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陰気な私は地球を回さない さんのレビュー一覧

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レビュー数45

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No.45: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

迫力のあるのタイトル

「十二人の死にたい子どもたち」、このタイトルを知った時には是非とも読んでみたいと思った。
あらすじとしては以下の通りだ。1番の少年サトシが主催する集団安楽死に賛同する2〜12番の番号を振られてた少年少女がその会場に集合するのだが、既に1人がベッドの上に横たわっていて動かない。彼は一体誰なのか、それがわかるまではスッキリと自殺できないということで犯人探しをしようとする。12人全員の視点を章ごとに描きながら誰が犯人だかわからないようにさせているのもなかなか容易なことではないと思う。
全体の雰囲気としては、ダークで重々しい雰囲気が漂っていながらも決して重くなりすぎない絶妙な空気感によってストーリーに引き込まれていった。

▼以下、ネタバレ感想
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十二人の死にたい子どもたち (文春文庫)
冲方丁十二人の死にたい子どもたち についてのレビュー
No.44: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

賛否両論わかります

この手の小説は万人受けするものではないだろう。この作品を受け入れられない人もいるのだろうが否定をするつもりはない。私自身本作に対してネガティブな印象を抱いている点も多々ある。例えば、固有名詞の読みづらさはそれだけで読書のペースをダウンさせてしまう。他にも女性キャラクターの描写は物足りなく、いまいち特徴が掴みきれなかったように思う。序盤に関しては稚拙な文章に感じてしまい、嫌悪感があったように思わなくもない。
とはいえ本格ミステリーとしては非常に完成度が高く感じ、続編があるとのことなので是非とも読破したいものだ。

▼以下、ネタバレ感想
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屍人荘の殺人
今村昌弘屍人荘の殺人 についてのレビュー
No.43: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

はじめてのチャンドラーでもいいかも

チャンドラーの作品もついに4作目まで来た。これまでの3作品は非常にわかりにくい内容であったが、ここに来てシンプルでわかりやすいプロットだった。そして少し方向転換をしたのか本格派のような内容だった。決してその点を批判するつもりはないのだが、私がかすかに感じていてチャンドラーらしさとは少し作風が違うのかもしれない。

この作品はストーリーが非常にシンプル(とはいえ、相変わらずの脱線と寄り道が満載)で易しいかもしれない。他のチャンドラー作品から読むと彼を嫌いになる方もいるかもしれないが、この作品ははじめて読むチャンドラーには持ってこいだ。
湖中の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
No.42:
(7pt)

王道の検察作品

これまでの前2作品は意外性に満ちたミステリアスな展開が特徴的であったが、今作は意外とシンプルにスマートにまとめてきた印象だ。とてつもなく意外な結末でもなく、これまでの佐方というキャラクターをしっかりと描いており、続編もまた手に取ってみたくなる。
この後検察をやめて弁護士へと転身するわけだが、いったいどんな事情があったのか。それが今後の作品で描かれているか知らないが是非とも読んでみたいと思う。
検事の死命 (角川文庫)
柚月裕子検事の死命 についてのレビュー
No.41:
(7pt)

あがり症だが、いつか結婚式でスピーチをしてみたいと思った。

ちょっとできすぎか?読了後にこの作品についてまず思ったのはそんなところだ。とても綺麗にまとめられているし、話の美しさはとても劇的だ。読んでいて正直照れ臭くなってしまうほど、ピュアな登場人物たちが「まっすぐに」話して生きていることが表れている。

実際の世の中に照らし合わせることができるほど忠実に再現されたストーリーから、政治やスピーチに興味を持たせてくれた。読書は心の安寧を得られる趣味だと思っているが、漢字や言葉以外のことが身になるのはこの一冊の特徴だ。人は誰でも人前でスピーチをする機会が1度や2度はあると思う。そんな時にこの本のことを思い出して、良いスピーチをしてみたいと思うかもしれない。実際に私は本作の影響を受け始めている。
本日は、お日柄もよく
原田マハ本日は、お日柄もよく についてのレビュー
No.40: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

日本のエラリークイーンとして

初めて有栖川有栖氏の作品を読んだ。その設定や他の作品タイトルからしてエラリークイーンの影響を受けているのだろうが、理論を整理して犯人を絞り込む様はまさに、エラリークイーンそのもののようであった。そして、エラリークイーンの作品と比べて(海外古典作品だからであろうか)、遥かに面白くそして読書に浸ることができた。本格物においてこれは非常に重要な点だと私は考えている。トリック重視でご都合主義だと言われたり、あまりに現実離れした内容であったり、何かと批判は付いて回りそうなものだが、この作品はただただ結末が気になりながら楽しい読書であった。これだけたくさんの登場人物がありながら一人一人の個性も残していたりと、読み物として非常に良かった。

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月光ゲーム―Yの悲劇’88 (創元推理文庫)
有栖川有栖月光ゲーム Yの悲劇'88 についてのレビュー
No.39: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

帰ってきたーー??

この「密室殺人ゲーム2.0」を読もうと思っている方のほとんどが前作を読んでいるとは思うが、これは必ず読んでおくべきである。前作のネタバレが書かれていることもそうだが、筆者としても前作を読んでいる前提で話が始まるからだ。
かくいう私はだいぶ前に「密室殺人ゲーム王手飛車取り」を読んだが、その内容を忘れた頃に読んでもその内容が蘇ってきた。こんなすごいトリックあったなぁと懐かしく感じた。

ちなみにここまでの2作品では、甲乙付け難い完成度を共に誇っていると思う。個人的な感想だが、この密室殺人ゲームシリーズはトリックそのものを楽しむというよりは、その事件の中身の意外性にただただ驚かされるものと思っている。そんなのありー?というのもあれば、現実離れして無茶苦茶だと思うものも多々ある。批判も当然出てくるが、この作品の珍妙なところはやはり殺人者たちがチャットをしていることに全てある。

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密室殺人ゲーム2.0 (講談社文庫)
歌野晶午密室殺人ゲーム2.0 についてのレビュー
No.38:
(7pt)

この人はやっぱりすごい!

朝井リョウ、最近私がハマりつつある作家である。人の感情を書かせたらこれほど共感できる作家もいない。そして表現の妙。なかなか言葉にしづらいあの感覚を文書とするならこうなのか、それが正解なのかと納得させられてしまう。小学生という周りのあらゆる事象に敏感な時期を描いたこの作品とのマッチはもちろん良かった。
決してストーリーに特別なひねりがあるわけでもないのだが、読んでしまえば浸ってしまう。小学生のストーリーってどこか俯瞰してしまうという私の感覚は全くなかった。しっかり感情移入できるから不思議だ。
世界地図の下書き (集英社文庫 あ)
朝井リョウ世界地図の下書き についてのレビュー
No.37: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

特にはクリスマスらしさはないが

クリスマス・プレゼント、そのタイトルから読むべき時期はクリスマスだと、ずっと今まで読まずに溜めていた一冊。ジェフリー・ディーヴァーの作品は初めてだったが、どんでん返しの名手?という評価を得ているのも納得できた。
本作品に収録されている話は、どれも数十ページととても短い短編である。それ故話に深みを持たせるのは難しいだろうが、淡白にならずストーリーに浸ることができた。特にこれが!というのはないが、どれもかなりのクオリティを見せてくれる。筆者の長編作品を読んでみたいと思わされた。きっと長編であれば大きな驚きを得ることができるだろう。
クリスマス・プレゼント (文春文庫)
No.36:
(7pt)

密室以外もあります。

設定が非常に良かった。犯人はわかっているのに倒叙物でもなく、興味を惹かれる謎が十分にある。タイトルから全部密室物かと思いきや、そんなことはなかった。

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密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社文庫)
歌野晶午密室殺人ゲーム王手飛車取り についてのレビュー
No.35: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

濃い煙?モザイク?


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湖底のまつり (創元推理文庫)
泡坂妻夫湖底のまつり についてのレビュー
No.34:
(7pt)

これ、続編あるんだよね?

時間が始まるまでは確かに長いけれども、登場人物を描くことを等閑にしていないからこそストーリーにのめり込めるのだと思う。それでも「マユたん」には好感を持てなかったなぁ。
そしてもう一つの面白さは本格派のような内容をちらつかせながらも、途中でいろんなところに繰り出しながら事件の真相に迫るところは少しだけハードボイルドのようなところもあり面白く読むことができた。謎自体もとても魅力的な構成だと思う。とっても楽しい作品ではあったのだが、一方でマイナスポイントもこれほど明確なことも少ないだろう。

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消失グラデーション (角川文庫)
長沢樹消失グラデーション についてのレビュー
No.33:
(7pt)

ちょっと作風変わった?

短編は読者のために書き、長編は自分自身のために書いているとは伊坂幸太郎だが、短編は仕掛けがあり面白くしようとしていて作風があまり変わっていないとのことだ。だが私には、少し文章の感じがいつものそれとは違って感じた。書いた時期もバラバラだからそれがなんでもないことではあるのだが。

収録されてある作品全てに満足した。「ギア」は少し意味不明なところが逆に奥ゆかしい。

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ジャイロスコープ (新潮文庫)
伊坂幸太郎ジャイロスコープ についてのレビュー
No.32:
(7pt)

グロテスク再び

このシリーズの作品では、「彼女が死んだ夜」をグロテスクな作品だと評価させていただいたが、またしてもグロテスクな作品であった。

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仔羊たちの聖夜(イヴ) (幻冬舎文庫)
西澤保彦仔羊たちの聖夜 についてのレビュー
No.31: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

頭の体操

4重交換殺人の決起から始まり、倒叙作品かと思いきや事件の詳細を必ずしも描くわけではなく、法月親子の視点からがあくまで中心で大部分を占めている。各部が非対称の形式であるが故に、飽きが来ることなく最後まで読み切ることができた。
作品の印象としては頭の体操といったイメージだ。しっかりと頭を使って読めば、ごく自然と真相に近付ける。あまり類を見ない内容でとても新鮮だった。全体的に御都合主義なのがマイナスポイント。レールの上を走らされたような設定だ。法月綸太郎の推理含め上手くいきすぎているため、作られた話であることを強く意識させられてしまい、深く物語に浸ることはできなかった。
しかしながら、トランプを使った設定、各章の始まりに引用した文章、本書のタイトル、全てが非常に粋に感じた。
キングを探せ (講談社文庫)
法月綸太郎キングを探せ についてのレビュー
No.30:
(7pt)

他の誰も書きそうにない

どの作品も一捻りある、良い意味で癖のある作品だった。さすがは歌野晶午、「葉桜の季節に君を想うということ」を読んでわかってはいたが、他の作家とは発想が全く別のベクトルにあるようだ。
今作は全体的にライトな内容だと思う。彼が凝らした技を見破ることもそれほど難しくない。それでも最後には、してやられたと思わず笑みを漏らしてしまう。特に「生存者、一名」の締めくくり方は良かった。正直、どの作品もストーリーとして無理があるところも否めないが、それを許してしまうは文章表現や展開は見事だった。
そして名探偵は生まれた (祥伝社文庫 う 2-3)
歌野晶午そして名探偵は生まれた についてのレビュー
No.29: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

2作目でようやくハマってきた

相変わらず難解で読みにくかった。しかし前作とは違う翻訳者のを取ったからなのか、私自身がチャンドラーに少し慣れたのか、前作よりはスラスラと読むことができた。ストーリとしてもこちらの方が好みだった。
決着があまりにスムースだったのが残念に思う。今作はあらゆる登場人物がマーロウに対して異常なまでの協力をしている。簡単にことが運ぶので、緊張感の欠如はあった。銃を撃ったことはないようだし。

この世界観に少しずつハマってきたようだ。独特で冷ややかなユーモアは癖になる。主人公であるフィリップ・マーロウが特別なのではなく、脇役も彼と同じような口の聞き方をする。皆が皆そうなのでツッコミたくなるが、これはもうチャンドラーの世界に誘われたのだろう。
さらば愛しき女よ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 7-2))
No.28: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

御手洗潔と島田荘司のファンになる

収録されている4つの短編、どれも面白かったです。「疾走する死者」は石岡視点じゃないのが、いつもと違って楽しく読めました。「数字錠」なんかは今後の御手洗潔シリーズの読書にも影響を与えてくれそうで、別の一冊を早く手に取りたく思っています。
でも1番面白かったのは「新・御手洗潔の志」。作品の映像化に対して述べるのかと思いきや、どうやらそこが中心でもない。島田荘司氏が日本について?なかなか言いにくいことを声を大にして言ってくれています。非常に共感しました、と同時に教訓としてこうは自分はならないぞ!と言い聞かせる内容でした。作家としてというより1人の人間としてファンになりそうです。
御手洗潔の挨拶 (講談社文庫)
島田荘司御手洗潔の挨拶 についてのレビュー
No.27:
(7pt)

独特の世界観

裏表紙に書かれている粗筋に惹かれて購入。余計なことを知らされずに読んでしまったほうが、より一層楽しめたのかなと思うとちょっと残念。

個人的には1番のお気に入りは「終の童話」です。村人が石にされてしまうお話です。なんだかファンタジー要素溢れる物語で、こういった作品は今まで読んだことがなかったのですが、意外とのめり込めるものなんだなぁと。しっかりとミステリ要素を含ませつつ、人情味あるストーリーがこの世界観と喧嘩しないのが素晴らしい。

どの作品もも世界観を楽しむのがオススメです。「妖精の学校」なんかは、最後まで読んでも意味がわからない、思わずネット検索しました。それでも楽しめました。思ってた世界観と違う…どれもそんな感想を持ちました。
私たちが星座を盗んだ理由 (講談社ノベルス)
北山猛邦私たちが星座を盗んだ理由 についてのレビュー
No.26: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

凄すぎる、ドルリー・レーン

高濃度のニコチンが付着した針の刺さったコルク球に触れて被害者は亡くなるという斬新な手法で事件は始まり、そして第2・第3の事件が起こる。電車の中や船の上で殺人は起こるので、正確な時間や諸条件から容疑者を絞ることができる。まさに本格派の楽しみが詰まった作品でした。
正直、ドルリー・レーンの頭の回転には全く着いていけませんでしたが、推理を呼んでなるほど!と思うことがいくつもありました。キャラクターのかっこよさが際立っていました。

▼以下、ネタバレ感想
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Xの悲劇【新訳版】 (創元推理文庫)
エラリー・クイーンXの悲劇 についてのレビュー


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