがひしひしと感じましたが、 後半の鮫島には人間味や弱さが見え隠れし、 少し雰囲気を崩した印象を自分は受けました。 それが良さにもなりますが、 好みとしては硬質の雰囲気のまま浸りたかったです。 それにしても登場人物達はどれも印象に残る人々ばかり。 ちょい役を感じさせないぐらいインパクトが残ります。 好みの問題で点数は中間ですが、 とても面白く続きが読みたくなる良い作品だと思いました。 |
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【ネタバレかも!?】
(4件の連絡あり)[?]
ネタバレを表示する
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前バカミスの三崎黒鳥を読んでいたので、
ある程度の身構えをしつつ手に取りました。 今回も何かが仕掛けられている事は明らかな文体。 おかしい。不自然すぎる。一体何が仕掛けられているのだ? とヤキモキさせる読書感は健在。 文体以外にも特徴的なのは、 ノベルスの上下2段を活用し、 上段がアメリカ、下段をイギリスを舞台に 物語が同時進行する手法。 これは『本』に価値を持たせている事や、 文庫化して販売経路を増やす事が念頭にない作品づくりには 敬意を表します。 新世界が崩壊する真相が明かされた時は、 バカミスと身構えているにも関わらず失笑と脱力。 また、その後の作者の努力に驚き、 最終章「もう1つの崩壊」で 物語を別世界に構築した様は色々な意味でゾクっとしました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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異文化による価値観の違いが
ミステリと上手く絡んでいると感じました。 世界の景色がうまく描かれていおり、 まるで詩を読んだかのように思い浮かぶ情景がとても綺麗です。 巻頭の「砂漠を走る船の道」より、 砂漠の民が数日間 命がけで砂漠に向かい採取する岩塩。 危険な旅だが、なんと5ドルももらえるからだ。と話すシーンは 本書が扱う異国をより印象付けたと感じました。 また、「叫び」については価値観の違いを巧く扱い、 ダークな雰囲気が引き立つインパクトある作品で 短編ながらもとても重厚でした。 ただ、ラストの「祈り」については、 雰囲気を崩してしまった印象を受けたのが正直な所ですが、 全体的に良い作品でした。 |
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主人公が錯乱したとしか思えず、
置いてけぼりされたまま話が進んでしまった印象です。 小説「如月透の犯罪」と「如月透」自身の犯行が似通っていた理由も なるほどとは思うのですが、驚くことはありませんでした。 |
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