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ぼくのメジャースプーン



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ぼくのメジャースプーンの評価: 4.14/5点 レビュー 132件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.14pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全132件 121~132 7/7ページ
No.12:
(2pt)

起承転結の承転が少しインパクトが弱いような

読売新聞の読書紹介の記事で読んでおもしろそうだなと購入しましたが出だしはいいが途中は非常に退屈に感じました。ただ若い作家だけあって現在世の中の世相を取り入れられていると思います。
ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)より
4062763303
No.11:
(5pt)

現代の罪と罰とは?

不思議な力を持った男の子と,事件に巻き込まれてPSTDになった仲良しの女の子を取り巻くファンタジー,
という仕立てになっているが,扱われているテーマは現代的な愉快犯への「罪と罰」である.
自分で反省するはずのない犯罪者に何を持って償わせるのがふさわしいのか?
難しい命題を少年らしい視点から描いていて,みずみずしい純粋さ,
ナイーブさが伝わってくる.
単純な感動というだけでない,なつかしさや忘れていたひたむきさを呼び起こされるような読後感.
こういう小説に出会うことはなかなかない.
これを,少年と年長者の単なる禅問答にしてしまったら
退屈極まりない小説になっていただろうが,
「不思議な力」の謎解きとして進めるところに,
ストーリーテラーとしてのうまさを感じる.
さりげなく張られた伏線も最終章で見事にまとめられていて,
ジュブナイル的な予定調和だけでないハッピーエンドを作り上げている.
筆者の作品は「冷たい校舎〜」,「凍りのくじら」と読んできたが,
小説の構成力が急速に成長していてびっくりした.
文句なしの傑作.
ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)より
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No.10:
(5pt)

人に何かを考えてもらいたいとき、小説はどのように組み立てたらいいのか

「罪に対してふさわしい罰とは何か考えなさい。そうしないと、あなたはこのお話の謎が解けない」
この本は、小野不由美の「十二国記」と同様、物語を通して読者に何かを考えさせることを強く問うような性格を持っています。そしてその物語の枠組みとして、作者は入れ子状にテーマを設定しました。
小説が何を賭金として、読者と契約を結ぶのか、そのことを自覚的に意識しながら、この小説は書かれています。そのため彼女の他の作品(特に『校舎』と『くじら』)と同様メタ小説的な性格が強くなっています。
また『子どもたちは』から引き続いて登場する秋山先生が「教育学部」の先生であるという設定は、前作以上に効果をあげ、きわめて教育学部的な問題提起がなされています。
その分、この小説では物語のラストで現実感覚をひっくり返すというどんでん返し的な意味でのミステリー性は薄まり、ファンサービス的な味付け程度に抑えられていますが、ある意味全編が、前作『子どもたちは』)で残された謎の種明かし的な要素もあるので、本格ミステリーファンにはそれで勘弁して欲しいということなのかもしれません。
ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)より
4061824783
No.9:
(5pt)

子どもは〜の後日談

辻村先生の描く登場人物はほとんどが前向きで優しいので、暗い話でも温かく感じながら読めるので好きです。この作品も大袈裟ではない小さなどんでん返しが詰まっていてワクワクしながら読めました。子どもたちは〜の秋先生の行動の種明かしがあったのはうれしい驚きでした。ずっと気になっていて消化不良だったので。なので「子どもたちは夜遊ぶ」を読んだ後に読むことをオススメします。
ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)より
4061824783
No.8:
(5pt)

子ども書くの、うますぎ。

 辻村先生は子ども書くのうますぎです。ほとんどの作品に子どもが出てきますが、どれもほんとうまい。
 
 私のお気に入りの作品は『冷たい校舎の時は止まる』と『子どもたちは夜と遊ぶ』なんですけど、辻村先生の作品を最初に読むならこの作品がいいかもしれません。というのも、私が好きな2作品は2冊に分かれてて長いので(長さを感じさせない面白さですが)、これは1冊ですから手に取りやすいんじゃないでしょうか。
 とはいえ、内容は濃いですよ。
 小学生の目線からストーリーが進むので読みやすいし、小学生だった自分を時々思い出してふと懐かしくなります。これも辻村作品の特徴ですね。
 主人公に不思議な力の使い方や特質を教えてくれる秋先生がまたいい味出してます。すごく厳しい言葉をさらっと言ったりして、どきっとさせられるんだけど、それが真髄をついているようでぐっときてしまいます。
 うさぎが死んでしまうところは小説の中だというのにとても悲しかったです。ふみちゃんがバカにされたり、からかわれたりするのにも、こちらまで苛立ちました。書かれているのは単なる文章なのに、本当に怒っていることではないのに、そんなことを冷静に考えている余裕なんかいつの間にかなくなっているんですよね。
 面白くない小説はいつまでも読者を物語世界に引き込んでくれないものです。面白い小説はまったく逆。すぐに読者を引き入れて、現実世界になかなか帰してくれない。
 似たような世界観、似たような人物、似たようなテーマを扱っているにもかかわらず、毎回見事に違う味がする。
 新刊を買ってしまいたくなるのはそのせいでしょう。
 
 ともあれ、まだ味わっていない幸運な方はぜひ!!
ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)より
4061824783
No.7:
(4pt)

一人称だから描ける細かな心理描写

著者の四作目にあたり、前作『凍りのくじら』同様SF(少し不思議)な物語。
著者は講談社のメフィスト賞を受賞してデビューした期待の若手女流作家である。
デビュー作と二作目はホラー小説にカテゴライズされる作品で、一人称で物語を描き場面によって視点(語り手)が変わるザッピングの手法を使っている。
細かな心理描写が上手な著者だからこそ生きてくる手法であるが、視点がコロコロ変わるために読み難く深く物語りに入り込めないという人もいて好き嫌いが分かれる書き方である。
しかし、三作目とこの四作目『ぼくのメジャースプーン』はエピローグを除き全編を通して主人公の視点から物語が語られる。
それによりより深く主人公の心の動きが読者に伝わり、主人公との同化がしやすくて話しにのめり込んでしまう力がある。
個人的に三作目・四作目の辻村深月ならではのSF(少し不思議)な話の方がデビュー作のホラーよりも味わい深くて好きです。
話の伏線の配置やヒントのほのめかしも上手で作家としての実力は若手でトップクラスでしょう。
まずは読んでみてください。損はしないはずです。
ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)より
4061824783
No.6:
(5pt)

心と罪の重さを量るメジャースプーン

 あなたの友人が心ない者の行為で深く傷つけられたらどうしますか? あなたが誰にも知られない力でその者を罰することが出来るとすればどうしますか?
 小学四年生の「ぼく」の小学校で飼っていたうさぎを興味本位である男がずたずたに引き裂かれ殺されてしまった。無惨なうさぎの死体を最初に見ることになってしまった幼なじみの女の子はそのショックのあまり心を完全に閉ざしてしまったまま登校しなくなった。
 うさぎを殺した男は「器物破損」としてしか罰せられず、傷つけられた女の子はその後もネットで「消費」されつくした。
 「ぼく」が男に対して力を使うまでの1週間を、同じ力を持つ先生との話で紡ぐストーリー展開、ネットやマスコミの乱暴なほどの力や享楽殺害と「正義」とは何かをテーマにした重厚さ、そしてなによりミステリーらしいどんでん返しやスリル。
 考えさせられ、楽しませてもらい、ハラハラしながら、最後にほっとする……すばらしい作品でした。今年読んだ小説の中でもピカイチです。
 タイトルが平凡という意見もあるのですが、「メジャースプーン」が悪と正義の重さを量ってバランスを見て……とこれも良いタイトルだと思うのですがいかがでしょう?
ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)より
4061824783
No.5:
(5pt)

これはもう名作だと思います

 これは学校で飼っていたウサギを惨殺し女の子の心を壊した犯人に特別な力を持った少年が罰を与える話。まだ小学4年生だけどとても賢く同じ力を持った秋教授との会話では考えさせられる場面がたくさんありました。ウサギが殺される場面はとても悲惨で読んでいてとてもつらくなりますがそれは必要なものだと最後には必要だと思えました。絶対に買っても損はありません。ぜひ読んでほしいです。
ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)より
4061824783
No.4:
(5pt)

ハッピーエンドにホッ

だいじな友達を傷つけられた少年の心の闘いの物語で,
特殊な力を持つ少年はその力で犯人に罰を与えようと考えます.
物語は,同じ能力を持つ年長者との会話に終始するのですが,
道徳や倫理など,読みながら自分ならと考えるところがたくさん.
この年長者は,大人として能力の使い手の先輩として,
時に冷たく,ドライなことを少年に投げかけるわけですが,
決して,いじめとかそのようなひどいものではなく,
むしろ子供相手にひとりの人間として接する暖かさを感じます.
また,少年の側も冷静に賢い対応を見せるのですが,
やはり子供という反応を示すときもあり,この強弱がよいです.
最後はお決まりのハッピーエンドではありましたが,
子供たちの辛さが伝わってきていただけに,
とてもスマートでよい終わり方だったと思います.
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4061824783
No.3:
(5pt)

曖昧で不完全

あらすじだけ読むと今までの辻村作品に比べると劣る内容かしら?と感じたのですが、平謝りです。この方は何者なのでしょう・・・子供目線の描写がすごい。教育学部卒というのもありますが。しかも繋がってるんですね。あの作品と・・・なので読む価値アリです。
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4061824783
No.2:
(5pt)

ぼくのメジャースプーン

辻村さんのデビュー作に衝撃を受けてから、新作が出ると必ず読んでいます。今回の主人公は不思議な力を持つ小学生の『ぼく』。学校で飼っていたうさぎが殺された後の場面は読んでいて辛い。今作は特にいろいろ考えさせられることが多かったですね。ただ、今作のタイトルをイマイチって思ったのはわたしだけ?今までのが良かっただけに、ちょっと不満。
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4061824783
No.1:
(5pt)

色々な意味で楽しめます☆

クラスで可愛がっていたウサギが1人の男に惨殺されてしまった。
その第1発見者であるふみちゃんはショックのあまり茫然自失になってしまう。不思議な「力」を持つ“ぼく”がその男に与える罰とは・・・?
この作品は既刊『子どもたちは夜と遊ぶ』から2年後の世界を描いています。主人公“ぼく”が7日間かけて犯人に与える「罰」を考えるのですが、そのとき相談に乗ってくれたり、アドバイスをくれたのがあの“秋先生”なのです。名前こそ出てきませんが月子や恭司の登場もあり、懐かしさを感じさせます☆
『子どもたちは夜と遊ぶ』で結局最後まで明かされなかった秘密・・・
秋先生が2年前、真紀の彼氏に囁いた言葉の謎もやっと明かされるので、まだ『子どもたちは夜と遊ぶ』を読んでいなければ是非こちらから先に読まれることをオススメします。
作中で述べられていた
「誰かが死んで、それで悲しくなって泣いても、それは結局、その人がいなくなっちゃった自分のことがかわいそうで泣いている」
という言葉がとても印象深く残っています。
相変わらず巧みな心理描写と最後の引っ掛けに今回も楽しませてもらいましたv
ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)より
4061824783

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