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ロートレック荘事件
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ロートレック荘事件の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.44pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全32件 21~32 2/2ページ
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始めの文からこれは一体誰の視点で語っているんだろうと思いました。「おれ」に何故か明確な名前が無かったり、「重樹」を傷つけたんじゃないかと思われる「工藤」という男がその割にはチャラい発言がずっと引っかかってましたがトリックを知って「なるほど」と思いました。違和感を与えてはいけない、欲を言えば違和感を逆手にトリックに組んだら「やられた!面白い」という感覚になったのでしょうが…惜しいです。小さな違和感が作品の良し悪しを作用すると思います。あと登場人物が度々フルネームで表示されてるのにはありがたかったです。予備知識なく読んだのですがあまり面白いとは思いませんでした。平成というより昭和の作品みたいな、小学生が考えた様なトリックだけというかミステリー好きじゃなくても味気なく感じるでしょう。他のミステリー作品もこんなあっさりしてるんでしょうか?トリックを考えるのって大変ですね。 | ||||
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いやはや、賛否両論あるのでしょうが、まずは脱帽させられました。 にしても、記述の内容から、何となく浜口重樹イコール「正常男性」の匂いがしていたので、禁じ手とまでは云わないものの、読者を混乱させて何が面白いのかという気がしないでもありません。 また、アラ探しをすれば、弾丸の射入角度から明らかに犯人が推定できるでしょうし、馬場金蔵のゴム手袋(161頁の記載振りからすると新品と思われる)の裏から鑑識で指紋を検出することは容易なのでは、という疑問も浮かびました。 なお、牧野寛子との初夜の描写(81頁)は、結構萌えでした。 | ||||
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そもそも読もうと思ったきっかけが、「叙述トリックの良作」ということを小耳に挟んだからなのですが、これがいけなかった。 身構えて読んだら、序盤からトリックの肝の部分がなんとなく判ってしまった。 描写が明らかに不自然なんです。 フェアと言えば聞こえが良いですが、気付いて損した気分です。 叙述ものだと知らずに読めば、気にしなかったかもしれません。 でも、私の場合は知らなかったら読む機会もま無かっただろうし。。。 ジレンマですね。 叙述トリックものとしては、初級編ではないでしょうか。 | ||||
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9ページ目の車内のシーンで(まだ事件も起こっていないのに)トリックがわかってしまい、そこからは、どう誤魔化して記述しているのかをチェックするのみに終始してしまいました。 やはりこの手の叙述トリックは発売当時に読まないと風化してしまうのかと寂しい気持ちがしました。 ストーリー自体はとても読み易く、何よりも短くて飽きさせないところが良いです。 トリックがわかっていたにも関わらず、犯人と動機に関しては後半まで確信が持てませんでしたが、「結局こっちだったか」という感想です。 人間のエゴと割り切ってしまうにはあまりにも悲しい愛情、悲しい関係。 個人的には結構泣けました。 ※以下ネタバレを含みます がしかし、叙述トリックに関しては、アンフェアが過ぎるという第一印象を持ちました。 叙述者が”同じ一人称”でコロコロと入れ替わるという手法を用いていますが、これはミステリーとして絶対にやってはいけないルール違反(地の文での詐称)ではないでしょうか? 仮に「同じ一人称の叙述者が、実は10人入れ替わっていて、どの部分が誰の心情だかわからないようになっていました」というトリックだとしたら、読者は何を頼りに地の文を読み進めていけば良いのでしょうか。 ・・・と思ったのですが、 一章と二章の語り部が変わっているということが読者に前もって提示されているので、この本は語り部が変わっていく話なのだと宣言されているという意味においてフェアなのかもしれないと、考えが変わってきました。 どちらにしても、叙述を三人称で統一するか、呼び名を工夫するか、もう少し上手く騙せなかったものかと思います。 他の例を挙げると、「イニシエーション・ラブ」もこれと似たトリックを使っていますが、叙述者を混同させるようなことはしていません。 きちんとストーリーとセリフの中で人物を描き、名前の呼び分けに関しても工夫が凝らされています。 (もしかするとこの話を元に弱点を補強して構築したのかもしれないと感じました) また叙述トリックでつくづく難しいなと感じるのは「不自然な呼び方」についてです。 「葉桜〜」はこれが一つの要因でリアリティを欠いていると思うのですが、この話に関しても無理を感じます。 特に部屋割り図の記載に関しては、私はこれではっきりとトリックを確信しましたが、あからさま過ぎる無理な設定に苦笑してしまいました。 叙述部分の人称と、呼び名と、最後のくどい引用解説さえ、もう少し切れ味良く描かれていれば(多いですが)、文句のつけようのない名作になったと思います。 | ||||
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読んでいる最中に特に違和感を感じたのは 会話のやりとり(誰が誰に話しているのか?)が非常にわかりづらかったこと。 そして読み終わって、トリックを知った時の最初の感想は こんな書き方フェアじゃない! という物でした。 必要な情報を敢えて伏せておいて、読者に誤解させるやり方に 軽い憤りを感じてしまいました。 しかし、トリックを知った後に再度要所を読み直してみると 確かにうまく具合に事実関係が破綻しないよう書いているという事は分かりました。 読み直してみて評価は多少上がりました。 そうはいうものの やはり、あの設定での登場人物同士の会話としてはかなり不自然で、 通常ではあり得ない物だと感じました。 ミステリーにしろ何にしろ、どのような奇抜な設定だったとしても その中での登場人物の言動には一定のリアリティーは必要だと思っています。 そして、この作品に限ってはそのリアリティーが無かった。 トリックの前提からしてしょうがないのですが、 その点が残念でした。 | ||||
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2回読みたくなる本という割には文章が読みにくく、読み返す気になりませんでした 同じような謳い文句の「殺戮に至る病」「イニシエーション・ラブ」などはすぐに読み返したので、作者の力不足かなと 文章の書き方が不自然で仕掛けがあると気付く人も多かったのではないでしょうか? とは言うもののページ数が少なく、すぐ読み終わる点&最後のオチは良かったので星3つです。 | ||||
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この手のトリックは大好きです。 ラストの1行で真相に気付く快感がたまりません。 しかし、この作品は少々荒い印象を受けました。 もともと筒井康隆は推理小説の書き方は知っているものの、ジャンルとしてはほとんど書いていません。 ですので読者に与えられるべき最低限必要な材料が書かれていないように思います。 もちろん、会話中心の文章が多いということです(トリック上、仕方ないのかもしれませんが)。 確かにそれ以外のことを詳しく書いてしまったらすぐに分かってしまうのですが、その点で少し雑かなと思いました。 勘の良い方なら、最初の会話時に不自然だと思えばすぐに分かるでしょう。 しかし、この本が出版された時は90年です。その時点でこのトリックを書いたことは凄いと思いました。 | ||||
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本を手に取った第一印象は「薄!!」ということ。ミステリでは珍しい話の短さではないでしょうか。すぐに読み終えられます。実際内容も薄い印象です。人物描写はもっと丁寧に描いても良いし、犯行計画も投げやりでもっと練れると思うのですが、これが筒井氏の作風なのでしょうか?といっても決して駄作ではなく、長めの移動の時や休日の時間つぶしにオススメできます。語り手に感情移入できないし、しなくても良いと思うので、本の世界にあまり入り込む気がない時に良い本だと思います。しっかりと読み込む時がディナーだとしたらこれは軽食です。サンドウィッチとコーヒーでもつまみながらどうでしょう?読後の感想としては○○トリックではお気に入りの部類です。あと最後が悲しい。事件の背景にあるのは現実にもよくあるすれ違いであり、決して犯人だけが悪いのではなく、全員の利己と保身が招いた悲劇だと思います。切なさの残る読後感でした。 | ||||
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筒井康隆のミステリー(メタ付き)というので読んでみたが、 結論からいうと、最近のミステリー系の作品を読み慣れると、 いまいちびっくりしないし、物足りない。 1章目と2章目で語り部が変わったのには何かが意味がありそうだな、 と思ったら案の定でしたね。 後説が物足りない、というか、くどいというか、 グダグダでのぺーっとしてしまっているのが残念。 筒井氏だけにもうひと工夫あると思ってしまったぼくは 欲張り過ぎかなあ? | ||||
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さすが筒井氏の推理小説と言ったところである。 トリックの有無や、なぜロートレックなのかと言った意見が賛否両論あるが、決して騙されたと思って読んでも後悔はしないと思う。無駄を省いた文章や2.3日で読める長さなのでぜひとも読んでほしい作品である。 | ||||
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本書が刊行された当時(1990年)は前人未踏のトリックなどといわれたものだ。 この映像不可能というトリックはいまではさほど目新しくもないのだろうが、当時はなかなか楽しんだ憶えがある。 このトリックは、まったくのアンフェアである。だが、筒井康隆がこういうトリックでミステリーを書いたというところにぼくは一種の快感を感じてしまうのだ。あの「アクロイド殺し」もおよびでないのだ。 真相を知ってから読み返すと、さらに楽しい。ものは書きようである。ほんと舌を巻いてしまった。まさしく綱渡り。「皇帝のかぎ煙草入れ」も真っ青。 古典的な舞台であまりにもオーソドックスな事件が描かれているだけのこの作品は、おそろしく挑戦的なアンチミステリなのだ。 でも、本書はトリックだけのミステリではない。ラストに到って犯人の痛みを感じやりきれない思いを味わった。本職でない分野なのに筒井康隆大健闘なのではないだろうか。彼のミステリでは、有名な「富豪刑事」の前例があるが、トリックの大胆さでは本書の比ではない。 なかなかの野心作ではないだろうか。 | ||||
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概ねミステリとは最後に探偵が真相を説明する。それは「後説」と呼ばれ、明快に説明してみせなければならない(そうじゃないとテンポが悪くなる)ベストなのは後説すら必要としない真相そのものズバリを見せつけることだが、本書はその点で不満が残る。説明を要せずとも驚きで頭が真っ白になる作品もあるのだ。下記はその点で優れた作品である。衝撃的に、また鮮やかに真相を読者の前に突きつけ、頭の中を真っ白にしてくれる。未読の方は是非読み比べてみてほしい。ハサミ男(殊能将之)殺戮にいたる病(我孫子武丸)鴉(麻耶雄嵩) | ||||
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