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小暮写眞館
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【この小説が収録されている参考書籍】
小暮写眞館の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.97pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全111件 21~40 2/6ページ
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いい表紙だなぁと、読んだ後に帯を外してしみじみと見入ってしまいました。 サブタイトルも素敵です。「鉄路の春」です。登場人物みんなに、それぞれの春がやって来たのです。よかったねえ。 最初は心霊写真を手掛かりに、意固地になって、あるいは怖くて直視できなくて、それで冷凍保存していたものが、いろいろ調べて、理解していくうちにわだかまりが解け、あたかも春がやってきたかのように動きやすくなって、次へ進む原動力になるーーこれはそういう話です。もちろんホラーでも、ミステリーでもないし、幽霊はいるし、心霊写真も登場するけど、根っこはいつもと同じ、人情物が大好きな宮部みゆき節炸裂の、素敵なヒューマンドラマでした。 ーーなので、ミステリーじゃないから、これが伏線!というのは分かりにくいし、無駄に感じる描写も多いかもしれません。でも物語って、日々の積み重ねなんですよね。いろんなところで関わった人たちとの関係や動きが、大きなうねりとなって一つの物語を紡ぐのです。 もちろん現実には、この小説のように全てがうまくいって、関係者全てに春が訪れるということはあまり無いかもしれません。だからこれはファンタジーなんです。でもファンタジーだからこそ、大円団であってほしいし、そうであることが嬉しいです。読んで良かった! 私は泣きました。雪解けに至るまでの心苦しさに泣き、それが解けていく場面に安堵してまた泣きました。最後はほろ苦いけど、これで良かったと思います。 やっと読了です。面白かったです。 | ||||
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読み終わった後に、ちょっと心があったかくなる感じでした。宮部さんの作品は江戸物の方が好きですが、これは面白かった。 | ||||
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ええ話や〜、と感動( | ||||
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タイトルが気に入って買っていますけど、未だはずれがありません。話の冒頭だけでも紹介していただければ楽しみが増えるんですけど。 | ||||
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宮部みゆき初の青春小説。 古い写真館に家族と共に引っ越してきた主人公=花菱英一(花ちゃん)の許に、 何故か持ち込まれる不思議な写真の謎を、主人公を中心としたグループが次々と解決する過程をライトモティーフに、 主人公の高校1年の年末から3年3学期までの日々を丹念に描く長編小説。 新潮文庫版で4分冊と長編であるので、最初は読み進めるの苦労するが第2巻の中ほどから一気に読み進められるはず。 青春小説の常として友情や恋愛が描かれているが(ネタバレになるので具体的には書かないが) 主人公が(意外な)初恋の相手を好きになる心の変化=成長が丹念な筆致で丁寧に描かれている。 4巻目の最後から2頁目までたどり着き ”この一年で身長が十センチ伸びた英一は、成長の証か、声に出してものを考えることはない” と記されたのを読んで爽やかな感慨に心が満たされるのを禁じ得なかった。 これは蛇足であるが、古希近くなった私でも、 もし叶うならば『花ちゃん』や『テンコ』や『コゲパン』が在学する【都立三雲高校】に入学したいと思う。 | ||||
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前置きが長いと感じます。最後の話に持っていくにはある程度これが必要だったのかもしれませんが、前半の心霊写真バスターの部分が後半で述べたいことをのべるために本当に必要だったのかはちょっと疑問が残ります。宮部さんの書きたい大きなことを無理やりひとつに結び付けてひとつの小説にしてしまった感じをいまから前半を思い出すと感じます。 とはいえ、後半にかけての感動と甘酸っぱさとやさしさ、人間の哀しさ、業の深さを描くのはさすが宮部みゆきと感じます。小さい少女が幼くなくなって家族がそれぞれ責任を感じて、心に傷を負っている姿を描くところなどは電車の中で読んでいたのですが、不覚にも涙が出てきました。 最後ほのかな恋が登場人物たちの成長とあらたなステージへ出発で終わりを迎えますが、それを爽やかに優しい青春ストーリーとして終わらせています。こういう終わり方は宮部さんの小説では珍しいのではないでしょうか。 | ||||
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読み終わった後、温かい涙がつーっと流れるような読後感。どこの家庭にもこうゆう事あるなーって。自分では常識、正義って思って言葉にして傷つける。家族ゆえに傷も深く許せない。花ちゃん勇気出してえらいです。友人たちも優しい。 | ||||
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「心霊写真」の物語から始まったこの作品も、最終話の「鉄路の春」では主人公の「家族」の問題が解決します。 それと同時に、謎の女性垣本順子の背後にある問題も見えてきて、こちらも主人公「家族」の問題の解決と共に、新たな一歩が踏み出されます。 この四編の連作短編を通してみると、結局この物語は「家族」の問題をテーマにしていることが分かります。 この四編の中には、様々な形態の「家族」が登場します。 きっと、外からは何もないようにみえる「家族」にも、その実深刻な問題が内包されているということでしょう。 その解決には、大きな勇気が必要で、その勇気をもとに思い切った一歩が必要なのでしょう。 そして、そうした中で、この物語の主人公の様に大きく成長してゆくのでしょう。 | ||||
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この第3話は、「心霊写真」とは言うものの、パソコンで作られたものなのですが、「家族」の問題を非常に考えさせられました。 結果から言えば、エリートの父親と全く反論できない無学歴の母親に育てられていた息子の話です。 この息子が、不登校になり、フリースクールに通っているのですが、その謎を主人公が解いていくと言うものです。 父親の専制的な「家族」に抗議して不登校になり、父親は怒り心頭、母親はオロオロといった状況です。 こうした父親と母親の関係に抗議しての行為なのですが、やがて抵抗できない母親にも不満を持ちます。 考えてみれば、こうした「家族」は結構あるように思います。 特に、会社でそれなりのポジションにいる人は、そうなりがちかもしれません。 家に帰っても、会社と同じ感覚で家族に対応してしまうのかも知れません。 逆に、会社では上から言われっぱなしだと、家で空威張りするケースもありそうです。 若い人たちの様に、共働きで、そんなに収入に違いがなければ、こんなことはないかもしれませんが・・・。 いずれにしても、子どもに夫婦関係の影響が出るようでは、良い「家族」とは言えないでしょう。 | ||||
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講談社版からの加筆修正があるかと期待して買ってみたけど上下巻を四冊に分割しただけ。 でもまぁ堪え性のない読者にしたら集中力が持続できていい按配かも? ただその辺のラノベと違って文章や表現も、読解力がないとついていけないからそれを覚悟して 読まないとこの作品の良さは解らないでしょうね。 | ||||
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文章力、表現力、構成力、どれをとっても、さすが宮部みゆきさんだと思わせる完成度です。 改めて読み返しましたが、ページ数を区切ってあるだけに講談社版より読みやすい印象を受けました。 ラノベにありがちなテーマを扱っていますが、巷に氾濫しているようなご都合主義の作品では太刀打ちできないぐらいの秀作です。 ティーン向けの小説を書いても軸がブレない筆運びは、稀代のストーリーテラーの面目躍如でしょう。 | ||||
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第2話は、SNSで「心霊写真」との関係が大きな噂として流れてしまったことで、新たな写真が持ち込まれます。 それは、中小企業の仕事とその娘と婚約者の関係の2つの問題が絡む「写真」でした。 その工場は解散、婚約は破棄と言う結果を暗示するような家族の泣き顔が映り込んでいる「写真」です。 今回は、新たな協力者としてコゲパンと綽名される女子高生が登場し、大活躍します。 その彼女の花ちゃんへの思惑も一つの焦点ですが、やはり副題ともなっている「縁側」と言う言葉でしょう。 「家」に付随してつけられている「縁側」に準えて、家族の周りに密接に関係する人の立場を描いています。 家族がそういう人たちをどう考えているか? 逆に、そういう人たちは、家族にどう対処すべきか? そうした点への対応の仕方の不味さが、今回の「写真」をめぐる動きになっています。 それを解きほぐし活躍する主人公たちの動きが読みどころです。 | ||||
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1枚の写真から、その裏に秘められた謎を解き明かして行くミステリーです。 探偵役が、都立三雲高校の男子生徒花菱英一、通称“花ちゃん”です。 父親の好みで古家の「小暮写真館」を改装して、住むことになります。 この写真館で撮られた写真が女子高生によって持ち込まれ、そこには心霊写真とも言える女性の顔が映り込んでいます。 その裏にある新興宗教と火災事件を突き止め、ついにはそこに映り込んでいた女性にたどり着き、そこにあった普通でない家庭の話を聞くことになります。 前半は、この地に移り住んだ理由と周りの人間関係に紙幅が費やされているので、第一話のこの事件はやや短い感じです。 でも、これからの物語の展開の楽しみを十分に感じさせてくれる物語になっています。 | ||||
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1ページ目から引き込まれました。もっと言えば1行目からだと思います。こういう作家さんは既にここから違うのだと思いました。 家族や友人、不動産屋の社長、事務員、とにかく皆が個性豊かです。彼らの織り成す会話は楽しいが、主人公の辿って行く道は意外な程ドロドロしていたりする。軽妙でありながらも重厚さを忘れない。だからこそぐいぐい引き込まれてしまいました。 主人公は男子高校生ですが、こんな青春を刻めたら、彼はきっと豊かな大人に成長するのだろうと、少し羨ましく思えました。 | ||||
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講談社版は未読です。 高校生の主人公が、親の強引なマイホーム購入のせいで古びた写真館に住むというのが話の始まり。本巻は心霊写真を巡るストーリーで、夜に読んでいるとところどころぞくぞくする箇所も。けれど、語り口が軽妙で、不気味な描写の直後に吹き出してしまうという初めての経験をしました。IIも買う予定です。 | ||||
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別の版元で文庫化されたときに読んでいたので、再読です。4冊に分冊され、読みやすくなった点は、好印象でした。 二度目ですが、宮部みゆきの物語の運び方、ストーリーテラーとしての力量の高さには、ただただ感服するばかり。英一も、ミス垣本も、どのような結末を迎えるか知っているのに、それでもぐっと胸にきました。 とても面白かったです。はやく3巻と4巻が出ないかな。 | ||||
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宮部みゆき作品はほっこりするもの・殺人事件・時代物と色々読んできました。 その中でこの作品は確実に好きなベスト3に入ります。 上巻はちょっと不思議なことが起こる青春小説といった感じです。でも所々に気になる種を蒔いて下巻への期待感をあおる所はさすが! 下巻からの物語が好きすぎるので、それに比べてしまうと星は4つです。 | ||||
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上巻はほっこりした青春小説。 下巻からはだんだん物語が加速していきます。 それは優しさだけではなく、読み進めるのも苦しいくらいの出来事も起こってくるのですが、決して有り得ないことではなく身近なことだったり。 途中からは「あぁもうすぐ読み終わっちゃうんだな」という淋しい気持ちになります。 最後はありがちなハッピーエンドではないけれど、それが逆に心に優しく響く素敵な終わり方です。 宮部みゆき作品ではベスト3に入る、大好きな小説です。 | ||||
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あっという間に読み終えました。さすが宮部みゆきさんですね。また別の作品も読みたいと思います。 | ||||
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非ミステリーだというので何となくスルーしてそのままになっていたが、いざ読んでみたらここ数年の宮部作品の中でイチバン良かった。心霊写真を巡る連作短編風に英一を中心とした悲喜こもごもの人間模様を描き、しっかり感情移入をさせておいてから、最終第4話でぐっと花菱家の心の奥へと切り込んでいく。うまいなあ。大きな事件はなくとも、しっかりとした構成と魅力的な登場人物たちのおかげで、700ページがあっという間だった。全編を通してみれば、英一の成長と苦い初恋の物語なんだね。 | ||||
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