■スポンサードリンク
(中編集)
小暮写眞館
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
小暮写眞館の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.97pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全161件 121~140 7/9ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読みました。個人的にはあまりおもしろくなかったです。高校生の男の子が主人公のかなりほのぼのとした作品です。その男の子が、ひょんなことから心霊写真探偵を始めます。探偵をして、一応答えのようなものを見つけるのですが、なんかこう、すっきりしません。そして、高校生を描いている割に、言葉のチョイスが古い。。今どき、こんな子いませんって。「死語かなっ?」って、誤魔化そうとしてる箇所もあったんですが、もう、誤魔化しきれてないと思います。宮部さんには、現代の高校生を描くのは無理があったのでは?あるインタビューで、宮部さんが「今回の作品は私の描きたいものを描いた。だから、描いている最中とても楽しかったが、自分が楽しんで描いた作品のほうが、意外に読者には受けないものだ。」などと、語っているのを見ましたが、まさにその通りではないかとおもいました。私自身が青春小説嫌いのせいもあるのかもしれませんが、とにかく私には合いませんでした。ただ、装丁はとっても素晴らしいですよね。ジャケ買いしたくなるような。作品の中身に関係してくるので、全部読んでから改めて見てみると、さらに良いです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
『眞が昔の字』、英一が言います。【星の数とレビューの内容が、皆様で異なるように、とても広くて深い物語です】だんだんと、そしてどんどんとその世界に行きたくなります。小麦色に輝く自由の女神コゲパンちゃん、諸悪の権化?垣本順子、、、だけじゃない。みんなに会いたくなってしまう。俺が英一だったらなぁ。 (つらいか)運命でしょうか、この小説で年を越しました。読み返しが止まらない、厚い一冊です。「鉄道、たったひとつ乗せられないものがある」ヒロシに言われてみたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
4才の娘を持つ身としては、1章でさらっとはいった「インフルエンザ脳症で4才であっという間になくなった娘」ふうこちゃんの描写に身構えました。小さい子どもを持つ親にとって冬は本当にいやな季節です。それまで寒い、という程度にしかネガティブな感情がなかった冬ですが、子供を持ってからは何とか無事でやり過ごしたい、と願う緊張感との戦いとの季節になりました。その描写を引きずったことで、最初は傍線のエピソード扱いに見える風子が結局この話の骨子なのだ、ということがわりにすらっとはいってきました。この話は風子の死をひきずる家族の再生を語っていると思いますし、だから最短距離で結論まで進んでいくわけにも行かないのです。もちろん心霊写真のエピソードは物足りない印象を受けたのは事実ですが、幽霊が住む、という「木暮写真館」にひっこしたことで家族の中の「幽霊」の存在がふたたび大きくなってくる、という話はとても変わっていて、それなのにとても自然で、ひきこまれました。英一が高校生っぽくないという指摘もあるようですが、どっちが正しいと言うにはわたしはもう高校生自体から離れているのでなんともいえません。でも英一が、家で一人でいるときに木暮老人の「気配」を感じて家の中で老人に語りかけ始める、途中から、老人だし耳が遠いかも、と考えて大声に変えて話したり、「ふうこもそこにいるんですか」と聞く、ところはとても好きでした。大人びていてもやはり何かを信じたい年頃というか、それがうまく出ているなあと思いました。風子がなくなったときの詳しい状況は終章近くで 明らかになるのですが、ほんとうに誰を責めるでもない、でもみんな自分が悪かったと思ってしまいそうなつらい状況です。人生にはそういう状況が確かに存在するし、そういうとき最善の対処はどうなのか、すぐにわかることはなかなかないでしょう。主人公の家族はとりあえず封印して生きる道を選んでいたわけですが、この長い物語の中で英一の表現を借りればそれは「解凍」され、「雪崩を起こし」「雪解け」となるのです。ちょうど大きく変わっていく年代の英一と見事に家族の時間がシンクロして、終章はほんとうに素晴らしいフィニッシュでした。読後感の良さで是非お薦めしたい本です。ただ、終わりまで読まないといけませんが。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公は高校生ですし、各キャラ設定など中学生の頃(ン十年前)に読んだコバルト文庫の少年少女のお話を思い起こさせますが、宮部みゆきの文章力と構成力で一気に読ませます。ストーリーは心霊現象を扱っているとはいえ、それはサブ的なものであくまで1少年とその弟の成長物語ということでしょうか。そんなゆるい本に興味なし、という方も多いでしょうが、ゆるくて特に特筆するようなこともなく、何もないと言えば言えなくもない物語なのにどこか心が揺さぶられます。読み出したら結局止まりませんでした。読後感が爽快で、登場人物みーんないい人で、長さもちょうど良く、イヤな事が起こらなくて、不幸もなくて、なのに退屈はしない、宮部みゆきだからこの題材で書いても面白いんだろうな、と思います。冬休みの暇つぶしには最適だと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私にとってはおもしろかったです。結構宮部さんの作品は読んでいるつもりだったので、読んでいる途中どうせ最後はなんか殺人事件とか起きちゃうんじゃないの?とか何かしら哀しい事件が起きるのではないかな?と思いながら読んでみると、、、最終章は変化球、初恋小説となっていました。表紙そのままのきれいな作品に仕上がってるではありませんか。まあもちろんそれなりの伏線となる描写もあったし、それにハッピーエンドで終わるような話も多く書いてはいるが、こうもストレートに書いてくるとは、、、という感じでした。この本のもうひとつの特徴は、人物の「セリフ」ではないかと思います。はっとさせられるセリフが登場人物から突然出てきたりする場面が多く、まるでそのシーンだけ詩を読んでいるような感覚になりました。話の展開もあまり強引さはなく、ストレスを感じることなく読み終えることが出来ました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読み始めてまもなく向田邦子の『家族熱』を連想しました。そして『家族熱』の読後に抱いたやりきれなさが、『小暮写眞館』でみごとに解消されました。私にとっては、とても面白い本でした。 この本の装丁も面白いです。少しひねった考えかもしれませんが、ミステリー小説の装丁として受け取ると、あ〜、もしかしたらこの作品そのものをミステリーとして書きたかったのかな〜、物体Xを小説そのものとして、と思ったりしました。 読む人のイマジネーションでいろんな風にこの小説の謎を解いてみてください、というようなメッセージを感じました。だから読んでいて楽しかったですよ。 家族愛(親子愛、夫婦愛、同胞愛、孫への愛など)があり、友情、恋愛があり、近隣愛、職業への愛、住んでいる町への愛、子弟愛があり、人間への愛、時代への愛が、芸術への愛、鉄道への愛、映画への愛、建物への愛等々、愛憎絡めて葛藤が描かれ、宮部流テンコ盛りであります。 今、再読していますが、いろんな読み方ができるので二度目もおいしいですよ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
文章はテレビの連ドラを見ているような軽いタッチで描かれているのですが、ストーリーは、なんとない…このモッサリ感はなんだろう。 読んでみて、700ページもいらなかったのでは?と思いました。第四章が一番面白いのですが、ここにたどりつくまでの三章分の道のりが長い!!それも四章への伏線だったりするものも多いので、一概に不要と切り捨てるのも難しいですが。それにしても、こんなに大長編にしなくても、300ページくらいでなんとか収まったのではないかと思うのは軽率でしょうか。 もうひとつ、しっくりこなかったのは、登場人物にいまいち感情移入できなかったこと。別の方がレビューされたとおり、実際の高校生よりかなり老けてるってのもありますが、大長編の割には人物描写が薄いように感じます。というか、ストーリーの整合性を担保するために無理やりこじつけてるような感があります。北斗の拳の武論尊シナリオみたい、といったら言いすぎでしょうか。ちぐはぐ感はこの辺から出てくるのかも。 とはいえ、第四章では英一が親戚に痰化を切る場面や、そのあと柿本順子と別れる場面、ピカと英一が川の向こうの風子と出会う場面など、随所でグッとくる場面がありますので、読んでそこそこ楽しいのは間違いありませんし、読後の爽快感もあります。「終わりよければすべてよし」と考えれば、星3つといったところでしょうか。 余談ですが、小学生は「生徒」ではなく「児童」です。ブレイブストーリーでも同じ表現が散見されたのですが、編集者の方、気にならなかったのでしょうかね。 乱文失礼しました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
小説としては物足りなくも感じられたこの作品。ぜひテレビドラマで見たいと思いました。 写真館とか鉄道研究会とか、ディティールがうまく生かされていて、その上キャラクターも 際立っているのでドラマには最適ではないでしょうか? 主人公や友人の配役を勝手に考えつつ読んでみると、それはそれで楽しめました。 黄色い帯に書いてある「感動するよ」的なところはあえて期待しない方が・・・ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮部さんの本は読んだことがありませんでしたがベストセラー作家だし、ラジオで紹介されたのを聞いたりして期待して読みました。 ・・・が、期待が大きかったせいか、思っていたほど面白くは無かったです。残念ながら。 一番残念だったのは登場する高校生が「大人が想い描く理想の高校生」だったことです。「こんな高校生いないでしょ」と引いてしまいました、特に後半の方は。 「蹴りたい背中」の『まっ赤だな』的な「あー、あったあった」みたいな部分がなく、ひたすら理想(妄想)の高校生でした。セリフが明らかに30代の僕より年上なんですよね・・・、最近の高校生がませているのか、僕の高校生活がつまらな過ぎたせいなのか、わかりませんが。 幽霊とか心霊現象が題材の一部になっているのに、それ以上に非現実的な人間が主人公でいいのか疑問です。 あとは、テレビ化意識して書いているのかなぁとか、ズッコケ三人組の「モーちゃん」はお母さんからも「モーちゃん」と呼ばれていなかったかなぁとか思い出しながら読みました。 人間関係とか人の過去に重きがあるようで謎解きの方はそれほどドラマチックには描かれていません。そちらを期待している人はご注意ください。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ミステリーと思いきや、良い意味で裏切られました。後味が良い純愛の物語で、さすが宮部ワールド。心が温まりました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
もともと宮部作品が大好きなので、期待のハードルを上げて読んでしまう。 ということを前提に評価すれば... 期待以上でも期待以下でもなかった。 これだけの長い物語を一気に読ませるのは、やはりすごい作家だと思うし、 もちろん面白いんだけど、目新しい感じはしない。 つまり不満はないけど、大きな感激もない、という感じ。 あと、あえていうなら、高校生たちの描写が古い感じが否めない。 でも新作が出たら、きっとまた買う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
平凡な町で起こる少しだけ不思議な出来事。 平凡そうな家族にもそれぞれの想いと物語があり 淡々と、でも暖かくストーリーが語られていきます。 「魔術がささやく」、「クロス・ファイアー」、「龍は眠る」みたいな 爆発力があるわけではありませんが、ベテランの味とでも言うべき 味わいに満ちた作品です。 心に少し潤いを・・・そんな方におススメの作品です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
内容は、ハッキリ言ってしまえば青春群像劇&家族愛的なものにオカルト(?)要素を含めた感じのライトノベル だと思いました。 この内容で、この重厚さはキツイです。連作の形ですが、一つ一つの話の長さが一冊分の短編小説並みの分厚さ。 また、字も小さく、文章も長く、目の悪い私には、読み終わるのが大変でした。(握力も弱いので) 正直、主人公(英一)突っ込み多すぎです。 軽薄な小説に成り下がります・・対照的に古風な思考&言い回し・・?? 釣り合いが上手く取れていない為、全体的にアンバランスだと思いました。(無理して今風に仕立て上げる必要はなかったような・・)舞台、昭和の方が良かったのでは? 何だか、読んでいて、某作家の作風の言い回しに酷似しているなぁと、思ってしまいました。 宮部作品ですよね? キャラクターは、魅力的なのですが、かなりネジがぶっ飛んでいたりで、感情移入は難しかったです。(笑えましたが) 個人的には、店子君が良い味を出しているなと感じましたが、いまいち設定が良く分かりません。(色白痩せ形で、女の子みたいで、文武両立で、金持ちで、背が高くて、モテモテで、でも、地声が最低で、マイペースで、服装が派手で、髪の色は、休みに入ると、派手になる。でも、文化祭のときは、虹色の髪って?) ちぐはぐで、何度もページを見直したり、戻したり、(量が半端で無いからすぐは見つからず) 宮部さんも書いていて良く分からなくなったとしか思えないです。 個人的な感想ですが、あれだけの枚数を使っているのだから、ひとつ位、店子メインの話を。 というよりも、各キャラ視点の別物語を読みたかったです。 主人公が事務員に惹かれた理由も良く分かりません。 (この年頃じゃとりあえず、過去のある謎めいた年上の女出しときゃ惹かれるだろう的な厭な感じがしました。) 光の苦悩・・?無理にくっつけたとしか思えません。 表紙と帯で、凄く心温まる昔風(昭和)の写真屋さんのホンワカしたお話かな? と期待していたのですが。違いました。(心。まぁ、温まりましたが、肝心の所で英一が突っ込んでくるので・・) 最後まで、この作品で何をメインに伝えたかったのか良く分かりませんでした。 ライトノベルの大人向けと言うことでokなのでしょうか? 繰り返すようですが、笑えましたが。 帯に、「時間のある時にゆっくりどうぞ」みたいな事が書かれていましたが、逆に忙しい人にはお勧めはできないな。と思いました。 また、「小説の楽しみを思い出せる」みたいな事も書いてありましたが、それはどうだろう?というのが本音です。(重厚ですが、ライトノベル風なスパイスがあちこちで所見されますので。) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮部さんの初期作品からのファンです。久しぶりの現代小説。楽しみに読み進めていましたが…。練られた構成、文体なんだと思いますが、主人公の心情表現や比喩などあまりにバラバラ過ぎて、物語にのめり込むきっかけをはぐらかされてるような、居心地の悪さを感じました。ただ、やっぱり泣かされました(笑)嫁という立場がどんなに危ういものか、経験しているせいでしょうか。主人公よりお母さんやお父さんに、脇役達に、感情移入していました。次回作をまた期待してます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮部みゆきらしい文体、表現、描写で宮部みゆきらしい世界が次々と描かれている。 彼女の過去の秀作に優る飛び抜けたものとは言えないが、そうした秀作の飛び抜けた故になかった部分〜過不足感が本作にはない。 宮部マニアや彼女の特定ジャンル好きには物足りない面もあろうが、老若男女が遍く満ち足りた気になれる700頁というのは、宮部みゆきならではの出来映えだろう。秀作でなく、習作。誤用だろうが、私はそう評したい。 いつしか美しい表紙を意識もせず頁をめくっていたが、最後まで読んで改めて表紙に気付き、そのイメージと作品世界がピタリと重なり、自分の心に溶け広がった瞬間の至福。夏の一作として迷わず一押ししたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
いつも宮部作品は、 最初からひきこまれる筆力があって 最後までついつい一気に読んでしまっていたので 今回も楽しみにして購入したのですが 結果的にちょっとガッカリ。 いつもと違って読むのに時間がかかり 単純におもしろくないなあと思ってしまいました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最近は、「人間の本質をえぐる」ことを目的とした本が多いように思います。 それもなぜか悪の部分。 善の部分を書いている本もありますが、なぜか恩着せがましい感じがして腹が立つ。 この本に出てくる人はみな善人です。 みんなまじめでやさしい人たちです。 やさしい人たちのやさしいお話です。 暗い側面に気付いていないフリをするやさしい人たちです。 暗い側面に真正面から向き合って、前に進もうとする強い人たちでもあります。 人間のいいところだけを描く、ノー天気ポジティブ小説でもなく、 人間のどろどろした汚いところだけを書くのはなく、 暗い面を知った上で、それでもやさしく生きる人たちを書いてます。 ネガティブな感情で共感を得ることは簡単。 ポジティブな感情で共感を得る方が難しい。 何か新しい分野の本を読んだような気がします。 日曜日の午後に読みました。 子供のころ、図書館で本を借り、扇風機の前でアイスを食べながら、 本を読んだことを思い出しました。 新しい分野の本というより、昔読んだ本に戻ったのかもしれませんね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
一言、これは読むべき作品。 厚くて長い。でも読み終わって即効最初から読みなおしたくなる。本の世界にどっぷりはまって、自分もそこで一緒に生きているような感覚に襲われる。 何が言いたいのか、一言で要点を、作者の伝えたかったメッセージを述べて下さい。そう言われると、困る。 何がいいたいのかしら。いや、言いたいことはこんなことなんだろうな。曖昧でもやもやした雲のようなものが頭の中でうずうずする。 そこには多分家族愛だとか、幽霊っているんだよとか、人の幸せって何だとか、そういう類がつまっているのだろうけど、上手く的確に表現はしずらい。(他の読者さんは出来るのかもしれないが、わたしには無理だ) でも、だからこそこの小説なんじゃないか、という気がする。 素晴らしいと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮部みゆき、久々の新著。書き下ろし700枚以上。本屋さんに並んでいても、 目を引く(買う気もちょっと引く)厚さの本です。 物語は、小暮写真館(廃業した、古い写真屋さん)に引っ越してきた主人公 の高校生・花菱英一と、その廻りの家族(父、母、死んだ妹、弟)や友人の 関係の中で進みます。オムニバス形式の計4作品。どれも心霊(?)写真を鍵 にして物語は展開していますが、これはただの小道具(きっかけ)。物語の メインテーマは家族です。4作品は連続性もあり、全編が纏まりのある話と なっています。 著者の作品としては平均以下のおもしろさとは思いますが、安心して読め、 物語の魅力を堪能できる本です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
久しぶりに、小説というものを読みました。比喩でなく、文字通りですが… 1年ぶりどころじゃない、久方ぶりでした。 そんな日頃小説を読んでいなかった僕が、衝動的に小説を読みたくなり、 リハビリに選んだ相手が、この「小暮写真館」。 ぶ厚い。その量、700ページ也。辞書並に重いです。 それなのに、表紙の写真が綺麗だったのと、宮部みゆきという名前と、 「小暮写真館」というタイトルが好みだったのと、「王様のブランチ」で紹介してた、 という好条件(?)が重なって、買ってしまった。 読了してみて… どうやら、選んで正解でした。 とても軽快な文章で、あっと言う間に読んでしまった。 楽しく読みやすい本でした。 宮部みゆきって初めて読んだんですが、今までずっと「気になる作家さん」だったんです。 売れっ子作家。器用なイメージ。でも読まず嫌い、みたいな。 読んだら、納得しました。 なんだろうなぁ。バランス感覚なのかな。 上手い、と思いました。 主人公は、パッとしない高校生の男の子で。 キャラクターの濃い家族と一緒に、古い「写真館」に引っ越してくるところから物語が始まります。 ある日、1枚の不思議な写真が彼のもとに届き… 「なんとかしてよ!」 カテゴリーで言ったら「青春小説」なのかな。 読後、さわやかな気分になります。そういう本です。 ただ、世界観といい、キャラクターといい、ちょっとファンタジー寄り? 少し理想的すぎるかな、と感じました。 筆者のある意味での理想が描かれていたような気がします。 それはそれで嫌いではなかったですが、気になる人には気になるかも。 特に子ども達のカッコよさと言ったら!僕もこんな高校生でありたかった。 それと印象に残ったのは、圧倒されるような比喩表現の数々。 宮部さんって人はきっと、毎日ネタ帳に「気の利いた冗談」をメモってるに違いない。 読む人によっては胸やけするかも。 以上が、ひとに薦める際の注意点。 僕は日本語をセンスよく使う人って好きなのですが(←偉そう)、その点で宮部みゆき、いいですね。 「きれい」と言うより、「上手い」って感じです。 そうだな…「この夏、久々に小説でも読んでやるか」って方に、オススメ。かな? | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!