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陰気な私は地球を回さない さんのレビュー一覧

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レビュー数18

全18件 1~18 1/1ページ

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No.18:
(4pt)

驚けない。

折原一作品は、「倒錯のロンド」以来2作目。まだ2冊しか読んでいないが、その作風に一定の特徴を感じる。とても登場人物の存在が薄いという点だ。淡々と進んでいき、キャラクターに感情移入することができない。今作は手記であったり作中作であったりと、いろんな文体を用いながら魅力的な謎を展開してくれているが、結末に全く意外性がなく想像通りに終わってしまう。それなりに長いのだから面白さは期待してしまうが、そこまでといったところか。
異人たちの館 (文春文庫)
折原一異人たちの館 についてのレビュー
No.17: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

クセにはなってきているはずなのだが

このサイトでの圧倒的人気と評価ほど、私は楽しむことができなかったというのが本音だ。全体を通して緊張感がなさすぎる。とりわけ、テレビを通して警察と対決するまでが、あまりにも退屈で読書が苦痛であった。
加えて、かなりの読みにくさも影響しているかもしれない。なんとも掴みにくい関西弁と、ひらがなが多いように感じる一方で難解な熟語も多用しているあたりがリズムを狂わされてしまった。
それでも、所々で見られる誘拐の技はさすが天藤真!と思わされた。この辺りが彼の作品をまた読んでみようかなと思わされる点である。正直なところ、このサイトにおいて私は天藤作品をそれほど高評価としていない。なかなか相性が悪いのかなと思いながらも手にとってしまうから不思議である。たとえ大誘拐を低評価としながらも、次も読んでみようと思っているのは何故だろう。
大誘拐―天藤真推理小説全集〈9〉 (創元推理文庫)
天藤真大誘拐 についてのレビュー
No.16: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

緋色の研究に続きまして


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四つの署名 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)
アーサー・コナン・ドイル四つの署名 についてのレビュー
No.15: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

もっと瞬間移動のようなテンポの良さを

この著者の作品では珍しくハマらなかった。人がワープするかと思えば時間軸もひっくり返って始まり、また一章が長い。一気に読まないと内容を忘れてしまう。奥様との馴れ初めも長いし、全体的にもっとコンパクトにできなかったものか。読者が(この本を手に取ったからには)待ち望んでいる瞬間移動について触れるのもかなりページ数が経ってからだ。ストーリーに関しては瞬間移動どころか牛歩のようなテンポの遅さを感じた。ウエイトバランスもややこしくて頭が痛くなる。まさに重しであった。
もう一つ楽しめなかった要因として、登場人物を理解できなかったことが挙げられる。誰もがクセが強く、私には受け入れ難かった。
新装版 瞬間移動死体 (講談社文庫)
西澤保彦瞬間移動死体 についてのレビュー
No.14:
(4pt)

カブス愛は感じた。

女性作家の女性探偵ということで気になってはいた作品だが、ついに今回読むことにした。労働の諸問題や女性活躍については当時のテーマなのだろうか?私立探偵といってもチャンドラーのそれとは全く雰囲気が異なっている。
感想を率直に述べると、事件の内容や社会性は面白く難解であったが、全体的に単調に終わってしまうのが残念だった。平板にずっと同じペースの印象がある。また意外とあっけなく読者が真相に辿り着いてしまうのも残念だ。とにかく証拠集めに徹するだけの作品だった。
一方でアメリカ色が色濃く、他文化に触れられるのは良かった点だ。シカゴを舞台にしたこの作品には、度々メジャーリーグ球団のシカゴカブスが登場する。カブスは100年以上ワールドチャンピオンになっていなかったことで、そのことをいじられるのはお決まりのようだが、2年前についにワールドチャンピオンになってしまった。今のカブスは強いよとニヤニヤしながら読んでいた。
サマータイム・ブルース (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 104‐1))
No.13:
(4pt)

全体的にイメージしにくい

読んでみてつまらないことはなかった、というより普通に面白く読めた。古代エジプトとタイタニック沈没のストーリーがどのような意味を持つのか、どのように絡んでくるのか、ワクワクさせられたのと、それ自体が十分に読み物として面白かった。
残念なのはミステリの部分。ピラミッドがどのような構造なのか全く頭に浮かばなかった。もっと日本語の選び方があるだろうにとも思ってしまった。全く伝わってこない。
事件の決着としては、なるほど幻想的な内容をしっかりと論理的に説明できているのは島田氏らしく素晴らしいが、今作ばかりは針小棒大に感じてしまった。それだけ夢とロマンの詰まった一冊としては、世界観を否定はできないが。
水晶のピラミッド (講談社文庫)
島田荘司水晶のピラミッド についてのレビュー
No.12:
(4pt)

期待はずれ

西澤保彦氏らしくないです。こんな作品も書くんだと驚きました。途中までは作者本人の実体験を基にしているのかと思わされます。

中学高校時代の吹奏楽部のことから、大学時代はもちろん中年に至るまでをあっという間に触れていきます。その中で、中学の同級生の死体発見と、そこで見つかったかつて盗まれた楽器とが絡んできて一体どうなるのか、期待はしましたが正直裏切られました。
ミステリ色はあくまで弱めです。それよりも人間としての自意識や振る舞いについてしっかり書かれた作品だと感じました。
黄金色の祈り (中公文庫)
西澤保彦黄金色の祈り についてのレビュー
No.11: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

なぜ満足できなかったのか

読んでいるときは確かに面白く、ストーリーにのめり込みました。だけれども、結末を読んでからは喪失感が漂っています。いろんな伏線を張り巡らせながら事件を複雑にしてあり、何がどうなっているのかハテナマークだらけだったのが、ポンとこれが結末ですと与えられたら最後何も思うことはない、そんな作品でした。
バスカヴィル家の犬 (創元推理文庫)
No.10: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

毒を食らわば?

これが英国の貴族というものなのか、一言発するたびに聖書や小説からの文句をさらっと引用してくるあたりが非常に寒い。注でいっぱいであり、英語特有の冗談にまみれ、翻訳者も大変だったことは火を見るよりも明らかでした。ストーリ自体は嫌いではなかったんですが、意味の把握できない会話には飽き飽きしました。全く頭に入ってきません。
とはいえ真相は素晴らしいものでした。古典でありながら全く新しいトリックにも伺えます。これには非常に満足したので、スラスラと読めるようになりたいと思いました。

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毒を食らわば (創元推理文庫)
ドロシー・L・セイヤーズ毒を食らわば についてのレビュー
No.9: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)
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虚無

これは評価が大きく分かれることも納得です。ミステリに何を求めるか、各人の好みの問題だと思いますが、私は読み終わって…どうでもいいわという感想しかありません。理解し難い結末と幻想的な話が絡み合って呆然としました。

著者の奇想は天外から来ていますし、力量は凄いなと思わずにはいられません。とはいえ読み物としては退屈です。嘘の自白をする容疑者や、他の人を犯人として陥れるトリックを何度も考察することには飽き飽きしました。

極め付けは、また一卵性の三つ子!?ということです。ロジャー・フェデラーの子供は二組の双子であることにもビックリしましたがそれ以上です笑。
隻眼の少女
麻耶雄嵩隻眼の少女 についてのレビュー
No.8:
(4pt)

ミステリの濃霧

序盤は話の筋が見え来ないまま、どんどん話が進んでいきます。この人達は何をしているの?と、そもそもストーリーに意味などないのだとしても、何も掴むことができないので退屈です。霧の中を進んで行くかのような感じでしょうか。
違和感のある文章や雰囲気から何か隠していることは明らかであり、モヤモヤとさせてくれるのに何も教えてはくれないといった、ミステリ色の強さが裏目に出たような作品でした。

いい話だとは思うんですが、終盤までは面白みが無かったのが残念…
透明カメレオン (角川文庫)
道尾秀介透明カメレオン についてのレビュー
No.7:
(4pt)

らしい作品

いかにも道尾秀介氏らしい作品でしょう。物語の中で並行する様々な対比関係を浮き彫りにしながら、その中で起こるすれ違いを描いているのは他の作品でも見受けられます。

現実?の話が進む中で、各章の終わりにおそらく夢であろう内容が挿入されています。ここが何ともわかりにくい。人によって読み方が大きく異なるでしょうし、ここの読み方で物語全体の受け取り方も変わってくると思います。難解な印象は拭えません。

物語の退屈さをフォローするような解説が巻末に載っていますが、この良さがわかる人にはわかるということなんでしょう。好みは分かれると思います。
貘の檻 (新潮文庫)
道尾秀介貘の檻 についてのレビュー
No.6:
(4pt)

おやすみラフマニノフの感想

前作を読んでいないとわからない小ネタが所々にあるので、そちらを読んでからの方が良いかもしれません。

演奏しているシーンの光景が全く浮かびませんでした。わからない言葉が飛び交っていてはてなマークだらけです。またその場面が長く、数ページに渡って音楽を描写していてよくこんなに頑張って書けるなと…著者が本当に好きなことを書いてるということは伝わって来ましたが、文字を追う徒労感だけが溜まる作品でした。ミステリーとしての要素は良かったとは思うのですが、申し訳程度に切って貼った程度。音楽とミステリー、どちらかだけでは作品にならないから合わせちゃえ!とでも考えたのか、1つの作品としてまとまってなかったように感じます。密室からチェロが消えるトリックなどは面白かったので残念です。

舞台が名古屋なのは新鮮ですが、訛った台詞は愛知県出身の私でも読みにくい。みなさんにはいかがなんでしょうか。
おやすみラフマニノフ (宝島社文庫)
中山七里おやすみラフマニノフ についてのレビュー
No.5:
(4pt)

短編ぐらいの長さでいいのでは?

特別な面白さは感じませんでした。せっかくの物語を台無しにしている一番の要因は、ダラダラと続く会話でしょう。「誰それが犯人だ!」、「私は殺してない!」、そんな会話の繰り返し。フィクションであるにも関わらず、全く中身のない会話が多過ぎるように感じました。地下シェルターに閉じ込められているという設定も大して活きていなく、100ページ程度の短編でもお腹一杯になりそうな物語でした。

事件とその推理に関しては面白さがあったので残念です。
そして扉が閉ざされた 新装版 (講談社文庫)
岡嶋二人そして扉が閉ざされた についてのレビュー
No.4: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

往復書簡の感想

交互に手紙を送り合う形で、過去のことを振り返ることを中心に進んでいきます。湊作品らしいイヤミスではなく、温かみのある印象を受けました。
手紙形式で過去にこんな事あったよね〜と書かれていても、いまいち話に入り込みづらかったです。全体的に退屈でしたが、ただの話で終わることはなく、ミステリらしい仕掛けが用意されていたのが良かったと思います。
往復書簡
湊かなえ往復書簡 についてのレビュー
No.3:
(4pt)

寄り添えるかどうか

非常に感動しました。なんて泣ける話なんだと思いました。でもあまり好みではありませんでした。不器用な父親が素直になれずに空回りしながらも子供を愛する話ですが、どこかしっくり来ません。よくできた話に思えてしまいます。家族でもない地元の人に愛されすぎでしょと思ったらその考えが拭えなくなり、そのまま最後を読み終えてしまいました。

子供がいるとまた違った感想を抱くのかもしれませんね。
とんび (角川文庫)
重松清とんび についてのレビュー
No.2:
(4pt)

死者と再会

亡くなった人と一度だけ会うことができるという物語。一味変わった設定は良かったですが、ミステリ要素を出すための伏線が長く、それほどまで興味を刺激される話ではありませんでした。

前半の4編と最後の1編で全く違った話になります。それまでとは違う形で、謎が紐解けていきますが、最後の話はミステリーの答え合わせ的な役割というよりは、それまでの作品の雰囲気を悪い意味で変えてしまったかなと思いました。結局何が書きたかったんだろうとモヤモヤさせられてしまいました。
ツナグ (新潮文庫)
辻村深月ツナグ についてのレビュー
No.1: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

はまらなかった

フィクションであるが故のフィクションらしい面白さはなく、かといって現実的な話にも感じられなかったです。大きな理由としては、登場人物の感情に寄り添うことができなかったからだと思います。救い用がないキャラクターのマザコンやおかしな発想には付いていけませんでした。

異なる視点から語られる話が読みたいなら、別にこの作品でなくても他の小説を読めばいいと思います。

それでもラストの爽快感は良かったです!
告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)
湊かなえ告白 についてのレビュー