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タカタソン さんのレビュー一覧

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レビュー数155

全155件 41~60 3/8ページ

※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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No.115:
(7pt)

躍動する暗殺者

暗殺者モノ。ミッションを終了後に何故が狙われ始め、なぜ狙われるのか、襲ってくる殺人者達に立ち向い、狙う相手を追い詰めていくという展開。ロシアの軍事機密を巡っての国際的な攻防も含めアクション映画にありそうで、そんなに目新しさはないけど、主人公はプロの凄腕暗殺者で、同レベルの一人のハンタ-との対決は見所。

暗殺者といえば最近では「グレイマン」シリ-ズもあり、どちらも良質で面白い。主人公は「グレイマン」の場合、暗殺者でありながら自己基準の正義の為だが、こちらは完全な冷酷無比の暗殺者。どちらも冒険アクション小説として一級なので好みで読んでみては。
パーフェクト・ハンター (上) (ハヤカワ文庫NV)
トム・ウッドパーフェクト・ハンター についてのレビュー
No.114: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

警察による警察の話

刑事小説は数あれど警察を監視する監察官の話は珍しく目新しい。監察官が主人公なら当然スト-リ-は警察内部の不祥事や闇を暴く話となり、その中で登場人物もなかなか良くて面白かった。

主人公の美人刑事が所轄から特務観察室への異動の理由が1章で語られるが、そんな理由で異動があるか!って思うのと、展開が早くてどうなるの?って、どんどん引き込まれます。どちらかというと、主人公よりその上司の鎮目警視正が冷酷でキレキレで鎮目警視正の過去との対峙物語と言える。

最後に起こる事件はこの小説の覚悟でありインパクトを残した。
狙撃 地下捜査官
永瀬隼介狙撃 地下捜査官 についてのレビュー
No.113: 5人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

かっけええ

決して日本では難しい戦争国しか書けない兵隊・スナイパ-・暗殺者モノ等の中において、本作は間違い無くトップクラスの面白さ。

主人公は海兵を退役した老人でライフルを愛する元凄腕スナイパ-のボブ。まず彼が国を震撼させるような大統領暗殺事件の犯人にされるのだが、この騙され方、騙す理由がすごい。元々暗殺阻止の為に、スナイパ-としての視点から犯人像を想定し逮捕に協力するのだが、まるでケネディ暗殺みたいに緻密な作戦計算で、罠にハマったと分かった後は当然知る者として命を狙われる。なぜ彼が選らばれたのか、なぜその計画が必要だったのかは後々分かるが、良く考えられている。

主人公が国でも有名な殺人者になり、生きている事で狙われる事になった後が本領発揮。あの手、この手で追い詰められるが、その一歩も二歩も上手を行く主人公ボブがカッコよすぎる。老兵であっても、女を愛し、堕落したFBI捜査官を助手に特殊部隊相手に闘いを挑む。

最後のオチまで気が利いてて10点つけてもいいくらいだが、ライフルに関する愛着だけは理解できない。というか日本人であればそこは理解してはいけない気がするので-1点。
極大射程〈上巻〉 (新潮文庫)
スティーヴン・ハンター極大射程 についてのレビュー
No.112:
(3pt)

このオチはどうか

サスペンス&ホラ-という事だが、その表現が合っているかは疑問。少なくても怖くないし・・?

スト-リ-は主人公の目的も無い旅で、聞いたことも無い駅で降りたその街が世の中から乖離していて、携帯が繋がらなかったり、過去に人体の発火事件が起きていたり、この街に伝わる伝説があったりして、やがて事件が起きていくという展開。

この土地というか街の描写は、暗くも怪しく、また住人もそんな感じで古い古都を思わせる感じでジメジメ感がいいが事件の展開やオチは全く受け付けなかった。

中高生が読むようなミステリ-ならアリかもしれないが・・・・。

逢魔ケ刻(とき) (ハルキ文庫 ひ 5-6)
樋口明雄逢魔ケ刻 についてのレビュー
No.111:
(7pt)

難易度が高いが読みこなせるか

一体いくつの話が同時進行しているのだろう。5?6?
それぞれの立場から話が進行していくので、ちょっと把握してないと混乱必至。だれが善で悪かも定かではないから読みこなすのが難しい。

でも物語はスパイ、情報小説と言って難しそうだが分かり易い展開でグイグイ引き込まれる。
戦争を起こさない為に限られた国間で会議を行い、ある犠牲を決める。その情報・リストが漏れ、闇で入札が行われ、その入札、情報を巡って色んな事件が起きていく。

登場人物が結構魅力的で本作だけで終わらせるのは勿体ない。
でも、読むと少し怖くなる。フィクションだとは思うけど、近い事実、現実がありそうな気がする。
消滅のリスト (小学館文庫)
五條瑛消滅のリスト についてのレビュー
No.110:
(3pt)

1975年の女子高生物語

物語は2部構成になっていて、1975年の16歳女子高生の話と1996年に1部で起きた時効になっている事件を調べる刑事の話。まず、これも好みも問題だが1975年代のロックに熱狂し危ない女子高生たちの青春模様がこれでもかってくらいに書かれている。その当時にどんな音楽で、どんな恋愛で、どんな危険か、青春小説が好きな方は面白く読めます。ただ、私ははっきり言って興味がない為、キツイかった。事件が起きるのも1部の最後の最後。そこまで長すぎる。後半は1975年に起きた事故?を刑事が調べていき、その真相が判明するのだが、ちょっと強引すぎるというか1部を読んで到底そのような登場人物関係間には思えなく、後付けでまとめた感がある。

ただ、初めは青春小説で書き出して途中でミステリに方向転換したのであれば、ギリギリだけど成立しているし、素晴らしい文芸だと思う。
少女達がいた街 (角川文庫)
柴田よしき少女達がいた街 についてのレビュー

No.109:

氷壁

氷壁

井上靖

No.109: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

古典名作を読む

文豪井上靖作の氷壁を読む。
昭和30年代の時代背景やそのときの人間像を受け入れられるか、文学としての評価は別として、面白いか否かが分かれるかもしれない。微妙な会話の言い方だったり、この人間関係は今どき無いと、古すぎると思ってしまったらそれが壁になる。

物語は主人公の親友が人妻に惚れてしまい、忘れる為に一緒に冬季の穂高の氷壁に挑戦し、頂上まじかでザイルが切れ親友が落下。切れる事の無いザイルが切れた原因は何なのか、決して技術的や故意的に切ったのでは無いと主張し続ける主人公。人妻は自殺ではないかと疑う。本題は氷壁と山岳小説ぽいが、実際は登山描写は少ない。

当時の社会の人間関係や主人公と親友が惚れた人妻との関係、親友の妹と古典的な心情描写が純粋。
古典としては読み易いし面白さも分かり易い。

氷壁
井上靖氷壁 についてのレビュー
No.108: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

古典山岳冒険の代表作と言われているが

山岳冒険小説の傑作で調べてみると必ず名前が挙がっている本作。
読んでみると、なるほど、確かにその後の山岳小説に多大な影響を与えているなと思うような、山岳シ-ンの過酷さや非情さに緊迫感あり、つい熱中してしまう。

ただ、この小説は戦争小説であり第二次世界大戦時のナチドイツの作戦のひとつの話。主人公はドイツ人であり、過去登山経験者という事で特別任務に着く。その作戦にたどり着く前は戦争の様子や任務に就く前の訓練など当時のドイツの状況が描かれているが、歴史というか戦争描写が苦手な人は読み進めるのがキツイかもしれない。アイガ-の死闘は後半なのでそこまで頑張れば誰でも納得できる内容。やはり極限状態では、戦争なんて無意味で、敵味方なく自然だけが敵だという・・・。

プロロ-グで意識付けされた氷漬けのナチ軍人の真実が意外に心地よく、エピロ-グでほほ笑む。
北壁の死闘 (創元ノヴェルズ)
ボブ・ラングレー北壁の死闘 についてのレビュー
No.107:
(4pt)

この題名で亡霊?小説

全く表題と期待と内容が合っていなかったある意味驚いた本書。
著者は山岳冒険小説の傑作をいくつも書いており、この題目からすると当然その部分だろうと期待する。ところが、読んでみると山や自然の中でのホラ-というか心霊的な短編集となっていて想定外の展開に、すみません、引いてしまいました。

だが、この作品は3.11の震災やそれ以後の原発など非常に大きな影響が反映されていて確かにホラ-テイストではあるが、人が生きる意味、文化、自然とは何かと隠れたテ-マは重い。

趣味ではないが、言いたい事は共感できるそんな本作でした。
標高二八〇〇米
樋口明雄標高二八〇〇米 についてのレビュー
No.106:
(9pt)

事実が創作を上回る

この著者はノンフィクション作家であるが読めばそんな事どうでもいい。実際に存在する山野井夫婦の過酷な登山と夫婦愛に時間を忘れる。自分は山に登らないが、「なぜ山に登るのか」って有名な問いかけの答えがこの本にあると思う。ただ、単に登山が好きで誰も登った事が無い山や壁を登りたいというその想いが、著者の特徴なのか淡々と書かれていて、過酷な状況であろうと生きる事を諦めず、凍傷で手足の指を失おうとも好きな山に登って失ったんだからって前向きに考えるこの夫婦に感動。

特にこの奥さんは凄い。手の指を全部失って、足の指もほとんどなくなっても前向き。しかもトップクライマ-。無欲なこの夫婦に乾杯。
凍 (新潮文庫)
沢木耕太郎 についてのレビュー
No.105: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

この世界観になぜと思ってはいけない

主人公が五股をしていた女性にひとりひとり別れ話をしていくスト-リ-。1章毎にひとりの女性との別れ話になっていて、女性のキャラやエピソ-ドは著者らしさが満載で著者作品を読んだこと無い人にもいいかも。ただ、その世界観に入り込めないと、全ての疑問が解決されていないと納得しない方には向いていない。この主人公が別れ話をするのは、「バス」で連れて行かれるからでそれが何故かの理由は明かされない。ただ、その事はこの物語のあくまで前提であって、そこを超えた想像と読解があれば物語は開ける。

章ごとに「あれもうそだったのね?」との類文での始まり方や、分かれ話なのになぜか、ほっとするようなエピソ-ドだったり秀逸だと思うけどな。
バイバイ、ブラックバード〈新装版〉 (双葉文庫)
伊坂幸太郎バイバイ、ブラックバード についてのレビュー
No.104: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

瀕死の暗殺者

暗殺者だけど悪い奴しか殺さない、過去の擁護した雇主の子供を助ける為に罠だと分かっていながら助けに行く。一種のヒ-ロ-小説であり読後感は満足できる。

そもそも暗殺者とあるけど暗殺シ-ンなんてない。けど、強い。グレイマンと言われると通り、普通っぽい身なりで性格も穏やかで、罠にはハマり多くの傭兵に狙われそれでも一人で切り抜けていく。暗殺者として有名なグレイマンを仕留めようとする多くの敵とのギリギリの攻防にヒヤヒヤ。

最後のヤマ場もいい。愛する者を守れるか、陰謀に翻弄された登場人物たちの末路、瀕死の主人公に待ち受ける意外な結末。

久しぶりの面白い冒険小説を読んだなと。
暗殺者グレイマン〔新版〕 (ハヤカワ文庫NV NVク 21-19)
マーク・グリーニー暗殺者グレイマン についてのレビュー
No.103: 6人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

キレキレの第2弾

特捜部Qの2作目という事で1作目が何年もの軟禁されていた女性の事件でその異常性や緊迫感で相当高い評価をしていた為、読む前から果たして1作目を超えられるのかと期待は正直していなかったが、これが予想に反してというか想像をはるかに超えて面白い。今作も過去の未解決事件を特捜部Qのメンバ-が追って行くのだが、今回は初めから犯人が分かっていて過去の学生時代の1グル-プで今ではそれぞれが国でも有数なビジネスリ-ダ-で金と権力で真実をねじ伏せる。趣味が狩りでその悪役っぷりというか悪毒さはいかにもセレブな悪役像でサイコ的な要因をプラスして誰でも嫌悪感をもつ悪役で分かり易い。話はそれだけでは済まない。元々学生時代で同グル-プだった唯一の女性キミ-がなぜか彼らを追い詰める。彼女の破滅的?壊れた人格・精神性は今作の重みを増し、また、読み離せなくなるトリガ-となっている。

主人公のカ-ル?前作よりだいぶマシになったかな?
特捜部Q ―キジ殺し― 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕
No.102: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

さすがの安定感

北海道警察シリ-ズの何弾目ですか?5弾目?シリ-ズものであるので登場人物もおなじみで、今作も主要メンバ-がそれぞれ追っている事件が実は繋がっていて協力しつつという展開。今回は、犯人探しもそうだが報復から逃れる協力者を守れるかの追う者と追われる者、守る者の三つ巴の展開は緊迫感があって、つい読みふけってしまう。

このシリ-ズの特徴は北海道警察内部ネタが常にあって、1作目の「笑う警官」はこのシリ-ズではバイブル的な存在。これを読まないと関係性とかちょくちょく言葉で出てくる郡司事件とか何の事か分からないと思う。だた、1作目を読んでいてももう何年も前になるので忘れてる。もうそろそろ、そこからの脱皮と主要メンバ-達の新たな展開がないと、マンネリになりそう。
密売人 (ハルキ文庫 さ 9-6)
佐々木譲密売人 についてのレビュー
No.101:
(4pt)

蒼ざめた展開

もしかしたらとても良く出来たハ-ドボイルドかもしれない。でも、主人公が写真家で過去に探偵をしていたというだけで事件の調査を依頼されるとか狭い町で展開する殺人事件の犯人探しは、今更?って感じで新しさを感じなかった。それと、終始どんよりした雰囲気で描かれていて、主人公や登場人物にも魅力が感じず読み進めるのが結構苦痛。もうちょっと意外性が欲しかった。

ただ、古典的ハ-ドボイルドという観点でみれば王道と言えるか。
蒼ざめた眠り (小学館文庫)
香納諒一蒼ざめた眠り(虚国) についてのレビュー
No.100: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

心に突き刺す生・性。

この小説を読んだのは実は2回目で、やはり面白いし警察小説であるが恋愛小説でもあり、この時代の弱い女性・子育て主婦の立場を訴えている。RIKOシリ-ズは元々、性別を超えた恋愛の形がキ-ワ-ドとしてあり、今作でも単純な形ではなく複雑な要因の中で存在させている。(そのひとつの形が小説「聖なる黒夜」として存在しており、これもとんでもない傑作で10点評価を付けてます。)

この小説はとても単純な表現で表せない。登場人物もヤクザ、薬漬けの売春婦、被害者主婦と関係を持つ刑事、不倫で未婚の母の主人公だったり。ただ人の本質、欲望・ねたみ・性・叫びが描かれていてが描写で理解できない部分もあると思う。それでも、乗り越えるだけの超越した登場人物やスト-リ-展開は他に類を見ない。

それと書かれた時代背景もあるとは思うが、著者の母性に関する子育ては女だけの事ではないという叫びが聞こえた。
聖母(マドンナ)の深き淵 (角川文庫)
柴田よしき聖母の深き淵 についてのレビュー
No.99: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)
【ネタバレかも!?】 (4件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

文芸の堪能。

久々に純粋なミステリ-というか読み手をダマす小説を読んだとほくそ笑み。まったく前知識が無く、作家も作品も知らず。読み始めていくと青春ミステリ-っぽく、ちょっと苦手な分野だなと思ったがそこが著者の意図するところであって、改めて活字の素晴らしさを実感。だって読んだ方なら分かると思うけど本作は映像化は無理でしょう。著者の文章技術で読み手のイメ-ジを意図的に錯誤させる。これぞ文芸。

あとは、趣味・好みに合うか・・?

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)
No.98: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)
【ネタバレかも!?】 (2件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

これを読むとス-パ-で肉を買うのを躊躇?

あらすじを読むと、巨大企業の悪事をばらすみたいなフィクションに近いイメ-ジをとると思うが、半分は当たって?て半分は純粋な警察小説だと思った方がいいかも。

話の筋は巨大企業の強引な地方出店、ワンマン社長、アホ息子がキ-ワ-ド。この企業に個人の恨みで調査する新聞記者と、また別の過去の未解決殺人事件を調査している主人公刑事が最後には交差する。

主人公刑事が地道に聞き込みを行って容疑者に近づいていく過程は丁寧に描写されていて、思わず息をのむ。企業・一族を守ろうとする滝沢もヒ-ル役かもしれないが見逃せない。

最終的には、本題にある通り食肉・牛に絡む展開になるのだが、もっとどろどろした終わり方を期待していただけに意外にアッサリ。物語のバランスを取るための獣医師の変な正義と最終的には警察内部オチで7点。
震える牛 (小学館文庫)
相場英雄震える牛 についてのレビュー
No.97:
(7pt)

ヒトの進化と禁術

最新科学と誰もが聞いた事がる歴史とミステリ-、アクションを組み合わさたスト-リ-展開のシリ-ズ第2弾目。1作目の「マギの整骨」も読んでいるから登場人物もすんなり。逆に読んでいないと、主役組織の「シグマフォ-ス」がわかりずらいかもしれない。世界秩序を守る米国国防省機密組織のシグマフォ-ス。

1作目はシグマフォ-ス全員でひとつの事件を追っていく感じだが、2作目は何と司令官のクロウとピア-ズ隊長が別々の事件で話は進んでいく。当然、最後には繋がるのだが今作の方がスト-リ-性が増し評価点は前作と同じでも今作の方が好み。

キ-ワ-ドの「ナチ」、「量子論」に+アクションが少しでも興味がある方ならハマるでしょう。

ナチの亡霊(上)
ジェームズ・ロリンズナチの亡霊 についてのレビュー
No.96: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

孫行者ってなに

著者らしく「私の話」と「猿の話」が交互に展開されていき、どんなふうに繋がっていくのか期待されるところだが、どうも物語の力強さというか引っ張るスト-リ-性が弱い。これが、なかなか話の起伏も無く進んで行くので単調に感じてしまい脱落者もいるかと思う。

それにしても、題名みれば分かると思うが、西遊記の孫悟空が関与する話なのだが、いちいち孫行者とか難しい言い回しは意図はあるのだと思うがめんどくさいよ。

ただ、最後まで読み終えれば、それなりのメッセ-ジ性もあり、繋がりの持たせ方・オチの付け方は流石の領域。空想と現実の上手い取り方、重力ピエロにあったような犯罪に対する提議は考えさせられる。

SOSの猿
伊坂幸太郎SOSの猿 についてのレビュー