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ロートレック荘事件
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ロートレック荘事件の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.44pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全70件 41~60 3/4ページ
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ミステリ小説の一冊として読んだか、筒井康隆の一冊として読んだのか。 とっかかりの違いで、評価ないし好悪がかなり分かれるのかもしれません。 長年ファンをやっている私は後者でしたので、トリックが判明したとき「ああ、これぞツツイだ!」と心の中で快哉をあげました。 他の作家ならば扱おうともしないだろう題材。それと向き合う人々の<裏返しの優越感>。招かれざる客があらわにする悪意。対するセレブ達がほの滲ませる俗物性…。200余ページの中に、私の読みたい筒井康隆が凝縮されています。 そして独特の騒々しさを纏った文体。前作『フェミニズム殺人事件』はいかにもそれにふさわしいスラップスティック調の作品でしたけれど、本作は同様の文体を操りながら、静謐な風景の中に痛切な悲劇を織りあげて涙を誘わされます。 筒井作品としても、ミステリ全般としても、常に私のオールタイムベストの上位に位置する作品です。 | ||||
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叙述トリックものって、いくらうまく騙せたとしても真相が面白くなかったりするのが多いが、 これには感心した。人に薦めたくなる。 | ||||
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所どころで感じる違和感が最後に分かり、納得です。みごとに騙されました。大変面白かったです。 | ||||
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そもそも第1章と第2章を読んで「あれ?」って気づいていたはず。「おれ」が違っている?「おれ」って誰? このあたりのトリックは掟破りじゃ!って憤慨してもだめで、他のレヴュワーがすでに何年も前に書いているので、これでおしまいにするが、文豪筒井にまんまと嵌められてしまったってことだ。 偶然手にすることができた本書だけど、なかなか面白かった。 | ||||
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実は本作の前に北山猛邦の「アリスミラー城殺人事件」を読み、そのトリックについて解説したHP等で元ネタはこの筒井氏の「ロートレック荘事件」という知識を得た上で本作を読むという不幸な読書体験になってしまったが、それでも十分に楽しめた作品である。 ボリュームもコンパクトでこのネタをやるためだけに存在するストーリーであるが、叙述トリックものミステリーを語る上で外せない古典作であることは言うまでもない。単行本の帯にメタミステリーというコピーがあるが、メタ的トリックではなく、純粋に読者を騙す文章トリックものである。随所に挟まれている絵画の挿絵の装丁も良い。 | ||||
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インターネット、というか2ちゃんねるでおすすめだったため購入。 トリックには最後驚かされ、筒井康隆という人物にまんまとだまされた、そしてそのトリックもびっくりしました。読み返してしまいましたもん。 あらかじめ最後にはどんでん返しがあると知っていたため、慎重に読んでいたつもりだったのですが、もっとじっくり推理しながら読むべきだったと後悔しています。文章がスラスラと読ませちゃうんですよね。 ストーリー自体にはあまり惹かれませんでした。なので途中までは結構退屈でした。まあ本文は薄いんですけど。 しかし、一見の価値はあると思います。筒井康隆という作家について残念ながらあまり知らない僕ですが、他の作品も是非読んでみたい、と思わせる作品でした。 | ||||
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ハサミ男も葉桜も慟哭も所詮ロートレック荘の二番煎じ。 ロートレック荘をトリックとしては初歩の初歩とか文章に始めからおかしなところがあったと私は気づいていたとかこきおろし、ハサミ男のほうを絶賛する方にあらためて問いたい。 ロートレック荘の前に日本に「はい、文章で騙しますよ〜。」といった叙述ミステリーが存在していたかを。 フェアじゃないってんなら、「ハサミ男」なんか題名からおもいきりフェアじゃない。あの国民的某推理漫画に同じようなトリックとして使われた時点でその程度のものなのである。 叙述ミステリー系に入りたいなら、一番初めに読むことをオススメします。 でないと昨今の二番煎じ物を読んで間違った判断をしかねません。 | ||||
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読み手の「願い」や「都合のいい解釈」っていうものを鮮やかに利用し、裏切って、どん底につきおとされる。恐るべし、筒井康隆。ただ、少しアンフェアな気がしないでもない。 | ||||
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面白いです。面白さをレビューには書けないのがツラいところですが……(笑) 何書いてもこれから読む人の楽しみを損ねることになりかねないので、あまり書けません。筒井康隆の作品では短篇集のエログロナンセンスっぷりが好きだったので、そういった要素を期待していたという意味では肩透かしを喰らいました。しかし、登場人物の描き方や落とし所は見事で、読んでよかったと思っています。傑作というよりは怪作。 | ||||
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はっきり言って最初の5ページ読んでなんとなく真相が読めた こうやってさ前評判でどんでん返しある凄い凄い言われてたら無理にでも注意深くなって気ずきやすくなっちゃうんだなぁ… でも面白かったしあんまり類のないオチだったので個人的に好印象。 なんでこれ解ったのにハサミ男はわかんなかったんだろ? | ||||
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日本のSFの大家、筒井康隆が書いたミステリ小説。主人公達が訪れたロートレック荘で起こる殺人事件を主軸に物語が進行する。本作の最大の魅力は、作品全体に張り巡らされた、大掛かりな「仕掛け」。この仕掛けによって、作品の地位を不動のモノにしていると言ってよい。コレは、思いついてなかなか出来るトリックでは無い。著者に相当量の文章力が必要であり、短い作品であるが、かなりの労力をかけて創られている。ただ難点を言えば、本作はこの「仕掛け」のみに焦点を於いて創られた小説であるという事。その為正直本筋の話は、大変文章が読みづらく、如何でも良い描写が長く続く為、ハッキリ言って読んでて苦痛な部分もあり、オチを除けば余り面白くない。その為、好む人はある程度限定されると思われる。 | ||||
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人里離れた別荘で起きた連続殺人――というベタなシチュエーションの なかに、映像化不可能な叙述トリックを埋め込み、話題を呼んだ本作。 一人称「おれ」の語りを活かし、ある事柄を読者 から隠しおおす、という離れ業を実現しています。 (ポイントとなるのは主人公の友人の絶妙な設定)。 とはいえ、読者を騙そうなどとは考えていないはずの語り手が、 誰はばかることのない内的独白のなかで、前述したある事柄 について明確に言及していない点は、若干ご都合主義的だと 言わざるを得ません(仕掛け上、やむを得ないとも思いますが)。 | ||||
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えっと、はい、私、推理ものはあまり読まないのです。ですから、この小説のトリックなるものが、もう手あかにまみれているのかどうか、その辺判断がつかないのですが、まあいわゆる「二度読まずにいられない」ってやつですかね。 もちろん、筒井先生は天才ですから、このくらい、普通に書いてしまうのでしょうが、何かある満足感がありますね…。 | ||||
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このトリック(と言っていいのか?)には驚きましたが、これは多くの方が触れているので、別のことを書きます。 読み進んでいくうちに、誰もが感じる大きな違和感、その最大のものは、「身体障害者である、彼が、なぜ、美女たちにこんなにもてるのか?」というものです。そう感じること自体が、身体障害者差別である、と感じながら、居心地の悪さを感じながら読み進みました。 トリックが明らかになり、この居心地の悪さすら、偽善でしかないことがわかり・・・ 筒井康隆に、「ほら、これが君の心の中の差別意識だよ。」と、目の前に示されたような感じです。 | ||||
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すれば、 お決まりの舞台で、本能剥き出しの劇中人物が踊り、お定まり通りの惨劇が幕を開け進行していく訳ですが。何がどう違ったか予測しえない 結末が待ち受けています。神秘的な構成力。最後まで著者の施した仕掛けに気づかなくても身震いするだろうし、途中でトリックに気づいても 同じように身震いするでしょう(ちなみに僕は後者、、別に自慢じゃないもん)。どちらの読者になっても幸せだろう。 そして、ただ欺瞞において前人未到の開拓を達成しただけではなくて、筒井らしい攻撃精神はジャンルが変われど存在していて、いや寧ろ 男と女の生々しい愛情劇を扱ったミステリーだからこそ、より痛烈に顕在しているのかも。愛や恋を無味乾燥なものにしてしまった社会に 対する批判・風刺じゃなかろうかこの絶望的なオチは。。ロートレックも真っ青です。 推理小説という手法を借りて出来た筒井康隆の一大芸術をご堪能あれ。 | ||||
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重樹が8歳の時だった。 滑り台で遊んでいたときに、スロープの中程から足で突き飛ばされ脊髄を損傷した。 その後、歩けるようにはなったが、重樹はロートレックのような容姿になった。 青年になった重樹は、昔暮らしたロートレック荘を訪問し、バカンスを過ごすことになった。 別荘の持ち主の友人達が集う、その敷地内で連続殺人事件が始まった。 昨年「イニシエーションラブ」を読んでからミステリーの叙述トリックに興味を持ち、評判が良いこの作品を読んでみた。 最後の方で、犯人がわかってからは正直ダレ気味になる。 そこまで詳しくやらなくても、犯人わかってるんだし。 それが、またしても最後の最後にヤラれてしまうのである。 エェーッと声が出てしまった。 なんだよこの本は。 しかし、ずるいな。 でもミステリーは本当に素敵だ。 | ||||
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筒井康隆が○○トリックに挑戦すると、こうなるのか! まさに、タイトルからトリックははじまっていたのですね。 画家のロートレック、この人のプロフィールをあらかじめ知っていると、さらに楽しめると思います。 それにしても、再度読み返して、筒井康隆の超絶技巧に唸りが止まりませんでした。 | ||||
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私は、これまでに、七瀬シリーズを始めとした8作の筒井作品を読んできたのだが、その中で最も良いと思ったのが、どういうわけか、彼の専門外であるはずの、このミステリ小説なのだ。 私も、一応は、海外物を中心に、世で名作といわれているミステリ小説は結構読んでいるのだが、この作品は、そうした名作群の中に置いても、決して引けを取らないだけの作品であると思うだけでなく、本職のミステリ作家では書けない(書かない)類いの作品でもあると思う。 本作のようなトリックを使った作品は、本職のミステリ作家も書いていることは書いているのだが、本職のミステリ作家だと、もっと別のテクニックも併用しているもので、これほど一つのトリックに徹底した作品は、いかにもミステリの専門外の作家らしいと思うのだ。もちろん、これは、決してけなしていっているのではなく、私は、大向こうを唸らすだけの、大胆かつ繊細な素晴らしい大トリックと絶賛していいと思っている。一部には、当然、アンフェアだという意見も出てくるだろうが、トリックを知ったうえで全文を読み直してみても、破綻は全く来していないし、それ以上に、そんな理屈を抜きにして、これだけのトリックを考え出した筒井康隆を素直に絶賛し、見事に騙されたという気持ち良い爽快感を味わった方がいいと思う。 もう一つありがたかったのが、ページ数がわずか214ページで、ストレスを全く感じることなく読めたことだ。これは、どういうことかというと、本職のミステリ作家の長編ミステリは、しばしば、ページ数を稼ぐために、あの手この手を使って解決を先延ばしにして、読者をいらいらさせることが多いのに対し、この作品は、そうした姑息な手法を全く使っておらず、すらすらと、一気に読めてしまうということなのだ。 この作品は、私の手元の本で9刷と、それほど部数は伸びていないようなのだが、もっともっと読まれてもいい作品だと思う。 | ||||
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筒井氏によるこの作品は、ミステリーとしてカテゴライズされる。 しかしながら、この場合は懐疑的な姿勢より文学を耽読するような姿勢で臨まれることを推奨する。 総てを理解した後、再び最初から最後まで懐疑的に読むことは非常に有意味な作業だが、まずは素直にゆっくりと読み進めてほしい。 私は当初、本作をミステリーを読む姿勢で臨んだのだが、真相が明らかになるにつれてトリックや謎についてはどうでもよくなってしまった。 心情の機微がひしひしと伝わってくるのだ。特に、典子と二人きりで語りあうシーンは作中最も秀逸なシーンであり切なさに心が痛む。総てを了解した後では一層…… 一字一句がトリックでもあり、文学でもある。この素晴らしさを読んで感じてほしい。 | ||||
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「おれ、筒井康隆がミステリを書いてやろうではないか」という衒いが鈍い輝きを帯びて文章から伝わってくる。「おれがやるからには、普通のものを書いてはつまらない」との声が聞こえてくるような、まあ奇を衒ったトリックを仕掛ける。しかしながら、叙述トリック自体は古くからよくある手法で、さして新しいものではない。この作品に価値を与えるならば、SF畑の人がここまで完成されたミステリを仕上げてしまった(しかも真っ直ぐにミステリの設定で)という点にあるだろう。照れ衒い嘲笑がそこかしこから窺い知れる(そこが筒井の一番の魅力でもあるのだが)。作品を作者から切り離してみれば至って凡庸、取り立てて称揚するほどのことは無い。だが、筒井康隆に帰着して考えれば、その懐の深さに舌を巻いてしまうのも、また事実である。 | ||||
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