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なおひろ さんのレビュー一覧

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レビュー数572

全572件 441~460 23/29ページ

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No.132: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

聯愁殺の感想

未解決の連続殺傷事件。その謎を解明するべく、作家や犯罪専門家達が集まって推理合戦を繰り広げる。その過程を楽しむ作品です。
事件の詳細な内容を警察官が外部に漏らしている段階で、今作はリアリティを拒否しています。また、唯一生き残った被害者が、狙われた動機が知りたい、と言うのですが、犯人が消えている以上明快な答えも難しい。結局、途中の推理は突飛すぎて納得できないから、長いだけで退屈。少しづつ事実を小出しにする事で展開を作っていますが、好みの問題か面白く無かったですね。
そして衝撃の真実。完全に蛇足の最終章。馬鹿馬鹿しい本が読みたい、時間のある方におススメです。
聯愁殺: 新装版 (中公文庫, に18-9)
西澤保彦聯愁殺 についてのレビュー
No.131: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

聖女の救済の感想

何とも評価の難しい作品です。倒叙系のなので、犯人は分かっています。ただトリックが分からない。基本的にはそれで最後まで引っ張るのですが、途中草薙の恋心や内海の冷静な捜査などドラマで読ませます。
しかし問題は肝であるトリックが酷い。作中でも「理論的には考えられるが、現実的にはありえない」と言っていますが、正にその通りでしょう。
そこを見れば最低評価なのですが、小説としては面白いのですね。つまり人間関係のドラマが。
総合的に見れば及第点。やはりガリレオも長編の方が良いですね。
聖女の救済 (文春文庫)
東野圭吾聖女の救済 についてのレビュー
No.130:
(8pt)

オリンピックの身代金の感想

主に3人の視点で進みますが、時間軸が前後しており当初は戸惑います。慣れてくると、犯行後とその背景を交互に進める事で、犯人、刑事両方の側に感情移入出来た様な気がします。
前半は当時の東北の貧しさを、中盤は犯人が事件を起こすに至る経緯を、後半はクライマックスへどんどんエスカレートする様を描いています。
かなり面白かったので、ぜひおススメします。少し有る不満はネタバレにて。

▼以下、ネタバレ感想
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オリンピックの身代金
奥田英朗オリンピックの身代金 についてのレビュー
No.129: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

キング&クイーンの感想

元SPの主人公がチェスの世界王者の警護をする事になります。誰が何の為に襲って来るのか、そこが謎と言う事です。全然知らないチェスの世界、またSPの世界の話は面白かった点ではあります。また、主人公のキャラクターも中々魅力的でした。
ただ根本的な問題がありまして、メイントリックと言うか、オチの部分が全く詰まらないのですね。それがどうしたの?と言う感じでした。失敗作でしょう。理由はネタバレで。



▼以下、ネタバレ感想
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キング&クイーン (100周年書き下ろし)
柳広司キング&クイーン についてのレビュー
No.128:
(5pt)

ビッグ4の感想

ビッグ4とは国際犯罪組織だそうですが、何とものんびりした展開です。終盤多少盛り上がりますが、やはりポアロには本格推理が似合います。詰まらなくて、読むのに随分時間がかかりました。
ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
アガサ・クリスティビッグ4 についてのレビュー
No.127:
(7pt)

ゴルフ場殺人事件の感想

タイトルがいまいちですよね。ゴルフ場はほぼ出て来ないし。内容は犯人捜しの本格推理で、結構面白かったです。
名探偵ポアロシリーズで、今回の相棒は若き時代のヘイスティングズ。どんでん返しが続き、最後まで十分楽しめました。
時代も国も違うので違和感を感じる部分は多少有りますが、本格推理への情熱は感動的であります。キャラクターの変遷を見守る為にも、このシリーズは出来るだけ発表順に読みたいと思います。
ゴルフ場殺人事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
アガサ・クリスティゴルフ場殺人事件 についてのレビュー
No.126: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

シャドウの感想

小学校5年生にしては大人過ぎますね。不自然。登場人物の背景、事件の内容も暗い為、読んでいても可哀そうで気分が良くない。ただその辺割り切れれば、結構良く出来た本格作品と言えます。
倒叙系なので、それらしい記述は裏があるのだろうと思いましたが、上手く騙してくれましたし、伏線が回収されていくのも見事です。少年のキャラクターに好感が持てた事も良かったですが、ラストに救いがあるとは思えないですね。犯行の動機を作るためだけに子供を使ったらいけません。
まあそれだけ感情移入出来たからでしょうし、作者の才能を感じる作品ではありました。好みではありませんが。
シャドウ (創元推理文庫)
道尾秀介シャドウ についてのレビュー
No.125: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

帝都衛星軌道の感想

久しぶりの島田作品でしたが、とても作者らしいと言う感じの物でした。まず冒頭に不可解な謎の提示。そして論理的に解決された様で、なんか良く分からなくて全部は納得出来ない結末。また、言いたいテーマがあり、それにストーリーを後付した様な所。しかしそういう意味では、今回は結構バランス良く出来ていたと思います。
長編を前篇と後編に分け、その間に別の中編を挟むという構成でした。どちらの話も人間味が有り、しんみりとした読後感が良かった。
帝都衛星軌道 (講談社文庫)
島田荘司帝都衛星軌道 についてのレビュー
No.124: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

謎解きはディナーのあとでの感想

ドラマが好きだったので評価は甘目。結構違和感が無いキャストでした。今作のみで考えれば少々厳しいかもしれませんね。作者にはもっと良く出来た長編が有りますので、他の作品をおススメします。ただしどれを選んでもギャグは満載なので、そこが合わない方はやめた方が良いですが。
謎解きはディナーのあとで (小学館文庫)
東川篤哉謎解きはディナーのあとで についてのレビュー
No.123: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

模倣犯の感想

とても長い話でしたが、読み易くて連休中に一気に読めました。ただし事件の内容は凄惨であり、登場人物それぞれの家族に対する書き込みが凄いので、相当重たい気分になりました。
この様な事件が起きると、被害者も加害者もその家族もボロボロになってしまいます。世間的には事件は終わっても、関係者の中ではいつまでも終わらない。残された人達が早く前向きに生きられる様に、と祈りたいです。
タイトルの意味は最後に分かります。興味のある方は長さに負けず是非読了して下さい。色々考えさせられる事の多い傑作でした。
真犯人に付いての感想はネタバレにて。

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模倣犯1 (新潮文庫)
宮部みゆき模倣犯 についてのレビュー
No.122: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

オルファクトグラムの感想

主人公は大怪我をした事をきっかけに、嗅覚が視覚的に見える体質になってしまう。その能力は犬以上の物であり、その力を使って姉を殺した犯人を捜し始める、と言うお話です。
作者はこのアイデアを成立させる為にSF的な設定のサスペンスにした様ですが、とにかく能力の説明に全体の大半を費やしてしまい、同じ話が何度も繰り返される事になります。割と軽い語り口でページ数にしては読み易いですが、もう少し省けるのでは無いでしょうか。相当時間をかけて取材、資料読みしたのでしょう。全部入れたかったのかも知れません。
ミステリーとしては単純でいまいちですが、サスペンス要素は結構緊張感があります。なにより、作者の情熱というか執念、そしてこの設定を書き切る圧倒的才能を感じました。
オルファクトグラム〈上〉 (講談社文庫)
井上夢人オルファクトグラム についてのレビュー
No.121:
(10pt)

太平洋の薔薇の感想

タンカーのハイジャックから始まる海洋冒険小説。そしてその背後にある秘密をめぐる国際謀略小説でもあります。上巻の途中までは視点が再々変わり、なかなか話に入れない。しかし、下巻以降は続々と困難が襲ってくる展開に圧倒され、息が詰まる様な緊張感が続く。最後はどうなるのか、是非読んで欲しい。
とにかく出てくるのは男ばっかり。それも最高に格好いい男ばっかりです。このジャンルを初めて読んだので評価が甘いのかも知れない。出来れば少し話を整理して、序盤からもっとスピード感が欲しい気もする。でもこのエンディングを読了直後の今、満点以外は付けられない。
終盤は目が潤む感動作。男なら必読。間違いなく傑作。
太平洋の薔薇 (上) (光文社文庫)
笹本稜平太平洋の薔薇 についてのレビュー
No.120: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

ガリレオの苦悩の感想

久々に読んだガリレオ物ですが、思ったより面白かった。ドラマの設定を小説の方にも反映させているので、キャラクターをイメージ出来るのが良いですね。科学的、物理的トリックの実行性は知りませんが、それらしく感じられるのがやはり上手い所。作者の誠実な仕事振りを再確認した好編集。
ガリレオの苦悩 (文春文庫)
東野圭吾ガリレオの苦悩 についてのレビュー
No.119:
(7pt)

闇先案内人の感想

海外に逃げたい人を裏のルートを使って助ける「逃がし屋」。その主人公の元へ突然警察が現れます。逮捕するのでは無く、見逃す代わりにある仕事をする様依頼されます。それからの数日間の戦いを描いた作品です。
正直言えば少し期待外れでした。騙され裏切られで、人間関係が良く分からなくなりますし、それぞれの登場人物の命を懸ける理由が納得出来ない。乗りかかった船とか言うセリフが何度か出ますが、それではちょっとねぇ。
日本冒険小説協会大賞受賞作。ジャンルはハードボイルド。名前の無いザコキャラは一杯死んでしまいますが、ページをめくれば忘れられている。そう言うジャンルがお好きでしたら、どうぞ。色々文句言いましたが十分面白いんです。冒頭が良すぎて、大傑作と勘違いしたのがいけなかった。
闇先案内人〈上〉 (文春文庫)
大沢在昌闇先案内人 についてのレビュー
No.118: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

Anotherの感想

普段ホラーは読みません。また、綾辻作品も随分久しぶりなので、何かと比較しての感想は言えないのですが、高評価は上げられない微妙な作品でありました。
まず序盤が退屈。結局長すぎるのでしょうね。中学生の話し言葉にも違和感を感じましたし。中盤から終盤にかけてはかなり引き込まれましたが、とにかく最後の真相が知りたい一心からで、面白いと言うのとも違う様な気がします。
登場人物に感情移入出来なかった。世界観にはまれなかった。若者向けなのでしょう。眼帯の少女とか出てくるし、アニメ的な設定にも付いて行けませんでした。
Another
綾辻行人Another(アナザー) についてのレビュー
No.117: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

カーテンの感想

ポアロ最後の事件です。作品全体を包む雰囲気は重く、その背景には老いや病気、また過去に失った多くの物への追憶が有るのでしょう。ミステリーとしても、錯綜する人間関係には読みごたえがあり、謎の解けない不可解な事件とラストの解決は素晴らしく良かったと思います。
まだポアロシリーズをさほど読んでいないタイミングでこの作品に手を付けたのが良かったのかどうか分かりません。今でも十分感動的で、最後のポアロの手記を読みながら泣きそうになりました。
でも、やっぱり少々早かったですね。シリーズ読破後にぜひ再読したい。10点はその時に付けます。
カーテン(クリスティー文庫)
アガサ・クリスティカーテン についてのレビュー
No.116: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

硝子のハンマーの感想

以前ドラマを見た事がありました。1部を読んでいる時は、推理している試行錯誤が正直退屈でした。トリック知ってますので。しかし、2部に入って全く印象は変わります。最初誰の事を書いているのか良く分からない(作者の狙いの様ですが)。最後にストーリーが一つにまとまった時の気持ち良さは、なかなかの物です。作者ならではのうんちくがすごいので、ページが多いですが、結構ストーリに交じって今回は読み易い気がします。日本推理作家協会賞受賞作。読んで損はありませんよ。
硝子のハンマー (角川文庫 き 28-2)
貴志祐介硝子のハンマー についてのレビュー
No.115:
(6pt)

火曜クラブの感想

ミス・マープル物の短編集で、ファンの評価はかなり高い作品の様です。個人的には1話1話が短いので、推理クイズでも読んでいるみたいで物足りなかったですね。それぞれ結構面白い謎が提示されますので、あっさり読めて空いた時間用にはぴったりだと思います。初心者向けかな。
火曜クラブ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
アガサ・クリスティ火曜クラブ についてのレビュー
No.114: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

臨場の感想

誰もこのサイトでレビューしていないのはなぜでしょうか。ドラマで有名な作品ですので、もうとっくに読まれていれば良いのですが、こんな面白い作品未読の方は勿体ないですよ。
検死官が主人公の警察小説ですが、基本的に各話にはそれぞれ狂言回しがいて、主人公はちらちら出てくる感じで進みます。緊張感が持続して、最後は余韻を残して粋に終わる。どうにも横山秀夫には短編が合いますね。特に大人のみなさんには絶対オススメ。150冊目。
臨場 (光文社文庫)
横山秀夫臨場 についてのレビュー
No.113:
(6pt)

灰夜 新宿鮫VIIの感想

今回はいつもとは状況の設定が違う。鮫島は九州のある都市でトラブルに巻き込まれるが、通常の捜査は出来ないので、協力者を見つけながら単独で解決を目指す事となる。私立探偵ものの雰囲気があり、他のレギュラーメンバーも誰も出ないので、かなり異質な作品である。
出だしから中盤まではすこぶる面白い。しかし、登場人物が多い上各人のつながり方が分かりづらく、方言のセリフでもいちいち引っかかる。キャラの掘り下げも弱いが一番の問題は終盤のまとめ方で、残念な失速という印象が残る。
期待が大きいから反動があるが、平均点ではある。傑作が最後凡作になってしまっただけ。
灰 夜 (光文社文庫)
大沢在昌灰夜 新宿鮫VII についてのレビュー