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yoshiki56 さんのレビュー一覧
yoshiki56さんのページへレビュー数121件
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4作目の今回は吉敷視点ではなく、女性記者二人の視点を交互に進んでいく、今までとは違った読み方ができるのがいい。
そして見出しにも書いた通り、絶対にありえないという事象が全て合理的に解決できてしまうトリックの奥深さに脱帽してしまった。 最後の解決編を読むと、「なーんだ、そういうことか」と思えるのだが、読んでる途中では絶対そんなことは想像もつかない。 列車消失に限っては、多分こうだなと思ったことが当たってしまったのだが、 「でもあの駅は通過してるんだよな、なぜだ?」 このわだかまりが最後まで尾を引いて自分では解決を導くことができなかったが、吉敷はあの歌詞から全ての謎を解いた。 名探偵吉敷すごいね、この吉敷を生んだ島田さんが天才だったのだね。 最近はまっている吉敷シリーズだが、刊行当初に読みたかった。古本屋巡りが疲れる疲れる!! |
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吉敷ものでは今でも新刊で手に入る数少ない本の一つ。なので評価は一つ加えた。
今作の分数は2/3。この意味は恐らく「殺された3人の内の2人のトリックを見破ろう」という島田氏の意図が見える。 斜め屋敷のトリックが好きな方であれば、あれほど壮大ではないが、十分楽しめる内容となっている。 元女房の通子さんの汚名を晴らすべく吉敷が奮闘する姿が非常に痛々しい。 実際に暴漢に襲われ、ほぼ半身不随の状態でよくぞ頑張ったと褒めてあげたくなる内容だ。 北海道を舞台にしており、季節は真冬なので、今の時期に読むのは持って来いだ。屈斜路湖や摩周湖等、実名表記も良い。 吉敷刑事と言うよりも、名探偵吉敷と呼ぶのが相応しく、結構気に入っているので読み耽りたいが、何度も言うように入手率が。。。 |
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柚月作品読破中の小生にとって、「最後の証人」に続く満点小説である。
まずプロローグから意味深というか謎を持ってくる。個人名が書かれていないところで、「また騙そうとしてるな!」と思った読者は多いはず。 そして本編が昭和63年から始まるところで猛烈な違和感が発生。 各章の冒頭で書かれる日誌にも注目だ。 これを読むと大体その章のあらすじが分かってしまうので、何でこんなの書くんだろうと思った読者はこれも多いはず。 これまた謎の✖✖✖が後半になって驚きの意味を持っていたことが分かってくる。 そして内容が警察小説でありながらほとんど極道小説であり、これを女性作家が書くところが素晴らしい。 生半可な知識ではここまで極道の世界を描くことはできなかったはず。これは著者の並々ならぬ努力の賜物である。 登場人物も色鮮やか。 悪徳刑事の大上と新任刑事で大上の部下の日岡、それから紅一点の昌子。映画では大上役を役所広司が熱演してはまっていた。 ヤクザ界でも意外に人情味深い人達が多く、尾谷組の一之瀬なんて本当にいい人間だ。 最後に言っておきたいのが、この物語のキーアイテムは文庫の表紙にも描かれているジッポだ。 特に最後のエピローグなんて本当に泣けてしまった。 プロローグの謎、日誌の✖✖✖、ヤクザ同士の抗争、悪徳デカ大上の立ち回り、日岡の逆襲、ジッポの温かみ、エピローグで点が線になった時の感動。 とにかく全てが詰まりまくりの極上の1冊だったが、続きも出てしまった。まだまだ闘いは終わらない。 |
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こんな青春ミステリーがあってもいいんじゃないか。
シェアハウス「プラージュ」の住民は過去に犯罪を犯し、その彼らが更生をするまで住居を提供する場所。 主人公の一人が職捜しをしながら社会復帰するまでの過程の中で、住民の一人の難事件に全員が団結して解決に導く。 目次にある「記者」が誰?とか「記者」が追う殺人者は誰?という謎解きもある。 こういう青春ともミステリーともとれる物語は、今までの誉田作品には無かったので、新ジャンルへの挑戦と考え、その意欲を称えたいと思う。 でも少しインパクトに欠けている部分はあるので、次回の青春ミステリに期待したい。 |
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出雲地方の各列車に届けられる七つのバラバラ死体。
残り一つは頭部でそれが見つからないので、中々被害者が特定できない。 だから今回も分数は7/8。 現代であればDNA鑑定とかで早々に被害者は割れるはずだが、終盤まで被害者は想定の元で捜査が進められるので時代を強く感じてしまう。 列車の路線図や時刻表のパズル好きには持ってこいの本格推理。 事件が出雲地方に伝わる八俣の大蛇の伝説になぞられていて、その手の歴史ミステリー好きにもお勧めできる。 減点はやはり古本屋でしか手に入れられないという点。もう再発されないのかなあ? |
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今更ながらの初読みだが、トリックの古臭さがいいね。
まるで20年前に見た土曜ワイド劇場のよう。 顔の無い殺人事件で、「被害者と目されていたのが実は別の人間だった」がオーソドックスだが、このトリックにも裏があり変に納得させられる。 また、主人公の吉敷竹史は捜査一課の刑事だが、名探偵にもなり不可能犯罪を暴くので、警察小説ではなく本格推理探偵小説に仕上がっている。 タイトルにもある分数もいい。読み進む内にこの意味も分かってくる。 御手洗シリーズよりも個人的にはこっちが好きかも。 唯一無二の欠点は、本屋では売られていないこと。読むためには古本屋を廻らなくてはいけない。 |
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今回もネタはすこぶるいい。
殺人事件の捜査とマルチ商法に引っかかる女性の話を交互に進める展開で、なかなか両者が繋がらない。 繋がる前は、誰が誰だろうと推理しながら読むのが前半の面白さ。 繋がった後はあの女は本当に実在するのか?という捜査を見届けるのが中盤の面白さ。 そして最後は、壮絶の過去を知らされ、事件の全貌が明らかになる。 非常にいいのだが、惜しい点が3つある。 まずプロローグは全カットでいい。文絵は最後どうなったかが書いていない、最後の展開が早すぎた。 これらをもっと詳しく書いて2部構成でも良かった感じ。まあ総合的には合格点で、500ページを超えるのに読み疲れは無かった。 |
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いきなり早苗の結婚式から始まって、一方、香織は道場を引き継ぐまでの紆余曲折を描く物語。
この物語だけ得意のクロスオーバーが起こらないのだが、警察がかかわる事件は起こらないので当然と言えば当然か。 最後には香織も幸せを掴むようで、めでたしめでたし、ですね。 剣道なんか知らなくても楽しく読めるこのシリーズもお勧め。ミステリーに疲れたら、こういう青春物で一服も良い。 |
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サクラっていろいろな意味があるのだなと感じた作品。
もちろん樹木の桜、人数合わせの為に呼ぶ人間のことを指すサクラ、そしてこの小説で新しい意味を知った。 警察組織のサクラだ。これは公安部を指すそうな。 でも今回の主人公が警察内部の広報課に属する事務員の女性で、ちょっとタイトルの意味と合わない気がした。 もっとダークな物語を期待していたのだが。 犯人と言うか、誰がサクラかは途中の会話で大体読めてしまうしね。 なぜこの人まで死んでしまう?という不可解な事件や、あのカルト教団って多分オウムのことでしょうしね。構成が雑な感じを受けた。 良いのは米崎県警という架空の地が、佐方弁護士と同じ世界で起こった出来事であることを想像させ、思わずニヤリとするところと、 ラストの続編を匂わせる終わり方だ。これだけで次第点ですな。構成がイマイチでも読ませてくれるので。 |
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誉田哲也フリークス以外は面白くないレビューなので読まなくても良いです。
姫川玲子シリーズでも以前にクロスオーバーはあった。 「インビジブルレイン」でフェイスプロモーションが登場した時がそうだ。これで姫川玲子と柏木夏美が同じ世界にいることが分かった。 そして今回の「インデックス」でもクロスオーバーが更に起こった。 一文だけであったが、魚住久江の名前が出たのだ。これで姫川と魚住も繋がった。 これは次回作の硝子の太陽への大いなる伏線になろう。もう文庫でも発売されたので帯を見れば一目瞭然!ようやく、東と姫川がタッグを組むことになる? ここまでやるとその次はどうなるんでしょう。期待と同時にネタ切れの心配をしてしまう。 誉田さん、まだまだ頼みますよ! さて、このインデックスはインビジブルレイン後から姫川が捜査一課に出戻り、姫川班を再結成するまでの連作短編。 そしてやはり再結成ではあの男が加入した。いいぞいいぞ! |
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働き蟻の法則を言いたいのだな。
全体の2割が働いて、残り8割は何もしない。だったらその2割を取り除くと何もしないのかと言うと、8割の内の2割がまた働きだすという法則。 この言いたいことと、中の文章があまり合っていない感じがしたが、面白いことに変わりはない。 生活保護の不正受給をテーマにして、市の担当者の不審死にヤクザも絡んでの骨太の物語。 柚月作品としては普通だが、読み疲れがないのがいい。 |
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誉田作品の警察モノは読む順番が非常に重要。
ジウ、姫川玲子、歌舞伎町、魚住久江シリーズと大きく分けて4つのシリーズがあるが、いきなり途中の作品から読むのではなく、 出来る限り刊行順に読むことも強くお勧めする。でないと、登場人物の相関関係が理解しずらい。というか面白味が半減してしまう。 この歌舞伎町ダムドは歌舞伎町セブンの面々が暗躍するので、セブンを読んでからダムドを読むのが正解。 そしてダムドを読むと、実はジウシリーズの続きものであったことも分かるので、ジウ⇒セブン⇒ダムドで読むのが満点正解。 誉田ワールドという世界に同時期に生きている面々がそれぞれの事件で活躍していることが分かり、そのクロスオーバーが凄い。 まだ未読だが、次回作で姫川玲子とのクロスオーバーもあるはずだ。 しかし、中公文庫から出版されているが、背表紙の色が何とかならないものか。すぐに焼けてしまうので本屋で買う場合には帯がかかってたら要注意! |
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読んだのは数か月前なので本の感想は他の方に譲るとする。
確か、「児童虐待」「不審死事件」「姉妹の絆」辺りがテーマで、場所は東尋坊も出ていたと記憶する。 内容には賛否両論あるようだが、ダークな物語で自分は好む。柚木作品は今のところハズレ無しで読み易いし、マイブームの作家さんだ。 それよりも、今から読もうとする方にお伝えしなければいけないのは、普通の本屋ではまず置いていないというところが最大の欠点。 初版が2015年8月20日で、全然古くないのになぜ本屋に無いのか。読むためには古本屋でゲットするしかないので、定価より少し割高になってしまう。 自分は昨年の夏頃にたまたま新刊で売られているのを発見し、感激して即買いできたが。 ということで、読みたくても入手困難という点と、タイトルと味の無い表紙絵のみ減点かな?内容は個人的には満点です。 |
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誉田氏フリークス以外にはお勧めできない。
誉田氏の作品を始めて読んでみようと思う方は、迷わず「ストロベリーナイト」もしくは「ジウ」を読もう。 この本は誉田氏フリークスでも初期の「妖の華」とか「アクセス」が好きな人向け。 導入部は面白い入りで怖そうな雰囲気があったが、途中から「あれーー、そうなるの?」というファンタジーとも娯楽とも言えそうな展開になっていく。 自分はそれなりに楽しめたが、なんと言っても、黒い羽の正体は全人類が大嫌いなアレなのでね。 |
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相変わらずの安定した佐方シリーズ第三弾。
しかしながら、前二作が凄すぎたので評価は若干落としてしまった。 第一話がスカトロ気味で、そこまでやるかという佐方の執念が見える作品。 第二話は前作の「本懐を知る」の裏話で、佐方視点になっている。「本懐を知る」で止めておけば良かったか?ちょっと書きすぎた印象を持つ。 第三話は痴漢冤罪を証明すべく佐方が立ち上がる作品。 どの話もA級品だが、そろそろ現代の弁護士としての話に持って行った方がいいと思う。 続きを書くためには、あの素晴らしき「最後の証人」を上回らなければ読者は納得しない。構想は練っているのだろうか。期待して待ちたい。 因みに、角川文庫版で読んだ後に、遂に宝島社版もゲットできた。 やはり表紙が違うだけかもしれない。角川版は1ページ18行で、宝島版は17行で構成されている。なので厚みが違うのかな? 恐らく少々の改訂はされていると思うので、気になる方は読み比べてもいいと思う。 |
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実際に北九州辺りで起きた事件を題材にしてあるらしい。
誉田氏久しぶりのグロホラーで、こんなにグロいのは今までにない。綾辻氏の「殺人鬼」と同等なくらい。 とにかく虐待と死体遺棄の様子が細かく書かれているので、知らずに読むと本当に吐いてしまいそうになるので注意。 本当ならこの手の物語が好きな小生にとっては高得点を挙げるのだが、終わり方がいただけない。 続きがあるのだろうか。 |
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佐方が検事時代のお話で1作目の「最後の証人」から年数を遡り、若い頃から真面目で曲がったことが大嫌い、真実を貫き通すという逸話を
連作短編形式で綴る今作も断然お勧めの本で、読み疲れもなく、なぜか話に没頭してしまう。 なぜか、と書いたのは、一つ一つの短編の事件はそんなに重くなく、連続放火や窃盗、強請り、政治家汚職、横領といったものだが、 著者の筆力によってかかると、ありふれた事件がこんなにも骨太に感動と興奮と納得させられる事件へと変貌してしまう。 実は佐方が視点の物語は中盤の強請りの物語一つだけだが、他の4つの物語が脇役かというとそうではなく、視点が別ながらもしっかりと主人公 となっている書き方も見事。文句のつけようがない完璧な本。 特に最後の「本懐を知る」は佐方が検事を志すきっかけとなる話なのでシリーズファンならば必読である。 著者の柚月裕子さんは主婦をしながら執筆活動をされていて、本当に頭が下がる。 しかも自分と同い年で尊敬もするし、一緒に年を取れることも嬉しい。改めて有難うと言いたい。 さて、これも最近になって角川文庫から再発された。 宝島社文庫版は454ページで、再発の角川文庫版は422ページ。 宝島社版を読んでも特に不要な表現は無いように思えたが、二度読み目を角川版で読んでみて間違い探しをするのも面白い読み方かもしれない。 この宝島社文庫版はあまり本屋で見かけなくなったので、買うならば今の内である。 |
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警察小説でもミステリでも青春でもない、「疾風ガール」の流れを組むアクションエンターテインメントな物語。
誉田氏フリークスならば、思わずニヤリとする人物が登場するので、気になる人は「疾風ガール」を読んでみよう。 はっきり言うと、2章くらいまでは面白くない。読む速度も遅かった。 3章目で「QROSの女」視点で書かれてから面白さがぐっとますので、諦めずに読み進めるといいことが起きる。 ラストが少し肩透かしをくらってしまったが、犯人捜しもあるのでミステリ好きにも楽しめると思う。 |
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柚月作品の初読み。
この本はまず2010年に宝島社のこのミス大賞シリーズから出版された。よって、1回目は宝島社文庫で読ませて頂いた。 文量は326ページ。冒頭のプロローグ良し、中だるみ無し終わり良し、話にぐいぐい引き込まれ一気読み必死。 題材は法廷ミステリ。公判の3日間の間に事件の核心に迫る話を挿入しながらだが、混乱することなく涙も流しながら読めた。 これはテレビドラマ化された佐方シリーズの1作目だが、ドラマでは自作の「検事の本懐」からスタートしている。 本作の「最後の証人」は映像化することはほぼ無理であろう。なぜならば、、、(気になる方はネタバレを見て下さい) いやあ、完璧です。こういう本に出合えるので読書を止められない。 最近、角川文庫から再発されて、こちらも購入し二度読みした。これでも楽しめるこの本は法廷ミステリの最高傑作。 因みに角川文庫の方は文量304ページで不要な部分をカットした再編集版のようだ。話の道筋には変更ないので、安心して良いと思う。 宝島社文庫版は本屋に返本がかかっているはずなので、今の内に購入しておこう。後にプレミア価格がつくかもしれない。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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