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彼女がその名を知らない鳥たち
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彼女がその名を知らない鳥たちの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.88pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全94件 41~60 3/5ページ
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前半はかなりしんどいですし辛すぎます。切なくてheavyです | ||||
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内容がすごい。 面白いとかじゃなく、すごい。 描写とか技術的なものは勿論だけどそうじゃなくて、感情がダイレクトに伝わってきて痛かった。 一文一文が痛くて悲しい。 ここまで心を動かされる作品に出会えることなんてなかなかない。 内容を思い出すだけで周りの音が止んで、本の中の世界に入り込んでしまう、不思議な感覚。 まほかるさんの作品は何冊か読んだけど、分かりやすくて…これといって好きな作品はなかったのに、この本だけは一生手元に置いておきたい衝撃的な作品。 | ||||
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読み終えたばかりなのですが。 まほかるさんは、二作目。 う〜ん‥なんとも不思議な気分になる小説を 書く方ですね。 嫌悪感なのか、喪失感なのか、悲壮感なのか。 登場人物それぞれに、嫌な印象を抱くのですが、ラストはやはりなぜか、切なくなりました。 陣治が悲しすぎました。 なんとも生理的に気持ち悪い男だと 感じていましたが、最後のあっけない行動には、一瞬にして、胸が苦しくなり、この男に対しての嫌悪感は薄れました。 きっとその後の十和子も幸せにはなれないでしょう。 | ||||
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出てくる登場人物が好きだとか、嫌いだとか ストーリーに感動したとか、自分には合わないだとか ラストシーンがいいだとか、悪いだとか そうことじゃなくて、 小説を書く、という力量のハンパなさに 衝撃をうけた。 人間を、 人間が、脳内で言語化する前の思考や感情や意識の、 その何もかもを、 こんなに書けるのってすごいと思う。 | ||||
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過去に、ある男にひどい目に合わされ捨てられたトラウマを抱え、そこから抜け出すことができないまま、別の男と暮らしてる主人公・十和子。現在の恋人である男を嫌悪し、責め立て、空虚な日々を過ごす。 物語の前半は、主人公・十和子の、すさまじく歪んだ心の闇ががダラダラをつづられており、読んでいて本当に不愉快な気持ちになります。 この作品は、ただ嫌な気分にさせるだけで、本当にミステリーなのかと思ってしまう展開ですが、最後の最後まで読めば、一応ミステリーであることが分かります。 この作品を恋愛小説ととらえることもできそうですが、私はそれとはちょっと違う気がしました。 作中には、元カレ・黒崎と、新たな男・水島が出てきます。この2人の男との恋が、十和子を狂わせてしまうわけですが、読んだ人は「十和子は男を見る目がない」と思うことでしょうが、ただそれだけに過ぎないと感じます。 黒崎とうまくいかなくなった時、「黒崎なしでは生きていけない」 水島とうまくいかなくなった時、「水島なしでは生きていけない」 十和子の心理描写には、この表現が出てきます。十和子は、特定の”誰か”を愛しているのではなく、ただ”彼ら”に依存せずにはいられない女性なのです。黒崎との別れから物語がスタートしたように見えますが、きっと十和子は、父親不在という家庭環境で育ったため、男性依存(恋愛依存)の気質をもともと持っており、黒崎と出会う前からすでに壊れていたのではないかと思います。 心理学的に、こういう人格障害を持つ人は、若い女性に多いそうですが、そういった病巣を描いた作品のように思いました。 そういう意味で、とても興味深い作品で傑作だと思いますが、ラストシーンで意味することが理解しづらいものがあったのが残念でした。 | ||||
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小説を2度も読み返すことはないのですが、この本は何度読んでも溢れ出す感情を堪えることができません。 涙で文字が読めないと言う現象もこの本意外にありませんし、毎回最後は叫んでしまいたくなります。 | ||||
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この作者、非凡な恋愛経験をしてきたんだろうなとは思えない内容。 男と女の書き方。 主人公の女と、その男のだめさ加減。 女が昔付き合っていた男のダメさ加減。 今、女が浮気している男のダメさ加減。 物語のつながり方と、やっぱりそうだったねのと思うダメな展開。 そして、最後で落とされた本書を読んでいる自分。 自分の想像力のダメさ加減さえも認識。 どの登場人物も味がある。 古本屋で作者の名前もしらずに買ったが当たりだった。 自分も妻に「よーく体ほぐしてやるからな」と言ってみたい。 | ||||
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最後の陣冶の行動が納得できなかった。 こういう執着の強い男は自殺しないのではないか?陣冶のオズオズとした十和子への性的欲求や、十和子の陣冶に対する生理的嫌悪感は面白かった。 十和子は精神障害か知的障害にしないと理解できない人格でした。 | ||||
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買ったまま長らく放置していたのを見つけて、外出用のバッグに入れた。 恐らく新聞と帯の宣伝文句につられて買ったのだろうが、その文句を忘れてしまったし、カバーがかけてあるので読めない。それでかえって先入観なしに読めた。 前半は純文学のような感じで、格差のある男女関係を、「格上」の女性の視点から、「格下」の男性に対する冷酷ではげしい嫌悪感と、そのような相手に依存しなければ生きられぬ事情をかかえた苛立ち、そして、以前自分を捨てた「同格」の男に対する変わらぬ思慕の情が綿々と綴られる。 読み始めの頃は確かに不快感を覚え、中断しても平気であったが、それでも読み進むにつれて先が知りたくなり、警官が訪ねてくるに及んで、やっとミステリーであることにも思い至った。 更に進むと、これまでに出尽くしたパターンの一つであるとの推測が容易についたが、出尽くした以上それはやむをえないことなので、それで興味がそがれるということはなかった。むしろどうやってそのパターンへ持っていくのかという面白さが加わった。そして、予想以上の結末も用意されていた。 「格下」の男の方の心情や行動もかなり純文学的で、まるで谷崎の世界である。後味は、私の場合そんなに悪くはなかった。 | ||||
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読んでから作者がイヤミスの騎手と称される作家であることを知った。 なるほど、心がざわつく作品だ。 物語は主人公 十和子の視点で描かれる。この手の作品は主人公にすんなり感情移入できれば容易に読み進められるが、彼女に感情移入できる読者はそう多くはないだろう。そうした意味で、前半は読むのが辛い。主人公の空虚で膿んだ日常と同居人 陣治への嫌悪感が繰り返し語られ、澱んだ沼のような様相だ。作者は何故、読者に反感を抱かせるような女の視点で物語を描いたのだろう? その疑問はラストの大どんでん返しで解消される。中盤、水島という男が登場するあたりから、停滞していた物語が徐々にうねりを見せ始める。ラストは怒涛の滝の如しだ。 人は誰しも一人称の世界を生きている。そう、この主人公 十和子のように。彼女は物事を全て自分の都合の良いように解釈する。自分を利用しボロ雑巾のように捨てた男でさえも「それでも彼は私を愛していた」と信じようとする。何と哀れで愚かな女!と呆れる一方で、程度の差はあれ、実は自分も彼女のように知らず識らずのうちに都合よく事実を歪めて解釈しているのではないかという疑念を抱くに至る。 大抵の人は自分の認識は「正しい」と思っている。しかし本当にそうだろうか。自分を傷つけないために、自分を守るために、「勘違い」しているだけではないのか? この小説を読み終えると自分を取り巻く世界や人が少し違って見えてくる。心がざわざわするのはそのせいかもしれない。 人間の弱さ、ずるさ、えげつなさ、人間社会の欺瞞・・・暗部が暗ければ暗いほど浮き彫りになってくるある種の純粋さ。しかし、その純粋さに救われるという単純な話でもない。人間の業の深さ、しようもない生き物であることにあらためて気づき、一種の覚醒を得られるというのがこの作品の一番の効能かもしれない。 これは夢や希望に満ち溢れた時に読む作品ではない。自分を取り巻く世界を別な視点から見つめ直したいと思うときに読むことをお勧めする。 そして、読後は痼りとなっていつまでも心に残る。そのことを覚悟して読まれたし。 | ||||
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過去に別れた男 黒崎への思いを引きずりながら、ひとまわり以上年上の陣治と暮らしている十和子。十和子は、虫唾が走るような嫌悪感に苛まれながら、陣治に依存している。陣治は、十和子の理不尽な罵倒や行為に耐え、卑屈ともいえる態度をとり続けるのだった。そんななか、十和子に疑念が生じ始める。八年前に忽然と失踪した黒崎は、陣治に殺されたのではないかと ・・・ 「野卑、下品、下劣、卑小、卑屈、貧相、滑稽、粗野、不潔、小心 -死ネ、オマエナンカ、死ネ。」 食事時、陣治の差し歯を入れなおすのを見た十和子の心の叫びである。これはもう嫌悪感というより、憎悪に近いわけだが、ある時は言葉に、ある時は行動に出し、十和子は陣治をいたぶっている。生活のすべてを陣治に頼りながら、モラルハラスメントを繰り返す十和子。女性の中でくすぶる嫌いな男性の描写が、戦慄をおぼえるくらいに凄味がある。十和子の、ひとつひとつの行動に嫌悪を積み重ね、沸騰していく描写にうんざりさせられるのだが、ここは著者の力量ゆえなのだろう。 黒崎に心身ともに蹂躙されていながら、まだ忘れらない十和子。十和子は、百貨店の店員 水島に黒崎の面影を見、逢瀬を重ねるようになる。黒崎にしても、水島しても、十和子が心を傾ける男は、実に嫌なヤローである。この品性下劣な男の描き方も絶妙だ。自覚していながら、都合の良い女に仕立てられていく十和子。十和子は、陣治を蔑むことによって精神のバランスをとっているのだろう。 十和子と陣治の奇妙な関係は、陣治の黒崎殺害の疑いから綻びを見せ始める。はたして、陣治は黒崎を亡きものにしたのか。水島へ執拗な嫌がらせをおこなう陣治を見て、十和子は確信を深めていく とつづく ・・・ 事件そのものの結末は、おおよそ見当がついてしまうので驚きはない。ただ、締めくくり方は予想外で、思わずキュンとなってしまったよ。 | ||||
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中盤、主人公の、同棲相手である陣治に対する嫌悪感の描写が延々と続き、ページをめくる手が重たくなりましたが、それもその嫌悪感の淵にミステリーの鍵があると分かると納得できました。推理小説としての展開は途中から読めてしまいましたが、恋愛小説としての結末が物語の最後に華を添えていて、頑張って読み進めて良かったと思えました。彼女が向きあうことを恐れ、封印して、存在すら忘れてしまった鳥たちが最後に自由に羽ばたいたのだと、私は読みたいと思います。 | ||||
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最初から最後までずっと引き込まれる不思議な小説です。読み終わったあとも、しばらくずっと、登場人物たちのことをいろいろ考えてしまいます。 | ||||
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迅速なご対応で助かりました。「非常に良い」状態の書籍を購入したところ、本当にきれいで安心しました。 | ||||
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人を愛するとはどういうことかを考えさせられる作品でしたが、 好ききらいが分かれる作品だと思いました。 | ||||
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この小説を読むと不快感が込み上げてくる、理由は何故、報われないと知りながら主人公を愛し続けた一人の男が余りに哀しかったからだ。 確かに、主人公にも同情するべき部分はあるが、過去の恋人の失踪が、陣治の仕業ではないかと疑惑を抱くなど・・・何度、この本を投げ出したく なったことか・・・でも結局、最後まで怒涛の勢いで読んで涙が止まらなくなっていました。とにかく、最後の文章でこの本は見事に今までの展開を 一掃してしまっている、ひとりの女に全てを捧げる、ひとりの男の生涯。見返りを求めない究極の愛。 | ||||
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この作者さんの傾向ではあるのですが、毎度読んで不快感をもよおすのに なぜか「もう読まんわ」とならないのが不思議です。 ただ、心が重くなるので人によっては読む際に少し準備というか心構えがいるかもしれません。 | ||||
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ラストシーンまでは、殆どの文章が読み手の心に、言いようの無い苛立ちに似た不快感をもたらすでしょうね。 でも 最後の1ページとそれまでの不快な307ページは、多分秤にかけたら釣り合うと思います。 | ||||
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まほかるにやられた! 最後の12文字に救われながらも、頭から離れない、、 泣ける本だよとか純愛だよなんて陳腐な言葉では、 説明できない。 もう陣治が、いとおしくて切なくて。。。 正直読み進める途中、十和子にイラつき投げ出したくなるのですが、この先どんな展開なんの?という気持ちで読みました。 一機に読むのをオススメします。 最後の12文字にすっと涙がながれるとおもいます。 えぇ小説やなぁ。。。 | ||||
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9月が永遠に続けば から沼田さん二冊目。 前作と同じように不快な描写の関西弁の下品な男が登場し、それがまた違った意味で不快だった。 これがこの作者のパターンかと。 引き出しの一つとして関西弁の下品な男を描くならまだしも同じような人物がまた登場してくるとは。 パターン化すると、さすがに悪趣味である。 前半は下品な男とそれに依存する女の間の不可解かつ不快なやりとりが交わされる。 後半は女の方が妻帯者との浮気にのめりこみ、そちらにも依存を深めていく。 表現が相変わらず上手いので読んでいて苦々しい気持ちになる。 二重に不快だった。 がラスト数ページで展開が一点する。 読中の不快感と作者に対するうんざり感が一掃されてしまった。 陣治の不器用で報われない愛情表現に、愛することの本当の意味があるような気がした。 自己陶酔としての愛。自己犠牲としての愛。自己救済としての愛。 それでも陣治は一人の女性を愛し続けたのだと思う。 これはサスペンスではなく恋愛小説だと思った。 | ||||
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