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タカタソン さんのレビュー一覧
タカタソンさんのページへレビュー数155件
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隠蔽捜査シリ-ズを読んでいる方、好きな方には堪らないかもしれない。
主人公は隠蔽シリ-ズでちょいちょい登場する主人公竜崎の幼馴染の伊丹。 シリ-ズを読むと伊丹のイメ-ジは爽やかで頼れる人物像だが、この3.5で実態の姿が描かれている。 短編集で各章で当然完結するのだが、必ず竜崎との電話のシ-ンがある。 ちょっとした電話シ-ンだが、竜崎の個性が最大限に表れていて思わずニヤけてしまう。 伊丹が主役でも主人公は竜崎だと思ってしまう今作は8.5点。 |
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この小説を読み終わった後、一体何の話だったのかと思ってしまうほど、勿体ない感がどうしてもあった。最終的に小説家・芸術家についての哲学・あるべき論を語りたかったのか?それほど、詰め込まれている、ある意味お得?小説かもしれないが、読み手からすると賛否両論は同然あるでしょう。
自分は実は前半部分の方が好み。 牢獄に捉えられている死刑間近の殺人鬼から告白本の執筆出来る代わりに(本が出ればベストセラ-間違いないので)、ファンレタ-を送ってきた女と面談を行い、その女とのポルノ小説を書けという。それだけでも面白いが、あと本書の特徴として主人公の小説家が書いた小説が挿絵ならぬ挿小説として、ポルノや吸血鬼、SFポルノ?物など、それがまた良く出来ていてバカバカしくも面白い。 このまま、ミステリ-にはせず最後まで突っ走った方が絶対良かった。ただ、残念ながら殺人事件が起こり中盤以降はミステリ-へと変わってしまう。この辺りが中途半端感なのか。ミステリ-を期待するとそこまで行くのに時間がかかる。 期待外れか期待通りか期待するところで評価が分かれる本作は異作なのでしょう。 |
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東京の挫折した刑事と過疎化した田舎で東京に憧れても地元を捨てられない夫を亡くした女婦警の連作短編集。1篇目で事件を追ってその田舎で出会い、過疎化された小さい村であるが為の悲しい事件の解決する。
その後は、各短編毎にどちらかが主人公として語られるが、過疎化された村に縛られる人の心情だったり、恋愛小説と言えるか微妙なほどの二人の距離感が妙だったりする。 ただなぁ、自分がこの著者に求めているのはこんな間接的な表現ではなくて、RIKOシリ-ズに見られるような直接的に性にあがらい傷つけ求めてしまうようなハ-ドな表現なので物足りないです。 普通に読めば、面白いんだろうけど。 |
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読み出しから異次元世界でのバトル開始で始まる。
これだけでもインパクトが相当あるが、18人の怪物となった駒とキングの主人公がどのような状況にあるか混乱の内に、誰だかわからない相手とキングが殺されるまでの戦いが始まっていく。 (この時点で夢オチかって思ってしまうが、それは置いておきましょう。) 18体の怪物は、将棋?チェス?の駒のようにそれぞれ特徴があって、その配置や動かし方など将棋・チェスを思わせるような戦略がバトルの面白みになっている。 ただ、このバトルが7番勝負とした事で1戦が非常に簡潔でちょっとしたミスや、時には力押しでアッサリ決着がついたりする。 ここが妙で、5、3番勝負にして1戦の中身を濃くする事も出来たと思う。 そこが、7番勝負なのでスピ-ド感があって次へと読み進めたくなる。 読み手側は当然、この異次元世界がどこなのか、何の為のバトルなのかが、この物語のミステリ-として期待するが、読み終わる頃にはそこが本質では無いと分かると思う。 人間の執念・狂気、暗黒面がこれだけ面白く描かれているのだから、読後感が良いとは言えませんが傑作といいましょう。 |
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ミステリ-と思い込んで読み始めたが、中身は青春小説だと言った方が合っている。
主人公が話さないのがこの物語のキモでもあるのだが、そもそも主人公の一人称で書かれているので物語中で主人公が話さなくてもどういう心理かは全て書いてあって分かるし、ノリの軽いテンポで進むのでそもそも話したくても話せないとか過去の事件のトラウマ感が希薄に感じる。 ただ、金庫破りになるまでの経緯と、金庫破りとして逮捕されるまでの犯罪エピソードが章毎に展開されそれがスピ-ド感があって良い。 最終的に、全ては恋する彼女の為、LOVEの為って事でいいんじゃないでしょうか。 |
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軽いノリでテンポよくガンガン物語は進むが、メッセ-ジ性は強い作品だと思う。
自殺願望者がネットで集まり、集団自殺しようとしたところに事件に巻き込まれ、やがて一人の少女を助けようとヤクザ・警察に追いまわされながら街中を駆け廻る。 生きることへの希望、決して全てが上手くいかない終わり方など、読みどころは多い。 ただ、街中で銃をぶっ放したり、車が台をつかってジャンプしたり現実離れした言わばコメディ部分はちょっと閉口。 |
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名作「サクリファイス」の続編。
主人公白石(愛称はチカ)がプロロ-ドレ-サ-としてツ-ル・ド・フランスに挑む。 ビジネスとしての自転車競技の世界や、レ-サ-側からのレ-ス視点は興味深くそこが面白さでもあった。 前作に引き続き「アシスト」が物語のキモになっていて、主人公のチカが誰をアシストするか、自分の進む道について悩む。 ミステリ-というよりスポ-ツ小説で、文量に対してその世界観の広がりは素晴らしかった。 |
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著者の初期作品の傑作のひとつと間違いなく言える程、面白い。
主人公は元ヤクザで田舎で老人と手を組んで裏金強奪の裏稼業をしていて、その場面をヤクザ時代の知り合い女実業家に見られ、3億円の強奪を強要される。ただ単純に脅迫するような女実業家ではない事を知っていて調べていくと彼女もヤクザに狙われ死んでしまう。主人公もヤクザ時代に自分の組を仲間と共に幹部を殺すことで潰していて、その仲間との因縁も全て3億円強奪に集約していく。 3億円をどのように強奪するかを主人公達が考えるところも読みごたえがあるし、潰した組の組長娘とも関係や魅力的な登場人物も良い。 ノワ-ルとはいっても、著者の優しさがあって主人公が悪になりきれず、読み易く多少展開の強引さはあるが中だるみがなく一気読み間違いなし。 |
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OLがタイムスリップし、平安時代の「小袖」という人物と入れ替わり紫式部の片腕として、「源氏物語」の執筆の手伝いをするというもの。著者ならではの源氏物語の解釈が繰り広げられているのだとは思います。
が、すみまんせん、源氏物語自体に全く無知で興味も無い為、読み進めるのが困難でした。 いくら好きな作家とはいえ、興味のない分野まで手を出すなという教訓を得ました。 |
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「特捜部Q」って深夜にやってそうなアメリカの三流警察ドラマっぽい題名だが、これが予想に反して面白い。そもそも北欧ミステリ-で、「特捜部Q」というのは本書を読めばわかるが、厄介者の主人公カ-ルを押し込めて置く為と未解決事件を扱う部署を新規で立ち上げればお金が入ってくるからで冗談みたいな名前が付けられている。
その適当部署である特捜部が過去事件を解決していくのがこのシリ-ズ。 そんな、主人公だけの一人部署に雑用係?のアサドと、適当な感じで過去の事件を調べていくのだが、アサドがなかなかの奇抜のキャラで、主人公はどちらかというと家族や過去を引きずっていて、有能なのに本気を出さないというか、正直本作では魅力があまり感じられなかった。 本作を面白くしているのは、緊張感がある。特捜部が追っている過去の事件が、当時の状況から被害者(女性議員)視点で描かれている。 つまり、現在の捜査状況と過去の事件状況が交互に展開されていき、副題にある通り、被害者の女性議員のあまりにリアルで過酷な監禁状況が何年にも渡って書かれていて、そのサイコ的な描写は苦手な人もいるかもしれないが、それでも女性議員の何とか生きようとする姿勢は物語を盛り上げている。 犯人は読み進めていけば何となくわかってしまうが、終わり方も良かったし、読み応え十分な良作だと思う。 |
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この小説の前半と中盤以降の話の展開の違いは凄すぎる。
警察小説だと読んでいると、後半は犯罪?ノワ-ル?と思わせる展開。 始まりの軽いノリと違って、テ-マは重い。 国益のために何をしても許されるのか、憎しみは正義を変えてしまうのか。 主人公津原の純粋さと汚れていく様は、あまりに切ない。 |
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京料理屋の女将が主人公の客とのふれあいミステリ-?で、「ふたたびの虹」の続編。
一作目は女将本人の生い立ちがミステリ-として根底にあったが、本作は純粋な人間ドラマ。 前作同様短編集なのだが、同じ会社内での人間模様が違う短編で違う主人公、視点で描かれていて繋がりがあり、つい読み進めたくなってしまうだろう。 本作は、働く女性が主人公で仕事、恋愛の価値観や、病気など、働いている人にとっては身近に感じる話でまた、女将との会話の妙が素晴らしく本作も温かいものがあった。 |
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一夜のデパ-トで起こるドタバタコメディ。
まず、そもそも設定に無理がある。何組もの訳あり登場人物が同じ日にデパ-トに忍び込んで、実はそれぞれ何かしらの関係があって、その場での思惑や態度・行動で話が進んでいく。 そういうものだと割り切らないと、読み進められないだろうが、コメディとして割り切れれば逆におもしろいかもしれない。(本当に三谷幸喜映画ぽいけど・・。) 最後も、上手くまとめて良しとするか。。 |
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探偵役の推理作家が地図に載っていない村で起こる殺人事件を解決する、王道の推理小説。
まず、事件が起こるまでが長い。文量自体がないので1日で読めてしまうが、半分ぐらい読み進めてようやく事件が起きる。 自然・古き良き伝統の中で起きる殺人事件。 閉鎖された村での娘の希望が真相のキモになるのだか、今実際に若者離れが進んでいる離島や田舎の事を思ってしまった。 最後にもう一段のオチもあるのだが、要らないオチだけど、なぜかほんわかする終わりになっている。 王道推理小悦好きな方はぜひ。 |
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著者代表作の主人公達(鮫とか佐久間とかジョ-カ-とか)も活躍する短編集。
80年代とかにも書かれた短編もあったりして、どれも想像していたよりもよかった。 短編なのでひとつの会話だったりエピソ-ドなのだが、非常にハ-ドボイルドで個人的にいいなって思える短編がいくつもあった。 暇つぶしに最適かも。 |
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書かれたのがバブル時代ということで、今読むと所々当然に感覚が違うがそれでも、破天荒なスト-リ-展開で読み進める。
男に捨てられ、宝石屋でたまたま置いていかれた指輪を盗み、強盗に押し入られレイプされ、挙句の果てに襲われた2人組みの男と事件の真相を追うという展開。 主人公OLの不倫や、強姦した男との関係、時代背景も含めた変なミステリ-。 ありえねぇだろと思いつつも、何か不思議な感覚で読めます。 |
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本の題名からすると、歴史色の強い思考的ミステリ-かと思いがちだが、全くちがう。
中身はまさしく、古代財宝を巡るアメリカアクション映画そのもの。 善悪が分かり易く、しょっぱなからドカンドカンと派手です。歴史的大聖堂でも、銃撃戦+大爆破。 膨大な歴史的情報や先進科学は事実に近いとの事なので、へぇそうなのっていうところもあり。 ただ、古代の知識が現代科学を凌駕するのか、地中海内の七大不思議箇所での謎解きとか、ちょっと現実離れ感もあって中だるみはあるが、描写がうまくイメ-ジし易いので誰が読んでも楽しめるのでは。 最後も、アメリカ映画って感じの終わり方で上手くまとめている。 |
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見出しは、自分がよく行く書店で飾られていた著者サインの言葉。
殺し屋専門のダイナ-(軽食レストラン?)で巻き起こるウェイトレスとなった主人公カナコと殺し屋達とのエピソ-ドはどれも秀逸で最高。 すべては、そのレストラン内だけで起こる話で究極のハンバ-ガ-と思い出食を作るコックのボンベロとその美食を求めて集う超個性的な殺し屋と巻き込まれるカナコ。 残酷な描写はあるが、それを乗り越える殺し屋達の魅力がまるでマンガを読んでいるようで、それでいて殺し屋達の宿命がまた悲しくも読ませる。 殺し屋は、それぞれ得意技を持っていて、(たとえば爆弾とか玩具とか毒とか)物語が進み、新しい殺し屋が登場するたびに楽しみになる。 究極の料理と殺し屋とミスマッチさがインパクトを増大させ、忘れられない作品になった。 本書を読んだ後、どの殺し屋が好きだった?と聞きあえるのも特徴かもしれない。 |
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まず、「不思議の国のアリス」の登場人物が着ぐるみを着たり変装して、主人公の前に現れるのだが、「アリス」自体の話を知らない為、うさぎとかタキシ-ドだとかお茶会とか全然わかりません。
主人公OLが公園でみたのは、死体なのか、アリスの登場人物を見るのは幻覚なのか、隣に住む老婦人とともに調べていくのだが、この進行ぐあいが、全く受け付けず読むのがキツかった。 全ては、ある事を思い出させる為の事なのだが、その過程で起きた事件の真相はある意味、それってあり?だがそれこそが今作のオチであり挑戦であり、賛否を分けるところだと思う。 そのオチに対して否定はしないが、それ以前のスト-リ-展開についていけませんでした。 |
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1作目のプラ・バロックでも高評価だったけど、この2作目も良かった。
一種独特の世界観のある刑事小説なので、合わない人はダメかも。 その世界観といのは、未来的というか主要人物がカタカタ表示だったり仮想空間(もちろんインタ-ネット上の)が重要な要素だったりするので、古典的な警察小説を望む方はちょっと違和感はあるでしょう。 本作だが、事件のインパクトは前作に劣らず良く、動画サイトにUpされた4つの残虐な殺人映像が本物なのか、偽物なのかというところから始まっていく。 中盤であっけなく容疑者が捕まり、若干、中だるみはあるが本作でも現実世界の闇部分の強引な引っ張りによって終盤まで持って行っている。 本作でもそうだが、現実世界と現実の闇世界、そして仮想空間が絶秒にそれぞれ事件に、物語に関与していて、そのバランスが個人的に面白くこのシリ-ズの良さになっている。 主人公のクロハの内面は詳細に描かれているが、外見的特徴が描写されてないので、イメ-ジがしづらいところと、自由に一人で捜査しすぎ?なところは疑問。 ただ、前作でも今作でも主人公の身内の話も織り交ぜてあり、ある種、巻き添えと葛藤が悲しくもあり、孤独なダ-クさを際立たせている。 |
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