ジョン・ランプリエールの辞書
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10年以上前に今は亡きあおい書店川崎店で購入したと思う本書が出てきて、再挑戦してみたが又も敗退してしまった。年取って忍耐力が減少したので、三度目の挑戦はもう無いだろう。著者は本書を書き終えたとき、この上ない満足感に浸ったのだろう。私は置いてきぼりにされたが。がまんして読み進めればきっと面白くなるんだろうと思うが、じらし、ほのめかし、思わせぶりで延々と引っ張るあざとさに耐えられる方向けの本だと思う。 | ||||
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とても綺麗な本でした。 大切に読んでいるところです。 ありがとうございました‼️ | ||||
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600ページの大作 これほどの大きさの小説だと読み通すには好奇心の持続が不可欠ですが、しょうじき、「もういいか」と2回ほど思いました。 読みきったのは根性でしょうかね。 舞台は18世紀末のイギリスとフランス。 古典学者の主人公ジョン・ランプリエールは父が殺害されて、彼の一族が17世紀前半からある謎をときあかそうとして非業の死を遂げてきたことを知ります。 そして彼自身図らずもこの160年前の秘密をめぐって次々に起こる事件に巻き込まれていきます。 作者はいろいろなエピソードを散りばめるといった手法で、一つの物語を語ろうとしています。 それは小説の手法として珍しくありませんが、前後の話がどう関係しているのか、わかりにくいように思います。 つまりプロットが変わると小説の経糸のつなぎ目が見えなくなってしまうのです。 それがために筋の焦点が定まりそうで定まらないまま、読者は終盤まで迷路をさまようことを強いられます。 さらに混乱を助長しているのが、筋の進行の書割を形成している精神と時代のふたつの背景です。 精神的背景としてあげられるのは、いたるところで語られるギリシア・ローマ神話です。 主人公が目にする現実さえ古代の神話の姿であらわれるのです。 ちなみにわたしがこの本を読んだきっかけは、ひとつに自身のグレコ・ローマン好きがあります。 もうひとつ、時代的背景とわたしが呼んだのは、17世紀のイギリスとフランスの状況が物語と深く関わるからです。 イギリスの東インド会社によるアジア経営、フランスにおけるユグノー弾圧とラ・ロシェル包囲とです。 主人公が両国の間の海峡に浮かぶジャージー島出身に設定されているのもそのためにでしょう。 この時代設定もデカルトに関心のあるわたしを引きつけた一因でした。 ですがギリシア・ローマの神話は取ってつけたような背景のようですし、時代背景も物語の展開に決定的な意味をもっているわりには描き方が薄っぺらです。 というわけで、この小説はかなり大規模な仕掛けの中で展開しています。 わたしはその設定に引かれましたが、作者にはそれが仇になったように思えてなりません。 その他、この小説にはファンタジーの要素が多々あります。 それも決定的な事件の場面において現れるのですが、それはいわゆるdeus ex machinaの使われ方であって、面白みはかえって削減されてしまいます。 小説は虚構であっても、らしい虚構のはずですが、この小説では虚構そのものでしかないのです。 最後に訳についても不満を述べておきたいと思います。 ただし原文と比べたわけではありません。 例えば地名、特にフランスおよびフランス語の地名に間違いが多々あります。 英語読みをしているのでしょう。 人名にも、たとえば神話中の人名にも?と思ったのがあります。 いちいち現地の地図や時点などで確認していないのでしょう。 固有名詞のほかにも、意味が通じない文章もみかけました。 こなれてはいるのですが。 | ||||
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上下巻読了。 猟犬に噛み殺されて死んでしまった父親。 ジョンは、父親の遺産相続を契機に、父親が探し求めてしたものが何だったのかを調べていくうちに、英国東インド会社をめぐる陰謀、暗躍する秘密結社に辿り着く。 身の回りで起こる凄惨な殺人事件。自分が読んだ本に書かれていたような事件・事故が身の回りで起こる。父親が死んだのは、前日に読んだ本のせいではないか・・。妄想にとりつかれ、精神を病んでいるのでは心配になったジョンは医者にかかり、友人から辞書を書くようにすすめられるのだが・・。 端的にいえば、ランプリエール父子三代の、秘密結社に対する復讐劇(←いやいや、最後まで読むと実は・・・)なのだが、複線や、思わせぶりな登場人物、神話からの例えが多いので、読んでいて混乱してくる。 全てのナゾは、終盤になって徐々に判明していくのだが、それまでが長い。拡げられた風呂敷が、ものすごいスピードで収束していく感じである。 ルイ13世治下で行われたユグノー弾圧で、ラ・ロシェルが包囲され、イギリス軍が救援にかけつかるなかで、秘密結社の起こした行為や、ランプリエール(祖父)の行動は、物語のナゾを解く鍵になっている。 英国東インド会社の莫大な富とインドとの関係。港湾の喧噪などが描写されていて、臨場感がある。帆船好き・海賊好きには、面白いのでは。 フランス革命の前年までが小説の舞台となっている。民衆の力・抑圧への発散が、ドタバタの解決部分で予感させる。歴史に詳しいと楽しめるのではないかと思う。 ダン・ブラウンの小説『ダ・ヴィンチ・コード』のシリーズから漂う空気感を、そのまま18世紀後半に移行したような印象だった。 主人公のジョン・ランプリエールは実在の人物で、『古典籍固有名詞辞典』を著したのだそうな。この小説は、実在の事件、人物を混ぜ合わせながら、古典や神話のエピソードを織り交ぜながら、衒学的に謎解きをしていく物語となっている。 登場人物の回想シーンと「現在」とで、どちらの時間の事なのか、分かりにくい。 実は、読んでいて「評判の割には面白くないなぁ〜〜」と思ったけれど、予想外の黒幕や、仲間の裏切り等に、読者の側からも作者から良い意味で裏切られた。 | ||||
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主人公のジョン・ランプリエールが様々な体験をしていくうちに、さる結社の陰謀に巻き込まれ・・・というお話。 とにかく凄まじいまでのスケールでお話が展開する歴史小説で、文字通り辞書なみに登場人物、情報、事象が叙述されて、読者を翻弄する大作。並みの小説の4〜5冊分の質量で圧倒されること請け合いの書。帯に「エーコ+ピンチョン+ディケンズ+007」と書いてありますが、確かにそれぐらいの情報量、情緒量で最後まで読むと、色々な所に連れまわされ、へとへとになりました。 個人的な感想でいえば、バース「酔いどれ草の仲買人」とカーズワイル「驚異の発明家の形見函」を足してそこに当時覇を競っていた大きな勢力の謀略を絡めた歴史サスペンスと思いましたがどうでしょうか。 あまりに濃密に書き込まれていて、読んでいる間は悠揚陶然な気持ちになりますが、読み終わってから凄まじい疲労を感じて脱力するので、これから読む方は覚悟して読まれることを書き添えておきます。決して万人向きではないですが、でも読んで損はしないと確信しています。 これを28歳で書いたという著者の膂力には感服します。これからの活躍にも期待しますし、他の著作も是非、翻訳して頂きたいですね。 | ||||
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