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雲上都市の大冒険



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【この小説が収録されている参考書籍】
雲上都市の大冒険
雲上都市の大冒険 (創元推理文庫)

雲上都市の大冒険の評価: 3.67/5点 レビュー 12件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.67pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全12件 1~12 1/1ページ
No.12:
(4pt)

リアリティは最初から無視した奇想天外冒険探偵小説風味

鮎川賞受賞作の山口氏のデビュー作。選考委員の意見を見ると、この年は不作で本作もあまり積極的には推されていないご様子。
第二次大戦前後を舞台にした完全にリアリティは無視した江戸川乱歩の少年探偵団的な探偵冒険小説風味である。
本格ミステリーであり、不可能趣味に溢れた地下牢からの脱獄殺人トリックが最大の謎となるが、そのトリックもいわゆる机上の空論状態であり、現実には選考委員も指摘する通り、実行不可能だろう。
だが、最初からそういうものだと開き直っている作風のためそれがかえって面白さを増している。
このメインの脱獄トリックは森氏のすべてがFになるの密室からの脱走トリックの発想を逆転させたもの・・・という印象を受けた。
雲上都市の大冒険Amazon書評・レビュー:雲上都市の大冒険より
4488023975
No.11:
(4pt)

古き懐かしき探偵小説の再現

まず鉱山都市の跡地をみてこれだけのストーリーを思いついた想像力の凄さには驚かされる。しかしミステリとしては、メインの脱獄トリックひとつで最後まで引っ張れるだけ引っ張った感があり、いまいちレベルが低い。まあこれを脱獄といえるのかとか、この動機でここまでするのかという突っ込みどころも多い。また犯人の意外性もあまり無い。ただ古き良き探偵小説の再現としてはきわめてよくできており、読んでいて楽しい作品である。真野原と荒城のニ大(?)名探偵のキャラもうまく書き分けられており、気軽に読むには最高の作品と言えるだろう。
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No.10:
(2pt)

※ネタバレあり

鮎川哲也賞受賞の本作
登場人物の真野原探偵が何故か、京極夏彦氏の京極堂シリーズに出てくる榎木津探偵とキャラが被っているような気がしました笑

さて読み終えた感想ですが、ページ数がそこそこある割には、サクサク読め鉱山という独特の雰囲気も堪能できました。

ただ私が唯一気にくわないのは果たして三恵子
は殺す必要があったのか?
これは作中の犯人にではなく、作者に言いたい。そんな場面書く必要があったのか?

こんな歌詞があります
"ダメな映画を盛り上げるために 簡単に命が捨てられてゆく"
ダメな小説だとは思いません。
ただ、何故かわかりませんが、三恵子が殺されたシーンで一気に白けてしまいました。
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No.9:
(4pt)

鉱山の事件

2007年に出た単行本の文庫化。
 「大冒険」シリーズの第1弾。
 荒城咲之助と真野原玄志郎の二人の探偵が活躍する。東北の高い山の上に開かれた硫黄鉱山が舞台となって、陰惨な復讐劇が起こるという話。
 23年ものあいだ地下牢に幽閉されていた囚人の脱獄トリックがメインであり、その何重もの仕掛けにうならされた。
 探偵が二人いるという点がミソ。二人の役割分担と、それによるストーリー展開が巧みだと思った。
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No.8:
(5pt)

宮内洋(V3)風な探偵とライダーマン風な探偵が登場

鉱山の発達に依り建設された近代的な都市を舞台に起こる連続殺人を、ライダーV3を演じた宮内洋風な白スーツに帽子の有名探偵と、ライダーマンの様に各種の義手を操る自称探偵の、二人の探偵(二人組ではない)がそれぞれ別個に事件を負い解決する面白い構成の作品。狂言回しである主人公の視点で語られるが、如何にもヒーロー風な探偵と、何処か変な義手探偵が魅力的。
トリックは、そんなの不可能だろ・・・と云いたくなるもので推理小説としては「?」だが、エンターテイメントとしては上々。
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No.7:
(2pt)

受賞作でなければ評価したい

鮎川賞受賞作なので、期待していた。
実は、ネットでの評価はバラバラだし、本格度が低いという評価も、読む前はちょっと心配だった。
そして、その心配は現実だった。

そもそも鮎川賞は、かなりレベルの高い本格ミステリの新人賞だったはずだ。
だから、初期には受賞者以外でも二階堂黎人、篠田真由美、柄刀一、西澤保彦など、のちに作家として成功した多くの人材が集った。
霞流一や貫井徳郎もそうか。
しかし、本作は本格?
私も本作の本格度はかなり低いと思う。

著者は本作での受賞後、多くの作品を刊行しているし、そういう意味では受賞に価しないわけではなかったのだろう。
でも、鮎川賞ではない、と思う。
本作の前年の受賞作が麻見「ヴェサリウス〜」だったことから、この時期の鮎川賞の志向として、いわゆる“探偵小説”があったのかもしれない。

そう、本作は、古き良き“探偵小説”の雰囲気がふんぷんするのである。
そして、その雰囲気の分、本格度が低い。
奇妙で奇矯な探偵の造形、そして探偵役がアクティヴに活動し、解決のロジックは一応あるが浅い、という、典型的な戦前ミステリのスタイルを踏襲している。
これは、著者の意図的なものだろう。
しかし、端正なロジックの本格作品、という鮎川賞の当初の趣旨とは、微妙なズレがある。

依井貴裕や二階堂黎人が鮎川賞の初期に、本賞に応募したのは、徹底したロジックの本格作品を現代に蘇らせたい、という意図があったと思う。
新本格ムーヴメントはすでに発動していたが、まだまだ本格のシェアは少なかった時代である。
もちろん、ミステリも時代とともに変化していく。
でも、謎と論理のエンタテインメント(都筑道夫)という本格ミステリの血脈は、変わることはないはずだ。
そして、その血脈を守るために存在するのが鮎川賞だったはずである。

本作が受賞作でなければ、原点回帰を試みたミステリとして評価したい。
私はこういう作風、けっこう好きなのだ。
でも、受賞作としては、評価したくない。
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4488023975
No.6:
(4pt)

真野原(じっちゃん)&殿島の大冒険?!

荒城と真野原。二人の探偵が活躍する物語です。

今回のお話は、その第一話。
いわゆる登場編とも言うべき作品なのですが…。
探偵の一人荒城は途中で○○。
なので、今回は真野原と殿島(民事専門の弁護士)の大冒険って感じのお話でした。

本のボリュームのわりには、サクサクと読みやすい作品です。
探偵小説の入門書って感じで読んでみてもいいかもしれませんね。

ちなみに、真野原の孫が活躍する話もありますので興味のある方はそちらも読んでみてはいかがでしょうか。
妖精島の殺人(上) (講談社ノベルス)

探偵活劇の作品として星4つ。
ミステリとしては星2つ半ですね。
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No.5:
(4pt)

予測できない

表紙と内容紹介で気になり、購入しました。

キャラクターの個性が強く、楽しく読むことができる作品かと思います。
予測できない犯行に緊張し、解けない謎は増えるばかり…
そして驚愕のトリック。これは本当に「驚愕」で、読んでいてもこれは予測できませんでした。

内容紹介から、二人の探偵が互いに協力し合い盛り上がっていくものと思っていたのですが、
想像していたより二人の絡みが少なく、交互に登場するような展開でした。
そこに期待していた部分が大きかったので☆4つで。

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4488023975
No.4:
(4pt)

読みやすい

昭和の鉱山都市で起きる、執念をめぐる殺人事件。
どこか懐かしさと寂しさを感じさせる世界観。
キャラクターは、学生服と義手を身につけた奇異で大胆な行動の目立つ饒舌家な真野原と、
二枚目かつカッコつけな荒城、
この二人の探偵と関わりながら物語の進行役を務める主人公、の三人がメインとなります。

その軽い掛け合いやキャラクターの立て方は少々ラノベ的であるため、
お堅い雰囲気の小説を求めている人には合わないでしょう。
表紙に惹かれる人には間違いなくオススメです。

肝心のミステリ部分は確かにぶっとんでると言えますが、犯人の執念を感じさせられました。

個人的に面白かったので、続編もぜひ文庫化してもらいたい。
匂わされている真野原と荒城の過去も気になり、先が楽しみです。
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No.3:
(3pt)

まさに大冒険!

とても面白い冒険探偵小説です。獣のような男が、絶対脱獄不可能な監獄から消失するなど、謎も強烈で、ハマってしまいました。密室トリックが結構すごいなあ…。この作品の一番良いところは、スラスラと読みやすいところ。やっぱり、ミステリは楽しくなくっちゃ。
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No.2:
(5pt)

古くて新しい探偵小説

江戸川乱歩や横溝正史を思わせるような探偵小説。
これが実に面白かったです。
前代未聞でメチャクチャなトリック(ホメ言葉です)、個性的で魅力的なキャラクタたち、読みやすい文章、皮肉のきいたユーモア・・・と見かけは古典的ですが、とてもポップで現代的。
たぶん「小説とはリアリティだ」と強く信じている方には向かないでしょう。しかし、「荒唐無稽でも、娯楽小説は楽しければいい」と思っている方にはオススメです。
ノリとしては、初期の黒澤明や宮崎駿に近い感じで、「日常的なリアリティ」よりもむしろ「ホラ話としての説得力」を重視しているように感じました。
こういう小説が、保守的(と思われがち)な新人賞から出てくるのが驚きです。
読んでいてわくわくするのは、ひさびさでした。
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No.1:
(3pt)

推理小説ではなく冒険小説

 戦前から戦後の混乱期に東北の鉱山都市を舞台にした探偵小説……と言って良いのかどうか。
 鉱山の地下牢に閉じ込められた男が20年後の脱獄と殺人を予告し、その20年後に男は牢獄から姿を消してしまう。起こってしまった連続殺人に登場する2人の名(迷)探偵。
 舞台設定や登場する義手の探偵など、魅力があって楽しいのですが、どんどんとストーリーが迷走していき、「そりゃないやろ!」と言いたくなるような謎解きに進んでしまいます。なんというか明らかに推理小説じゃないです……探偵小説というのも違って、冒険小説としか言えない感じです。
 不快感を覚えるほどではないのですが、鮎川哲也賞の受賞作がこれでいいんやろうか? と余計なお世話の悩みを抱えてしまうようになってしまいます。
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