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ジョン・ランプリエールの辞書



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ジョン・ランプリエールの辞書の評価: 3.67/5点 レビュー 12件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.67pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全8件 1~8 1/1ページ
No.8:
(5pt)

美品にて満足しています。

とても綺麗な本でした。
大切に読んでいるところです。
ありがとうございました‼️
ジョン・ランプリエールの辞書 (上) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ジョン・ランプリエールの辞書 (上) (創元推理文庫)より
4488202039
No.7:
(4pt)

予想外の裏切り・黒幕

上下巻読了。

猟犬に噛み殺されて死んでしまった父親。
ジョンは、父親の遺産相続を契機に、父親が探し求めてしたものが何だったのかを調べていくうちに、英国東インド会社をめぐる陰謀、暗躍する秘密結社に辿り着く。
身の回りで起こる凄惨な殺人事件。自分が読んだ本に書かれていたような事件・事故が身の回りで起こる。父親が死んだのは、前日に読んだ本のせいではないか・・。妄想にとりつかれ、精神を病んでいるのでは心配になったジョンは医者にかかり、友人から辞書を書くようにすすめられるのだが・・。

端的にいえば、ランプリエール父子三代の、秘密結社に対する復讐劇(←いやいや、最後まで読むと実は・・・)なのだが、複線や、思わせぶりな登場人物、神話からの例えが多いので、読んでいて混乱してくる。
全てのナゾは、終盤になって徐々に判明していくのだが、それまでが長い。拡げられた風呂敷が、ものすごいスピードで収束していく感じである。

ルイ13世治下で行われたユグノー弾圧で、ラ・ロシェルが包囲され、イギリス軍が救援にかけつかるなかで、秘密結社の起こした行為や、ランプリエール(祖父)の行動は、物語のナゾを解く鍵になっている。
英国東インド会社の莫大な富とインドとの関係。港湾の喧噪などが描写されていて、臨場感がある。帆船好き・海賊好きには、面白いのでは。
フランス革命の前年までが小説の舞台となっている。民衆の力・抑圧への発散が、ドタバタの解決部分で予感させる。歴史に詳しいと楽しめるのではないかと思う。

ダン・ブラウンの小説『ダ・ヴィンチ・コード』のシリーズから漂う空気感を、そのまま18世紀後半に移行したような印象だった。

主人公のジョン・ランプリエールは実在の人物で、『古典籍固有名詞辞典』を著したのだそうな。この小説は、実在の事件、人物を混ぜ合わせながら、古典や神話のエピソードを織り交ぜながら、衒学的に謎解きをしていく物語となっている。
登場人物の回想シーンと「現在」とで、どちらの時間の事なのか、分かりにくい。
実は、読んでいて「評判の割には面白くないなぁ〜〜」と思ったけれど、予想外の黒幕や、仲間の裏切り等に、読者の側からも作者から良い意味で裏切られた。
ジョン・ランプリエールの辞書 (上) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ジョン・ランプリエールの辞書 (上) (創元推理文庫)より
4488202039
No.6:
(5pt)

まさに広辞苑なみの描写と情報量で圧倒する歴史エンターテインメント大作

主人公のジョン・ランプリエールが様々な体験をしていくうちに、さる結社の陰謀に巻き込まれ・・・というお話。
とにかく凄まじいまでのスケールでお話が展開する歴史小説で、文字通り辞書なみに登場人物、情報、事象が叙述されて、読者を翻弄する大作。並みの小説の4〜5冊分の質量で圧倒されること請け合いの書。帯に「エーコ+ピンチョン+ディケンズ+007」と書いてありますが、確かにそれぐらいの情報量、情緒量で最後まで読むと、色々な所に連れまわされ、へとへとになりました。
個人的な感想でいえば、バース「酔いどれ草の仲買人」とカーズワイル「驚異の発明家の形見函」を足してそこに当時覇を競っていた大きな勢力の謀略を絡めた歴史サスペンスと思いましたがどうでしょうか。
あまりに濃密に書き込まれていて、読んでいる間は悠揚陶然な気持ちになりますが、読み終わってから凄まじい疲労を感じて脱力するので、これから読む方は覚悟して読まれることを書き添えておきます。決して万人向きではないですが、でも読んで損はしないと確信しています。
これを28歳で書いたという著者の膂力には感服します。これからの活躍にも期待しますし、他の著作も是非、翻訳して頂きたいですね。
ジョン・ランプリエールの辞書 (上) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ジョン・ランプリエールの辞書 (上) (創元推理文庫)より
4488202039
No.5:
(4pt)

衒学の海

 2000年に出た単行本を上下巻に分冊して文庫化したもの。
 Lawrence Norfolkの『Lempriere's Dictionary』(1991年)の翻訳。
 1780年代後半のイギリス、フランスを舞台とした歴史小説・推理小説。
 非常に贅沢な小説だと思う。古典古代、英文学、近世/近代・イギリス/フランス史、インドに関心のある人は、ぜひとも手に取ってみて欲しい。これらに関する無数のモチーフが散りばめられた小説なのだ。衒学的な色合いも強いが、各モチーフが、生き生きと工夫に飛んだ使われ方をしており、楽しくなること請け合いだ。
 高山宏とか荒俣宏などが好きな人にお勧め。
 ただ、小説として完成度が高いかというと、ちょっと疑問符を付ける必要がある。特に上巻では、謎が解き明かされる気配もなく、ストーリーは混迷を深めて行くばかり。文体にも問題があり、読者は混乱と食傷に悩まされるだろう。
 訳は素晴らしい。
ジョン・ランプリエールの辞書 (上) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ジョン・ランプリエールの辞書 (上) (創元推理文庫)より
4488202039
No.4:
(5pt)

超マニアック娯楽超大作

・ギリシャ・ローマ神話
・18世紀後半のイギリス、フランスの都市生活の様子
がもう嵐のように出てきまくって、テンポのいい文体と相まって情報量が非常に多いように感じられた。固有名詞はギリシャ語、ラテン語のカナ読みで表記してあるので、たとえばクピード(キューピッド)などなじみの薄い読みもある。それはそれで楽しい。翻訳は非常によいと感じた。
一応、推理小説。その展開には非常に驚かされる。先が読めるところもあるが、全体として意外性は抜群。
読むのには案外、時間がかかった。
ジョン・ランプリエールの辞書 (上) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ジョン・ランプリエールの辞書 (上) (創元推理文庫)より
4488202039
No.3:
(5pt)

言葉の魔術

非常に長い小説であるにも関わらず、退屈せずに読みきることのできる小説。La RochelleとLempriere一族との関係の謎で、読者を惹きつけ、種々の登場人間たちの回想で読者を幻想の世界に誘い込み、ギリシャ神話に準えた殺人により、読者にショックを与える。まさに、読者を退屈させない。特に、作者の表現は見事の一言。まるで、物語の場面に居合わせたように錯覚させる。若干、ペダンチックな傾向にあるかもしれない。しかし、読む価値有り。
ジョン・ランプリエールの辞書 (海外文学セレクション)Amazon書評・レビュー:ジョン・ランプリエールの辞書 (海外文学セレクション)より
4488016286
No.2:
(5pt)

時間がある時に一気に!!

驚くほど厚い本に小さな文字・2段組。手に取るには勇気がいる本ですが、一度読みはじめると寝る時間も惜しくなります。 神話、謎の殺し屋、辞書の執筆とめまぐるしい展開・主人公の現実と妄想が重なり合う・・・。ディケンズ・フーコー・007。すべての要素を兼ね備えた小説です。また、驚くべきことに主人公ジョン・ランプリエールは実在の人物です。(実際に彼が行動したことではないと思われるので伝記ではありませんが)固有名詞の辞典という着が遠くなるような作業をコンピューター無しでやり遂げた 彼の冒険を是非、体験してください。
ジョン・ランプリエールの辞書 (海外文学セレクション)Amazon書評・レビュー:ジョン・ランプリエールの辞書 (海外文学セレクション)より
4488016286
No.1:
(5pt)

イメージの間にたゆたう

読み出したら止まらない、けれど読み終えるのがもったいない、そして読み終えるともう一度読んでしまう。久しぶりに興奮する本に出会った。ギリシャ神話をなぞる連続殺人、東インド会社、ユグノー弾圧等などを、虚実ない交ぜにして一本の線で結んでしまった物語。その一本の線、筋を追うのも非常に面白い。事実に即した緻密な虚偽がちりばめられており『薔薇の名前』が好きな方は必ずや気に入るはず。しかし更に面白いのが、頭の中のイメージ、ビジョンの間をたゆたう事! 訳文のリズムの良さも手伝って、自然と頭の中に複数のビジョンが浮かび上がるのだが、読み進める内に、これらのビジョンにバリエーションが出来上がる。『フィネガンズ・ウェイク』のようにイメージの拡散で終わってしまうのではなく、拡散したイメージがきちんと集約されていく所も素晴らしい。昔ギリシャ神話を読んだのは、この本を愉しむ為だったのだと思えるくらいだ。
ジョン・ランプリエールの辞書 (海外文学セレクション)Amazon書評・レビュー:ジョン・ランプリエールの辞書 (海外文学セレクション)より
4488016286

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