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タカタソン さんのレビュー一覧
タカタソンさんのページへレビュー数155件
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この著者の作品を初めて読みましたが、テンポも良く非常に読みやすかった。
気づけば、どんどんペ-ジが進んでいるような感じだった。 ただ、話の導入部分が良かっただけにオチとなる終盤の失速感?失望感は否めない。 主人公の立場を考えたらもっと、どこかの場面で感情的な事があっても良かったと思う。 オチも1週間ぐらい経ったら何だったけ?っと思ってしまう程度で特にインパクトも無く普通。 テンポ良く読ませるだけに何か勿体ない。 |
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リンカ-ンライムシリ-ズの2弾目。
1弾目のボ-ンコレクタ-とはおもむきが変わって初めは多少違和感を感じる。 それは、ボ-ンコレクタ-が連続殺人犯を微小な証拠を集め科学捜査で犯人を追い詰めていく話だったのに対して、2弾目のコフィンダンサ-は暗殺者から事件証言者を守ることと暗殺者のコフィンダンサ-を捕まえる話なので、展開が弱いかなって思ったけど、はい、大間違いでした。 暗殺者と主人公ライムの裏の裏まで読んで手を打つその計算高さ、緻密さの頭脳戦をここまで表現出来るのは他に類を見ないし、これほどの緊張感と興奮は言葉では言い表せないほどすばらしい。 また、傭兵のケイルがすばらしすぎる。その徹底したスナイパ-ぶりや内に秘めた上官でもある亡き父親との会話も、心情の変化もキャラが立ちすぎている。 前作同様に、展開が速くあっという間で、既に満足という次元でも更に最後にこれでもかっていう驚きのどんでん返しがあって、もう世界最高峰と言っていいでしょう。 |
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【ネタバレかも!?】
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話の始まりはミステリ-ぽく、マンションの一室で顔をつぶされた遺体とエンドレスで流れていたシャンソンのテ-プ、そして行方不明の住居者の夫婦。
やがて、夫が遺体で見つかり容疑者として妻の風子の行方を刑事である遠野要が追い求める。 ただ、そこからの展開はまったく予期出来ないもので、ミステリ-の謎に迫る展開ではなく、風子という個人の人生を、宿命を徹底的に掘り下げていく。 それは見事に風子の現在・過去そして、風子を追う刑事:遠野要の視点に切り替わり、一気に終盤まで持っていかれる。 また、この話は風子だけではなく、刑事:遠野の話であり、宿命と狂気の果てにあるのは愛なのか、そのあまりの奥深さを是非堪能してほしい。 水底の森は場所でもあるが、この小説の奥深さを表現する題にぴったりだ。 |
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今までの貴志小説と比べると、かなりエンタテインメント色が強い、敷居を下げて間口を広げた内容ではないだろうか?(初読みの方はグロいと思うかもしれないが。)
内容の精度や満足度は別にして、普通に読んでいて次の展開が気になるし、気づけば夢中になっているのはやはり流石は貴志作品と言える。 読むと展開が上手く、前半は主人公教師のエピソ-ドが章ごとに展開され、章が進むごとに主人公のクレイジ-さ・凶悪さが露呈していき、恐怖・緊張度が最高潮に達した後半には校舎という閉鎖的空間での残虐、生徒たちの逃走劇。 また、視点の使い方もうまく前半は主に主人公視点でその狂った考え方に恐怖し、後半は生徒視点に切り替わって追われる恐怖・迫りくるスリルに思わず手に汗を握る。 ただこれが貴志ファン、サスペンス・ミステリ-ファンが読むと何か不満が残る。 それは、主人公の設定と行き当たりばったり感ではないだろうか。 主人公は京都大学法学部を1年で退学しアメリカに留学しMBAも取得、精神心理学にも精通した天才でかっこよく面白く・・・と。 ただ、その主人公の天才ぶりが緻密さや計算高さぶりが全体を通して見えてこない。 どちらかというと、行き当たりばったり感があって、そこがコアなダ-クさよりも軽さ・軽快さを取ったんだなと貴志ファンは思ってしまう。 が、そこは何も考えず深読みせずに、そういう世界感なんだと思って読めば面白いのは間違いない。 |
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この小説を読んだ後、深読みすればミステリ-好きほど、あっさり感があって、それを期待はずれと読むかさすがと思うか分かれると思う。
いろんな事が起きそうな空間で、意外にシンプルに終わってしまうのでどうなんでしょうか? 読み手の期待に答えるべく、お約束という事でもう少し夜間エピソ-ドや凶器・金庫室・遊戯室・整備室などでの事件・推理が欲しかった。 続編に期待。 |
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この小説で出てくる透明人間は、なんでもすり抜けられる訳ではありません。
あくまで、ある事故によりその事故一帯の物質が透明になってしまってその中に人間もいたという話です。 ですので、その一帯にあった物や着ていた物は透明なのだが、ご飯を食べれば胃で消化していく様が見えてしまうし、物質自体は存在があるので、足跡は着くし、歩けばぶつかってしまうのです。 当然、事故後から調査機関に追われるのだが、その中でどう逃げるか、逃げられるのか。 この小説は30年間のベスト1という帯に釣られて読んで見たのだが、正直自分にはいまひとつ。 まず、主人公が証券マンということもあり、しゃべりや考えに好感が持てないし、パ-ティ-に参加やクラブなど日本ではなかなかイメ-ジが沸きにくい。 それと、追ってくるエ-ジェントの緊張感がもっとあってもよかったと思う。 いろんな罠や仕掛けが欲しかったし、ムフフなところももっと欲しかった。 ただ、これを読むと透明人間はいいやって思います。 |
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東野氏は売れすぎてるから読まないって言うか、好きではないと思い込んでいる作家。そのくせ、【秘密】とか【白夜行】とか読んで、う~んって一筋縄ではないなとは思ってもいる。この本も、まさしくそう。
この作品は当然基本的にミステリ-なのだが読んでいる内に事件の真相よりも、その人間ドラマに引き込まれていく。 そして、忘れた頃にぽ-んって真相を放り込んでくるから、それがまた衝撃的で心をえぐってくる。 意外なことは、 (ガリレオ)シリ-ズを読むのはこれが初だが、主人公?の湯川がメインで登場するわけではなく、どちらかと言えば控えめでちょろちょろと出てくる程度で、探偵・探偵しているわけでもなく、メインはあくまで石神であり、靖子だった。 これだけの文量でこれだけの表現は、もう認めざる得ないだろう。 |
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短編連作集。
ひとつひとつの事件で主人公も違うが、全てシズカという少女が絡んでいる。 章を読むごとにシズカという人物像が見えてくるという仕掛け。 すぐにこの仕掛けは分かるのだが、そうなるといちいち回りくどい短編の始まりから読むより 結論だけ知りたくなってしまった。 つまり、短編1作・1作の出来はそれほど良くない。 毎回主人公も違うので、背景から話が始まるし・・・。 長編にして、白夜行みたいな感じにしたほうが良かったのでは。(パクリになっちゃうか。。) |
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結構好きな作家でいろいろ読みたいのだが、なにぶん売れていない?ので本屋言っても置いてないのが
難点。読みやすく、どれもそこそこ面白いと思うのに・・。皆さんも一度読んで見てください。 この本も題名やあらすじを読むと、どんな内容かよくわからず、正直期待出来ないのだが・・・。 ただ、読んでみるとやはり読みやすくさくさく読み進める。 主人公は、今どきの今日だけ楽しければいいやという若者で、Jと呼ばれる女性の意志の強さに引かれ、自分でも単純ながら目標を持って生き出すという話。 ただ、そこにテロ、テロを請け負う組織が絡んできて、今の日本の問題、親の子供への無関心や裕福な日本が貧しい海外で犯している幼児買春などの犯罪に対する遺恨や、幼児売買での完全孤独な子供やすべてを失くした大人が安全に安らかに住める世界が作れるかなど、深いテ-マが潜んでいる。 |
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ミステリ-の名手として必ず名が挙がるのが、このジェフリ-・ディ-ヴァ-。
一度読んでみようと、代表作でもあるリンカ-ンライムシリ-ズの1作目のこの本を読んだ。 さすがに展開は超早い。初っ端の誘拐シ-ンから気がつけばどっぷり。 無駄な会話・描写がなく、的確な考えられた言葉の使い方は科学捜査(鑑識)みたいなイメ-ジが難しい現場の描写も素晴らしく、あたかも目に見えるように読める。 わざと科学捜査でしか判明しない証拠を残す殺人犯と、科学捜査官を退職した四肢麻痺の主人公リンカ-ンとの科学捜査の対決は純粋に面白かった。 ただ、リンカ-ンが捜査協力する経緯の薄さや、その後に主人公の一人になり、リンカ-ンの手足となって現場で科学捜査するサックスの心変わりなどが、分かりづらいところがあった。 リンカ-ンの頭脳とサックスの美貌・行動力は次の作品でも十分楽しみになる。 |
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この3は2の直後から始まるので、少なくても2は読んでおいたほうがよいでしょう。
・・・というか、3を読む人は1・2を読んでハマった人だとは思いますが。 まず3部作と通して、それぞれ本ごとに観点の違う話・展開、キャラクタ-の魅力等クオリティの高さと 面白さは期待以上で、楽しい時間を堪能出来た。 3は特に面白く、主人公のリスベットが入院しているところから始まり、動けないリスベットに罪をなすりつけて精神病院に送りつけようとする公安組織と助けようとする主人公ミカエル達の攻防が繰り広げられる。 また、別に盛り上げるエピソ-ドとしてミレニアムの編集長エリカが大手新聞社の編集長へ引き抜かれる話があって、色々な問題を抱えた中に、なぜかそこにリスベットが絡んでくる。 エリカはミカエルの友達(愛人)であって、それに嫉妬していたリスベットはどうするのか? ラ-ソンはこの3部作しか読めないので、是非堪能しましょう。 |
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相変わらずの読みやすさ。
誰が読んでも途中挫折はあまり無いのではないでしょうか。 このシリ-ズは人気ありますよね。 本屋で年配の方が、店員に置いている場所を聞いている場面に何回も出くわしてるけど偶然? まぁ年配層の方々にこの主人公が支持されているにはちょっと分かるような気がする。 主人公(竜崎)は東大出のキャリア官僚。 東大以外は大学じゃないとかキャリアはこうあるべきだとか堅物ぶりが面白い。 第3弾の疑心は部下の女キャリアに心奪われる。(竜崎は妻子あり) 警察小説としては物足りないが堅物が自分の恋心にどうケリをつけていくかが今作の読みどころ。 このシリ-ズを読んでない方は是非1作目の隠蔽捜査からどうぞ。 |
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それにしても、なんていうペ-ジ数。文庫で1000ペ-ジ超。
その長い理由がなんとなく姑獲鳥の夏を読んでいるから分かります。 読んでみて、やはり。 京極堂(主人公)の語り、相変わらず興味深く分かりやすいけど・・・宗教・歴史・妖怪・哲学など多少難しい解釈が入り、このあたりが好き嫌いが分かれるところだろう。 ただ、話自体は非常に興味深く読めた。 ハコ・隙間・歪な愛に固執した人間が織り成すどちらかというとサイコ的な話が、そう思わせない構成ですんなり読み進める。 あと、このシリ-ズを読んだ事ない方に・・・妖怪が出てきて陰陽師とのバトルとかはありません。 あくまで人間の仕業による事件の推理小説です。 |
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企業小説、しかも談合の話なんて捉えると堅苦しい小説と思ってしまうが、決してそうではない。
入社3年目で会社に慣れ、自分の考え方を持ち学生の頃とは明らかに世の中の見方が変わり、彼女とすれ違って行く。社会人の皆さま、結構身に覚えないですか? この小説はそんな話で、相変わらずテンポが良く分かり易い構成で、読み始めたら止まらない。 ただ、会社を存続させる為には談合が必要なのかとか業界のフィクサ-と合ったりとか入社3年目の主人公にはちょっと無理があるというか・・。(まるでサラ〇-マン金〇郎?) まぁこれにはオチはありますけど。 終わり方も意外に広げた風呂敷がそのままだったり、どうなったの?という事があり、物足りない方もいるかも。 |
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2だからといって1のテイストシリ-ズモノだと思ったら大違い。
まず1から時間がしっかり流れており、その後の1の主人公ミカエルやリスベットの状況が描かれている。 特に2は、リスベットの過去が焦点となっていて、ミカエルとは全く違う軸で話は進んでいくが、雑誌ミレニアムで発表予定の人身売買や売春といった調査・取材をして行く中で事件が起こり、やがて重なっていく。 2はミカエルとリスベットが会う事がほぼ無い。 自分の過去と向き合うリスベットとどのようにミカエルが関与していくかは見どころであり、リスベットの衝撃的な過去も判明する。 展開も早く、ちょっとやりすぎ?と思うぐらいのアクション描写もあるが楽しく読める。 いや、そんなレベルじゃなくて実は正直かなり「ミレニアム」はハマってマフ。 2の終わり方はそこで終るのって思うほど衝撃的な幕切れになるが3はその直後から始まり、少し言ってしまうと3面白さはハンパ無いデス。 大長編だが、それだけ楽しめると思えば全く損はないでしょう。 |
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いろんな事件がその日に起き、それぞれの事件の登場人物の視点から話が展開される。
まず、事件が多い。 その上ひとつひとつの事件や登場人物がそれ程魅力がある訳ではないので、先の展開が気になるといった感想は持てず中々読み進まなかった。 それでも我慢して読み進めて、終盤に入ってくると暴風雪という自然猛威によってすべての事件が1か所に集まり、ようやく読める展開になってくる。 正直そこまでが長い。 ちなみに川久保巡査が主人公ぽいが、そんなに活躍もせず、数あるエピソードの一つとして絡んでいるという感じ。 佐々木先生なので、期待が高すぎたが普通に楽しくは読める。 |
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この本は読手にトリックを仕掛けていて、それを良しとするか見える展開を不快に思うかで評価が分かれる。
つまり読んでいると、現実世界の話なのか夢の世界なのかが分からなくなっていく。 それを可能にしているのは設定で、主人公の弟(自殺未遂で植物人間状態)と開発された医療器具で夢の世界で対話が出来るというもの。 姉の主人公(漫画家)が、対話を終え器具を外して現実世界だと思っていても弟が出てきたり、分からなくなってくる。 しかしながら、オチはある程度のところで読めてくるので、そこだけ見てしまうと低評価になるかもしれない。 まぁ、ページ数も少なく飽きずに読めるし主人公のトラウマを焦点とした文章表現は良いのではないでしょうか。 |
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地べたに這いつくばって顔をつけて臭いを嗅ぐ感覚。
こんなに臭いを感じ、心をえぐられる小説には出会ったことは無い。 こんなにも山を登るのが過酷で絶望なのかが、恐ろしい位に感じてしまう。 -40℃の世界で壁に張り付いて、指の感覚が麻痺し、幻聴が聞こえる世界が恐ろしいほど眼に前にある。 著者の情熱というかそんな生易しい表現ではなく、感性の爆発、書く殴った狂気は読む者を圧倒する。 |
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小川氏の書く世界はなぜこんなにやさしく暖かく切ないのだろうか?
80分しか記憶を持てない数学博士と家政婦とその息子ルート(あだ名)の物語。 毎朝自分の病気を知る事から始まり、毎朝初対面の挨拶をしなければならない家政婦とル-トの刹那さ。 江夏豊と子供と数学を極端に愛する博士は愛おしく、読み終わった後、しばらくたって思い出すと心に染みます。 ミステリ-ばっかり読まず、たまにはこんな作品も読んでみてはどうでしょうか? |
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今から約15年前に発表された本書だが、今読んでも斬新と感じるのはその切り口が性に関する描写であり、万人受けする内容ではないからだろう。
性に関する描写といっても行為自体の描写ではない。 この小説に出でくるのはまず事件として男が男を犯すビデオがあり、その事件を追う女刑事の主人公は同僚、上司との不倫、部下、そして同姓とも関係を持っている。 だからといって、ハチャメチャな内容ではなく刑事小説として、複雑な性犯罪にあってしまった主人公が性に対して悩みながら事件に対峙していく本格物であることは間違いない。 ただ女の性というか肉としての女というか、そこにこだわった内容は共感がなかなか難しかった。 |
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