■スポンサードリンク
なおひろ さんのレビュー一覧
なおひろさんのページへレビュー数572件
閲覧する時は、『このレビューを表示する場合はここをクリック』を押してください。
|
||||
【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
ネタバレを表示する
|
||||
---|---|---|---|---|
現在の記憶を持ったまま過去の自分に戻れる、と言うSF的設定と、その後に起こる連続殺人事件の謎を解く、と言う本格推理要素が合わさった作品です。これはかなり面白いです。中でも一番気に入ったのは主人公の大学生でした。恋愛にしても他の人間関係や物の考え方、行動、すべて身勝手。最初の印象からどんどん変貌して行く感じで、すごかった。人間の本能って所詮こんな物かも知れません。大きな謎と主人公の気持ち悪さで最後まで飽きずに読めました。細かい矛盾は気にせず、ぜひ楽しんで読んで下さい。
|
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
小説家、脚本家、ライターの3人が主要登場人物で、過去あった自殺系サイトの真相が謎の中心になっています。最初の内は何が出て来るのかさっぱり分かりませんが、中盤から事件の内容と、犯人は何を隠したかったのかが見えてきます。ずっと自殺についての記述が長く続きうんざりしますが、全体を覆う不思議な、落ち着かない雰囲気に引き込まれました。終盤はまさにサスペンス。どちらが犯人なのか?、ラストも悪くないと思いました。
|
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
公安刑事が主人公で、人質籠城事件とライフル射殺事件が同時に発生します。人質事件の犯人が消失してしまうと言う本格物的な部分もありますが、ハードな世界観とキャラクターを楽しむ作品だと思いました。30年前の物ですので時代を感じさせる古さもありますが、緊張感はずっと持続し、作品名を「裏切りの日日」とした理由が最後に分かるでしょう。なかなか渋い。
|
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
「三月は深き紅の淵を」という本にまつわるお話が4編入っています。それぞれの章で登場人物も設定も全く違うので、同じなのはこの本のタイトルが出て来る点だけでしょうか。意図的なのか1章から順々に後半になるにつれ現実離れして行く感じで、どんどん落ち着かない気分になりました。良く出来ているのか評価は高い様ですね。私の好みでは1章だけは良かったですが、後は特に面白くありませんでした。
|
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
チーム・バチスタのシリーズ2作目で、今回は小児科病棟を舞台に物語は展開されます。重い病気の子供達が出て来ますので、やはり読後感は良くないです。文章も変に気取った感じを受け、ストーリーに入りづらい。またメインの設定がファンタジー的で、ミステリーとして考えればあまり合わないかも知れません。ただ、医療現場の雰囲気はリアリティがあり、登場人物のキャラも立っていますので、そのあたりで楽しめる方は満足出来ると思います。個人的な好みでは、オススメ出来ない作品です。
|
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
コンビニ強盗に失敗し捕まった後ひょんなきっかけで逃走し、見知らぬ島へと逃げた主人公。その島は百年以上鎖国を続けており、喋るカカシが存在すると言う不思議な所でした。シュールな設定で、SFではありませんがファンタジーですね。
作者のデビュー作ですが、この頃からすでに後につながる本質は同じです。いつも通りにレイプ、身体障碍者、病人、社会生活不適合者等々、底知れぬ悪意と狂気に満ちていて救いが無い。読んでいて本当に気分が悪くなる。もちろん現実には信じられない様な事件が毎日起きていて、許せない悪人はいっぱいいる。けれどそう言う話はもっとリアルな世界観とハードな文体が似合う。こんな軽い文章でこんな若い人に書いて欲しくない。ただ、ストーリーの続きがとても気になる。この才能をもう少し違う方向に向けて欲しい、本当に勿体ない。さらりと読み易いだけに、内容とのギャップが最低でした。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
ホラーテイストでなんとなくゾクリとする感じの短編集です。ほぼ20年前に書かれた作品ばかりですので、時代を感じさせる設定、描写もありますが、それぞれ良く出来ていると思います。ただ、岡嶋二人の頃の方が面白かった様に感じるのは、作者には失礼ですが本音です。
|
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
退職直前のサラリーマンが、恩義のある会長の死の謎を解明するべく奮闘する、という話です。ハードボイルドタッチで格好良いストーリーでありますが、不満点が少し。主人公の周りには魅力的な女性が複数出て来ますが、特定のヒロインがいないのです。自ら危険に飛び込むのは愛する女性のために、というのが動機に欲しかったですね。また生い立ちから現在までの背景が、この物語の為に都合が良過ぎる気がしまして、展開の割にハラハラしない感じがしました。大好きな作者の作品なので、かなりハードルを上げてしまいましたが、平均点以上の良作であることは間違いありません。特に中年男性にはオススメです。
|
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
死神が主人公と言う変わった設定の連作短編集です。出て来る人達は死神に取り付かれている訳ですから、死が目前に迫っています。しかし本人はそれに気づかず毎日を普段通りに生きており、だんだん登場人物に感情移入してきますので、読んでいるとみんな死んで欲しくないなと感じてきます。結局どうなったのかは是非読んで下さい。どちらにしても人間いつ死ぬか分からないのですから、悔いのない毎日を過ごして行きたいという気持ちにはすごくなりましたね。死神が徹底してクールなのと、その割に天然ボケな面があるのが、設定から来る重苦しさを緩和していると思います。オススメです。
|
||||
|
||||
|
|
||||
【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
ネタバレを表示する
|
||||
---|---|---|---|---|
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
冷戦時代のベルリンで事件に巻き込まれた主人公。東側へ亡命するが、5年後日本に帰って来るとの連絡があり、関係者は雨の小樽に集結する。そこで復讐が始まる、と言う話です。前半のベルリン、後半の小樽の情景描写がなかなか良い感じで雰囲気があります。ストーリー展開は結構早めに結末が予想出来たので、意外性は有りませんでした。ただ、タイトル最高ですね。最後の場面に繋がっていて、格好良すぎます。ヒロインも魅力的なハードボイルド風サスペンスです。是非お試しください。
|
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
今回は警察が舞台ではない短編集です。最後に隠されていた真相が明らかになる、と言うお話になっていますが、それは結構重く救いがない感じの物もあり、後味は悪いです。ただ、真相が明かされる時、それはどんでん返しの瞬間でもあります。どれも息が詰まる様な展開ですが、ぐいぐい引き込まれる事は間違いなく、面白いのは保証します。
|
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
SF新本格というジャンルになるそうですが、とにかく物凄く面白い。同じ1日を9回繰り返し、主人公の主観以外はリセットされてすべてなかった事になる。9回目に過ごした1日が決定となり翌日を迎える、という設定です。うまく説明出来ないので、是非読んで欲しいと思います。主人公の言動が高校生には思えないですが、ユーモアミステリーのタッチですから、細かい事は気にしない方が楽しめます。快作、傑作、代表作。
|
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
著者の短編集は初めて読みましたが、どれも素晴らしい作品でした。すべて大人の男が主人公で、ミステリーというよりはハードボイルドよりの感じが強いです。出て来る女性がみんな素敵で、そういう意味ではファンタジーかも知れません。とても静かなタッチ、静謐な世界観が心にしみます。中年期の男性には特にオススメです。
|
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
後半に「読者への忠告状」が入っている疑似推理小説。とにかく不思議な話で、どこが面白いのか良く分からない。殺人鬼の話は非常にグロイ。数学の話は全然理解出来ない。芸者トリックの話は独立した小説には出来ないバカバカしさ。プロレスの話だけは当時を思い出してとても懐かしい。あの頃前田と第2次UWFにはみんな夢を見ましたね。トータルした作品の感想は、途中まではそれなりに面白くて先が気になったのですが、最後まで読み終えると全く訳が分からなくてがっかりしました。ホント時間の無駄でした。
|
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
すべて作家を主人公にした短編集です。作家の裏側みたいな物が感じられて、なかなか興味深い話が多かったです。
|
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
デビュー作を含む初期短編集&エッセイ集という変わった作品です。色々な雑誌に載った作品のため、内容はかなり雑多であります。エッセイのパートも結構ユーモアに富んでいて面白かったと思います。著者の名前は以前から知っていましたが、著作を読んだのは初めてで、昨年お亡くなりになっていたのも知りませんでした。新作がもう出ないのはとても残念ですが、過去の作品を少し読んでみたいと思いました。ご冥福をお祈りします。
|
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
建設コンサルタントの男が、なりゆきでヤクザの男とコンビを組む事になります。二人は産業廃棄物処理場建設をめぐるトラブルに飛び込み、一儲け企むと言う話です。とにかく出て来るのがワルばかりで、みんなキャラが濃い。物語もほんの数日とは思えないくらい濃密です。夜も寝ないですから。関西弁の会話もテンポ良くなかなか楽しめました。ただ登場人物が多く、関係が複雑で分かりづらかったのがマイナスです。しかし最近のヤクザは簡単に人は殺さないんですね。本格推理の方がよほどバタバタ死んでいきますよ。
|
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
首相暗殺の濡れ衣を着せられた青年の逃走劇です。途中で過去の回想シーンが良く出て来ます。そこでは作者の特徴である、いつものふわふわした上滑りの会話が目立ちます。他の作品ではそれが嫌いで気持ちが内容に入って行かないのですが、本作はそれを主に回想シーンに使い、現在の文では少し抑えた感じにしています。その為甘い追憶と過酷な現実の対比に効果的で、切なさを感じるほど良かったです。また、内容もご都合主義すぎるとか、ラストがすっきりしないと言う批判的な評価も有る様ですが、私には非常に面白かった。伊坂作品でやっと良い本に出会えました。高評価も納得のエンターテイメント、是非オススメします。
▼以下、ネタバレ感想 |
||||
|
||||
|