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なおひろ さんのレビュー一覧

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レビュー数572

全572件 461~480 24/29ページ

※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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No.112:
(6pt)

スタイルズ荘の怪事件の感想

アガサ・クリスティのデビュー作で、90年以上前の作品です。当然古さは感じるものの、ポアロの推理も論理的ですし、最後に指摘される犯人には結構驚かされました。途中描かれる法廷場面もなかなか良くできていて、十分楽しむ事が出来ました。ポアロとヘイスティングズの掛け合いも良いですね。まずまずの佳作だと思います。
スタイルズ荘の怪事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
No.111: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

氷舞 新宿鮫VIの感想

10年以上積んであった本ですが、久しぶりの新宿鮫はかなり面白かったです。当時よりも警察小説を読む機会が増え、リアリティが無さ過ぎて醒めるかな、と思ったのですが、大沢在昌のエンターテイメント性は素晴らしい。アクションあり、恋愛ありで派手に展開しますが、最大の美点はそれぞれのキャラが立っている所ですね。またこの世界に戻って来たくなる、そんな魅力があります。絶対1作目から順に読んだ方が良い。間違いなくオススメ。
氷舞―新宿鮫〈6〉 (光文社文庫)
大沢在昌氷舞 新宿鮫VI についてのレビュー
No.110: 6人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

天使のナイフの感想

テーマは少年犯罪。被害者も加害者も、それぞれの家族もみな苦悩の中立ち直れない。
更生を見守るべきか、厳罰を処せるべきか、正解の無い問題にそれぞれの立場から多層的にストーリーが構成されています。次々に真実が明らかになるたびにそれまでの見方ががらりと変わり、どこへたどりつくのか、素晴らしい内容に引っ張られ一気に読みました。
後半の展開がテレビドラマみたいだ、との意見を見かけましたが、スピード感があり分かりやすいという事で、良かったのでは無いでしょうか。
乱歩賞受賞作、デビュー作にして傑作と呼べる作品です。オススメします。
天使のナイフ 新装版 (講談社文庫 や 61-12)
薬丸岳天使のナイフ についてのレビュー
No.109: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

脳男の感想

文春ミステリー1位、乱歩賞受賞作であり、映画化されるという事でかなり期待して読んでみました。が、結果は残念なものでした。主人公の不思議な設定とその魅力は結構良かったのですが、他が酷い。ストーリー展開、犯人の動機と犯行方法、主要登場人物の設定と行動、すべて不満で読むのが苦痛でした。
脳男 (講談社文庫)
首藤瓜於脳男 についてのレビュー
No.108: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

五匹の子豚の感想

いわゆる「回想の殺人」テーマと呼ばれるそうですが、正に本格推理という感じで、かなり面白かったです。5人の証言は微妙にずれており、同じ人間を見ているのに印象が全然違う。また、皆すべて本当の話ばかりはしない。しかし嘘ばかりでもなく、うっかり忘れている事や、曖昧な記憶の事もある。そんな当時の話や書いてもらった手紙を元に、最後は意外な真実へとたどり着きます。納得できる良い結末だったと思います。一般的にはマイナーな作品でしょうが、安楽椅子物が好きな方は読んで損は無いですよ。是非。
五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
アガサ・クリスティ五匹の子豚 についてのレビュー
No.107: 7人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

そして誰もいなくなったの感想

この作品が基準となり、後の類似した設定が生まれて行ったのでしょうから、若干トリックや犯行方法にゆるさがあるのは、仕方ないと思います。参考書があって後からいじるのは、楽で当たり前。最初に思いつき、この完成度で書ききったのが、本当に素晴らしい。現代までミステリーの代名詞となるのも、納得の名作。邦題もいいね。
緊張感が最後まで続き、真相には驚かされる。犯人全然分かりませんでした。ネタバレを聞く前に未読の方は是非お早めに。
そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
No.106: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

オリエント急行の殺人の感想

非常に有名な作品ですが、予備知識無く読む事が出来ました。メイントリックは途中で何となく分かりましたが、最後まで飽きる事はありませんでした。エンディングも素晴らしいです。
雪に閉じ込められたオリエント急行。乗客にはすべて完璧なアリバイが。犯人はどこへ消えたのか?
正にクローズドサークルの古典的傑作です。ポアロの名推理をお楽しみ下さい。
オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
No.105: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

僕を殺した女の感想

主人公はある朝目覚めると女に変わっていた。しかも5年先にタイムスリップしている事が分かる。という出だしなのですが、これはSFなのか、論理的に説明されるミステリーなのか全然分からない。何が何だか分からないのは、主人公も読者も同じで序盤はかなり面白かったです。
しかし途中からはややこし過ぎて、付いて行けなくなって来ました。登場人物や事件が多すぎて、会話文も誰が話しているのか混乱するほど、ごちゃごちゃしてます。嫌な奴しか出て来ないし、誰も信じられない不安とストレスが伝わります。とにかく、何度もひっくり返る状況が気になり、最後まで一気に読めました。
詰め込み過ぎたデビュー作という事で大目に見て、まあ良くこんな事考えたもんだ、と感心するやらあきれるやら、そして最後はこれで良いのか?
埋もれてしまっていた力作です、見かける事があれば是非ご一読下さい。

僕を殺した女 (新潮文庫)
北川歩実僕を殺した女 についてのレビュー
No.104:
(5pt)

疑心 隠蔽捜査3の感想

シリーズ3作目という感じですね。まず読者がキャラクターの設定、関係を知っている事が前提となっています。その人物が最もやりそうに無い事をやればどうなるか?それがやりたかっただけでしょう。
肝心の事件の内容は、悪くはないですが結構あっさりしており、前作にははるかに及びません。少し残念でしたので、次作に期待したいと思います。
疑心: 隠蔽捜査3 (新潮文庫)
今野敏疑心: 隠蔽捜査3 についてのレビュー
No.103:
(6pt)

すじぼりの感想

ヤクザに関係して行く大学生を主人公とした青春小説です。とにかく若い、甘い、身勝手で短絡的、主人公の性格、行動にはうんざりします。この素晴らしいタイトルが、大体内容を示唆してますが。ただ、他の登場人物はみな魅力的ですし、ストーリーがどんどん展開して行く所は、かなり読ませてくれます。さすが大藪春彦賞受賞作。結構エグイ描写も多いですが、ホラーがメインの作者らしく、堂に入っています。
終盤まで文句なく楽しめたのですが、ラストが気に入らない。個人的にかなりマイナスなので減点です。他の方の感想も聞きたいですね、是非読んで見て下さい。
すじぼり (角川文庫)
福澤徹三すじぼり についてのレビュー
No.102:
(5pt)

プラ・バロックの感想

ジャンルとしては警察小説でサスペンス小説なのですが、かなり変わった雰囲気になっています。登場人物の名前表記がすべてカタカナであったり、場所も架空の都市で、時代も現在か近未来か曖昧な感じです。ただ、警察組織やその中の人間関係は多少リアルで、起きた事件も突飛ながら分からなくも無い内容であります。
個人的にはそのあたりのバランスの悪さに馴染めず、面白くありませんでした。せっかくサスペンスなのに、リアリティの無い設定のせいで、恐怖も悲しみも何も迫って来ませんでした。
日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作で、文章は割と読み易いです。この世界観を作り出した想像力や構成力は才能でしょうが、オススメはしません。変な話が読みたい方は試してみて下さい。
プラ・バロック (光文社文庫)
結城充考プラ・バロック についてのレビュー
No.101:
(6pt)

廃墟に乞うの感想

直木賞受賞作と言う事で、期待のハードルが高いのでしょうか、アマゾンのレヴューは厳しいですね。まあ著者の長年の功績に対して、と考えれば良いのだと思います。警官の血の方が素晴らしいと当然思うのですが、それはともかく個人的にこの作品の評価は低くはありません。
まず、休職中の刑事が個人的な相談に乗って捜査をする、と言う設定が面白い。どういう状況なら事件に絡んで行けるのか、逆算的にストーリーを組み立てたのかも知れませんが、あまり違和感を感じず物語を楽しめました。派手さは全く無くて地味な話ばかりですが、たまにはこんなのも悪くないと思いました。
廃墟に乞う (文春文庫)
佐々木譲廃墟に乞う についてのレビュー
No.100: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

ダナエの感想

今回100本目のレビューなので高評価を付けたくて、藤原伊織を読みました。3編の短編集ですが、やはり非常に素晴らしかった。今回は、アクションや謎解きがメインのハードボイルドではありません。特に命をかける様な事件は起きない、大人の男達のただ静かな物語です。特に表題作は群を抜いており、これだけで十分価値のある作品集と言えるでしょう。とにかく中年以上の男性は必読です。間違いないですから。
作品のみの評価は8点、感動的な小池真理子の解説と作者生前最後の作品と言う事に哀悼の意を表して、合計10点です。ちょっと強引ですが、好きなんだからしょうがない。
ダナエ (角川文庫)
藤原伊織ダナエ についてのレビュー
No.99: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

ゴメスの名はゴメスの感想

タイトルはずっと以前から知っていました。50年前の作品ですが、今回やっと読む事が出来ました。舞台はベトナム戦争が始まる直前のサイゴン。友人の行方を探す内に、スパイの争いに関わって行く事になります。巻き込まれると言うよりもあえて飛び込んで行くと言うイメージです。誰が敵か味方か分からない、サスペンスに満ちたストーリーも良いですが、何と言っても文章が良い。設定にも会話にも品がある。更に、ベトナムの情景描写が素晴らしい。当時は取材旅行に行ける時代ではなく、聞いた話と想像で書いたらしいですが、とてもそうは思えない。
ホントに古さは全く感じません。未読の方は勿体ないので是非読んで見て下さい。ハードボイルド好きなら特にです。
ゴメスの名はゴメス (光文社文庫)
結城昌治ゴメスの名はゴメス についてのレビュー
No.98: 9人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

カラスの親指―by rule of CROW's thumbの感想

中年の詐欺師二人の話から始まり、仲間が少しづつ増えて行きます。みんな過去から逃れられず、最後に追い詰められて危険な相手に大勝負に出る事となります。しかし結末は衝撃のどんでん返しで、それまでのすべての伏線が真相を示していた事に気づかされます。登場人物は魅力的で、ストーリー展開も巧みです。とても面白く読めましたが、満点は付けられません。
とにかく主人公達の過去が悲惨すぎて、気分が悪くなる。考えられる不幸をどんどん机上で詰め込んだ、という感じで、ここまで必要ですか?と言いたくなりました。こう背景が暗いと面白いと言っていいのかな?と考えてしまうんですね。
ただその辺りは好みの問題ですので、オススメ出来ることは間違いありません。すごく良く出来ています、是非どうぞ。
カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)
道尾秀介カラスの親指 by rule of CROW's thumb についてのレビュー
No.97:
(7pt)

密室に向かって撃て!の感想

お笑い本格ミステリーというジャンルの作品です。題材が殺人事件ですから、さすがにあんまり茶化すと後味は悪いのですが、その辺は目をつむる事にします。また、メイントリックも警察の科学捜査を無視した内容で、とにかく固い事言わずに雰囲気を楽しむ、それで良いのだと思いました。
登場人物の会話も面白いですし、伏線が回収される最後の探偵の謎解き、犯人のトリックと動機、良く出来てますので、是非読んでみて下さい。オススメします。
密室に向かって撃て! (光文社文庫)
東川篤哉密室に向かって撃て! についてのレビュー
No.96:
(5pt)

螺鈿迷宮の感想

桜宮サーガの1作で、シリーズおなじみの人物が登場します。内容は、医学生の主人公がある病院の謎を暴くために、潜入捜査をする事になります。そこでは患者が不自然に次々に死んで行くのですが、その真相は?、これは殺人事件なのか?という話です。
これはかなり評価の難しい作品で、ストーリーは3点、ただ桜宮サーガファンとして加点すれば5点くらいでしょうか。理由はネタバレにて。

▼以下、ネタバレ感想
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螺鈿迷宮 上 (角川文庫)
海堂尊螺鈿迷宮 についてのレビュー
No.95:
(5pt)

野獣駆けろの感想

傭兵達が命を懸けた争いをする(それも日本のとある施設で)、という強引な設定に戸惑いました。ただ、その違和感を感じさせない様に、この世界の中でのリアリティや緊張感は描けていると思いました。30年ほど前の作品ですが、あまり時代は関係ないストーリーです。ガチガチのハードボイルドとは言えないですね、文体とか三人称の視点からみて。スカッと軽いバイオレンスアクションが読みたい方にオススメします。
野獣駆けろ (集英社文庫)
大沢在昌野獣駆けろ についてのレビュー
No.94: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

果つる底なきの感想

著者が乱歩賞を受賞したデビュー作。銀行内部を綿密に描写した企業ミステリーで、結構面白く読む事が出来ました。次々出て来る謎に引き込まれ、最後まで十分楽しめました。ただ残念な所も多くあります。
賞に応募するには派手にやらないといかん、と思ったのかとにかく人が死に過ぎる。一人一人の死が軽くなってしまい、真相と動機が明らかになるとかなり違和感を感じる。また、一人称一視点でハードボイルドタッチなのも、主人公の設定や作品テーマに合っているかはやや疑問。最初なのでやりたい事全部入れたのでしょうか。
文句はいいましたが、緊張感もあり、十分なレベルではあると思います。未読の方は是非どうぞ。

果つる底なき (講談社文庫)
池井戸潤果つる底なき についてのレビュー
No.93: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

空中ブランコの感想

伊良部シリーズ2作目であり直木賞受賞作です。話の流れはいつも同じで、伊良部先生はまともな治療を全くせず、患者が自分で立ち直って(回復して)行く事になります。
どの患者も本当に辛そうで、読んでいて感情移入してしまいます。最後にストンときっかけをつかんで、好転する気配を見せてくれると、ホッとして暖かい気持ちになれます。
ミステリー要素は全くありませんが、最高のエンターテイメント。読まれた方も多いでしょうが、未読の方は是非。前作より数段上です、特に疲れた大人にオススメの傑作。

空中ブランコ (文春文庫)
奥田英朗空中ブランコ についてのレビュー