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yoshiki56 さんのレビュー一覧
yoshiki56さんのページへレビュー数44件
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吉敷ものでは今でも新刊で手に入る数少ない本の一つ。なので評価は一つ加えた。
今作の分数は2/3。この意味は恐らく「殺された3人の内の2人のトリックを見破ろう」という島田氏の意図が見える。 斜め屋敷のトリックが好きな方であれば、あれほど壮大ではないが、十分楽しめる内容となっている。 元女房の通子さんの汚名を晴らすべく吉敷が奮闘する姿が非常に痛々しい。 実際に暴漢に襲われ、ほぼ半身不随の状態でよくぞ頑張ったと褒めてあげたくなる内容だ。 北海道を舞台にしており、季節は真冬なので、今の時期に読むのは持って来いだ。屈斜路湖や摩周湖等、実名表記も良い。 吉敷刑事と言うよりも、名探偵吉敷と呼ぶのが相応しく、結構気に入っているので読み耽りたいが、何度も言うように入手率が。。。 |
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柚月作品読破中の小生にとって、「最後の証人」に続く満点小説である。
まずプロローグから意味深というか謎を持ってくる。個人名が書かれていないところで、「また騙そうとしてるな!」と思った読者は多いはず。 そして本編が昭和63年から始まるところで猛烈な違和感が発生。 各章の冒頭で書かれる日誌にも注目だ。 これを読むと大体その章のあらすじが分かってしまうので、何でこんなの書くんだろうと思った読者はこれも多いはず。 これまた謎の✖✖✖が後半になって驚きの意味を持っていたことが分かってくる。 そして内容が警察小説でありながらほとんど極道小説であり、これを女性作家が書くところが素晴らしい。 生半可な知識ではここまで極道の世界を描くことはできなかったはず。これは著者の並々ならぬ努力の賜物である。 登場人物も色鮮やか。 悪徳刑事の大上と新任刑事で大上の部下の日岡、それから紅一点の昌子。映画では大上役を役所広司が熱演してはまっていた。 ヤクザ界でも意外に人情味深い人達が多く、尾谷組の一之瀬なんて本当にいい人間だ。 最後に言っておきたいのが、この物語のキーアイテムは文庫の表紙にも描かれているジッポだ。 特に最後のエピローグなんて本当に泣けてしまった。 プロローグの謎、日誌の✖✖✖、ヤクザ同士の抗争、悪徳デカ大上の立ち回り、日岡の逆襲、ジッポの温かみ、エピローグで点が線になった時の感動。 とにかく全てが詰まりまくりの極上の1冊だったが、続きも出てしまった。まだまだ闘いは終わらない。 |
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いきなり早苗の結婚式から始まって、一方、香織は道場を引き継ぐまでの紆余曲折を描く物語。
この物語だけ得意のクロスオーバーが起こらないのだが、警察がかかわる事件は起こらないので当然と言えば当然か。 最後には香織も幸せを掴むようで、めでたしめでたし、ですね。 剣道なんか知らなくても楽しく読めるこのシリーズもお勧め。ミステリーに疲れたら、こういう青春物で一服も良い。 |
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誉田哲也フリークス以外は面白くないレビューなので読まなくても良いです。
姫川玲子シリーズでも以前にクロスオーバーはあった。 「インビジブルレイン」でフェイスプロモーションが登場した時がそうだ。これで姫川玲子と柏木夏美が同じ世界にいることが分かった。 そして今回の「インデックス」でもクロスオーバーが更に起こった。 一文だけであったが、魚住久江の名前が出たのだ。これで姫川と魚住も繋がった。 これは次回作の硝子の太陽への大いなる伏線になろう。もう文庫でも発売されたので帯を見れば一目瞭然!ようやく、東と姫川がタッグを組むことになる? ここまでやるとその次はどうなるんでしょう。期待と同時にネタ切れの心配をしてしまう。 誉田さん、まだまだ頼みますよ! さて、このインデックスはインビジブルレイン後から姫川が捜査一課に出戻り、姫川班を再結成するまでの連作短編。 そしてやはり再結成ではあの男が加入した。いいぞいいぞ! |
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誉田作品の警察モノは読む順番が非常に重要。
ジウ、姫川玲子、歌舞伎町、魚住久江シリーズと大きく分けて4つのシリーズがあるが、いきなり途中の作品から読むのではなく、 出来る限り刊行順に読むことも強くお勧めする。でないと、登場人物の相関関係が理解しずらい。というか面白味が半減してしまう。 この歌舞伎町ダムドは歌舞伎町セブンの面々が暗躍するので、セブンを読んでからダムドを読むのが正解。 そしてダムドを読むと、実はジウシリーズの続きものであったことも分かるので、ジウ⇒セブン⇒ダムドで読むのが満点正解。 誉田ワールドという世界に同時期に生きている面々がそれぞれの事件で活躍していることが分かり、そのクロスオーバーが凄い。 まだ未読だが、次回作で姫川玲子とのクロスオーバーもあるはずだ。 しかし、中公文庫から出版されているが、背表紙の色が何とかならないものか。すぐに焼けてしまうので本屋で買う場合には帯がかかってたら要注意! |
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佐方が検事時代のお話で1作目の「最後の証人」から年数を遡り、若い頃から真面目で曲がったことが大嫌い、真実を貫き通すという逸話を
連作短編形式で綴る今作も断然お勧めの本で、読み疲れもなく、なぜか話に没頭してしまう。 なぜか、と書いたのは、一つ一つの短編の事件はそんなに重くなく、連続放火や窃盗、強請り、政治家汚職、横領といったものだが、 著者の筆力によってかかると、ありふれた事件がこんなにも骨太に感動と興奮と納得させられる事件へと変貌してしまう。 実は佐方が視点の物語は中盤の強請りの物語一つだけだが、他の4つの物語が脇役かというとそうではなく、視点が別ながらもしっかりと主人公 となっている書き方も見事。文句のつけようがない完璧な本。 特に最後の「本懐を知る」は佐方が検事を志すきっかけとなる話なのでシリーズファンならば必読である。 著者の柚月裕子さんは主婦をしながら執筆活動をされていて、本当に頭が下がる。 しかも自分と同い年で尊敬もするし、一緒に年を取れることも嬉しい。改めて有難うと言いたい。 さて、これも最近になって角川文庫から再発された。 宝島社文庫版は454ページで、再発の角川文庫版は422ページ。 宝島社版を読んでも特に不要な表現は無いように思えたが、二度読み目を角川版で読んでみて間違い探しをするのも面白い読み方かもしれない。 この宝島社文庫版はあまり本屋で見かけなくなったので、買うならば今の内である。 |
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柚月作品の初読み。
この本はまず2010年に宝島社のこのミス大賞シリーズから出版された。よって、1回目は宝島社文庫で読ませて頂いた。 文量は326ページ。冒頭のプロローグ良し、中だるみ無し終わり良し、話にぐいぐい引き込まれ一気読み必死。 題材は法廷ミステリ。公判の3日間の間に事件の核心に迫る話を挿入しながらだが、混乱することなく涙も流しながら読めた。 これはテレビドラマ化された佐方シリーズの1作目だが、ドラマでは自作の「検事の本懐」からスタートしている。 本作の「最後の証人」は映像化することはほぼ無理であろう。なぜならば、、、(気になる方はネタバレを見て下さい) いやあ、完璧です。こういう本に出合えるので読書を止められない。 最近、角川文庫から再発されて、こちらも購入し二度読みした。これでも楽しめるこの本は法廷ミステリの最高傑作。 因みに角川文庫の方は文量304ページで不要な部分をカットした再編集版のようだ。話の道筋には変更ないので、安心して良いと思う。 宝島社文庫版は本屋に返本がかかっているはずなので、今の内に購入しておこう。後にプレミア価格がつくかもしれない。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
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個人的な解釈だが、これを略して臨床真理!いいタイトルだ。まずはこれに1票入れる。
本の手に入れ易さ、これが最初の難関。厚さは上下巻合わせて400ページ超で、上下巻に分ける意味が無いように感じられるが、とにかく入手が困難。 普通の本屋で見かけることはまず無い。出版社の宝島社でも現在は取り扱っていないので、ネットの古本屋ではすごいプレミア価格がついている。 自分は個人の律儀に反するが、遂に新刊では入手できず、BOOKOFFで見かけて即買いした。その見つけた時の感動に3票入れる。 ここまでの前書きだけでも評価は高いが、ストーリーも宜しい。 主人公の佐久間美帆はある精神病棟の臨床心理士で、その担当患者である藤木司の抱える問題に真摯に対応していく中で、事件に巻き込まれていく。 その藤木司と同じ障害者支援学校に居た水野彩の自殺の真相とは?施設長の安藤の悪だくみとは? そして二人の不審死の真犯人はだれか? 追うもの追われるものの真理が良く書かれていて、緊迫感もあり推理シーンあり、読むスピードも半端ない。このストーリーで8票。 題材が障害者拉致監禁売春レイプなので、女性は嫌悪感を覚えるだろう。 残酷性描写も含まれていて、最後の美帆が真犯人に拉致され、追い込まれたところで時間稼ぎをするシーンは賛否両論だが自分には必要と思えた。 実際のこのミス大賞の応募時にはカットされていたが、単行本化を機にノーカットで挿入したと聞く。 これらの性描写が万人向けではないので、ここだけ減点するが、総合的に最高の本に出合えて満足できた。 今現在では入手は難しいが、見かけたら読んでみることをお勧めする。 |
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最近は綾辻さん絡みの話題があまり出てこなくなった。
単行本では「人間じゃない」が発売されて以降、音沙汰が無い。 館シリーズは奇面館で9作目まで終了後、10作目の執筆が進んでいるのか、状況は見えない。 奇談集の続々の文庫化を待ち望むも、情報は入ってこない。 そして、このAnotherシリーズもスピノオフ的なエピソードSは続きがありそうな感じで物語は終わる。 実際、巻末の解説で続きがあるよと綾辻氏自身が解説をしている。 皆様が読むことで続編の実現性は高まるであろう。 ここまで読むと、綾辻氏の文庫本は完遂してしまうので、氏フリークスが離れていまうのが気掛かり。 いつまでも氏の作品で騙され続けたいので、綾辻さん、今後も宜しくお願いします。 |
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姫川シリーズの6作目。
いきなりこの本を読むのではなく、ストロベリーナイトから発行順に順番に読むのがお勧め。 やはり期待を裏切らない圧倒的な面白さで、この作品も映像化されることを切に願う。 「インビジブルレイン」事件で姫川班が解体されてからの初の長編で、今回はブルーマーダーと呼ばれる殺人者に立ち向かっていく。 姫川主観、菊田主観、犯人主観と主に三名の主観を交互に交え物語は展開していくのだが、序盤の菊田主観で驚愕の事実が語られるので、覚悟をして読んでもらいたい。 この事実からどのように姫川班再結成まで持って行くのか、 ドラマでの名ゼリフ「この山、絶対に取るわよ!」がいつまた聞けるようになるのか、まだまだ楽しみは止まらない。 |
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前作の白銀ジャックよりも数段楽しめる極上のエンターテイメント作品。
スピード感溢れ、読み手を疲れさせない。流石に映画化されたことはあると思った。 事件の内容は重くないのでミステリ好きでなくとも大丈夫なので、万人向け。 物語の中である宝探しをするのだが、それに行き着こうとすると、邪魔が入ったり、既に他人へ渡っていたりするのだが、 ここに海外ドラマの「24」ライクな感じがして、ハラハラドキドキ感も味わえる。 ちょっと褒めすぎかもしれないが、読めば納得するであろう。 |
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化学機器メーカーに勤めるしがない女性従業員が、ある日急に長野の農家へ商品を提案してこいと社長から言われる。
そして単身長野へ乗り込み、農家への営業をする内にある家族の元に居候を始める。 その家族と共に農業の手伝いをしながら、自分の生き甲斐を農業に見つけていくまでの、ほのぼの青春ストーリー。 笑いもあり、恋愛感情あり、家族との触れ合いから優しい気分にもなれる、癒される物語。 ミステリーに読み疲れたら、こういうのを読むと頭をリフレッシュできるのでお勧め。 |
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誉田氏と言えば、姫川シリーズに代表される警察もの、女性心をくすぐる青春ものを書く作者として人気を博しているが、
今回は実は原点回帰して初期のホラー作品に近い仕上がりになっており自身としては大満足である。 ダークヒーロー及びヒロインが登場し、犯人と対峙する場面は懐かしいとも感じる。 グロい部分や性描写があるものの、スリリングな展開に一気読みは必至。 巻末の解説には、今回の登場人物が他の作品にも出る可能性もあるかも、と言っているのでそこも期待して待ちたい。 |
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【ネタバレかも!?】
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なぜこの本だけが映像化できたのかは、読んだことのある人間なら分かるはずだ。
これを言明するとネタバレに書く必要があるので止めておく。 さて、今までもホラー系を書いてきた綾辻氏だが、今一つぱっとした作品が無かったのは事実。 それがこの本では新境地を開いたかのごとく、ホラーに叙述トリックを取り入れた渾身の力作となった。 序盤では彼女が生身の人間であったことに安堵し、終盤では驚愕の叙述トリックに悶絶。 館シリーズで定番の騙された感をホラーでも味わえるとは思っていなかった。 そして、やっぱり登場する「咲谷由伊」等、上下巻で700ページの文量であるが、読み疲れは無いも同様。 減点は中学生が主人公なので、少年少女向きと思えるところのみ。「episode s」を楽しみに待ちたい。 |
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書いた通り、これはガリレオシリーズでありながら推理小説となっている。
第一話の宗教の話を除くと、どれも秀作ぞろいだ。 特に最後の2話では、推理小説さながらの展開で、騙された感を味わえるだろう。 湯川学の話なのに加賀恭一郎と錯覚して読んでいる自分がいた。 テレビドラマのseasonⅡでヒロインとなって登場する岸谷刑事が、この本から出てくるので楽しさも倍増。 因みに、全七話での構成の内、3話は文庫書き下ろしらしい。 ガリレオシリーズでは容疑者Xに続く秀作となっているのでお勧め。 また、この本まで読んでからテレビドラマを見た方がよい。 |
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本日よりロードショー公開される「新参者」シリーズ完結編。
先程「王様のブランチ」で主演を務める阿部寛、ヒロイン役の松嶋奈々子、加賀の従弟役の溝端淳平が出演していたのを見た人もいるであろう。 その名の通りの豪華俳優陣で今回の作品がシリーズラストとなるそうだが、先程、阿部寛がこんなことを言っていた。 「東野さんが書いてくれれば、次もあるかも。。。」 また、溝端淳平もドラマ時代を振り返り、「もう足掛け20年で、最後となるのが悲しい」とも。 完結編と言われる通りの内容で、今回は加賀の過去と密接に関わった殺人事件を涙、人情で解き明かしていく。 特にヒロインの過去で涙ボロボロになるであろう。映画館で見る方は必ずハンカチ持参をお願いしたい。 また、CMや今日のブランチで見た感じでは、原作と劇場版とでは若干ラストに変更があるようにも感じられる。 是非、原作を読んだ方はその違いを堪能してもらいたい。(かくいう私もであるが) そして劇場で初めて見た方は、必ず原作も読んでもらいたい。 ところで、「新参者」シリーズはこれで終わりそうだが、また加賀恭一郎が次の所轄で奮闘する物語を期待する。 東野圭吾様、是非是非、新シリーズ開幕の構想を練って下さい。宜しくお願い致します。 小説としての評価は、分量、読み易さ等全てにおいて文句は無しの100点満点である。 |
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昨年9月にロードショー公開され、自分は見ることができなかったが、原作を読む限りでは100点満点の面白さであった。
ミステリーというよりもSFファンタジー要素の濃い、人情味溢れる泣ける物語である。 実際に第二話のラストで、電車に揺られながら読み耽っていたところ、不覚にも泣いてしまった。 短編集ではなく連作短編となっていて、「ここで繋がっていたんだ!」と思った時に何回も感動した。 物語は現在と過去を行ったり来たりするところで、80年代懐かしの映画「Back To The Future」を見ている感覚で楽しく読める。 大絶賛したいのだが、惜しむらくは登場人物が多すぎて、読み返すことが多かったこと。 でも東野作品はやっぱり外さないと改めて思った作品。お勧めである。 映画を見て原作を読んだ方、もしくはその逆の方に映画を見ての感想を聞いてみたいと思う。 |
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【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
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見出しに書いた通り、唯の黒というよりもどす黒い家の住人が起こす保険金連続殺人のお話。
こちらもレビューを書きたかったので再読みしたのだが、身の毛がよだつ怖い話であった。 過去にも実際に保険金目当ての殺人事件は起こっていたが、それらの舞台裏やメディアにも出なかった真相は実はこんな内容だったのでは! 作者の貴志祐介氏も元は保険関係の仕事に就いていたいたらしく、序盤から詳細に書かれており理解度は抜群。 そして、どす黒い家の住人は人間を金になる木と捉え、正しく物としか考えていない冷酷さもうまく書かれている。 最後の殺人鬼に追われる恐怖も、宛らホラー映画を見ているよう。 約20年前の作品だが今でも色褪せない。 表紙の挿絵から怖そうな雰囲気が漲っており、読者心を擽られる。 若干、専門用語が随所に出てくるところで好みは分かれるかもしれないが、ホラーサスペンス好きには納得の1冊であろう。 |
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原稿用紙約2,600枚、文庫本では4冊にもなる超大作。
過去レビューでは長すぎると酷評もあるが、自分はそんなことは思わなかった。敢えて言えば双子の姉妹との会話が少しうざかったか? 読み終わって思うのだが、こんなストーリーをよく考えられるなと綾辻氏に感服! とにかく読み終えるのに時間は掛かるが、全ての文章、一字一句に全神経を集中させて良く読むこと! そうしないと綾辻氏の術中にはまってしまうので注意。逆に普通に読んで、その術中にわざとはまる読み方も有。 簡単に書くと、 1冊目:暗黒館の歴史と背景。 2冊目:殺人事件勃発とその推理。 3冊目:浦登家の秘密が暴かれる。 4冊目:解決編とその後。 となろう。特に4冊目の「間奏曲6」で語られる驚愕の事実には、自分の読解力の無さに呆れてしまった。 また、ロールプレイングゲームや初期のバイオハザードをプレイしている感覚も味わえる。 この部屋は探索済とか、開かずの間の鍵ゲットとかで楽しく読むこともできる。 一番の不可解な点は今回も登場する河南君が何故「このこと」を知っていたのかであるが、もしかするとその答えが次の奇面館にあるのかもしれない。 最後まで読むと館シリーズ原点であることが頷ける、綾辻氏渾身の超大作、お勧めである。 「十角館」「迷路館」と並び納得の満点評価となった。 |
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誉田哲也氏と言えば姫川玲子シリーズが最も有名だが、今作はシリーズ中で最も問題作となる。
なぜならば姫川玲子が主役ではなく、完全な脇役となって登場することだ。 今回の主役は、あの口の悪いガンテツこと勝俣警部補。 また、元姫川班に属していた葉山の章を挟み、事件が繋がってきた時には大いに興奮できる。 誉田氏は今作で現在のネット社会で起こりうるであろう新たなテロの行為を示唆していると言える。 最も恐ろしいのはこの本を読むことで内容に共感してしまうことだ。 ネットは超便利かつ恐ろしい事を作者は生々しく掲示している。ある意味、残虐な殺人事件よりも怖いと思えた。 因みにこの本まで読めば、テレビドラマの「ストロベリーナイト」で復習ができるでしょう。 |
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