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陰気な私は地球を回さない さんのレビュー一覧
陰気な私は地球を回さないさんのページへレビュー数209件
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短編集の本作は、回想によって事件の結果を最初に出し、徐々にその全容が解明されていきますが、その全ての話において想像にもしていなかった結末が待っていました。どの作品も気持ちの良い読後感がありましたが、どこか動機に納得できなかったり、感情に寄り添えなかったのが残念です。
物語の舞台は大正から昭和初期がほとんどで、あまり馴染みのない物や言葉が溢れており、読みにくさを少し感じてしまいましたが、美しい文章で書かれた情景や心情に、古き心を感じることができました。 |
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とにかくオススメできる1冊です!
刑務官と前科者が、死刑囚の無罪を証明するために奮闘するという、ありそうでなかなかない設定が魅力的に感じます。前科者の心理描写など、普段あまり触れることのない感情に興味を刺激されました。死刑制度や犯罪者の心理など、多くのことを考えさせられる心に残る作品でした。 重要な点にはとことこん掘り下げて書くのに対し、飛ばすべきところは詳細を書かずに飛ばしてしまうテンポの良さに、最後まで飽きずに面白いところだけを読まされている気分になりました。 そこまで多くはない登場人物にそれぞれの想いが秘められていて、最後には全てがわかります。全く無駄がありませんでした。二転三転する仕掛けなど、社会派でありながら本格派でもあるように感じました。 |
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非常に読みにくかったです。似たような名前で(直接は登場しないので当たり前だが)個性の薄い登場人物が多く、星座や惑星や金属物質を覚えるのが大変で、序盤で読むのをやめたくなりました。
視点に関しても、探偵役の御手洗潔の目線では書かれていないため、基本的に会話文で進んでいきますが、誰が話しているのかわかりにくい部分も多かったです。また、読者への挑戦ということで仕方はないとは思いますが、謎を隠すために必要のない話が多いため長く感じてしまいました。 期待しすぎたかなと思いましたが、それでもトリックには「なるほど!」と思わずにはいられない素晴らしいものでした。 御手洗潔というキャラクターがとても魅力的だったので他の作品も読んでみたいです。 |
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【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
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私は思いっきり騙されました。でも、叙述トリックがこの小説の中心ではないように思います。それは1つの楽しみに過ぎず、ミステリーの仕掛けだけではなく、切なさや登場人物の心情を楽しめました。
謎を先出しにしてくれているので、結末を予想するとかではなく、どうしてそうなったか経緯を読ませる作品ではないでしょうか。現在と2年前を交互に読み進めていくに連れて、切なさに魅せられてしまいました。 |
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【ネタバレかも!?】
(2件の連絡あり)[?]
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レビュー時、当サイトで1位の評価を受けているので読んでみようと思いました。あまりの面白さに一気に引き込まれていきました。
衝撃的な結末には驚きもあり楽しめました。 ただ、期待が大きすぎただけに、トリックに「なんだそんなことか」とガッカリもしたので、それほど期待せずに読むといいかも… それを考慮しても読んで良かった1冊です! |
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「魔王」のその後の世界で、日本に徴兵制があったり中国が中華人民共和国でなくなったりと、近未来について書かかれています。またそれが妙に現実味があって興味深かったです。
話としては国が何かを隠していて、それを暴こうとするといったものですが、前置きが長く盛り上がる場面までが退屈です。しかもそれほど驚きも無く対決のシーンも長く感じました。 「魔王」を読んでいたので、ところどころに懐かしさを感じられました。モダンタイムスを読んでから魔王を読むのもいいんじゃないかなと思います。 |
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【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
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【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
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色んな所でオススメされている有名な作品なので読んでみましたが、非常に退屈でした。
外国作品はほとんど読んだことはなかったですが、もう少し上手く訳してあったらと思います。日本語とフランス語の違い(日本語の方が1文字の情報量が多い)はあると思うものの、文があまりにも短く区切られているのが読んでいて気持ちが悪いです。日本の小説ではほとんど見られない不自然な言葉使いも違和感だらけでした。 二転三転するというものの、数十ページを費やして逆転がわかるので、特に驚きも無くあまり楽しめませんでした。「アレックスが監禁されるのは序章にすぎない」というのを知らずに読めたら良かったかもしれません。 警察の取り調べのシーンがあまりにも長く、読んでいて納得できるものではないので、警察の職権濫用の御話かと思ってしまいました。登場人物に関しては、何でカミーユはこんなに怒っているのか理解できませんでした。理解の深い人が読めば面白いのかもしれませんが。 アレックスの気持ちに寄り添えるかどうかが、楽しむコツなんでしょう。 |
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短編集ですが、それぞれの話に繋がりはなく、その割には1つの話に山がないという印象なので、ページ数がある分、こんなに多くの話が無くてもいいのではと思ってしまいました。長編か1作の短編として読みたいな〜と思いました。
あまり多くのことが記述されていなく、余韻の残る終わり方が良かったです。 |
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フィクションであるが故のフィクションらしい面白さはなく、かといって現実的な話にも感じられなかったです。大きな理由としては、登場人物の感情に寄り添うことができなかったからだと思います。救い用がないキャラクターのマザコンやおかしな発想には付いていけませんでした。
異なる視点から語られる話が読みたいなら、別にこの作品でなくても他の小説を読めばいいと思います。 それでもラストの爽快感は良かったです! |
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コミカルな作品かと思ったら、感動も与えてくれる素晴らしい作品です。ユーモア溢れる死神を主人公にすることで「死」という重たいテーマでありながら、爽やかに楽しめるのが良いところだと思います。飛んだ設定なので、疑問や違和感を感じそうですが、その様なことはなく一瞬で物語の世界観に引き込まれました。心に残る文章や台詞もたくさんあり、色んなことを考えさせられました。
短編集ではありますが、いつもの伊坂作品の様に伏線回収は見事でした! |
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まずはじめにこの小説を手に取った時に、まるで広辞苑かのような分厚さに読むことを逡巡させられました。きっと同じ思いの人も少なくないと思いますが、とてもオススメです!結末が気になるというよりは、その時その時の物語の面白さに魅せられました。
迷宮入りした事件の関係者について、小学生時代からその19年後までの物語です。1章もしくは数章ごとに年代が変わり、第3者の目線で2人に関する話が展開されていきます。1つの章の中でも何度も視点となる人物が変わっていきます。あらゆる犯罪が起きますが、その証拠は何一つなく、はっきりとしたことはほとんど書かれていないので読んでいる人の想像に任せられている作品に感じました。そういう意味でも色んな人の感想を聞きたい作品でした。 作品自体が長いのと視点となる人物が多いので、誰がどのようなことを経験しているのか知っているのかを整理することが大変でした。また、読んでいてあまり気持ちのいい話でもないので、私含め苦手な人もいるかもしれませんね。あと、大阪弁はどんな感じで読めばいいんだろうかと思いました笑。それでも、面白さは間違いなしです! |
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瀬戸内海に浮かぶ島の人々が、人とのつながりに悩みを抱えた物語の短編集です。それぞれの話は、大人になった主人公が、過去と現在を並行させて語りながら進行していきます。最初に気になる一言を残して、過去を振り返りながら徐々にその謎が解けていきます。著者のスタイルとしては珍しいのではないかと思います。
短編なので伏線を張るのも難しいとは思いますが、ところどころで驚かされてしまいました。 |
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このミステリーの楽しいところは、「最後に読者を驚かせてやろう」という気持ちが感じられず、「どうぞ謎を解いてください」といったところでしょうか。謎を隠すことなく、所々にヒントがほとんど隠されていない状態で登場するので、中盤には事件のトリックには気付けてしまいました。わざわざ見取り図まで載せてくれているのも、そういう遊び心からなのかなと思っています。少しちゃっちいトリックな気もしますが…
でも一方で、「そんなのわかるかい!」と思わずにはいられない点もありました。テンポの良さと出来事の多さから頭を整理するのに疲れました。ギリシャ文字が読めず、覚えるのも大変でした。ただ、読んでる時は楽しくて、手が止まらなかったです。 |
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タイトル通り恋愛小説です。連城三紀彦作品は初めて読みましたが、ミステリー作家が書いているため、ところどころミステリー要素がありました。
短編集として5作品ありますが、どれも普通の恋愛のストーリーではありません。登場人物も舞台背景も癖のあるちょっと変わった作品という印象です。登場人物が何を考えているかわからないというところに謎があり、最後には少しずつ謎が解き明かされる?(謎が残ることもある)という構成が特徴的です。 全ての話に共通するのは「家族」をテーマにしているということ。家族のあり方について考えさせられ、かなり印象的な作品でした。 |
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変わった切り口で始まるな〜と思って読んでたら最後のページまで来てた、というような感覚でどんどん続きが気になって仕様がないという感じでした!ボリュームがあって、心情描写が多いためテンポはゆっくり目かもしれないですが、とにかく物語に引き込まれていきました。
失踪した婚約者はいったい何者であるかということに重点を置いている社会派ミステリーですが、なるほど!と思えるような本格派ミステリーにあるワクワク感も兼ね備えているように感じました。 クレジットカードによる借金をテーマとして扱っているため、少し理解が難しい内容も含まれていると思います。社会人になってから読んだらより一層感情移入できる作品ではないでしょうか。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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いつもの湊かなえらしさは感じない作品でした。2人の視点で語られてますが、同時並行ではなく物語が進むごとに視点が交代していきます。淡白な感じにどんどん進んでいくのでテンポの良さは感じましたが、湊かなえの作品が好きな人にとっては満足いくものかは怪しいんじゃないでしょうか。
ストーリは重たいテーマを扱っていて、私は非常に感動しました。涙を誘うような話なのに、ちょっと軽く感じてしまうのは残念ですね。 誰の目線で語られているのかわからない節もあり、何度も読み直しました。全体的にミステリー色は弱い感じもしますが、意外な展開も含まれていてミステリーとして楽しめると思います。 |
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二転三転する展開に見事に騙されました。真相はこうに違いない、今回は頭が冴えてる、なんて思いながら読み進めていたら、ただの自分の勘違いであることがこの小説では何度もありました。何か違和感を感じながら、最初から最後まで物語の続きが気になり、手が止まることなく読み進めていきました。
ただ、ラットマンの面白さはどんでん返しが全てではありません。著者の描く登場人物の繊細な心が手に取るように伝わり、そこから心に染みるメッセージを受け取ることができたように感じます。ミステリーとしても素晴らしい作品ですが、事件の背景やそこから滲み出た温かさや悲しさを感じるだけでも満足できる作品だと思います。 最後の1ページの文章はとても心に残りました。 |
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総理大臣の父親とその馬鹿息子の頭の中が入れ替わるという物語。息子(見た目は総理大臣)は国会での答弁で秘書の書いた原稿の漢字が読めなかったり、酒に酔っ払って会見を開く大臣がいたりと、まるで一昔前の政治家を風刺しているかのような作品です。
思わず笑ってしまうようなコメディ作品で、軽いタッチでテンポよく進んでいきますが、そこに著者の強いメッセージを感じることができました。 なぜ親子の中身が入れ替わってしまったのか、しっかりとした記述があるので、ぶっ飛んだ設定に抵抗のある人でも楽しく読めるのではないでしょうか。 |
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