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タカタソン さんのレビュー一覧
タカタソンさんのページへ書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点6.63pt |
レビュー数155件
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究極の警察小説と謳われている本作。当然ながら読む前からハ-ドルが相当高く上がっているなか、読後の感想は、放心状態というか、こんなに熱く痺れて、すげぇ本だと思ってしまいました。
まず何と言っても登場人物一人一人の描写がリアルで印象的でちょっとしか登場しなくても、まるでそこに居るように息遣いが感じられるほど生きていて、また主人公の三上はヤバいです。 警察小説でありながら、主人公は事件を追う刑事ではなく、マスコミ対応の広報官であり、それが俯瞰的な事件の見方や警察内の動き、情報公開の質など、全く新しい。 それに加え、主人公三上は美人妻との子ども、その子が自分に似てしまった為の顔面コンプレックスで家出をしてしまい、その捜索に警察の力に頼ってしまった事から上司のキャリアの手駒にされ、家庭では家出した娘を心配する妻との会話、その主人公が置かれている立場があまりに読んでてつらく、これは以上は読めないって思ってしまいました。 それでも、仕事を全うする主人公三上と、題名でもある昭和64年の事件「64」とD県警の置かれた状況、そして新たな事件と、中盤以降は怒涛のような立て続けの展開の中にある緊張感と思わず目頭が熱くなる展開で止まりません。 クライマックスもほんのそこいらの警察小説にあるような展開・仕掛けとは訳がちがって、全てはそこに繋げる為の序章だと思ってしまうぐらいに、感銘を受ける。 数ある警察小説のなかで、これだけの視点で描かれたものは読んだが事がなく、究極かどうかはわからないが、今1番に薦める警察小説であるのは間違いない。 |
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大沢SFハ-ドボイルド。「獣眼」というタイトルに惹かれて期待しすぎると読み終わった時に、何それ?と思ってしまうだろう。
物語はキリというカッコ良くて、セフレがいて、語られない過去・闇をもっているボディガ-ドが依頼によって17歳の女子高生を守るという話。そこに出てくるのが「神眼」という未来を予知出来る能力で、色々と狙われるのであります。 「神眼」の承継というのがキ-ワ-ドになるのだが、承継の条件が最終的に何だんだよと、ちょっとイラッとしてしまいました。「獣眼」については何も言えません。 読み易くはあるので、大沢ファンは期待しないで是非。 |
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表題からすると、海賊と呼ばれる男の伝記的な話と思われがちだが、イヤ、その通りなのだが本書の目次をみてもらうと分かるのだが、相当細切れになっていて、それが主人公の武勇伝エピソ-ドになっている。だから、歴史や伝記本的なものが嫌いな方でも意外にスンナリ読めるのでは。
本作は有名な良く見かけるガソリンスタンドなど、石油を取り扱う出光の創立者を描いた作品であるが、主人公、社名は実名ではない為、本作がノンフィクションなのかフィクションなのか分かりずらいが、恐らく盛ってはいるのでしょう。 物語は、終戦後で全てを失った石油会社社長主人公が自社の利益より国の為、社員の為に日本・世界の石油業界に立ち向かい復興に為に困難に立ち向かう話。 初めにも書いたが、1章ごとが非常に短く、また泣かせる武勇伝なのでいつの間にか読み進めている。 勿体ないのは、著者が目立ちたがり過ぎ。テレビにも頻繁に出て問題発言をして、そのイメ-ジが少なからず影響を与えてしまっている。 |
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「百舌」シリ-ズと呼ばれている5作目。このシリ-ズが百舌に関わる括りで呼ばれるのであれば、本作は全く百舌は出てこないし関係ない。だが、警察官僚・政治家の闇の陰謀との戦いという意味での括りであればシリ-ズとして呼べる。
登場人物も過去の「百舌」シリ-ズでだいぶ死んでしまい、本作はホントお馴染みの倉木美希と大杉のみ。 物語は呆気ない程、どストレ-トで何もヒネリも無かったが、相変わらず読み易く読み進めたくなるちょっとした展開の連続はさすが。 ただ、今作の陰謀はちょっと強引かなと思う。その事の為に人を殺すというのはちょっと現実から離れているし、やはり人が死に過ぎる。 今作の登場人物、美人刑事の「洲走かりほ」の描き方は何か勿体なかった。 |
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この手のミステリ-が国内でも評判が高いのは意外な気がする。結果的に残虐で悲惨なところがあり、ただやはりこれだけの振り切れたスト-リ-展開は他になくそこが衝撃的で驚愕をもたらし、どうしても人に薦めたくなる。こういうミステリ-が評価されるのは、なかなかのもんだと思う。
題名にある通り、女アレックスの物語であり、三部構成で誘拐・監禁から始まるのだが、これが部ごとに全く違うスト-リ-展開とアレックスの見え方が変わり、特に2部の終わりは物語を一刀両断する締め方に驚く。 最後に事件の真相とアレックスが分かるのだが、はたして読み手はアレックスに何を思うのか、これだけ主人公に対する印象や感情が引っ繰り返させるのは感動すらする。 心が引き裂かれそうな話ではあるが、事件を追う背が小学生なみの刑事のカミ-ユ(なんか、この名前も日本人には馴染みがある?)のちょっとした正義が救いになっている。 アレックスの為に泣くのか。 |
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ピルグリムは全3巻で1・2・3とあるが、これは1つの物語を上・中・下と分けているだけなので、ピルグリム1の評価といっても物語の序盤1/3の評価となるので非常に難しいが、正直期待以上で驚きです。
物語は元諜報員の主人公の一人称の語りで進む。引退した主人公が再度ひとりで諜報をする事になったのか、また主人公が追う相手「サラセン」の生い立ちから野望、テロ計画の進行が語られ、お互い名前をすてた同士の追う者と追われる者の1対1の物語。追う相手の「サラセン」の人物造形が非常よく、また中東の話でもあるので、まさに今の旬といえるかもしれない。信じるモノの為に、また正す為に命をかけ、守り、果たす事が正義なのか、またその為に残虐になれるのか、読む手が止まりません。 1を読み終えた後、まだ残り2巻ある事が本当に幸福に感じる1巻です。 |
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スリラ-、徹夜本という煽りで読んでみたが正直イマイチ。SFっぽい内容なんだろうなと思いながら読んでみると、中盤まで永遠に主人公の女流作家ローラの生い立ちからの半生が描かれていて、時折不可解な事件や謎の男が登場したりするぐらいで、どうゆう方向にいくのか、また期待するような先の展開が乏しく結構つらかった。
後半になると、一気に話が加速し盛り上がってくるが、何かターミネ-タ-っぽいというか、そこまでSFではないにしろ歴史の野望というか・・そんな感じです。ここまでくればそれなりに面白いしし最後まで突っ走れるけど、そこまで主人公の半生を描く必要があったのかは疑問。 |
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ハ-ドボイルド的な作品が多く個人的に好きな作家の一人。どの本も読ませてくれます。
さて本作ですが結構書店でパワ-プッシュされているが、私も期待を持って購入。まず、物語全体で言うと、元公安の刑事で事件で妻が死んでしまった主人公が、人生を変える為とモ-テルの管理人を元上司がら斡旋されるところから始まる。当然それはある目的の為で、同じような理由で集められた若い娘と少年で仮装家族を演じていく。 これがまた、さすがだと思うのは各キャラが相当際立っている。若い娘で物語のキ-にもなる葉山ふみは驚きの過去と展開で、またモ-テルのオ-ナ-・支配人とのやりとりは感動させる。人の繋がりや価値とは何なのか考えてしまった。 また、モ-テルで飼い殺しにされていたド-ベルマンのマクナイトと主人公とのお互いの再生・交流も楽しい。本作も犬は重要要素。 全体的に暗い話になりすぎず、適度なブラックさやユ-モアがあって楽しめると思う。マクナイトとダイナマイト・・・なんか受けます。 最後のクライマックスアクションは、そいゆう流れになるだろうという展開で若干イマイチだが読後感は良く満足するでしょう。 |
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この小説は東日本大震災直後から書かれたのか、相当色濃く影響している。
物語の前半はまさにその話で主人公は人のオ-ラが見え、感情を感じてしまう。その主人公が被災地で感じてしまった感情が深い衝撃となって負っているなか山岳救助隊となって救助犬の愛犬とともに山に入る。 山での救助活動や仲間との関係そして事件と続いていくのだが、犬の描写も多い。救助犬という立ち位置もあるが犬がらみのエピソ-ドは多く、犬好きも納得だろう。 表題にある通りの犬の活躍や、オーラを感じてしまう主人公夏美と仲間たちとの交友など、読み応えはある。まぁ、表題にもある通り、犬は活躍するし、おいしいところは犬です。 |
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グレイマンシリ-ズ3弾目。圧倒的なアクション描写と冒険活劇には、好きな方はどハマりする事でしょう。このシリ-ズの主人公は暗殺者なのだが今作はまるで正義の味方。
昔助けてくれた恩人の家族をマフィアから守る為に奮闘する。暗殺者が自ら危険にツッコみ恩人の奥さん、妹、弟、親、従兄まで守る、まるで親切なオッサン。妹とまで、何かいい雰囲気にもなってしまうしハ-ドアクションサスペンス小説ではあるものの笑えます。 なかなか、暗殺者のネタが無いにしろ、何でもありになってきた。冒険小説としては1級品なので、今後も期待します。 |
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ハゲタカシリ-ズ2弾。企業買収をこんなにもスリリングに面白可笑しく?誰でも読めるオススメ経済サスペンス小説。
今作は全作と違って主人公鷲津が中心で物語が進む。冒頭でいきなり1作目で活躍した社長アランが謎の死をとげてしまっていてかなりのショックから始まり、買収劇・死の原因追究と相変わらずのスピ-ド感でイッキ読みさせる。 あまりの急展開や終わり方に消化不良という声が聞こえてきそうだが、シリ-ズは続く訳だから取っておきましょう。 |
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評価が激高だったので読んでみましたが全く趣味にあいませんでした。
まず、1950年代のロサンゼルスという時代背景も興味が無いし、ノワ-ルというジャンルは嫌いでは無いが、まぁ読みずらい。/や-などの記号は文章内に入ってきて、登場人物も多く、読む人を選らぶ。 確かに全員悪人でノワ-ルというジャンルでは面白いかもしれないが、著者の文体だったり表現方法を理解出来ないと完読は無理かと。 最後まで読みましたが、ちょっと無理です。 |
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シリ-ズ3作目。まず、3作目でありながらシリ-ズのマンネリはなく、各作全く趣向の異なる事件でこれだけ引きつけられるスト-リ-を展開出来るのは感嘆。今作も特捜部Qの捜査パートと凶悪な犯罪パートが交互に展開されるのだがその緊張感というかテンションのギャップは、ただ暗いだけの犯罪小説から万人向けのエンタ-テイメントにしている。
描かれている犯罪が極悪でサイコ的で、今まさに犯罪を行われる様が刻一刻と迫りくる描写と、あいかわらずのおとぼけ特捜部Qのスト-リ-とは直接関係ない話は最高。 主人公カ-ルは相変わらず主人公として冴えないし、助手のアサドやローセも訳分からず、、なのに徐々に犯人を追い詰めていく模様は歯がゆくもあり爽快でもある。 |
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シリ-ズ4作目。1作目さえ読めば次に何作目を読んでも面白さが分かる。このシリ-ズの面白さは、スト-リー展開や犯人探しではなく、主人公キャリアエリ-トの竜崎の言動。おおよそ日本では、上下関係だったり相手への気遣いで根回ししたりごまかしたりするが竜崎は一直線。相手が誰であろうと、正しい事と思う事を言い行動する。そこがこのシリ-ズを読んでて気持ちいいところ。
スト-リ-の展開には疑問を持たず、どこが隠蔽捜査なのかと疑問を持たず読めば面白い。? |
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1作目も読んだが、2作目の方が断然面白い。
主人公は1作目が原因でCIAからの指示で暗殺をしていく。その暗殺がどんな意味をもつのか分からず淡々と暗殺をしていくのだが、それが実は暗黙でビジネスラインが分かれている二つの世界的武器売買組織。 その暗殺によって二つの巨大武器売買組織に亀裂が入っていくのだが、そのギリギリの関係バランスと緊張感。暗殺毎に微妙に展開していく関係は読む手を止められなくなる。そして案の定の展開もあり期待は裏切りません。 暗殺者が主人公なので正義は無いが良質なアクション小説をお望みの方は是非。 本作では、決着しなかったが暗殺時に居合わせ手を出した別組織は次回以降に繋がるのか。 |
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非常に読み易く、読み始めると最後までスルスルと。
1作目からのシリ-ズは確か10年前くらいに読んだはずだと、いきなり4作目の本作を読み始めたが、やはりさすがに登場人物やシリ-ズの事件を忘れているので、その関係で起こる物語展開は勿体なかった。 ただ、スト-リ-展開は非常に単純で、過去のいわゆる百舌関係事件に関わった罰せられなかった人間が次々に殺され、その殺され方が最強殺人者の死んだはずの百舌に類似していて、誰が仕組んでいるのか・百舌は誰なのかっていう事でそこだけを捉えて読めばリアルかどうかは別にして面白い。 それにしてもTVドラマの配役イメ-ジが強く、それは違和感なのか・ピッタリなのか、想像しながらよむのも良し。主人公美希と大杉の関係は意外? |
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いろいろと出来過ぎなところや、イラっとするところはあるものの本作の評価や帯に記載あるコメントのとおりに海洋サスペンスとして秀逸かと。
だから冒険かと問われるとどちらかというとサスペンスでありハイジャックされた船内で攻防だけがスト-リ-ではないのでアクションぽい展開を期待していると肩透かしをくらう。ハイジャックされただけの物語ではなく、世界的陰謀たくらむテロ事件の物語なので、いろんな国や組織が話に入ってきてちょっと雑感はある。もう少しシンプルの方でもよかった。ただ、十分に船長の男の生き様や仲間との信頼、娘との親子、家族の愛は伝わって、やはり最後は良しとしたい。 |
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外国にツア-に行った参加者が拉致され、監禁場所で語られる参加者8人の朗読会の物語。1人1話で自分について語る物語で爆発により全員死亡してしまうのがプロロ-グでわかるが、事件についてはプロロ-グ以外で語られる事はない。
人質になって監禁された時、何を語るのか。自分がそれまで生きてきた中での語るエピソ-ドは特別なはずで、本当に特徴ある著者らしい話になっていた。 ちょっとした人生の小話だったりもするので、合わない人にはつまらないと思う。(ミステリ-ではありません)ただ、自分がそうなった時を想像してしまい、何を語るか考えると深みを増してくる。 |
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ミステリ-ではない。奥秩父の山小屋で起きる人間ドラマ作品集。山を登る困難さとか達成感を表現している山岳小説ではなく、登場人物の人生・人間性に焦点を絞っている。
登場人物は個性的で、特に主人公の山小屋経営を手伝う小屋営業シーズン以外は浮浪者をしているゴロさんは何かと物語のキモになっている。 当然どの話も不快はないし奥深い人間ドラマを堪能できる。じんわり癒されたい方は是非。 |
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いや、面白いです。間違いなく傑作であり、著者作品を読んだことが無い方が読めば、あまりの面白さに徹夜するでしょう。
しかし、著者作品を多く読んでいると、どうしても展開・キーワ-ドが似ているというか・・・ライバル企業、銀行融資、大手一流企業、家族。。。少なくても先に「空とぶタイヤ」を読んでしまったからちょっと半減してしまいました。 「下町ロケット」という作品名から最終的なフィナ-レは誰でも予測してしまい、意外性というよりは分かっていながら主人公達が達成していく感を楽しむ作品だと思う。面白さは保証できます。 |
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