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犬博物館の外で



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【この小説が収録されている参考書籍】
犬博物館の外で (創元推理文庫)

犬博物館の外での評価: 3.75/5点 レビュー 4件。 Eランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.75pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(2pt)

6作目にしてだんだん飽きてきたのかも・・

キャロルは何十年も前に翻訳されているものは一通り読んだのですが、ふと気が向いて「蜂の巣にキス」を再読、やっぱり面白いと思い最初から順に読み始めました。ちなみに内容は、インパクトが強烈だったデビュー作「死者の書」以外はきれいに忘れていて、情けない限りです。

順番に読んできて、この6作目、「月の骨」シリーズでは4作目を読了したのですが、ここへきて、う~ん・・となってしまいました。正直あまりおもしろくなかったのです。それでなくても複雑で摩訶不思議なキャロル作品ですが、次の作品に進むにつれてだんだんと複雑に、そして伏線が多くなってとっ散らかってくるような印象。
それから、今回は主人公が好きになれなかったせいもありました。”俺は性格がよくない。他人にはよくしてほしいがお返しによくしてやる必要なんか感じたこともない。無作法、無神経、礼儀知らず。天才は何をやっても許される”という有名建築家。彼が自分の気分と奇想のままに突っ走り、気に食わないものには当たり散らし(ゆえにいつも怒っていると言われる)、堂々と2人の恋人を持ったあげくに修羅場になります。とにかくせわしい人物で、そのせいか作品全体が妙に騒がしくバタバタしているように感じてしまいました。

イスラム教徒の某中東の国のスルタンがイスラムで忌み嫌われている犬の博物館を作りたいという必然性もいまひとつよくわからないし、キャロルにはめずらしく中東の紛争までからんできますが、そんな要素を作品に入れる必要があったのだろうか。バベルの塔の話をからませたかったから?
映画脚本家と女優が両親だったので業界のことが書きやすいのはわかりますが、2作目からもうずっと映画業界の話ばかり。そして”天使”らしき人物が登場するのも毎回同じ。そのへんにもちょっと食傷してしまいました。けれど1992年の英国幻想文学大賞受賞作ということなので、評価の高い作品なのでしょう。

昔の記憶でも「キャロルもなんだかいまひとつになってきたなあ・・・」と感じた時があったのですが、このあたりだったのかもしれません。
さて、残るは「沈黙のあと」と「天使の牙から」のみ。とりあえず読み進んでみます。
犬博物館の外で (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:犬博物館の外で (創元推理文庫)より
4488547060

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