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egut さんのレビュー一覧

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レビュー数769

全769件 641~660 33/39ページ

※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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No.129: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

キョウカンカクの感想

音を色として認識する共感覚の扱いが巧く、
不思議な新しさを感じたミステリでした。

相手の声色で心理状況はもちろん、犯人までわかると述べる探偵。
この探偵の能力が嘘なのか本物なのかの疑心を交えて話は進行しつつ、
当の探偵は犯人が分かっているから証拠集めに専念して行動する。
倒叙ミステリのようで、そうではないユニークな進行でした。

本書を手に取った時はライトノベルで良く見られる、
設定とキャラ立ちが強い小説かと思いました。
ですが読み終わってみると、細かな伏線が多く散りばめられたミステリとも感じ、
特殊能力系のミステリの逸脱した雰囲気に負けない真相もインパクト大で、
なかなか面白い小説でした。

肌に合わなかった点としては、
無能な助手としてヘイスティングズ扱いを受けている山紫郎の行動や思考が
最後まで好みに合わず不快でした。
引き立て役なのか、その分他の人物が魅力的でした。

コテコテの本格ミステリと違って、
特殊能力で解決していく内容は好みが分かれそうですが、
私には個性的な作品で面白かったです。

▼以下、ネタバレ感想
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キョウカンカク 美しき夜に (講談社文庫)
天祢涼キョウカンカク 美しき夜に についてのレビュー
No.128:
(7pt)

ぼっけえ、きょうてえの感想

ミステリーではなかったのですが、
ホラー文学と言いますか、不思議な魅力を味わえたのが良かった作品です。

内容は総じて不気味で「ぼっけえきょうてぇ」然り、
文章表現される岡山の方言が怪談の雰囲気を一層醸し出していました。

女郎が客に対して話しかける独り語りの構成ですが、
これもある種、怖いものに触れて
身動き取れなくなっている変な緊張感を味わえる不思議な仕掛けを感じます。

映像化された作品でもあり、
そちらはグロい表現を強調したものになっている模様です。
ただ、この文章の独特の雰囲気は小説ならではの魅力であり、
映像では違った所を制作陣の好みも相まって惹きだす結果になったのだと感じました。

表題作は40P台の短い小説ですが、
長編のごとく、とても濃いものを読んだ気持ちになりました。
ぼっけえ、きょうてえ (角川ホラー文庫)
岩井志麻子ぼっけえ、きょうてえ についてのレビュー
No.127: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

オーデュボンの祈りの感想

なんとも不思議な世界観で洒落た会話も著者らしい。
嫌な現実世界と逃避先の空想世界を行き来する不思議な浮遊感を味わいました。

ミステリにおける全てを理解し読者へ説明するモノ(探偵の立場)をカカシとし、
またそのカカシが殺されてしまう事によって起きる
人々の困惑と謎の提示が面白かったです。

世界観や終盤の物語が収束していく展開は見事なのですが、
悪意の表現がいつも通り好みに合わず、(それが著者らしくていいのですが)
この点数で。

▼以下、ネタバレ感想
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オーデュボンの祈り (新潮文庫)
伊坂幸太郎オーデュボンの祈り についてのレビュー
No.126: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

新・世界の七不思議の感想

邪馬台国はどこですか?に続く2作目。
本書はアトランティス、ストーンヘンジ、ピラミッドの謎である、
あれは何なのか?なぜ存在するのか?などを新解釈していく小説です。

前作より評判が劣りますが、私はこちらの方が好みでした。

ピラミッドについて1990年以前は奴隷が作っていたものと解釈されていましたが、
現代の研究では、きちんとした雇用と専門の技術者でつくられている事がわかっている。など、
歴史の解釈は現実的に変化しています。

本書で掲げる珍説は、前作以上に「これは無いだろう」と感じるのですが、
頭の片隅では、「でも…もしかしたらアリかも」。と、その発想に惹かれるものがありました。

世界の七不思議を日本らしく解釈している珍説でまとめてあり、、
特にストーンヘンジの解釈については、とても素晴らしく思いました。
面白い小説です。
新・世界の七不思議 (創元推理文庫)
鯨統一郎新・世界の七不思議 についてのレビュー
No.125: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

邪馬台国はどこですか?の感想

タイトルにある邪馬台国はどこか?のほか、、
ブッタは悟りを開いてない。イエスの復活の真相とは?など、
歴史で見知った内容を別の解釈で解き明かす小説です。

よくある「本当はXXXだった」系の歴史の解説書とは違い、
軽妙なバーでの会話の手掛かりから真相を導き出す流れのテンポが
ミステリの終盤における真相の謎が解かれる気持ち良さを受けました。

現実では的外れな解釈であるかもしれないですが、
想像に富んだ解釈と理論的な展開でミステリを感じたのが見事でした。
邪馬台国はどこですか? (創元推理文庫)
鯨統一郎邪馬台国はどこですか? についてのレビュー
No.124: 10人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

気持ちよく打たれる今作はいろんな人に薦めたくなる作品。

今まで読んできた道尾秀介の作品は、
人の心の感じ方と受け取り方の歯車のずれの妙が印象的で好みだけど、
結末がずっしりの読了感に、少し苦手意識がありました。
しかし今作は、感動の結末も書けます。と、言わんばかりで、
読後感が気持ちよくまとめ上げており、著者の作風の幅を感じる凄さを感じました。

本書は詐欺師を扱った題材なので、インスピレーションから、
何かしら騙し騙される展開になるんだろうなと感じつつも、それに気づかない。
理想的な詐欺の内容でした。

また、仕掛けに強く目が行きがちですが、
仕掛けはあくまで、物語の登場人物達の気持ちを引き出し、
物語の要所要所で起伏を作るスパイス的なものに感じられ、
私の中での見どころは、その時その時の登場人物たちの心模様でした。

ずっしりと心に残る過去作も好きだけど、
気持ちよく打たれる今作はいろんな人に薦めたくなる作品でした。
カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)
道尾秀介カラスの親指 by rule of CROW's thumb についてのレビュー
No.123:
(5pt)

会話と独白のみの面白さは○。ですが、終盤が残念でした。

眼球を失った作家と新作作成の為に新たに雇った口述筆記用助手、
この2名の会話と独白のみのミステリ。

説明文が一切ないので、読者が盲目作家のポールと同様に
言葉からのみで世界を知る作りが面白いです。
記憶と違う事が起きる事による、疑心や不安。そして恐怖。
どう落ち着くのかと先が気になるサスペンスでした。

が、中盤までとても面白かったのですが、
終盤のいきなり話を終わらせてしまうかのような
急降下の真相は正直がっかり。

もっと丁寧に物語を閉じてほしかったと思いました。

▼以下、ネタバレ感想
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閉じた本 (創元推理文庫)
ギルバート・アデア閉じた本 についてのレビュー
No.122:
(2pt)

puzzle[パズル]の感想

謎の提示はとても面白い。
意味のなさそうな複数の書記。それぞれ違った方法で亡くなっている奇妙な遺体たち。

バラバラになったパズルはどう結び付くのか?
と、気になって手に取ってみたものの、
大風呂敷を勢いよく広げすぎてしまったのか、
中身が散らばってしまい収集がつかなくなってしまった印象です。

組み上がりを期待するパズルではなくて、
バラバラになって困ったパズル。
無理に駆け足でまとめた感があるラストも含め、好みに合いませんでした。

▼以下、ネタバレ感想
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puzzle (祥伝社文庫)
恩田陸puzzle[パズル] についてのレビュー
No.121: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

犬はどこだの感想

犬探しをしたい探偵の紺屋と昔の後輩で探偵になりたい半田。
コーヒー屋を営む妹夫婦など、
今後のシリーズ物として楽しくなりそうなポイントが多く感じられました。
(現在、シリーズ物とはいえ今作だけの模様ですが)

人々の今後の活躍を期待させる明るさとは裏腹に
事件はずっしりと一歩一歩、知りたくない真実を知ってしまった。
そんな読後感でした。

▼以下、ネタバレ感想
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犬はどこだ (創元推理文庫)
米澤穂信犬はどこだ についてのレビュー
No.120:
(3pt)
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厭魅の如き憑くものの感想

傑作だと感じた3作目の『首無の如き祟るもの』を先に読んでからの1作目の読書。
山奥に住む村人たちの憑き物や伝承を扱った怪奇なホラーミステリのシリーズです。

1作目は怪談や伝承などのアクが強く出されており、
非常に説明調で読み辛かったです。
雰囲気は抜群なのですが、地名(場所)や人物の把握もままならなく没頭できずにいました。

ただ、ホラーとミステリを高品質で融合させている事は確かですし、
3作目の良さから、長所をうまく引き伸ばして成長しているシリーズ作品だと思いました。

▼以下、ネタバレ感想
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厭魅の如き憑くもの (講談社文庫)
三津田信三厭魅の如き憑くもの についてのレビュー
No.119:
(4pt)

ぼくのメジャースプーンの感想

読後に感じるタイトルが非常に一品です。
罪と罰、自己、相手を思う気持ちなどの心の量りを巧く表しています。

各々の考え方が異なる難しい気持ちを、
秋山先生がぼくに語るようにやさしく丁寧に描かれていました。

純粋な子供心によるぼくの考え方。
物事の経験を得た大人の考え方をする秋山先生。
持っている量りが異なる通り、ぼくの最後の決断は私自身が予想外なもので、
かつ、残念に思いました。
残念と言うのは内容や何かに期待していた意味ではなく、
この気持ちは秋山先生とシンクロしているものだと思います。

とても良い作品なのですが、
考え方の違いと好みによりこの点数にしました。
ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)
辻村深月ぼくのメジャースプーン についてのレビュー
No.118: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

事件が起きるまで

前作の密室を開けないまま推理を展開する「扉は閉ざされたまま」に続く、特殊なシーンを描いた倒叙式ミステリ。
今作は、社長を殺そうと企む梶間。梶間に殺されたい社長。前作に続く超頭脳の探偵役の碓氷優佳。計3名による頭脳戦です。
目的を見ると『被害者+加害者 vs 探偵』と、被害者と加害者の意志が協力している所が斬新でした。

冒頭の著者の言葉にある通り、
「事件が起きるまで」を丁寧に書かれた、他であまり類を見ない作品で、
事件が起きなくてもミステリとして楽しむ事ができるという事と、
究極の探偵を描くことに成功している1作とも思えました。

▼以下、ネタバレ感想
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君の望む死に方 (祥伝社文庫)
石持浅海君の望む死に方 についてのレビュー
No.117: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

回文ミステリ

奇術師の集まる客船ウコン号で起こる奇妙な連続殺人事件。
著者自身が奇術師なのもあり、奇術の情景が良く描かれたミステリです。
また、言葉遊びを用いて回文を散りばめているのが面白いです。
これは、とても泡坂作品らしい作品だと感じました。

背景はちょっと重めな話を扱ってたのですが、
呑んだくれのダメ奇術師と若くて美人の弟子のコンビや
回文遊びなどが相まってユーモアな作品に仕上がっていると思います。

見出しを簡単に抜き出すだけでも
期待を抱き、危険劇、どこまで真(まこと)
と言った具合に回文尽くしです。

奇術と回文を巧く用いた作品でした。

▼以下、ネタバレ感想
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喜劇悲奇劇 (創元推理文庫)
泡坂妻夫喜劇悲奇劇 についてのレビュー
No.116: 7人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

陰鬱な内容は好みではないけど、いろいろ巧いです。

一時期本屋さんでたくさん並んでました。
読み終わった感想としては凄いのを平積みにしたなと感服です。

多くの人々に嫌な気分を味あわせるであろうこの文体は凄いです。
この点が好みと言うと変に思われそうですが、
こう描ける筆力は本当にすごいと思います。

ミステリの感じはあくまで活用した程度で、この点で期待すると違う印象を持ちます。
途中まで好みに合わずでしたが、最後の章あたりで作者のやりたい事が感じられて、
なるほどと思った次第です。

また、巧くドグラ・マグラを取り入れたか意識している作品だと思いました。
両方の作品を読んだ方は何の事か感じるかと思います。

個人的には第8章で終わらせたら
色々と物議を醸して面白いかなと思ったりしましたが、
それはそれで難しい作品になっちゃいますね。

陰鬱な情景に目が行きがちですが、構成もよく出来ている作品だと思いました。

▼以下、ネタバレ感想
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殺人鬼フジコの衝動 (徳間文庫)
真梨幸子殺人鬼フジコの衝動 についてのレビュー
No.115: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

ゴーレムの檻の感想

絵画の世界や過去の世界の住人に精神が乗り移り、その世界で事件に遭遇する。
不思議な世界の短編集です。
なんともいえない特殊な設定を、硬質に感じる文章で描かれていて少し苦手でした。
ただ、序盤を乗り越え、作風に慣れた頃に挟まれた表題の「ゴーレムの檻」。
これは面白かったです。

檻の内側と外側の空間を反転させると謎の言葉を残して消失した
密室トリックとその動機が斬新でした。
短編集最後に収録された、現代版「ゴーレムの檻」の太陽殿のイシスも
物語の作りが巧い。

序盤、慣れが必要でしたが独特の雰囲気が面白い作品でした。
ゴーレムの檻―三月宇佐見のお茶の会 (光文社文庫)
柄刀一ゴーレムの檻 についてのレビュー
No.114: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

生ける屍の死の感想

死者が蘇る世界の中での殺人事件。
この特殊設定の中での本格ミステリはとても楽しめたが、
それよりも死についての考え方がとても興味津々に読めました。

日本の火葬と違い、アメリカはエンバーミングを施し土葬します。
なので海外ではゾンビと呼ばれる姿が残った死体があるわけで、
お国柄の違いやそれに接する人々の死の扱いについても改めて考えさせられました。

▼以下、ネタバレ感想
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生ける屍の死(上) (光文社文庫 や 26-3)
山口雅也生ける屍の死 についてのレビュー
No.113: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

ラットマンの感想

人の心。心理状況を正しくも悪くも
深読みもできる想像力が長けている作家さんだと今回は強く思いました。

人が接触した時に交わされる心模様を
明るく爽やかに描くのとは逆で、
ミステリの謎で分からない心理状況である不安さを巧く活用して
毎回違った心の物語を作っている気がします。

著者の作品は読み終わって、楽しかった、気分が晴れる。
とは違った複雑な気分を持ってしまうのですが、
それぞれどういう言葉で区別したらいいか分からないような、
毎回違った物語が魅力的だと思いました。
ラットマン (光文社文庫)
道尾秀介ラットマン についてのレビュー
No.112:
(5pt)

会社を休みましょう 殺人事件の感想

とりあえず、"殺人事件"を付けてみました。
と言わんばかりの、サラリーマンを対象にした娯楽小説。

主人公は30歳。上司と後輩に挟まれた位置にいるサラリーマン。
アクセク会社の為に一生懸命に働き、休みたいのに休むのが怖い。
仕事の苦悩、家庭での奥さんとのすれ違い。
そんな心境を共感する読者がターゲットだと思います。

一応、登場する人々の場である会社で殺人事件が発生し、
ちゃんと推理をして犯人を導く内容はあるのですが、
ミステリーの要素は少なめです。

なんというか、飲み屋で聞きそうな愚痴、共感してほしい悩みなどが
たくさん吐き出されている本でした。

以下、本編とは関係ない雑文です。
ネタばれでもなく、あえてミステリとしてこの本を深読みしてみると、
サラリーマンの苦悩の果てに発生する事件の真犯人は"会社"であるとも感じます。
本文中にも出てきますが、「会社に殺される。」という比喩の活用で、
意外な犯人=会社という構造が面白いと思いました。

▼以下、ネタバレ感想
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[会社を休みましょう]殺人事件 (集英社文庫)
吉村達也会社を休みましょう 殺人事件 についてのレビュー
No.111:
(8pt)

富良野ラベンダー館の殺人の感想

目張りされた密室、敷き詰められたラベンダー、充満する花の香り。
吉村達也のシリーズ作品はお手軽でさっと読める推理作品が多く、これもその1冊です。

本自体に香料インクでラベンダーの香りを入れている仕掛けもあり、
"香り"が特徴的な作品で使い方も巧いです。

元々短編だった事もあり、短めでさらっと読める作品にしては、
犯人を特定する方法や、敷き詰められたラベンダーの目的の意外性もあり、なかなか面白かったです。

特に本書で特徴的な香りの使い方が見事です。
あまり類を見ない臭覚を巧く活用した作品の1つだと思いました。

▼以下、ネタバレ感想
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富良野ラベンダー館の殺人―香りの殺人シリーズ (角川文庫)
吉村達也富良野ラベンダー館の殺人 についてのレビュー
No.110: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

不可能状況+密室トリック

トリックメーカーの著者が仕掛けた連続する不可能状況+密室劇。

ドアの開かなくなった事故車から出てきたのは、無傷の男性と内臓を取り出された女性。
事故の直前にすれ違ったドライバーは2人は生きていた事を証言する。
この不可能状況から一気に魅了されました。

その後も関係者の屋敷で起こる怪奇現象や新たな密室。

前作の武家屋敷の殺人を読んだ時の楽しさ同様、
1冊の中にいくつもの仕掛けを施した贅沢な作品でした。

ただ、トリックの奇抜さはとても楽しかったのですが、
「そうだったんだ!」と驚かされたわけではなく、
「そんなことがあったんだ…」と傍観者の気分での読了でした。
何となく思うところですが、
読者が探偵と刑事達から離れた位置で情報を零れ見ている距離感があり、
気持ちが事件に深く介入してなかった気がします。
なので真相を聞いても驚けなかったかな……と。

とは言え、第1の事件の真相のインパクトは強烈だったのは確かなので、
少し残念な読了でした。

それにしても著者からは本格やトリックに対する愛情が強く感じられ今後も読んでみたい作家さんになりました。

▼以下、ネタバレ感想
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扼殺のロンド (双葉文庫)
小島正樹扼殺のロンド についてのレビュー