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yoshiki56 さんのレビュー一覧
yoshiki56さんのページへレビュー数13件
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柚月作品読破中の小生にとって、「最後の証人」に続く満点小説である。
まずプロローグから意味深というか謎を持ってくる。個人名が書かれていないところで、「また騙そうとしてるな!」と思った読者は多いはず。 そして本編が昭和63年から始まるところで猛烈な違和感が発生。 各章の冒頭で書かれる日誌にも注目だ。 これを読むと大体その章のあらすじが分かってしまうので、何でこんなの書くんだろうと思った読者はこれも多いはず。 これまた謎の✖✖✖が後半になって驚きの意味を持っていたことが分かってくる。 そして内容が警察小説でありながらほとんど極道小説であり、これを女性作家が書くところが素晴らしい。 生半可な知識ではここまで極道の世界を描くことはできなかったはず。これは著者の並々ならぬ努力の賜物である。 登場人物も色鮮やか。 悪徳刑事の大上と新任刑事で大上の部下の日岡、それから紅一点の昌子。映画では大上役を役所広司が熱演してはまっていた。 ヤクザ界でも意外に人情味深い人達が多く、尾谷組の一之瀬なんて本当にいい人間だ。 最後に言っておきたいのが、この物語のキーアイテムは文庫の表紙にも描かれているジッポだ。 特に最後のエピローグなんて本当に泣けてしまった。 プロローグの謎、日誌の✖✖✖、ヤクザ同士の抗争、悪徳デカ大上の立ち回り、日岡の逆襲、ジッポの温かみ、エピローグで点が線になった時の感動。 とにかく全てが詰まりまくりの極上の1冊だったが、続きも出てしまった。まだまだ闘いは終わらない。 |
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佐方が検事時代のお話で1作目の「最後の証人」から年数を遡り、若い頃から真面目で曲がったことが大嫌い、真実を貫き通すという逸話を
連作短編形式で綴る今作も断然お勧めの本で、読み疲れもなく、なぜか話に没頭してしまう。 なぜか、と書いたのは、一つ一つの短編の事件はそんなに重くなく、連続放火や窃盗、強請り、政治家汚職、横領といったものだが、 著者の筆力によってかかると、ありふれた事件がこんなにも骨太に感動と興奮と納得させられる事件へと変貌してしまう。 実は佐方が視点の物語は中盤の強請りの物語一つだけだが、他の4つの物語が脇役かというとそうではなく、視点が別ながらもしっかりと主人公 となっている書き方も見事。文句のつけようがない完璧な本。 特に最後の「本懐を知る」は佐方が検事を志すきっかけとなる話なのでシリーズファンならば必読である。 著者の柚月裕子さんは主婦をしながら執筆活動をされていて、本当に頭が下がる。 しかも自分と同い年で尊敬もするし、一緒に年を取れることも嬉しい。改めて有難うと言いたい。 さて、これも最近になって角川文庫から再発された。 宝島社文庫版は454ページで、再発の角川文庫版は422ページ。 宝島社版を読んでも特に不要な表現は無いように思えたが、二度読み目を角川版で読んでみて間違い探しをするのも面白い読み方かもしれない。 この宝島社文庫版はあまり本屋で見かけなくなったので、買うならば今の内である。 |
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柚月作品の初読み。
この本はまず2010年に宝島社のこのミス大賞シリーズから出版された。よって、1回目は宝島社文庫で読ませて頂いた。 文量は326ページ。冒頭のプロローグ良し、中だるみ無し終わり良し、話にぐいぐい引き込まれ一気読み必死。 題材は法廷ミステリ。公判の3日間の間に事件の核心に迫る話を挿入しながらだが、混乱することなく涙も流しながら読めた。 これはテレビドラマ化された佐方シリーズの1作目だが、ドラマでは自作の「検事の本懐」からスタートしている。 本作の「最後の証人」は映像化することはほぼ無理であろう。なぜならば、、、(気になる方はネタバレを見て下さい) いやあ、完璧です。こういう本に出合えるので読書を止められない。 最近、角川文庫から再発されて、こちらも購入し二度読みした。これでも楽しめるこの本は法廷ミステリの最高傑作。 因みに角川文庫の方は文量304ページで不要な部分をカットした再編集版のようだ。話の道筋には変更ないので、安心して良いと思う。 宝島社文庫版は本屋に返本がかかっているはずなので、今の内に購入しておこう。後にプレミア価格がつくかもしれない。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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本日よりロードショー公開される「新参者」シリーズ完結編。
先程「王様のブランチ」で主演を務める阿部寛、ヒロイン役の松嶋奈々子、加賀の従弟役の溝端淳平が出演していたのを見た人もいるであろう。 その名の通りの豪華俳優陣で今回の作品がシリーズラストとなるそうだが、先程、阿部寛がこんなことを言っていた。 「東野さんが書いてくれれば、次もあるかも。。。」 また、溝端淳平もドラマ時代を振り返り、「もう足掛け20年で、最後となるのが悲しい」とも。 完結編と言われる通りの内容で、今回は加賀の過去と密接に関わった殺人事件を涙、人情で解き明かしていく。 特にヒロインの過去で涙ボロボロになるであろう。映画館で見る方は必ずハンカチ持参をお願いしたい。 また、CMや今日のブランチで見た感じでは、原作と劇場版とでは若干ラストに変更があるようにも感じられる。 是非、原作を読んだ方はその違いを堪能してもらいたい。(かくいう私もであるが) そして劇場で初めて見た方は、必ず原作も読んでもらいたい。 ところで、「新参者」シリーズはこれで終わりそうだが、また加賀恭一郎が次の所轄で奮闘する物語を期待する。 東野圭吾様、是非是非、新シリーズ開幕の構想を練って下さい。宜しくお願い致します。 小説としての評価は、分量、読み易さ等全てにおいて文句は無しの100点満点である。 |
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原稿用紙約2,600枚、文庫本では4冊にもなる超大作。
過去レビューでは長すぎると酷評もあるが、自分はそんなことは思わなかった。敢えて言えば双子の姉妹との会話が少しうざかったか? 読み終わって思うのだが、こんなストーリーをよく考えられるなと綾辻氏に感服! とにかく読み終えるのに時間は掛かるが、全ての文章、一字一句に全神経を集中させて良く読むこと! そうしないと綾辻氏の術中にはまってしまうので注意。逆に普通に読んで、その術中にわざとはまる読み方も有。 簡単に書くと、 1冊目:暗黒館の歴史と背景。 2冊目:殺人事件勃発とその推理。 3冊目:浦登家の秘密が暴かれる。 4冊目:解決編とその後。 となろう。特に4冊目の「間奏曲6」で語られる驚愕の事実には、自分の読解力の無さに呆れてしまった。 また、ロールプレイングゲームや初期のバイオハザードをプレイしている感覚も味わえる。 この部屋は探索済とか、開かずの間の鍵ゲットとかで楽しく読むこともできる。 一番の不可解な点は今回も登場する河南君が何故「このこと」を知っていたのかであるが、もしかするとその答えが次の奇面館にあるのかもしれない。 最後まで読むと館シリーズ原点であることが頷ける、綾辻氏渾身の超大作、お勧めである。 「十角館」「迷路館」と並び納得の満点評価となった。 |
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これもまとめて読みたい誉田氏の少女心満載の武士道シリーズ。
今回は香織と早苗の一人称物語に加えて、脇役の短編集を挟み読み応えは抜群。 早苗のお姉ちゃんの西荻緑子の物語では、「その気持ち分かる」と頷く女子がいるのでは。 男物短編に少しだけミステリー要素を加えた今作も一気読み必須。 4作目のジェネレーションではどういう展開が待っているのだろうか。乞うご期待。 |
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ミステリーに読み飽きたら、このシリーズを読むのがベスト。
出会いあり、別れあり、涙あり、笑いあり、続編もこの上ない面白さだった。 タイトルの通り女子高生が奮闘する物語だが、私のようなアラフィフが読んでも面白いものは面白い。 青春系を読みたくなったら迷わずこの本を手に取ろう! |
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目次を見て「なんだ短編集か」と思ったのは私だけではないはずだ。
二話目を読み始めたら「まだ続いてる!」と思った時に思わず興奮した。 ある一つの殺人事件を捜査する際の捜査対象となった家族や人物に焦点を当て、容疑を晴らすと一話が終了する。 後半になるにつれ、手掛かりも増え事件は核心に迫っていく。 このような手法に初めて出会った本で、東野さんにあっぱれである。 加賀恭一郎シリーズは全て読破しているが、これほど人情味溢れる、温かく優しい気持ちになれたのは初めてだ。 こんな刑事が所轄で埋もれてるなんておかしい。もっと評価されてもいいだろう。 テレビドラマでは阿部寛が演じているが、人格容貌とも完全にシンクロする。 また、タイトルにも納得。 加賀刑事が日本橋署に移動してきたばかりなので自分を「新参者」と呼んでいる。 書き方、登場人物、事件の真相、全てに感服した東野氏後期のベスト本である。未読の方には是非お勧めしたい。 |
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青春剣道小説。
誉田哲也の作品なので読んだが、非常に面白く、最後には涙も誘った。 ミステリー以外の小説でこんなに嵌ったのは初めてかもしれない。 |
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やはりサブタイトルは新世界秩序で決まりだろう。
歌舞伎町があんな状態になるとは想像できない。ドラマではどんな撮影をしたのか物凄く興味がある。 よって、読了後にTSUTAYAに走るのが既に決まっている。 ラストがもう少し濃ければ、と思ったが、大満足の3部作。 |
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すぐに前作の終わりから続きが始まる。
表題をつけるとしたら ジウⅠ「門倉美咲と伊崎基子」 ジウⅡ「ジウと黒幕」 ではなかろうか。 やはり居ました。黒幕が。 彼の半生が描かれているが、途中グロい描写があるので注意。 興奮と驚嘆の3作目へと続く。。。 |
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私は昨日の夜中に本作を読み終えた。
その後、ほぼ1日経過した今レビューを書いている。 その間、呆然としてしまい、なにもやる気が出なかった。 次の本を読むのがもったいなくて、感慨に耽っていたのだ。 そろそろ感想だが、1ページ目を読んだ瞬間から騙されているので注意してくれ。 本の中に本があるという作中作なのだが、この作者は誰だと初めに問いかけてくるが、 これにも絶対に騙されるだろう。 騙されている中で更に騙されるのだ。 そして話が進み、犯人が明かされるが、その後の真相にも騙される人がいるだろう。 かくいう私もこの真相にも騙された。この真相を看破できた方はすごい! 最終章の「エピローグ」に全てがつまりすぎて驚きの連続。 さあ、みんな騙されましょう。 |
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このサイトを閲覧する前から気になっていた本であった。
私は少年時代を横溝正史を読んで過ごした、本格推理、探偵もの、刑事ものが好きなアラフィフである。 最近は東野圭吾が好きで容疑者Xまで読みすすめ、そろそろ次の著者も読もうと思っていたころだった。 そんな時にネットで見つけたのがこの本だ。 読んでみようと思い、書店に走るも、なぜかこの十角館だけは無かった。 某サイトでは十角館から順番に読みなさいということも書いてあったので、ある程度予想はしていたのだが。 ところが、最近になって、増刷したのだろう。ようやく読むことができた。 アガサ、ポー、エラリイなどと渾名で呼ばれる登場人物に違和感を覚えたが、これも「あの1行」を読んだ瞬間に納得した。 また絶妙なページ構成!ページをめくって「あの1行」が飛び込んできたときの驚きと感激は未だ忘れない。 この衝撃は私が少年時代に読んだ横溝正史の「夜歩く」に匹敵する。 新装改訂版で読んだのだが、改訂前でも同じようなページ構成だったのだろうか。 1回読んでハイサヨナラしてはいけない。2度目もおもしろい小説だ。 総合第一位も納得の満点評価でしょう。 |
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