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ロートレック荘事件
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ロートレック荘事件の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.44pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全70件 21~40 2/4ページ
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フェアとみるかアンフェアとみるかで評価が二分されると思う。 AはAである(A=A)という論理学の基本中の基本、トートロジーを根底からくつがえすトリック、 陳腐な四字熟語になるが、奇想天外と呼ぶほかない。 本格推理の中核に理路整然とした論理を据えるのが通例ならば、 ロジックの鉄則をいきなり破る、不敵な反則技といえる。 大反則を犯しながら、巧妙な叙述トリックで、筋を通しきっている。 SFほかジャンルレスに多種多様の小説をものす天才の鋭く柔軟な頭脳から 生まれたアイディアにほかならず、本格の専門家には為し得ない離れわざといえる。 機会、動機、手段いずれも凡庸でありがながら、余りある驚天の発想は他に類例を見ない。 トリックがわかれば、残る辻褄合わせがやや退屈なきらいがあるにせよ、 いちいち該当ページと行を指摘しているのは、細心の注意で叙述した自信のあらわれだろう。 ※画像・プロフィールは無視してください | ||||
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筒井康隆には珍しい、というか唯一の本格ミステリである。お屋敷に集まった若い女性たちが殺されていく。 読み終わって唖然とした。これはまさに、筒井康隆にしか書けないミステリだ。 動機と犯行方法に他の作家なら絶対に避ける要素が使われている。絶賛すべきか眉をひそめるべきか。 古くからのツツイストとしては「よくぞ書いた」と称賛したい。 なによりミステリとして良く出来ていて、面白いからね。 でも批判する人の気持ちもわかるし、その意見も尊重すべきだと思う。 一種の叙述トリックが使われている。最初から微妙な違和感があったので、途中で気づいてさほどの驚きはなかった。「おれ」が美男子扱いはありえないし。 複雑な感慨を残す怪作。筒井にしか書けない独自性を買う。 | ||||
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負け惜しみみたいなことを言えば、薄々そうじゃないかな、とは思ってましたよ!!一人称だし、最初から、あれ?この車何人乗ってんの?とか、思いましたしね!! でもまあ、おみごとです。 特に解決編の丁寧さは感心した。 ☆が4つなのは、単に私がミステリーに興味がないからで、他意はない。 | ||||
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レビューを見てみるとフェアだとかアンフェアだとかいう意見が散見されるが、この本の評価においては的外れだろう。そもそも読者に解かせるための話ではないのである。そういう話題を出すのは読者への挑戦状が挟まれている作品だけに止めるべき。また、仕掛けに気づいてつまらなかったという意見もあるが、これは仕方のないことだろう。なぜなら、作者があえて違和感を持たせるように書いているからである。 レビューでほとんど言及されていないので、この本のメッセージ性について述べる。 自身はこの手の仕掛けを好きではない。なぜなら物語上の必然性なく取り入れられるからだ。本書を読んだあとも苛立ちを覚えた。しかし、しばらく考えて著者の狙いに気づいたので評価をあげた。この書き方は単に読者を驚かせるためのイタズラではなく、読者の差別意識を浮き彫りにするためのものである。直接文章で表現せずに読者に気づかせるやり方は効果的だと思った。 会話はところどころ面白く、結末も胸に刺さる。全てが面白かったわけではないので4点とした。 | ||||
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本書のタイトルのロートレックは実は障害者を象徴する意味のみなのですが、途中に代表的な絵画作品が数多く掲載されていてお得な気分が味わえますね。まずブラックな笑いがお得意な著者には珍しく「侏儒褒章」なんて戯言以外は至って生真面目その物の筆致に驚きましたね。冒頭から幽かに違和感を覚えながら著者が読者を誤認させ誘導する手管に完全にしてやられましたね。ラストに漂う悲劇的な哀感にも心が痛みました。 実に巧いなあと思います。これが本当の「知らぬは読者ばかりなり」と言った所でしょうね。まあ相当の混乱状態の中で起きた出来事とは言え、だからこそ隠された事実を知っていながら渡辺警部は3人もの被害者の命を救えなかった事が不甲斐なく情けない無為無策の重大な責任問題だと思えますよね。それから49頁のロートレック荘二階平面図を見直してみて特徴的な表記の違いに嫌でも気づきましたね。本書もまたトリックの性格上から映像化が困難な作品でしょうね。後で振り返るとモヤモヤした最大の違和感は男なら誰もが嫉妬するモテ男の矛盾でした。 また例によって唐突ですみませんが、さだまさしさんの曲でロートレックが出て来る唯一の歌「たずねびと」の一番の歌詞を引用します。いつもの様にこの店のカウベル鳴らして ドアを開いて狭いカウンターとまり木にすがれば黙っていても出てくるアメリカンそれからほの暗い柱の陰にロートレックのおなじみのポスター常連達の吐息と煙草の海喘ぐ様に泳ぐレコード壁紙の落書きは 昔の青春達書いた人も書かれた人も昔の恋人達色褪せてうずくまる待つ人のないたずねびと ノスタルジックな雰囲気が渋い名曲ですので気になった方は何時か聴いてみて下さいね。 | ||||
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20年以上前に一度読んだときは「ああそういうオチか」とさしたる驚きもなかったが、 そのかんじんなトリックをすっかり忘れていたこともあって久々に再読。 本編~解決編と読み続け、その種明かしを知った上で本編を再読すると、 そこには一度目とはまったく異なる物語世界が展開されることに驚嘆する。 まさに1冊で2冊分の面白さ、読者にはぜひ「二度読み」をお薦めする。 | ||||
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ちょっと途中からネタバレしたが、さすがに読み飽きず面白かったです。 | ||||
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今、敢えて。 皆さん、この小説を、文学部唯野教授の後に読まれましたか? あるいはこの後に、文学部唯野教授を読まれましたか? この小説だけを読み返すのは不充分です。 文学と、文芸批評に対する挑戦、と取れませんか。 この一連の流れが、アグレッシブで私は好きです。 | ||||
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あんな奴がなぜモテる? そんな疑問は最後に解決 人間扱いさえされてなかったのね | ||||
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ロートレック壮事件のランキングがいいので購入してみました。ミステリー小説はよく読みます。 | ||||
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破天荒なSFからスタートして後年には文学を目指した筒井康隆。そのこと自体には毀誉褒貶があるけれど、この本については彼の文章技巧が冴え渡り、鮮やかに騙された読者に爽やかな読後感を残す。伏線は様々に張られている。しかし気づかない。人の思い込みを上手に活用して、我々を手玉に取っているのだ。 避暑地の別荘に新進気鋭の画家を巡って三人の令嬢の思惑が交錯し・・・という舞台設定はアガサ・クリスティ以来のミステリーの伝統を踏まえており、時代設定が1990年前後でありながら古色蒼然としたやりとりが展開されるあたりも何かのオマージュか、と楽しめる。そこに虚飾や劣情、攻撃精神といった毒が回ってきてこその筒井文学なのだが、その辺も次第に明らかになってくる。 加えて、背景小道具の一つに過ぎないにもかかわらず、ロートレックの絵をふんだんにあしらう贅沢さには当時の筒井康隆の人気が偲ばれる。断筆宣言なんてする必要あったのか、と思い起こしても詮方ないのだけど。 | ||||
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ミステリーとしての質の高さは、充分周知されていますが、この作品において何よりも素晴らしいのは、その物語の悲劇性でしょう。我々の持つ無意識的な差別を浮かび上がらせており、人と対等に接する、とはどういう事かを、考えさせてくれます。類い希なる傑作だと思います。 | ||||
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ある程度の推理小説を読んでいてかつ、叙述トリックという前情報を仕入れていれば、序盤で違和感を感じると思います。 推理小説ではありませんが似たような型の作品を知っていたので、1章から2章での構成で正解のトリックが候補として頭に浮かび、4章で確信しました。 トリックがわかれば後は物語や人物の魅力のみになってしまうのですが、やり取りなどをみて、最終的に犯人の心情も予想でき思ってた通りの方向でしたので個人的な視点での評価は低めです。 しかし、初版が1990年ということ、解説を読む限り当時はこの型が知れていなかったことを察するに、当時に読んでいたのであれば楽しめたでしょう。 読者を楽しめるために、新しい型を遂行した筒井さんに感服です。 | ||||
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私は、いわゆる叙述トリックが好きで、いろいろなものを読んでますが、このロートレック荘殺人事件はトップクラスになるほど〜って思いました。 ただ、全体的に盛り上がりに欠けていて、種明かしの解説の部分も読みにくかったですね。 でも、トリックとしては秀逸なので、読んでみる価値は十分にあると思います。 | ||||
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映像化不能。言語トリック。二度と楽しめるというコメントを見て、かなり期待して、読みました。面白かったです。注意して読んでいたので、このトリックが判明したときに、いい線まで行っていたのが、さらに嬉しかった。何故、ロートレックという画家から小説のタイトルをとったのかは不明。小説の中に書かれていたことなのでしょうか。 | ||||
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わざとなのか、文章は少し読みづらく、僕の想像力の乏しさからか、館のどこに誰がいるか理解しづらかった。とは言うものの、本作はそういった把握ができなくても十分に楽しめる小説であり、リアリティーさは足りないが、全体に散りばめられたトリックは見事でした。 頁数も少ないので、気軽に読めるのでお勧めです! ただ終盤の解説編は少し蛇足だったかなぁ。自分で読み返しながら「なるほど!」と楽しむのに…。 | ||||
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色んな叙述トリックミステリーを読みすぎてるせいか、さほど衝撃を受ける結末ではなかったと言うのが正直な感想です。 ずいぶんと読みにくいなぁと思いながら読んでいましたが、仕掛けのせいだったんですね。。 あっ!!と驚くミステリーにまた出会いたいです…>_<… | ||||
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筒井康隆先生の作品は短編しか読んだことが無かったので長編は今作が初めてでした。 どんでん返しというかトリック自体は東野圭吾先生や歌野晶午先生や我孫子武丸先生などの作品、あるいは古いところではクリスティのアクロイドなどで使われている手法ですのでミステリー好きな人はタネがすぐに分かってしまうと思います。 ただ、この作品が傑作なのは、どんでん返しの後に判明するラスト数行の真相の記述にあるのでそこまで読んで評価していただきたいと思っています。 筒井康隆先生、天才! | ||||
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叙述トリックと知りながらも、どんでん返しには鳥肌が立った。最後の種明かしは、ちょっと野暮かな。 | ||||
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トリックが見事なのは言うまでもない。 真実が分かった時は驚きで唸った。 そして、そのトリックによって自分の内面を浮き彫りにされたことに驚嘆。 読みながら違和感を覚えていた時点で、自分が他人に対して『ある意識』を持っているのだと認めざるを得ない。 自分ではその『ある意識』を持っていないと思っていたが、本書を読んでそんなことはなかったと知った。 是非この作品を読んで驚いてほしい。 | ||||
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