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なおひろ さんのレビュー一覧
なおひろさんのページへレビュー数572件
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著者初読み。素晴らしかった。バタバタと記号的に人が死んで行くミステリーも良いが、こう言う人間がきちんと書かれている作品を読むと、余韻で暫く動けなくなる。作中に描かれた理不尽に憤りを感じ、またそれがどれも自身に起きないとは限らない、と言う事に慄然としてしまう。「最後の証人」が放った最後の一言に込めた想い、その覚悟には胸が詰まりました。作中のセリフに、「誰でも過ちは犯す。しかし、一度ならば過ちだが、二度は違う。二度目に犯した過ちはその人間の生き方だ」と言うのがあった。ああ、何とも心に深く刺さる作品。傑作です。
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80年代の東京を舞台に、私立探偵沢崎が不眠不休で働くハードボイルド。30年前に書かれた作品ですが、携帯電話が無い事や喫煙者が多い事に少々違和感は有る物の、それ以上には古臭さは感じ無かった。もっとも自分も経験した時代なので、懐かしさが上回るんですけどね。20年振りの再読でしたが、内容全部忘れてたんで初読と同じでした。今回改めて感じたのは、プロットが複雑、かつ登場人物が多くて分かり辛い話と言う事。まあ、タフで優しい、頭が切れるが皮肉屋、そして格好良くて女性にもてる、主人公沢崎の活躍を楽しむ事が目的の作品です。
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著者初読み。第3回アガサ・クリスティー賞受賞作。犯人の告白から始まる倒叙ミステリー、かと思いきや、終盤で二転三転の本格ミステリー、なんでしょうね一応。まず悪い点、文章が読み辛い。回りくどく気取った表現の連発で、読んでいてぐったり疲弊した。また、被害者が余りに酷い性格で、なぜ皆一緒に旅行に行くのかそこから納得出来ない。同行者全員に動機がある、と言う状況を作りたかったのでしょうけど。良かった点は、トリックでしょうか。実効性はともかく、なかなか面白いと思った。まあ、ホントに気に入ったのはタイトルだけでしたけど。
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前作を読んだ時点では、私は葉村の良い読者では無かった。正直微妙な評価で、それほどのもんかな?と言う感じ。しかし本作はすこぶる面白かった。各話は結構短めで、それぞれ最後は突き放される様に、ぶった切られる様に唐突に終わる。しかも後味は悪く、嫌な気分になる。なのに、何故かそれが癖になる。事件の内容はやり切れない物が多いのですが、葉村のキャラクターに寄る物か、作者の文体に寄る物か、クールでシニカル、そしてダークでビターな探偵物語になってると思います。次作もとても楽しみですね。
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なんと濃密な物語で有った事か。頭の中に墓を持って生まれた男の数奇な人生と、関わる人達の悲劇を描いた作品、と言う事なのでしょうが、私にはそれ以上粗筋を説明する事が出来ない。グロテスクでバイオレンス、そして壮絶、非情なのに、読み終えると嫌悪感だけが残る訳では無い。物語のパワーに圧倒された疲労感と、読み切った達成感の方がより強い。奇想天外とはこの事で、作者の頭の中はどうなっているのか。エンタメとして面白いのでみなさんぜひ、とは言わない。結局何が言いたかったのか、理解出来たとも言えない。ただ、作者の才能に痺れた。
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村おこしのマラソン大会で13人の参加者が消えてしまう。マラソンコースは一種の密室であり、途中で抜け出る事は出来ないはず。その後も次々と事件が起きるが、それは全て150年前の古文書に書かれていた事だった。謎はかなり良い、トリックも綺麗に納得できて面白い、人物のキャラ付けも良く出来ている。ただ、探偵役が二人おり、それぞれバラバラに謎を解いて行くため、視点がぐしゃぐしゃで分かり辛い。これが結構致命的かも。しかし、東京で会社を辞め、この村に溶け込むしか無い、と思い詰める主人公は鬼気迫る物があり、読み応えが有った。
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凄く真面目な中年探偵を主人公としたハードボイルド。今まで知らなかった事を後悔するほど面白かった。周りにいる沢山の協力者たちも皆魅力的だが、なんと言っても健気な娘が可愛い過ぎる!。信じては裏切られ、真実は隠され、誰が本当の味方なのか分からない。自分の眼で見える範囲以外には確信が持てず、疑心暗鬼と不安を強がりと軽口で吹き飛ばす。ハードボイルドのストーリーはそうやって展開して行くと思うんですが、本作はそこで娘の存在が効いてくる。絶対に捨て身には成れない探偵、シリーズの今後も読んで見たい。私も娘が欲しかったなぁ。
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著者の初短編集。「大阪府警捜査一課シリーズ」で、色々な刑事が出て来ますが、かなり面白かったです。30年くらい前の作品ですので、科学捜査の部分では時代を感じる。今では成立しないトリックも有るし。しかしそれは仕方ない所なので、大阪弁の軽快な掛け合いを楽しみながら、捻りの効いたオチで更に楽しむ、おススメです。
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二十数年振りの再読。本作はクローズドサークルでは無く、前三作とは違うテイストの作品。ずっとシリーズを読んでいる人と、本作のみ読んだ人では評価が違うんじゃないかな?。序盤からあからさまに怪しい人物が居り、それが犯人かどうかを確かめる様に読み進めました。大まかな真相は途中で気付きましたが、正直好みの作品では無かったですね。これを館シリーズとして出して欲しく無い、と思う反面、そうで有るからこそ成立するトリック、とも言え、飲み込む度量を試されてるのかも。そう言う意味では、私の許容範囲では受け入れられなかったなあ。
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【ネタバレかも!?】
(4件の連絡あり)[?]
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【ネタバレかも!?】
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30年振りの再読は大変楽しめました。覚えていたのは犯人だけだったので、改めて展開を確認しながら読みましたが、あの1行には分かっていながら鳥肌が立ちました。当時「新本格」の作品はかなり読みましたが、内容を少しでも覚えているのは本作のみです。それだけインパクトが有ったんですねぇ。余りに名作として名が通っているので、期待外れとの感想も見かけますが、それでも初読の方が羨ましい。こんなに衝撃的、かつ読み易い作品は無いですよ。ミステリー初心者の方、お若い方のレビューも多いですね、昔からのファンとしては嬉しい限りです。
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第41回乱歩賞と第114回直木賞をW受賞し、文春ミステリー1位、このミス6位と言う掛け値無しの傑作。十数年振りの再読だが初読の記憶は全く無し。ハードボイルドの王道を征く主人公のキャラには痺れたが、浅井が更に格好良い。いずれにしてもこの手の作品は文体とキャラで読ませる物なので、ミステリーとしての完成度は二の次。主人公、相棒、ヒロインまでは気に入ったが、敵役が少々私好みでは無かったかな。作中では全共闘世代は40才過ぎだが、今では自分の歳が追い越してしまった。作品は面白いのだが、それが読んでる間切なくて参った。
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本書初読は30年位前でしょうか。当時はハードボイルド、冒険小説がブームでした。日本冒険小説協会も解散し、志水辰夫も時代小説、恋愛小説等昔とは題材が変わってしまいました。北方謙三は中国行っちゃったし、佐々木譲は警察行っちゃったし、船戸与一は死んじゃったし。本作もソ連のスパイがどうとか言う話ですから、時代が違うんでしょうけどね。ただハッキリ言い切りますが、無双に面白いですよ!三部構成ですが、特に第二部は秀逸。みんな知らないのかなぁ、読まずに死ねるか!
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著者初読み。文春ミステリー1位、このミス2位の作品ですので、期待値はかなり高かったですが、流石の面白さでした。高評価の理由には、警察学校と言う馴染みの薄い題材を取り上げた点が大きいのでしょうが。実際にこんな犯罪者集団では無いと思いますが、あまりに強いストレスの中で生活していると歪は出て来るのかも、と思わされるのが上手い所。警察官には高いモラルや強い精神力が求められる、様々な技術や体の強さも。本作には結構批判的な感想も見かけますが、私は警察官に対する見方が多少変わったかな、と思わされた良書でした。おススメ。350冊目。
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著者初読み。とにかく読み辛かった。私はクリスティ、ポアロシリーズを読み込んでいる訳ではありませんので、本家と比べてどう、とかは分かりません。本作をただ1冊のミステリーと見て、読み通す事が物凄く苦痛だったのです。単純に、登場人物が多すぎて整理できないし、感情移入するキャラも居ない。謎解きも、伏線を拾って行けば辿り着ける、と言う物でもない気がするしなぁ。みんな嘘つきばっかりなんで、分かる訳ないよ。そのせいで複雑なストーリーに感じ、面白く思えなかったです。余計なことはせず、ポアロはクリスティが書いたのを読もう。
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