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闇ツキチルドレン
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闇ツキチルドレンの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.80pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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第43回メフィスト賞を受賞したデビュー作「キョウカンカク」の続編として書かれた本作品は、前作を楽しめたならば、満足度は高い佳作と言えるでしょう。 「共感覚」──それは、人間の持つ五感が複数共鳴してしまう、特殊な能力のこと。 前作から引き続き探偵役を務める音宮美夜は、聴覚に視覚が共鳴し、音に色がついて見えるという「共感覚」の持ち主。 前作では、「フレイム」と名付けられた猟奇的殺人犯を追い詰めた音宮が、今回、真犯人を探すのは、「チャイルド」と名付けられた、犯行時に子どものような笑い声を発する連続殺人鬼。 ひょんなことで出会った高校生の少女、愛澄を助手役にして、前作から引き続き登場する怪しい刑事矢萩の手引きで、捜査を続けていく。 このチャイルドの容疑者とされたのが、元警察官僚の老人で、音宮の追及も巧みにかわしていくという設定。 そんな中、真犯人が誰なのか、登場人物は少ないのに、なかなか特定できないところが、この著者の物語構成の巧みな点だと思います。 そして、やはり着目すべきは、「題名」でしょう。 前作は、「共感覚」をテーマにしていたのに、なぜ「キョウカンカク」というカタカナ書きなのか。 前作を読了されている方なら、今回の題名にも、何か秘密が隠されていることを期待するでしょうし、著者はその期待に応えてくれます。 前作に引き続き、美少女アイドル系の表紙であることや、文章がライトノベル調であることから、ミステリ的に、軽いと感じる方がいらっしゃる方がいるかもしれませんが、この著者は、きちんと「本格ミステリ」を書ける作家と感じています。 前作の超弩級の真相には及ばないものの、シリーズものとしての設定を巧みに活かした真相は、十分すぎる第2作と言えましょう。 今後も活躍が期待できる作家として、私は注目しています。 | ||||
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“音を見る”共感覚(キョウカンカク)美少女探偵・音宮美夜の第2弾。共感覚とは、文字に色が見えたり、音に匂いを感じたりするという特殊な知覚現象。音宮美夜の場合は、音に対して聴覚と一緒に視覚が反応するという共感覚の持ち主だ。音を聞くと、形や色が見える。 デビュー作である「キョウカンカク」では、この音宮美夜の特殊能力が全面的に押し出されて、事件の真相が明らかにされるが、今回はこの共感覚が、超能力的な力ではなく、特殊体質的な扱いにトーンダウンされている。探偵役があまりに超常的な力を有すると、安易に犯人にたどり着いてしまう……、この弱点を二作目では見事に克服、本格推理小説としての謎解きの難易度(面白さ)がパワーアップしている。 特殊能力を有するということは、普通ではないということ。異端の刻印は、子供の無垢な心には残酷過ぎる。その苦しみ、悲しみを織り込むことによって、物語がより重層的に、深みのある色合いに染まっている。容疑者や敵役もパワーアップ、元エリート警察官僚の老人と敵対した音宮美夜は、警察組織に裏切られることになるが……、探偵としての推察力、洞察力を存分に発揮して窮地を脱出、そして、伝家の宝刀であるキョウカンカクの切れ味は冷徹で鮮やかだ。 それにしても、最後のどんでん返しには驚かされた。ここまで書き切ると、美しいまでに哀しい結末である。 | ||||
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本格ミステリーシリーズ第2弾が登場。 ライトノベルのような表紙で敬遠するのは 勿体ない丁寧な本格推理。 探偵が共感覚を有する異能者であるにも関わらず フーダニット(犯人当て)要素もあります。 美夜は本作でも迷いや葛藤を見せたり 食えない刑事矢荻との水面下での駆け引きもあり 前作と違い今作の登場人物達は中々に個性派揃いです。 メフィスト賞特有のノワール小説作家らしさは まったく無く綾辻氏から始まる新本格推理に近い作風。 懐かしくも新しい作品だと思います。 | ||||
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