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タカタソン さんのレビュー一覧
タカタソンさんのページへレビュー数155件
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この本は個人的には好みではなかった。
話にスピード感がないし、何より主人公(オリンピックを妨害する犯人)に全く同感できない。 主人公の様は読んでいてイラついて本を投げたくなるような場面が多い。 腹違いの兄が出稼先で死んで、東大生でありながら同じ出稼ぎ労働をし、言われるまま色々と体験し、 国を相手に強請るのだが、行き当たりばったりで運よく警察から逃れ挙句の果てに覚せい剤中毒になり・・・。 戦後の日本においてオリンピックという一大イベントにおいて、地方と東京の貧富の差やオリンピックを成功させるために人権を無視した労働をさせた事について、考えるきっかけになったのはプラスなのかもしれないけど。 発展途上国で行われるオリンピックは少なからず貧困者の出稼ぎによる犠牲の上になりたっている事なのか? 社会について色々考えるには読んで良いかもしれません。 |
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本書を取ってみると長編なのか短編なのかわかりづらいが短編モノ。
5編あって、どれもまぁまぁ読める。 主役登場人物に踏み込んだエピソ-ドという事ではなく、初めからそういうものとして話が進んでいく。 個人的には登場人物の設定は結構面白いと思うのでぜひ長編で踏み込んだ話を読みたいと思う。 |
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柴田氏の最高傑作「聖なる黒夜」の主人公が活躍する短編集。
探偵物の短編としては普通に面白い部類に入るだろう。 ただ、なぜこのキャラクタ-を使ったのか?麻生の名前を使えば、読者は当然「聖なる黒夜」を読んでいる し、そのレベルを期待してしまう。 特に山内練との関係を期待してしまうと大きく裏切られる。 本当に各話でおまけ程度の会話のみ。 難しいのは、関係を知らない人が読んだら逆に何のことやらサッパリだと思う。 微妙な位置づけになってしまった。 |
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洋物ミステリ-はなかなか敷居が高く手を出しづらい。
ただ、思い切って読んでみると結構読める。 単行本が出た時から気になっていたが、評判通り?と言っていい。 ペ-ジ数は結構あるが、4章構成で起承転結って感じで上手い。 つまり上巻はネタで振りで終わるが、振り方が上手くついつい読みふけてしまう。 下巻は解決編でまっしぐら。 ただ、上巻で想像していた展開と全然違う方向に下巻では進み、ちょっとした気づきが解決の糸口となり猟奇的な殺人事件と繋がっていく。 一点問題は、スウェ-デンの女性犯罪とか性関係が良く分からないところ。 (主人公は、気軽に誰ともすぐに寝る。。。) 最後は全てすっきり解決するので(2とか3とかに続くのかと思っていた)ミステリ好きは是非。 |
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どのくらいの人がマタギの事を知っているのだろうか。
自然の山の息吹、獣の鼓動、狩人の息遣い。 この小説で見事に体感できる。 また、主人公の富治の魅力ある生涯を描いており、マタギから坑夫と波乱万丈だ。 特に女の関係は当時の時代背景もわかり、富治と嫁なるイクとの関係はなかなか泣かせるエピソ-ド。 ひとつ不思議な事は、この小説を読み終える頃には秋田弁の会話が愛おしく、クマがなぜか可愛く思えてくるのはなぜだろうか。 |
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柴田氏の著作を読むのは2作品目。1作品目は満点評価をつけた「聖なる黒夜」。
当然そういう期待は持ちつつも、あらすじを読むとそれ程重く・濃くは無いなと気楽に読んだ。 設定舞台が、聖なる黒夜と同じで闇医者の奈美、山内、韮崎など話に出てくる。 特に奈美(殺された韮崎の元愛人)と主人公との関係や活躍ぶりは興味深く楽しめた。 またこの作品のキモは、主人公が元刑事で保育園を経営していて、金を稼がなければ保育園を維持できい事で正義感と金を手に入れることに悩み、最後に辿り着くところはどこなのか。 また、当然子供ネタもあり、話を展開はさすがにうまく終わりの収め方は誰もが満足するでしょう。 |
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この小説はとても些細な小説だ。「静」の小説。
物語に大きな事件があるわけでもなく、独特の世界の中で小さい主人公がからくり人形を操ってチェスを指し、チェスを通して人の優しさ、怖さ、喜び、悲しみ、恋を知っていく物語。 表現が難しいが手で包み込むようなやさしくて小さい話で、読み終わった後、主人公を想い涙を流した。 いろんなジャンルの本を読み漁って、心が乾いている方には響く小説だろう。 しかし、小説に動きを求める方にはつまらなく感じるかもしれない。 それと世界観が独特で、得に主人公の造形が、見えすぎると引いてしまうかもしれない。 ただ、それでもこの小説のオリジナリティは滅多に出会えるものではなく、自分にとっては唯一無二の小説と言い切れる。 |
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さすがに当然に面白いです。
しかし、思うのはホラ-というカテゴリ-だけにはめるのは勿体無い。 サスペンスとしても十分すぎるほど傑作。 なぜホラ-文庫として出版されるのだろうか?ホラ-大賞を取った小説だとしても ホラ-というジャンルが先行して意識づけされるのはホント勿体無い。 追われる恐怖あるけど、それ以上に話のまわりを固めるいろんな観点からの描写や説明は、よく調べているなと思うし、普通の怖がらせるだけの小説とは一線を駕している。 恐怖といえば、この小説の主人公がある自殺の第一発見者になるのだが、その描写は自分が今まで読んだミステリ-、サスペンス等の中でもっともインパクトがあった。 発見した場面、居合わせた人の目線など・・。 興味にある方はぜひ。 |
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一夜の中学生の冒険劇。
不法滞在中国人の子供誘拐をめぐって繰り広げられる話が裏切りに次ぐ裏切りで、最終的に何だか良く分からないのが感想。 話の展開や場面と変な軽さが合っていない。 もう少し中学生は中学生らしい反応や行動でそうなるよなと思うようなリアルな描写があってもよかったのではないか。 それにしても書かれている事が不法滞在者の真実の実情であれば、悲しすぎる。 |
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この小説名からも分かる通り、幽霊が自殺の危険者を救うという話で、もともと自殺した
年代の違う4人が神様に100人を救えば天国に行けると言われ救助をしていく。 この小説はまずこの設定に乗れるかと、随所に出てくる登場人物年代のノリの軽い考えやギャグが 受け入れられるかがある。 また、小説の構成自体も結局は自殺危険者を救うエピソ-ドを集めた形になっている。 大きな話の流れもなく、設定やキャラに魅力を感じず読んでて辛かった。 ただエピソ-ド自体は良く出来ているとは思うので、とくに悩みやウツで苦しいでいる方にとってはとても良い本だと思う。読書歴の浅い人、学生にもお勧め。 |
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【ネタバレかも!?】
(3件の連絡あり)[?]
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突然父親が行方不明になり、車が見つかった場所で霊媒師?(オババ)の命令により出会うヒロイン。
一緒に主人公の父親を探すなかで、とんでもない自分の家系を知っていくというスト-リ-。 ノリは結構重いが、父親や祖父の過去を判明してくるとあまりにぶっ飛んでいる生い立ちに ありえねぇだろって逆にハマる。 オババとかトンチとかTRICK(ドラマ)に出てきそうな登場人物もいて、変にリアリティを 求めなければ面白いと思う。 作家はもう亡くなっているそうなので、希少な作品をぜひ。 |
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久しぶりに大沢先生らしい作品ではないでしょうか。
仮想の海辺の町で起こる死んだ大地主の遺産を巡る話。 主人公はこの大地主の甥かもしれないアメリカから来た青年と老刑事。 甥かもしれないという微妙な立ち位置の主人公(これが面白くしている)が町に来ることで巻き起こる事件、そして老刑事の活躍。 のめり込んで読んじゃいます。 最後のオチも良い(ちょっとあっさりしすぎ?)し、ページ数は多いけどあっという間。 ハ-ドボイルド初心者にもお勧めです。 |
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何に対して怖く感じ、何をエロく感じるのか?
そもそも、エロいって読解がおかしい。 確かに何度も性犯罪にあってしまう特異な主要人物は出てくるが、そういう見方は無いと思う。 そこに期待はしないほうがよい。 話自体はシンプルで(息子を探す)読みやすいが、登場人物に魅力がなく感情移入はできない。 ただ、サスペンスとしては読めるので暇つぶしにはいいかも。 |
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プロの自転車ロ-ドレ-スの世界を、自転車に興味がなくとも引き込んでしまう筆力は見事。
「エ-ス」と「アシスト」の関係は非常に興味深い。また、この関係がこの小説のキモでもある。 この本はスポ-ツ小説なのか、ミステリなのか。 最後の真相が読者にとって良い裏切りになっていて、それがただ単純な「悪意」ではない ため、読後感が良い。 この小説のテ-マ「アシスト・犠牲」。 最後に「エ-ス」が見せる「犠牲」に何を感じるか。 それによってこの小説の評価が分かれるでしょう。 |
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最後まで、一気読みさせる展開の早さと読み易さはさすがと言ったところ。
ただ、それは逆を言えば主人公に都合の良い展開が続くという事でそれが 随所に見えてしまうのは残念。 それと、同期という題名からキャリアとノンキャリアの立場の違いでの話かと 思いきや刑事と公安での同期で意外ではあったが分かりずらく感じた。 話自体も公安事件の話なので最終的なオチもどうだか・・・。 警察小説好きな方も文庫が出てから読まれても十分でしょう。 |
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単なる謎解きの内容で期待外れ感があまりに大きい。
舞台は日本の難易度の低い山で起きた友人の死亡事故を追う話。 正直言って、山の壮観さや厳しさなどこれを読んでも感じない。 ほんとに殺人事件を山に移しただけといった内容。 謎解きミステリが好きな方は、変わった趣向という事で楽しめるかも。 |
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全く山には興味がなかったが、この小説を読んだ後、一変。
K2。その壮観さや登頂の難易度など思わず自分でも調べてしまった。 それぐらいこの小説を読むと、山を登ることのリアリティに興奮してしまう。 話の舞台は、ブロ-ド・ピ-ク。(8000m峰) そこでの公募登山(登山素人でも登頂出来るようなビジネス登山)での話が展開される。 K2で恋人を失った主人公、K2でなだれに会い仲間を失った会長秘書の竹原、そして 一代で大企業を築き上げ、自ら宣伝のために自社ペ-スメ-カ-を付けて8000m峰を登る 会長の神津、次々と襲い掛かる困難、死と隣り合わせの緊張感ある展開。 特にこの小説において特筆すべきは、随所で出てくる神津の言葉。 心に響く事間違いなし。 仕事や勉学で落ち込んでいる方、これを読んで勇気をもらおう。 |
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物語は冤罪(無実での誤認逮捕)という重いテ-マにある罪と罰。
ただ、物語は大物ヤクザが殺された事から始まり、その犯人探しのミステリ-との2重構造。 主人公はRIKOシリ-ズからの刑事の麻生とやくざの山内。 とんでもないペ-ジ数だが、次が気になる展開の上手さ、キャラクタ-の魅力は時間を忘れさせる。 圧倒的な登場人物の魅力と、ミステリ-・人間ドラマとしての重圧感はある意味極み。 男が女を、女が男を愛するだけでなく、人間に惚れ愛する事も重要なテ-マとしてある。 表現として同性愛描写があるが、必要な表現として受け入れるべき。 これを読まないのは勿体ない過ぎる。 間違いなく衝撃を受けるだろうし、その後の読書観を変え得る作品と言えよう。 |
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映画原作との事。
シリ-ズもの2作目。1作目を読んでいるので、すんなり入り込めた。 が、あいかわらず主人公が好きになれない。 ただ、1作目より数段面白い。 死んだはずの女からの電話で話が展開していく。 古き良きハ-ドボイルドの典型の感。 電話の女の正体を知った時、純粋な悲しさがそこにはある。 |
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