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繋がれた明日
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繋がれた明日の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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少年法、加害者側が主人公の小説は読んだことがあり新鮮さはありませんでしたが、さすがの筆力でぐいぐい読ませます。 1時間位で一気に読めました。それだけ読ませる力がやはり著者にはあります。 よく比較されている「手紙」よりこちらの方が加害者当人の葛藤、甘えがリアルに描かれていました。 給料が低い現場作業でがんばっていく姿勢に好感を持ちましたし、これからまさに「明日に繋がる」という感じで終わり方もすっきりしていました。 つまらない理由で殺人を犯してしまった、その代償をいかにして払うのか、被害者に対してどういう感情を抱いているのかよく取材をされているようで、自分ならどうかと考えさせられました。 嫌がらせをされるシーンなどは貫井徳郎先生の「空白の叫び」で読んだことがあるのでまあそういうこともあるわな、程度にしか感じず。 「空白の叫び」は同じく少年法・殺人加害者視点で書かれており非常にインパクトの強い作品だったので、先に読んでしまっていたため、こちらの作品はマイナス評価に思えてしまいました。 | ||||
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激情に駆られて犯罪を犯した主人公が刑期を終えて仮出所する。しかし彼を待っていたのは厳しい現実であった。 このような事実を想像することは容易だろう。しかし、その立場になった人がどのような思いを持って生きていくかは想像を超えている。この小説によって自分をその中に置いて追体験することは貴重なことかもしれない。 ストーリーをリアルにするためかもしれないが、主人公はあまりに多くの欠点に満ちていて、感情に流されるし、悪いと分かっていても自分を止めることが難しい。 主人公に共感できる人は良いが、そうでないと精密な心理描写はしんどい。主人公に向かって、そんなことはやめろよとか、もういい加減にしろと思いながら読まないといけない。 多くの人に共感されるような主人公は、欠点があっても、愛すべき面がそれを補うような人だろうが、本書の主人公はそうではない。 同情の余地はいっぱいあるけど、たぶん多くの人にとっては共感できない。 共感することができた少ない読者にとっては良い作品だろうが、私にはしんどい読書であった。 同じテーマで、同じ主人公であってももう少し良い面を強調することでずいぶん違ってくるだろうと思う。 | ||||
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殺人罪で服役した人々の心情描写は、そういう経験のない者にとっては「そうなのかもなあ」と納得する部分はあります。 殺したのは悪いことだ。確かに自分が最も悪いんだけれど、「あいつが彼女にちょっかいを出さなければ」「あいつが殴ってこなければ」「あいつがウソの証言をしなければ」「じいさんが飛び出してこなければ」と被害者側を恨む気持ち。 道徳的にはいけないことだけれど、だからこそ人間的という気もする。 ただ、展開として「どうして証言者に会いに行かなければならなかったのか」がわからない。ナイフを使ったという「明らかな非」がある主人公隆太を真に”更正”するに至らせるために強引に持っていった感がある。 | ||||
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決して殺そうと思ったわけではない。それでも結果的には人を殺してしまった。そんな主人公が刑期を残して仮釈放される。家族や保護司に支えられ、新しい職場など、社会にどうにか馴染んでいけるか、と思った矢先のビラ。そこには主人公の過去の犯罪が書かれていて・・・。 警察も地域の人も結局は殺人者としか見ていない。ビラによって過去を知られたとたんに周囲の人の向けてくる目は変わる。社会を信じられなくなるのも無理はないと思いつつも、そんな中であってもどこまでも味方をしてくれ導いてくれる人は必ずいる。保護司、職場の社長や同僚、昔の仲間、そして家族。主人公はそうした人たちに支えられて立ち直っていくことができるのか。 テーマがテーマだけに重いものではあるが、犯罪をおかした者の立場や被害者の立場、第三者の立場などそれぞれの人の立場で考えることができる。 | ||||
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仮釈放となった、主人公を待つ、中傷、昔の仲間、家族。そして、暖かく見守る保護監察官、被害者の家族、同じ時期に仮釈放となった仲間たち、新しい職場での同僚。主人公は立ち直っていくのか、周囲の人たちは気持ちを整理できるのか・・。重いテーマの作品ですが、筆力で、読みやすい作品になってます。事件っぽいことも起こりますが、それよりも、主人公の考えや気持ち、周囲の人たちの気持ちの揺れ、が描かれています。不器用で周囲にあわせたり、自分を上手く表現できない主人公、世間の冷たい目。とちょっと、ステレオタイプな印象が強いような気がしました。サスペンスやミステリーの部分に期待すると、肩透かしかもです。読んだ後の感想は「重い」。読むより、読んだあと、シンドイ、珍しい本でした。 | ||||
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主人公は、殺意は無かったとはいえ、自分の彼女にまとわりついていた一人の男を結果としてナイフで殺してしまう。そして刑務所での月日は過ぎ、七年の刑期満了を前に仮釈放を迎え、社会で働き始めることとなる。しかし同時に、彼の顔写真と彼が殺人を犯したときの新聞記事が一緒になったビラが街中に撒かれてしまう。そしてこのビラの波紋は、彼は勿論、彼の家族や彼の会社など、あらゆるところに広がっていく。彼はこの悪意に満ちたビラを撒いた人間を探し始めるのだが・・。罪とは何か、罰とは何か。果たして罪は償えるものなのか。救いはそこにあるのか。答えは読者一人一人に託される。こういった重いテーマは、評論として書いたほうがラクだろう。しかし真保氏はそれを小説の中に上手く描き出した(彼は評論家ではなく小説家なのだから当然なのだが)。犯罪という過ちについて考える契機となる一冊である。この作品が気に入った方は、東野圭吾氏の「手紙」という作品もおすすめする。こちらも罪と罰について考えさせられる作品だ。 | ||||
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若気の至りで殺人を犯した主人公の、仮出所後の苦難を描いた作品。私は、東野圭吾氏の『手紙』を読んでいないこともあり、犯罪者の出所後について書かれた作品を読むのは初めてですが、予想通り厳しい環境が描かれており、現実も同じ様に厳しいのだろうなあと思いながら読み進めていきました。この作品は、その厳しくつらい環境のなかで、主人公が心の成長を遂げ、殺人を犯した犯罪者として、憎しみの消えない遺族と向き合おうとすることの大切さに気付いていく過程が描かれていることが、焦点ではないでしょうか。申し訳ないという気持ちの反面、刑務所で罪を償ったという意識のある犯罪者と、刑務所ごときでは罪を償ったとはいえないと考える遺族の意識の違いが大きいからこそ、向き合わなければならないということは、主人公と母親および妹でも描かれており、実社会でも通じるものがあることを気付かせてくれました。ここまで書いてきたことと、星の数とに書いている本人もギャップを感じていますが、これはこの作品はいい作品だとは思いますが、この作品の前に読んだ真保作品である『発火点』の評価が低かったため、急に高い評価はつけにくく、あまり高い評価にはできませんでした。蛇足ですが、この作品の名脇役となっている保護監察官は、真保作品ひさびさの小役人シリーズ復活の前兆を思わせてくれまた。『ホワイトアウト』ほどの派手なものでなくとも、地味な主人公である小役人のために取材を重ねたことがわかる、初期の作品のようなものを期待したい。 | ||||
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6年前自分の恋人につきまとう男をナイフで殺してしまった隆太が出所した。保護観察の元1人暮らしを始め、解体業者で働く隆太、ある日彼の過去を中傷するビラが職場、自宅、アパートにまかれる………元犯罪者の苦悩を描く、ひねりのないあっさりしたエンディング、ミステリーじゃなかったんだ | ||||
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真保裕一の新刊が出たので早速読んでみた。「罪と罰を問うサスペンス巨編」というのがこの本の触れ込みだが、実際、主人公の気持ちを丁寧に追っているところはこの作者らしくて、「さすが!」と思わせる。犯罪を犯し、刑務所に入れられる時の気持ち、刑務所の中、そして仮釈放中の感情の変化を追っていく文章は、一気に読ませてくれる。ちょっと前に出た東野圭吾の「手紙」とカブるところも多くあってちょっと新鮮味に欠けたのも事実であるが、とはいえ、こういう真面目な作品もやっぱり大切ですね。 | ||||
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H野K吾さんの「手紙」と同じ題材を扱っているが、こちらは罪を犯した本人が主人公のお話。期待して読んで、最初はすごく引き込まれるけど、最後の終わり方がいまいちかな。好き嫌いの問題かもしれないけど・・・同著作の「奇跡の人」と似ているんだよね。「奇跡の人」方が断然いいかな。でも徹夜して読んじゃったんだよね。 | ||||
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