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奇跡の人



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【この小説が収録されている参考書籍】
奇跡の人
奇跡の人 (新潮文庫)
奇跡の人 (文春文庫)

奇跡の人の評価: 3.06/5点 レビュー 53件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.06pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全18件 1~18 1/1ページ
No.18:
(4pt)

記憶喪失者による自分の過去探し。ぐいぐい惹きつけられるストーリーとタフな精神性の主人公。

脳挫傷による植物状態から8年のリハビリをへて、記憶喪失が残るものの社会復帰の第一歩を遂げた主人公による「過去の自分探し」 の物語が、看病をする母親の日記とクロスオーバーして展開してゆく。タフでハードな物語であり、主人公は揺るがない精神性を持っている、文章の優れたぐいぐい惹きつけられていく社会派小説だ。ただし、過去探しというミステリ仕立てではあるが、或るところまでで提示された証拠からエンディングが推論できるようなパズラーではない。そのため、結末をあれこれ考えて読むと失望する。この点で星をマイナス1つ。
奇跡の人 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:奇跡の人 (文春文庫)より
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No.17:
(4pt)

共感や感情移入だけではない面白さ

共感や感情移入のさせ方だけで、小説の面白さは決まらないと改めて思わされた作品。31歳だけど、中身は小6レベル。しかし言葉遣い、日々の生活に必要なマナーや知識に関しては、普通の小6とは比べ物にならないくらい持ち合わせている。そんな人間が、頼る人間がいない状況で自分の過去と愛し合っていた人を知りたくて、欲望を抑えられなくなっていく。共感出来るワケがない。しかし、『この男はどこまでやってしまうのか…病院にいた気の良い彼はどこにいってしまったのか…お母さんの愛を台無しにしてしまうのではないか…』と気が気でなく、怒りや悲しみの感情が突き動かされる。人間としての幼さや寂しさ、優しさとはをイヤな局面から上手く切り出していると思う。個人的には、やはりハッピーエンドで終わって欲しかった。克己が、今の自分を知る人達のトコロへ帰り、最後に母の手記の一節で締めくくるといったラストを期待してしまった。
奇跡の人Amazon書評・レビュー:奇跡の人より
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No.16:
(5pt)

確かに冗長で長いが、評価としては100点でしょ?

当時リアルで見た読者の一人して、最後まで展開の面白さにドキドキしたもんだ。
そして読み終わった後のカタルシスに酔いしれた。
また、母の愛に涙した。
和己が過去の自分と交差するシーンが面白い。
非常に強い生きる意志を、主観的かつ客観的(本当の和己と記憶喪失の和己という手法)に文章で表現しているスキルが凄すぎて、
とんでもない作家だと思う。
このシーンだけでも皆に読んでもらいたい。
奇跡の人Amazon書評・レビュー:奇跡の人より
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No.15:
(5pt)

純粋に面白いです

文庫発売当初に購入したものを久々に再読してみました。
母から克己への手紙から始まり、亡くなった母の日記とぼく=克己目線で語られる物語。
脳死の1歩手前の状態から奇跡的に回復し、まだ左足と左手がスムーズには動かないものの杖を使って歩けるまでになった克己。
過去の記憶は全て失って、赤ちゃんのように何もかもを一から覚えなおした克己。
8年間の長い長い入院生活を終え、周囲の人の手を借りてひとりで生活を始めた克己。
そしてずっと疑問に思っていた過去の自分を知るために調べ始めた克己…
後半は、たくさんの人に迷惑をかけストーカーのようになってしまう。
このことから厳しいレビューが多いように感じましたが、私は読んでいて何の疑問も不快感もなかったです。
事故で全ての記憶がいったんリセットされたということは、克己は8歳の子供と同じようなレベルに考えないといけないんだと思う。
お母さんや院長先生などいろんな人に社会の常識を教えられていたとしても、8年間病院で生活していた8歳児のすることだと考えれば、自分勝手に行動して周囲に迷惑をかけまくることも別に不思議でも何でもないかなと。
それもこれも他の方のレビューを読んで、自分には違和感がなかったけど何故?と考えてみて出した答えであって、読んでる最中にはそんな深くも考えませんでした。
エピローグも否定的な意見が多いようですが、母のプロローグから始まった物語なので、全体的に見ればよく出来きた作品じゃないかと思いました。
初めて読んだとき、「上手い!」と思った記憶があるし…
再読後の感想としては、あの夫は捨てて「母」になってもいいんじゃ?と思いました。
好き嫌いはあると思いますが、私にとっては奪取やホワイトアウトと並ぶくらい好きな作品です。
純粋に面白かったです。
奇跡の人Amazon書評・レビュー:奇跡の人より
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No.14:
(4pt)

人間の強さ

 奇跡―この物語の主人公は、まさにそれを体現したと言える。この言葉を聞いて、あなたは何を思うだろうか。たまたま運がよい人に起こることと思うかもしれない。しかし、それは違う。宮本延春という高校教師がいる。彼の中学時代の成績はオール1。入れる高校がなくて大工見習いになったぐらいである。しかし大人になってから勉強に目覚め、定時制高校から現役で名古屋大学理学部に合格してしまう。生まれつき頭が良かったのだという解釈もできる。しかし、私が言いたいのは本当によりよく生きたいという強い願望と意志を持ち続ければ、たいていの人は奇跡が起こせるということである。そんなメッセージがこの本からは感じ取れる。
 全体を通して、人間に対する暖かい視点が伝わってくる。たぶん、著者の人柄なのだろう。
 主人公は寝たきりの状態から奇跡的に回復し、自分のルーツを必死で探ろうとするが、なぜかそれは秘密にされている。そしてそれが明らかになったとき、私たちは衝撃を受けるだろう。さすが乱歩賞作家だけはある。単なる感動のヒューマン・ストーリーなどではない。ミステリー的な要素も十分入っている。それまでの暖かい世界観が崩れ去り、真実が明らかになる。それはこの物語を読んできた読者にとっても受け入れたくないものに違いない。が、現実はそう甘くない。最後に事実が明らかになったとき、胸が苦しくなった。これが小説の持つ力であろう。それでも、ラストシーンでは、またかすかな希望を残して物語は完結する。
 人間が持つ強さ、愛が起こす奇跡―読んで損はない、感動作である。
奇跡の人Amazon書評・レビュー:奇跡の人より
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No.13:
(5pt)

奇跡の人の意味

「みんながぼくを奇跡の人だと言う」本中に何度も出てくるセリフ。
奇跡の人とは、あくまで周りから見たことで本人にとっては人間として生を全うしていただけのこと、奇跡が起きたからと言っても人間なのだから悪いこともするし、失敗だってある。リアルで現実味があり、引き込まれました。「奇跡の人」というタイトルだからと言って、神秘的な空想の世界を想像していたらいい感じに裏切られます。でも、私はそこがとても面白かったです。人間の見たくない汚い部分がストレートに描かれているが、そこから脱しようとする主人公の奮闘振りがたまらない。
奇跡の人Amazon書評・レビュー:奇跡の人より
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No.12:
(4pt)

昔の記憶をなくした辛さ

事故で過去の記憶をなくし、奇跡的に命をとりとめた男性の話。赤ん坊のような状態から8年という長い時間をかけて再び成長したが、唯一の身内である母親を亡くす。退院をして、事故を起こす前の自分はどんな人間だったかを探るために東京に出かけた。そこでは、信じたくないような辛い真実が待ち受けていた。後半は、過去に犯した罪に衝撃を受け、現在の自分を否定したりしていて、主人公の不安や戸惑いがドンドン流れ込んできて苦しい気持ちながらも引き込まれていきます。ラストは、ちょっと予想外な感じですが、それもいいかなと思います。本筋とは別ですが、主人公は8年間も病院で暮らしており、退院してからも身体が少し不自由で世間慣れしていないので、周囲から「頭のおかしい人」と見られたりして事件が起こります。主人公は、何も悪いこともおかしいこともしていないのに、酷い扱いを受けることもありました。そしてもちろん、彼の事を理解して助けてくれる人もたくさんいました。彼のような身体に障害を持った人たちの気持ちなどが見事に描写されていて、私自信これからの人生でそのような人たちに対する見方が変わったように思いました。
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No.11:
(5pt)

自分の内側と闘う物語

事故で記憶をなくした主人公が、0から「生きる作法」を身につけていく感動の前半。過去の自分を探し、病院→事故→住まい→ご近所→友達→恋人と見つかっていくアドベンチャーな中盤。後半では、読みにくい部分で、「醜い」自分の発見。過去の記憶がクリアされた主人公にとって、その「醜さ」は持って生まれたものか、記憶のない過去の経験から体の奥に刷り込まれたもの。ラストで、その「醜さ」と闘おうとした「新しい」主人公に共感しました。最後に、真保裕一さんは「ホワイトアウト」も「奇跡の人」も文章のリズム感が良いので、声に出して読むにはピッタリでした。
奇跡の人Amazon書評・レビュー:奇跡の人より
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No.10:
(4pt)

苦しいけど読ませる本

読み進めば読み進むほど、苦しく切なくなり、さらには主人公に怒りを感じてしまうほどなのに、どうしても先が気になって、一気に読んでしまった。他の方も言っておられるように、後半は主人公の身勝手さが鼻につき、とても共感できるものでは無かったけれど、「小学生レベル」という設定からすると、それも作者の思うつぼなのかも知れない。共感できないのに一気に読んでしまう点、すごい本と言えるかも知れない。
奇跡の人Amazon書評・レビュー:奇跡の人より
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No.9:
(4pt)

微妙です・・・

昔、ドラマでやっていたのを見ていて、あれからもう4年近く経ちますが、初めて原作を読みました。たいてい、ドラマは凝縮されているので、原作の方が数段おもしろいものですが、この本はドラマとは少し違った人物設定で、別な作品として楽しむことができました。びっくりしたのが、ドラマの配役は、原作にピッタリ。本を読んでいても、ドラマの彼ら、彼女らが、かぶりまくります(笑)まぁそれは置いておいて・・・内容は、他のみなさんが言っているとおり、最初は前向きにいろいろな困難を乗り越えていく主人公ですが、後半になるにつれて、身勝手な行動が目にあまり、ちょっと残念な展開になっていきます。でも、冒頭は、涙がこぼれそうになりました。。。最初の13ページを読むだけで、この本の価値はあると思います。この主人公のお母さんは、本当にすばらしい人です。それだけは間違いありません!読み終えたときの感想としては・・・普通は原作の方がよいものだけれど、私はドラマの方がよかったです。でも、主人公の行く末が気になり、早く先が読みたくなる、一冊だと思います。ぜひ一日で読みあげてください☆
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No.8:
(4pt)

自分探しの誠実さと不愉快さ

車の大事故の後8年間の治療とリハビリテーションを経て、母親の献身的な看護の後、植物人間から回復して社会復帰した男が主人公。母は主人公の退院の前に病死した。主人公は事故後の記憶は全くない。母親が、字を(再度)教え、人間としての最低限の知識を教え、社会生活の基本を教え、ようやく中学生程度の学力と知識を持つようになった。病院では「奇跡の人」と呼ばれ、印刷会社に就職することができる。こうした物語前半のプロットと展開、新しい人生を一所懸命に生きて社会生活に慣れようとする主人公の姿はすばらしく描かれている。時速100ページの勢いで読み進んでしまった。物語の後半は、過去の自分について知りたいという欲求を抑えきれずに「自分探し」を追求する展開。前半までは主人公は前向きで誠実な人物の典型なのだが、失った自分の過去に少しずつ出会っていく後半では不愉快というか「もうそのくらいにしておけば」と思いたくなる人物像へ変化してゆく。主人公の純粋さもあるものの、この展開は読んでいて気持ちのいいものではないし、自己中心的ではあるものの、自分を知りたいと思ったり、人を好きになるという、人間の根底をなす部分をあからさまにストレートに見せられるせいもあるかもしれない。なんとなく読後感の悪さはあるものの、それは自分の(できれば)見たくない部分を見せられた(見てしまった)ことによるものかもしれない。
奇跡の人Amazon書評・レビュー:奇跡の人より
4048730495
No.7:
(5pt)

読み止らない!!

この小説は、主人公が8年前に事故で無くした記憶を探すというストーリーなのですが、とにかく、話が進めば進むほど、引き込まれ、この主人公がどうなるのか気になるばかりで、最後まで、読み止らなかったです。そして、最後の結末には驚愕。とにかく、最後の最後まで非常に読みがいのある小説です。
奇跡の人Amazon書評・レビュー:奇跡の人より
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No.6:
(4pt)

奇跡の人による(?)「奇跡の人」

ホワイトアウトに続いて,この著者の本をたてつづけに読んだ時期があった。どれもそうだが「参考文献」として掲げられた本から,色々調べて書いているのがよくわかり,「現役XXXによる作」と銘打った他の兼業(?)作家の作品に引けを取らない臨場感を感じる。(この作では,医者で作家の米山公啓を思い出させた。)さて,本書の内容だが,母の手紙とノートに始まり,どんな内容なのか予想も付けられないまま読み進んでいくと,半ばから予想した展開さえもまた覆される意外な結末。(因みに,先回りして終章を読んだって,この展開はきっと読み取れませんゾ!)まったくこんなストーリーを考える真保裕一の脳の構造はどうなっているのだ?彼こそ奇跡の人?と思ってしまう。ぜひ彼の脳の断層撮影画像を見てみたい・・・。
奇跡の人Amazon書評・レビュー:奇跡の人より
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No.5:
(5pt)

文章表現力に脱帽

 交通事故により、記憶を失った31歳の相馬克巳が病院でのリハビリを終え、社会に出てから自分の不可解な過去を探す話である。 体は大人だが精神年齢・社会経験は中学生レベルしかないため、主人公の行動は大人の部分と子供の部分が交差しており、その行動に対し、「いや・・その考え方おかしいぞ」と読んでいて突っ込んでしまう自分がいる。真保裕一先生の文章表現力によりまんまとその策略に嵌ってしまう。 かなりのページがあるのにスラスラと読めた所を考えてみると、結構面白く、また、人の人生について考えさせられた小説でもあったと思う。
奇跡の人Amazon書評・レビュー:奇跡の人より
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No.4:
(4pt)

そっとしておいた方が

冒険物のホワイトアウトとは違って、淡々とした感じでストーリーが語られていきます。主人公の相馬が誘惑に勝てず、自分の失われた過去を捜し始めてしまうのですが、もし今がうまくいってるのなら、知らなくても構わないことは、そっとしておいた方がいいのかもしれません。例えば恋人の過去とか。考えさせられる作品です。
奇跡の人Amazon書評・レビュー:奇跡の人より
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No.3:
(4pt)

引き込まれます。

かなりのボリュームのわりに一気にすんなり読める本です。話の構成、文章力ともに非常に優れていて、真 保祐一の才能を感じます。心理描写の素晴らしさに感服してしまいます。
奇跡の人Amazon書評・レビュー:奇跡の人より
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No.2:
(4pt)

傑作!!!

最後まで読み飽きることなく一気に読ませる作品の優れた構成はもちろんのこと、読者にものすごい充実感を与えてくれる一冊です。半年後ぐらいにもう一回、そしてまた忘れたころにもう1回と、何度も読み直したくなるような作品です。ぜひ1度読んでみてください。
奇跡の人Amazon書評・レビュー:奇跡の人より
4048730495
No.1:
(4pt)

こんな結末もアリなんだ!

一言で言うと、交通事故前の記憶を失った男が、自分の過去を探す物語なのですが、これが途中からとんでもない展開になって行きます。正統派の小役人シリーズとは違って、この作品は最後に奇襲攻撃を食らってしまう心理劇なので、前半のペースに騙されないようにしましょう。それにしても、真保氏は人物を描くのがうまいなあと感心してしまいます。かなり強引なプロットなのに、ついつい引き込まれて涙する人(僕もですが…)も多いのではないでしょうか。やはり、登場人物たちが生きているからでしょうね。短編でもいいから、続編を読んでみたくなりました。
奇跡の人Amazon書評・レビュー:奇跡の人より
4048730495

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