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yoshiki56 さんのレビュー一覧
yoshiki56さんのページへレビュー数31件
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加害者目線で書かれることが多い大石作品の中でも、このお話は被害者目線でも語られており今までと違う感覚で読める。
少しだけだが推理要素もある(看破はすぐ出来るが) ラストも良く、2時間ドラマのエンディングのようだ。 日常の事件の裏側、真実を捜査するとこんな復讐劇がありそうと思わせてくれる。 シリアルキラーものでは殺人勤務医と並ぶ代表作。 ただ、本屋ではほぼ売ってないので、この本も古本屋巡りとなる。 |
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今作の異常性癖者は表は神の手を持つと言われる美容整形外科医。
裏は人肉の美味の虜となった男。 普通は人が人に対して「あなたを食べたい」と言ったら性交するという意味に捉えるんだろうが、この男は、、、 場面を描写する書き方が上手いので、映像を見ている感覚で話が進む。 あのシーンなんで生々しいが、そこまでグロいとは感じなかった。 最後のシーンなんて、完結まで想像出来るあの終わり方が癖になるのだよ。 古本でしか読めない点のみ減点。大石ワールド、ここにあり!! |
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大石さん初のノベライズ作品。
アマゾン感想にあったような同じ文言がくどくどということは感じず、映画では不明だった部分が詳しく書かれており、こちらが原作かと思った。 元々の脚本に書かれてたことなのか、大石さんが分かりやすく肉付けしたのか分からないが、呪怨の世界が理解出き良い! 特に伽椰子の忍び寄るシーンは文章でも背筋が凍る!! 「あっ」ではなく、濁点を付けた方が怖さがある。 映画の「あ゛っ」が清水監督の肉声だったことを最近になって知った。 皮肉にも大石さん初のベストセラーがノベライズ小説になったが、この構成なら頷ける。 あまり怖くはないが懐かしく読ませて頂いた。 |
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角川ホラー文庫から出ているが純愛小説とも言える。
ストーカー、DV、盗撮、覗き、殺人、エロスといろいろな出来事がうまく混ざった。 著者は視点を変える書き方を好み、作品によっては混乱することもあったが、 この作品ではメイン主人公の3視点の方向性がはっきりしていて読み易い。 ストーカー男は犯罪は犯すが応援してしまう。虐待される妻へは、早く逃げろと声援を送りたくなる。DV夫へは中指立てたくなる。 最後はどうなるんでしょうか。 大石さん初期の代表作と言っていい。この本がきっかけでファンになった! |
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4作目の今回は吉敷視点ではなく、女性記者二人の視点を交互に進んでいく、今までとは違った読み方ができるのがいい。
そして見出しにも書いた通り、絶対にありえないという事象が全て合理的に解決できてしまうトリックの奥深さに脱帽してしまった。 最後の解決編を読むと、「なーんだ、そういうことか」と思えるのだが、読んでる途中では絶対そんなことは想像もつかない。 列車消失に限っては、多分こうだなと思ったことが当たってしまったのだが、 「でもあの駅は通過してるんだよな、なぜだ?」 このわだかまりが最後まで尾を引いて自分では解決を導くことができなかったが、吉敷はあの歌詞から全ての謎を解いた。 名探偵吉敷すごいね、この吉敷を生んだ島田さんが天才だったのだね。 最近はまっている吉敷シリーズだが、刊行当初に読みたかった。古本屋巡りが疲れる疲れる!! |
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出雲地方の各列車に届けられる七つのバラバラ死体。
残り一つは頭部でそれが見つからないので、中々被害者が特定できない。 だから今回も分数は7/8。 現代であればDNA鑑定とかで早々に被害者は割れるはずだが、終盤まで被害者は想定の元で捜査が進められるので時代を強く感じてしまう。 列車の路線図や時刻表のパズル好きには持ってこいの本格推理。 事件が出雲地方に伝わる八俣の大蛇の伝説になぞられていて、その手の歴史ミステリー好きにもお勧めできる。 減点はやはり古本屋でしか手に入れられないという点。もう再発されないのかなあ? |
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今更ながらの初読みだが、トリックの古臭さがいいね。
まるで20年前に見た土曜ワイド劇場のよう。 顔の無い殺人事件で、「被害者と目されていたのが実は別の人間だった」がオーソドックスだが、このトリックにも裏があり変に納得させられる。 また、主人公の吉敷竹史は捜査一課の刑事だが、名探偵にもなり不可能犯罪を暴くので、警察小説ではなく本格推理探偵小説に仕上がっている。 タイトルにもある分数もいい。読み進む内にこの意味も分かってくる。 御手洗シリーズよりも個人的にはこっちが好きかも。 唯一無二の欠点は、本屋では売られていないこと。読むためには古本屋を廻らなくてはいけない。 |
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今回もネタはすこぶるいい。
殺人事件の捜査とマルチ商法に引っかかる女性の話を交互に進める展開で、なかなか両者が繋がらない。 繋がる前は、誰が誰だろうと推理しながら読むのが前半の面白さ。 繋がった後はあの女は本当に実在するのか?という捜査を見届けるのが中盤の面白さ。 そして最後は、壮絶の過去を知らされ、事件の全貌が明らかになる。 非常にいいのだが、惜しい点が3つある。 まずプロローグは全カットでいい。文絵は最後どうなったかが書いていない、最後の展開が早すぎた。 これらをもっと詳しく書いて2部構成でも良かった感じ。まあ総合的には合格点で、500ページを超えるのに読み疲れは無かった。 |
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働き蟻の法則を言いたいのだな。
全体の2割が働いて、残り8割は何もしない。だったらその2割を取り除くと何もしないのかと言うと、8割の内の2割がまた働きだすという法則。 この言いたいことと、中の文章があまり合っていない感じがしたが、面白いことに変わりはない。 生活保護の不正受給をテーマにして、市の担当者の不審死にヤクザも絡んでの骨太の物語。 柚月作品としては普通だが、読み疲れがないのがいい。 |
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読んだのは数か月前なので本の感想は他の方に譲るとする。
確か、「児童虐待」「不審死事件」「姉妹の絆」辺りがテーマで、場所は東尋坊も出ていたと記憶する。 内容には賛否両論あるようだが、ダークな物語で自分は好む。柚木作品は今のところハズレ無しで読み易いし、マイブームの作家さんだ。 それよりも、今から読もうとする方にお伝えしなければいけないのは、普通の本屋ではまず置いていないというところが最大の欠点。 初版が2015年8月20日で、全然古くないのになぜ本屋に無いのか。読むためには古本屋でゲットするしかないので、定価より少し割高になってしまう。 自分は昨年の夏頃にたまたま新刊で売られているのを発見し、感激して即買いできたが。 ということで、読みたくても入手困難という点と、タイトルと味の無い表紙絵のみ減点かな?内容は個人的には満点です。 |
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相変わらずの安定した佐方シリーズ第三弾。
しかしながら、前二作が凄すぎたので評価は若干落としてしまった。 第一話がスカトロ気味で、そこまでやるかという佐方の執念が見える作品。 第二話は前作の「本懐を知る」の裏話で、佐方視点になっている。「本懐を知る」で止めておけば良かったか?ちょっと書きすぎた印象を持つ。 第三話は痴漢冤罪を証明すべく佐方が立ち上がる作品。 どの話もA級品だが、そろそろ現代の弁護士としての話に持って行った方がいいと思う。 続きを書くためには、あの素晴らしき「最後の証人」を上回らなければ読者は納得しない。構想は練っているのだろうか。期待して待ちたい。 因みに、角川文庫版で読んだ後に、遂に宝島社版もゲットできた。 やはり表紙が違うだけかもしれない。角川版は1ページ18行で、宝島版は17行で構成されている。なので厚みが違うのかな? 恐らく少々の改訂はされていると思うので、気になる方は読み比べてもいいと思う。 |
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綾辻行人氏の館シリーズの原点と言える作品で有名な本書。今更の初読みだが、評価は良にしておく。
一番評価が分かれるポイントは、この奇想天外なトリックを受け入れられるかどうかにかかっている。 今現在で読んでしまうとチープな感じが否めないが、発行当時に読んでみたかったというのが反省点だ。 そしてこのトリックを推理するネタは随所にちりばめられているので、一字一句真剣に読む必要がある。 些細な事柄でも重要なヒントになっている場合がある。 まさか、本のタイトルも謎を解く鍵になっていたとは! 中盤の菊岡とクミ、金井夫婦の罵りあいで笑いが起こってしまったのには驚いた。 御手洗の登場は後半になってからなので、薀蓄合戦は控えめになっている。 とにもかくにも、「このトリックを推理せよ」のところで看破できた方はいるのだろうか。トリックの素晴らしさだけでこの点数でしょう。 減点は殺人動機だが、凄いトリックの影に隠れて、マイナスは抑えられた印象。 最後に、冒頭の館の見取り図を見返す機会が多いので、ここにも栞を挟んだ方が読み易い。 |
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人が死なない警察小説なので、何の予備知識もなく手に取ると肩透かしを食らう。
前作「ドルチェ」に続き、マイルドな警察小説。ハードさは無い、殺人描写も無い。 なので恋愛捜査という言葉がこのシリーズにはぴったりと当て嵌まる。 話の構成は大きく2つに分かれ、それを交互に章立てし書いていく方式。 一つは「捜査パート」ここでは主人公の魚住久江が誘拐監禁事件の捜査に当たる。 まだ誘拐されただけなので、人質を無事に確保できれば人が死なずに済む。これに向かって魚住が賢明に奮闘する姿が良く書かれている。 そしてこのパートでは時間軸が短いのが特徴。 二つ目は「恋愛パート」これは誘拐される側の半生を描いているので、こちらは時間軸が何十年と長い。 この時間軸の違うパートが最後に合わさったところで感動のクライマックスが訪れる。 事件はうまく解決できたのか、そして恋愛パートの恋の行方は? 下手くそなレビューで申し訳ないが、こういうレビューを参考にして、手に取ることをお勧めする。 因みに、ドンナビアンカとは白い女性を意味するそうな。 |
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この本では死刑制度について書かれている。
その中で死刑制度を容認する言葉として小説で書かれた次の文が記憶に残る。 「人を殺せば死刑-そのようにさだめる最大のメリットは、その犯人にはもう誰も殺せないということだ」 そうは思っても死んだ人間は帰らない。だったら「死刑は無力」なのか? その葛藤に悩む姿がうまく書かれている。 東野圭吾っぽくない小説だが、死刑制度の是非を考えさせられるダークな物語であった。 |
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普通の作者がいきなりこのような本を出せば満点評価をつけたいところだが、ここは東野圭吾。
ほとんどハズレ無しの良作を世に出し続けているので、読む度に最高傑作の「容疑者X」や「白夜行」とどうしても比べてしまう。 植物とミステリーなんておよそ融合しない事柄を見事に組み合わせて、一つの物語を誕生させてしまう構成力は流石だし、 黄色いアサガオの序盤のプロローグが後半になり見事に絡み絶妙だし、第一読み易いし欠点など無いように思える。 最後のほうに「あーそうだったのね」と読者の知らない事実を突きつけられることが、唯一の欠点と言えば欠点か。 前にもそんな酷評を書いたことがあったような気がする。 なので東野さんの作品なので、評価がどうしても辛めになりがちだが、良作であることは間違いない。 |
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好きだなあ、こういうお話。
咲谷シリーズと言ってもいい。 10編から構成されており、中には氏の体験した実話もあるということ。 中でもホラー映画好きにはたまらない「ホはホラー映画のホ」や「ソウ」等読んでいて嬉しくなる作品ばかり。 早くも「続々」の文庫化が待ち遠しい。 |
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過去のレビューを見ると、短編集と書いてあるのだが、どうしてでしょう。
文庫で読むと、300ページくらいの長編ですがね。 もしかすると、虚像の道化師に含まれた3編がもともとは禁断の魔術としてハードカバーで売られていたのでしょうか? まあいいだろう。 ところで、この本である名言が誕生する。 「科学を制するものは世界を制す」 なんともすばらしい響きではないか。正に湯川学の為にある言葉である。 今回のお話は湯川の教え子が犯罪に手を染めようとするのを未然に防ぐために、湯川を始め、草薙や内海らが奮闘する物語。 科学全開の湯川ワールドに嵌るし、泣きは無いものの、政治家の悪行に立ち向かう姿に共感も出来るし、ヒーロー物を読む感覚も味わえた。 正に、「科学を制せよ、そして悪は罰っせよ!」に尽きるだろう。 恐らくこの作品も近い内に映像化されるであろう。 |
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これを読むと否が応でも宮崎勉事件を思い出さずにはいられない。
実際の事件と同じように、小説の中でも被疑者の部屋がビデオテープで埋め尽くされており、生々しい強姦現場の映像が明かされる。 個人的には好む内容で読んで後悔することはなかったが、嫌悪感を抱く読者はいることだろう。 また、前置きが長いのも賛否両論あると思う。 誉田氏の描くR18ミステリーは万人には受け入れられないものの、驚きの真相もあり、一体誰が悪かったのかと考えさせられた。 本の中では映像がネットでばらまかれたが、実際の事件の映像はこの世に流れることは二度とないであろう。 |
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全7話構成の短編集。それぞれに咲谷由伊という同姓同名の女性が登場するが、同一人物ではなく連作短編でもない。
それぞれを個別の短編と見た場合では特に以下の2つが傑作であった。 「再生」 どろどろとしたホラー短編。このお話が一番怖く、背筋がゾッとなる。 「特別料理」 怖いというよりも気持ち悪くなる作品。 世界中でも最も嫌われるあの生物を食べてしまうという、今書いていても、嗚咽したくなる。 絶対に食事前後には読まない方が良いだろう。 角川文庫版では巻末に綾辻氏自らの解説が書いてある。 これら短編を並べた順番には、ある狙った効果があるので順番に読んで頂きたいとのこと。 私も順番に読んだのだが、この効果を察することができなかった。 由伊という女性には各お話で特に関連性が無い、話の内容にも特に繋がりが無いように思えた。 それ以外での効果とは一体なんなのだろう、困惑した、反芻した。 また来たぞ。綾辻氏の読んだ後で悩まされることが。この効果を探るためにもう一度読まなければならないだろう。 短編でも読者を悩ませる、これが綾辻氏の魅力である。二度読み必死。この効果を解説できる時が来た時にもう一度レビューしたい。 |
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誉田哲也氏と言えば、女性ヒロインを主人公にする物語が定番だが、本作は男勝りの警察小説に仕上がっている。
暗闇、陰謀、裏切り、悲しみ、復讐、絶望感が入り乱れるダークな物語だ。 主人公の元捜査一課の津原の視点をメインに進んでいくが、前半と後半では雰囲気を180度変えていく。 雰囲気急変のきっかけは、ある殺人があったことが理由になる。 津原の気持ちになって考えると、それもいたしかたないことなのかと思える。 明るい部分があったのは序章のみで、ほぼ全編ダークが漂うお話で個人的には最高のテイスト。 かつ殺人動機等が納得させられるものであれば最高評価であった。 減点は2つ。 まず人が殺されすぎたこと。今まで読んだ誉田作品の中で一番多いのではないだろうか。 二つ目は殺人動機。そんなことの為に、私利私欲の為に殺人を犯したことへの怒りが半端ない。 なので少し後味が悪いと思ってしまった。 |
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